第七章 そのころ砂沙美と鷲羽は……



 そのころ鷲羽わしゆうは、巨大なドーナツ形のコンビニ・ステーションにていはくし、今までの退たいくつを返上するかのように遊びまくっていた。

 シャトルではゆきじようが留守番兼れんらく係を買って出て、不眠不休でほしの連絡を待っていた。

 コンビニ・ステーションはつうしようであって、決してそこらで見かけるような、地下けいつながっていて一晩で生えてくるといういててよかった式の店ではない。

 が、コンセプトはそう違わないかもしれない。

 主要こうに沿って点在するそのステーションには、宇宙旅行に必要なものから必要でないものまで、実に様々なものがそろっていた。

 飲食店は元より、食料品、衣料品、日用雑貨のたぐいから補修用のパーツ類、ゲームセンターなど、ちょっとした総合サーヴィス・ステーションの機能もあわせ持っている。

 砂沙美と鷲羽は、広大なステーションのすみずみを見て回り、何に使うのか見当もつかないようなスプレー缶やとても食べられるとは思えないパック入りのスナックなどを見つけては、大笑いしていたのであった。

 そしてこんな宇宙の真ん中にも、もし我々地球人が訪れたとして、必ずほっと一息つけるような店があった。

 地球上においてはほうで増え続け、世界中の食生活を均一化してしまうのではないかといわれているファースト・フード・ショップである。

 砂沙美と鷲羽がその店に入ったとたん、かんはつを入れず「いらっしゃいませ!」という、共通語のあいさつが聞こえてきた。

「何になさいますか」

 砂沙美は店内を見回し、カウンターのメニュー表をながめ、これとこれ、と指さした。

「ハンバーガーにシェイクですね」という答えが返ってきた。

「ご一緒にポテトはいかがですか」

「あー、ポテトはいらないわ。コーヒーとアップルパイもね」

 鷲羽が後を引き取り、私は宇宙一幸せなロボットです、というようににこにこしている接客係を見回した。

「お支払いはカードになさいますか、リアル・マネーになさいますか」

 接客ロボットはにこにこしながらトレーを押しやり、鷲羽はギャラクシーポリスのマークが入ったカードを差し出した。

「これでお願い」

 ロボットはにこにこしながらそれを受け取り、レジに差し込んだ。

「結構です」

 カードを返し、上体を四十五度に倒す。

「ありがとうございました。ごゆっくりどうぞ」

「余計なことかもしれないけどね」

 鷲羽が重くなったトレーを持ち上げながら言う。

「あんた、ネジが一個外れてるわよ」

 ロボットはにこにこしながらカウンターを見回し、ころがっていたネジをつまみ上げると首の付け根にはめ込んだ。

「これはご親切にどうも。よく外れるんです」

 ロボットはあいそうよく手を振り、二人を見送った。

 赤と白のチェッカーになっているフロアーを横切りながら、鷲羽はかんがい深げに店内を見回した。