第八章 お嬢さんは!?
「お
手続きを
「
鷲羽はカウンターの受付に向かって叫び、ついでに客を押しのけて受付嬢を
「早く! 誘拐犯は
「ギャラクシーポリスに
受付嬢は
「いいから見取り図を出してよ!」
鷲羽の
カウンターの案内図が3D見取り図に切り
「パーツ・ショップの近くよ。そう、それだわ」
その搬送用シュートは直接外空間の
誘拐犯がその事情を知っていたのは間違いない。
鷲羽が
「行きましょう、鷲羽さん。あの子を
鷲羽ははっと思った。
何を取り乱しているのよ。
私は宇宙一の天才科学者じゃないの。
ギャラクシーポリスに
鷲羽は手を伸ばすと、パネルのスイッチを切った。
「
鷲羽とジョージはあっけに取られている受付嬢を
その
「切られちゃった……」
「なに? 何があったのよ!?」
長
「それどころじゃないんだって。鷲羽さんがあんなに
「
「え? ああ、そうよね」
美星は、すみません、というように白ローブの男……リーに
「
灰色のローブを着た中年の修道女が阿重霞の顔を覗き込んだ。
「まだ意識が
清音は阿重霞から目を離さずに答えた。
あの後……
アタシたちは
魎呼が天地と一緒にスクランブル・ワープしてしまったことだけは分かっていた。
だが、どこへ?
見当もつかなかった。
アタシとガーディアンたちは阿重霞の
だが、
美星が
魎皇鬼が叫び、クリスタルたちの間に光が走った。
「魎皇鬼ちゃん! どうしたの!?」
美星が驚いて叫んだ。
「みゃあああああん!」
魎皇鬼が怒ったような鳴き声で答えた。
その時
「みゃああああん!!」
何が起こったのか
アタシは阿重霞を、美星は青蘭を、白ローブの男は司祭を、聖歌隊はお互いの体にしがみつくのがやっとだった。
その時、床が消えた。
同時にクリスタルもスクリーンも消えた。
アタシたちは宇宙の
それからはもっとパニックだった。
阿重霞は危うく宇宙の
その時、天の光かと見まごう金色のビームがアタシたちを包んだ。
布教キャラバンの
アタシたちは一人の
そう、アタシがしがみついたのは青蘭のブーツだったというわけだ。
清音は
長
あんなことがあった
質問の
美星とコンビを組んでいると、信じられないような不運にも出合うが、信じられないような幸運にも出合うのだ。
美星はまだ連絡がつかないらしく、アンシブルにしがみついている。
「回線が
美星は振り向きながら、言った。
「ブレスレットで割り込める
その時、
「雪之丞!? 雪之丞なのね? 一体何があったの!?」
「美星殿!! 大変なことになったでござる!」
モニターに雪之丞の
「今、鷲羽殿が戻って来て、事情を
「ええッ!?」
モニターがぱっと切り替わり、鷲羽の顔が大写しになった。
「と、いうことなのよ。私たち、今海賊の行方を追ってるの。雪之丞のデータには入ってなくってさ、合成写真を送るから、分かったことがあれば何でもいいから情報が欲しいのよ。布教キャラバンって何? 取り
「アタシと美星、それに阿重霞さんと青蘭がいるわ。砂沙美ちゃんが攫われたって、どういうこと?」
清音が割り込んだので、鷲羽はもう一度事情を
「それで、天地殿と魎呼は一体どこにいるわけ?
鷲羽の
清音が簡潔に、手短に今までの
「まったく、あんたたちの頭の程度にはうんざりするわ! 天地殿が人質にされたんならどうして魎呼を人質に取らなかったの? それぐらいの取引は思いついて当然だわ。
清音が
「天地殿と魎呼については何も出来ることはないわ。魎皇鬼ぶ飛んでったってことは、アストラル・リンクが回復したか、見当がついたか、どちらかだろうから、
「待って!!」
清音の背後で
「あの子に……砂沙美に何かあったのね! 砂沙美はどこ? 砂沙美を出して!!」
阿重霞だった。
モニターの鷲羽は青ざめた阿重霞がふらつく足取りで清音を押しのけ、アンシブルの前に倒れ込むように座るのを唇を引き結んだまま見ていた。
「鷲羽さん!」
鷲羽はそれから十秒は黙ったまま、阿重霞を見返していた。
「気分はどう、阿重霞さん」
「わたくしは大丈夫です。砂沙美は……」
鷲羽は手を上げて阿重霞を制すと、にっこり笑った。
「清音殿に伝えてちょうだい。私は宇宙一の天才科学者よ。私の辞書に不可能という文字はないわ」
モニターが暗くなり、しばらくして一枚の合成写真が
素晴らしいブロンドと、
「誰? この女」
阿重霞は合成写真を片手に周りを見回した。
「ここはどこなの? 魎皇鬼は!?」
「阿重霞様!!」
「まだお休みになっておられた方が……」
「ここは布教キャラバンの中でござる。我々は魎皇鬼に放り出されたところを救われたので……」
「どうしてわたくしがこんなところにいるのです!? 天地様と砂沙美を今すぐ取り戻すのよ! そしてあの海賊を死刑にするのです!!」
ガーディアンの言葉など全然聞いていなかった。
「阿重霞さん!?」
「そんなこと言われても、魎皇鬼がいなくなっちゃって……」
清音と美星の言葉も耳に入らなかった。
阿重霞の頭にあるのは、天地がいなくなってしまったという事実、砂沙美が
「船を出しなさい! 今すぐに! 全宇宙をくまなく
清音と美星は顔を見合わせた。
阿重霞の目には何も映っていないらしい。
「ど、どうしよう、清音。阿重霞さん……」
「まさか……」
考えられる限り、最悪の事態だ。
天地と魎呼は行方不明、砂沙美は
この上阿重霞までヘンになったら……。
「うるさいな!!」
事態を救ったのは男の
「女に
阿重霞の目が
一瞬のうちに
「海賊!!」
阿重霞の手が青蘭の
「青蘭! お前のせいで天地様は……天地様を返しなさい! 今すぐに!」
青蘭は右手で阿重霞の手を引きはがした。
「じゃあ、
「海賊が何を言う! 死刑にしてくれるわ!」
「じゃあ、あんたは何なんだ!? 皇女のくせに喚いて人に命令することしか出来ないのか!?」
阿重霞はぐっと
集会室にいた信者たちも、阿重霞についていた修道女も静まり返ってしまった。
「言い返さないところをみると、頭がおかしくなったわけじゃなさそうだな」
青蘭は立ち上がり、阿重霞の手にしていた写真を引ったくった。
途端に、手首を
「そこの刑事二人! どっちでもいいからこの
「外しちゃダメよ! こいつは人殺しよ! わたくしは許しません」
阿重霞が一歩も
「阿重霞さん!」
美星は青蘭を無視して
「良かったぁ。阿重霞さんまでおかしくなったらどうしようかと思ってたの。とにかく気を確かに持ってくださいね。ね?」
「何よ。わたくし、そんなにヘンだった?」
阿重霞はバツが悪そうに聞き返した。
だって、それしか考えられなかったんですもの、と心の中で言い添える。
「そりゃあもう」
美星の
「無理もないですけど。最初が天地さんで、次が魎皇鬼、その後がこれでしょ? 私だって泣きたいわ。でも、泣いちゃいけないのよね。だって私たち、ギャラクシーポリスの刑事なんですもん」
「美星!」
清音が肩を
「泣くんじゃないわよ。泣いたりしたら任務
「清音……」
美星の
「地球に帰りたいわ。岡山にいればこんなことにならなかったのに。私たち、何にも悪いことしてないのに、どうしてこうなっちゃうの!?」