「大丈夫って……」
天地の額に冷や汗が浮かんだ。
今更地球には戻れない。どうか、何事もなく、一刻も早く樹雷星に着きますように。
天地が魎皇鬼のブリッジで祈りを捧げている同じ時刻、勝仁は誰もいない柾木家のソファでニュースを見ながら、汎銀河共通リアル・マネー入りの財布を投げ上げてはキャッチしていた。
「天地。武者修行は物見遊山ではないぞ。自分の腕ひとつで宇宙を渡って行くのじゃ。獅子は我が子を千尋の谷へ突き落とすと言う。悪く思うなよ」
信幸以下、柾木家の居候どもがみんな鷲羽の研究室のモニターに齧りついているのを承知で、勝仁は天地のポケットから擦り取った財布の中身をテーブルにぶちまけた。
きっちり一往復分のリアル・マネーがきらきらと光って転げ出た。