Part 01: 美雪(私服): ……あのさ、菜央。やっぱり今日の予定は来週に延期して、少し休んだほうがいいんじゃない? リビングで荷物の確認をしていると、台所で朝食の片付けを終えた美雪がやってきてやや躊躇いがちにそう提案してくる。 あたしのことを心配して、気遣ってくれるのはとてもありがたい。……ただ、だからといって一度引き受けておいて断るのは、先方に対して失礼だ。 そう思うからこそあたしは、元気をアピールするつもりで笑顔をつくりながら彼女に応えていった。 菜央(私服): もう……だから、平気だってば。何度同じことを言わせるのよ。 菜央(私服): ちょっと寝起きが悪かっただけで、熱もなし。あんたにも、測った体温計を見せてあげたでしょ? 美雪(私服): けどさ……菜央。今度エンジェルモートで行われる季節限定イベント向けのデザートのレシピを考えて、昨夜は遅くまで作業をしてたんだよね? 美雪(私服): 一昨日も衣装関係の打ち合わせとかが入って、満足に休みも取れてなかったみたいだし……その疲れが残っててもおかしくないって。 菜央(私服): ……あたしの顔、そんなにやつれて見えるの? 慌てて近くにあった手鏡を掴み、あたしは自分の顔をのぞき見る。 顔色、それに目の下は問題ない……と思う。ほっとため息をついてから、あたしはじろりと美雪に顔を振り向けていった。 菜央(私服): もう、脅かさないでよね。あんたが見てわかるほど顔に出てたのか、って一瞬不安になっちゃったじゃない。 美雪(私服): 顔に出るってのは、危険信号ってやつじゃんか。もしそんな状態だったら、キミが何を言おうがふん縛って布団の中に叩き込んでるっての。 美雪(私服): 確かに、ぱっと見はいつも通りだしさっき作ってくれた朝食もおいしくて大丈夫かもしれないけど……。 美雪(私服): 最近のキミの過密スケジュールを考えたら、どこでガタが来るかわかったもんじゃないしさ。そうなる前に、休んだほうがいいって。 一穂(私服): 菜央ちゃん……。 菜央(私服): って、一穂。あんたも行くことに反対なの? 一穂(私服): ご、ごめんなさい……。最近の菜央ちゃん、分校であくびをする回数が目立って増えてるように感じるから……。 そう言って一穂は、美雪の横に並びながらあたしを見つめ返してくる。 ……ここで2人の忠告に従ったとしても、あたしを責めるような人はいないかもしれない。魅音さんたちなら、きっと許してくれるだろう。 だけど、……今回だけは。かなりやせ我慢をしている自覚はあったが、なんとか乗り切りたいという思いがあった。 菜央(私服): ……大丈夫よ、2人とも。レナちゃんも一緒だし、ひとりで行くわけじゃないんだから。 菜央(私服): それに、新作料理のレシピはもうできててあとはバイトさんたちにレクチャーするだけだしね。そこまで負担が大きいわけじゃないわ。 美雪(私服): それは……まぁ、そうなんだけどさ。 そう返してもなお、美雪は同意を渋るように口元を引き結んでいる。 エンジェルモートの季節限定イベントに向けた新作料理のレシピを考えて、バイトさんに作り方を指導する……依頼自体は、さほど大変ではなかった。 だから、レナちゃんも手伝ってくれると言ってくれた時は飛び上がって喜んだし……期待に応えようとやる気も十分だった。 ……問題は、その直後。タイミング悪く家事当番の美雪が風邪を引いて体調を崩し、数日に渡って寝込んでしまい……。 その代役として諸々を肩代わりしたことで、図らずもほぼ毎日遅くまで起きての作業になってしまったのだ……。 美雪(私服): ただでさえ忙しいのに、家事はもちろん看病までしてくれちゃってさ……。私のことなんか放っておけ、って何度も言ったのに。 菜央(私服): だから、ほとんど世話をしてなかったじゃない。お粥と栄養のあるものを用意して、氷枕の交換と着替えを手伝ってあげた程度よ。 美雪(私服): いや……あれで世話をしてないって言ったら全国の独身の人たちが激怒して、私に向けて石を投げてくるレベルだって……。 一穂(私服): ……ごめんなさい。私がもっと、家事を手伝うことができていればよかったんだけど……。 菜央(私服): 別に謝らなくてもいいじゃない、一穂。誰だって得手不得手があって当然なんだから、あんたはあんたのできることをすれば十分よ。 菜央(私服): それに、洗濯物を干したり取り込んだり、朝のゴミ出しを率先してやってくれたり……。 菜央(私服): 地味に見えるかもしれないけど、お願いする前から手をつけてくれて本当に助かったわ。 一穂(私服): っ……ありがとう、菜央ちゃん……。 美雪(私服): こら、一穂!そうやって菜央の優しさに丸め込まれないように、って朝食の前に注意したこと、もう忘れたの?! 一穂(私服): はっ? ご、ごめんなさい……! 菜央(私服): 丸め込むって……それ、あたしの今の台詞に対して使うような言葉じゃないと思うんだけど。 おかしな言い方に呆れつつも、あたしは美雪たちの気持ちを慮って……ため息をつく。 絶対に行くな、と強く引き留められないのは自分たちのせいで余計な負担をかけたという、あたしに対しての引け目があるからだろう。 だからこそ……あたしは、2人からの提案を拒む。そしてこれ以上話を繰り広げて決心が鈍る前に、荷物を抱えながらくるりと踵を返して背を向けた。 菜央(私服): とにかく、気をつけるから。そろそろレナちゃんが来るって約束した時間だし、玄関で待たせないようにしな、い……と……。 そう言って、足を一歩踏み出した瞬間……どうしてか力が抜けたようにくたり、と膝が折れてその場にへたり込んでしまう。 菜央(私服): (あ、あれっ……?あたし、何かに躓いたのかしら……?) そんなことを考えながら、急激に眠気にも似た重くて黒いもやが頭の中を支配して――。 一穂(私服): な……菜央ちゃんっ? 美雪(私服): もう、だから言ったんだよ……!一穂、診療所に電話! 入江先生に連絡してッ! 遠くから、一穂と美雪の叫ぶ声が聞こえる。 菜央(私服): (なんで、入江先生に連絡を……?っていうか、ちょっと眠くなっただけだから少しだけ休めば……大丈、夫……) レナ: ……菜央ちゃんっ?しっかりして、菜央ちゃん!! 菜央(私服): ……ぁ……。 菜央(私服): ……、……ちゃん……。 Part 02: …………。 菜央(私服): ……、……ん……っ。 ……意識が戻ったあたしが目を開けると、視界に飛び込んできたのは見慣れない天井だった。 菜央(私服): っ、……ここは……? 状況がわからず、あたしは首を巡らせて左右を見る。……白いカーテンが周囲をぐるりと覆い、自分の寝ているところがベッドだと悟る。 そして、ほのかに漂ってくる消毒液と薬の匂い……ここは医療系の施設だと、すぐに気づいた。 菜央(私服): あたし、なんで……ここに……? 上体を起こして、自分に何が起こったのかを考える。すると、カーテンの向こうから人の気配がして……。 その隙間から姿を現したのは、レナちゃんだった。 レナ(私服): はぅ……大丈夫、菜央ちゃん? 菜央(私服): レナ……ちゃん。えっと、ここは……? レナ(私服): 村の診療所だよ。監督に車でここに運んでもらったんだけど……覚えていないかな、かな? 菜央(私服): ……。どうしてあたしが、診療所に……? レナ(私服): ……精神的な疲れと、寝不足だろうって。念のために点滴を打ってもらったから、あとはゆっくり休めば大丈夫だと思うよ。 その言葉の通り、あたしの左肘の裏には注射をした痕らしき脱脂綿が貼られている。 点滴の針を刺された記憶もないくらいに、寝入っていたというわけか……情けない話だ。 菜央(私服): ……。今、何時? 時刻を聞いたものの、差し込んでくる太陽の光が赤みを帯びているのを感じる。……お昼は過ぎて、もう夕方が近いのだろう。 レナ(私服): もうすぐ5時かな……かな。監督は今往診中だから、戻ってきたら車で家まで送ってくれるって。 菜央(私服): そっか……エンジェルモートでのお仕事、すっぽかして迷惑をかけちゃったわね……。 レナ(私服): それなら大丈夫。レナたちの代わりに美雪ちゃんと魅ぃちゃん、詩ぃちゃんがちゃんとやってくれたって。 レナ(私服): だから菜央ちゃんは、何も心配せずにゆっくり休んでくれていいんだよ。 菜央(私服): …………。 レナちゃんにそう慰められても、あたしは素直に受け取ることができず……唇をかんで天井を仰ぐ。 もちろん、心配なんてしていない。あの3人であれば何も問題はないと思うし、万事うまく進めてくれるだろう。 胸に去来するのは、むしろ……後悔だ。せっかく意地を張っても迷惑をかけてしまったら、完全に本末転倒でしかなかった……。 菜央(私服): ……ごめんなさい、レナちゃん。 レナ(私服): えっ?な、なんで菜央ちゃんが謝るのかな……かな? 菜央(私服): せっかくレナちゃんが手伝ってくれて、素敵なレシピを考えることができたのに……あたしひとり、ダウンしちゃって……っ。 レナ(私服): あははは、そんなの全然気にしていないよ。菜央ちゃんが頑張っていたのは、誰よりもレナが一番よくわかっているつもりだから。 レナ(私服): それにみんな、すごく喜んでくれたよ。味と見栄えの他に、調理する人が簡単にできることもよく考えられた……最高のレシピだってね。 菜央(私服): でも……あたし……。 レナ(私服): ……謝るのは、レナたちだよ。菜央ちゃんは優しくて頑張り屋さんで、いつも期待に応えてくれるから……。 レナ(私服): つい頼って、いろんなことをお願いして……菜央ちゃんにずっと無理をさせていたと思う。……ごめんなさい。 菜央(私服): そ……そんなことないわ。本当にあたし、起きた時は平気だったんだから。 菜央(私服): 睡眠不足も、終わってからゆっくり寝たらいい。そんなふうに甘く考えてたのよ。けど……。 菜央(私服): 美雪の言う通りね……。気づかないうちに、疲れが溜まってたみたい。 菜央(私服): 意地を張って、独りよがりになって……かえってみんなに、心配をかけちゃった。……本当に、ごめんなさい。 そう言ってあたしは、泣きたい気持ちを我慢しながらレナちゃんに頭を下げて謝る。 すると彼女は、シーツを掴んだあたしの手をそっと包み込むように握りながら……とてもあたたかくて、優しい声で応えてくれた。 レナ(私服): ……独りよがりなんかじゃないよ、菜央ちゃん。あなたは本当に優しくて、強い女の子だと思う。 レナ(私服): だって、体調が優れないかもしれないのに休まずに頑張ろうとしてくれたのは……美雪ちゃんのためだったんだよね? 菜央(私服): ……えっ……? レナ(私服): 自分が寝込んだせいで、依頼された仕事ができなかったら……美雪ちゃんはきっと、すごく自分自身を責めると思う。 レナ(私服): だから菜央ちゃんは頑張って、美雪ちゃんに気を遣わせないように大丈夫だって返してあげたかったんじゃないのかな……かな? 菜央(私服): …………。 やっぱり……レナちゃんは、鋭い。あたしがうまくごまかして隠したつもりの本心まで、あっさりと見抜いてしまう。 とはいえ……さっきも言ったように失敗しては、ただ他の人たちに余計な面倒をかけてしまっただけだ。そう思って、自己嫌悪に囚われかけていると……。 レナ(私服): ……菜央ちゃんは、優しいね。誰よりも頑張り屋さんで、真面目で……頭もいいのに、レナたちのことを、心から大切に想ってくれている。 レナ(私服): そんなあなただからこそ、レナたちも大切なお友達だって心から尊敬して……力になりたいって思う。 レナ(私服): でもね……菜央ちゃん。いつも期待に応えようとか、頑張らなくちゃとかって自分のことを追い込みすぎないで。 レナ(私服): だって私は、今でもすごく嬉しいんだから。役に立っても立たなくても、いつも明るく笑っている大好きな菜央ちゃんがいてくれるだけで……ね? 菜央(私服): ……っ、……ぅ……! とうとう我慢できなくて、あたしは……レナちゃんの手を握り返しながら、涙をこぼしてしまう。 あぁ、どうしてこの人はいつも……あたしが欲しい言葉を届けてくれるんだろうか。 頑張りたかった。みんなの期待に応えたかった。喜んでくれるみんなの反応が嬉しくて、幸せで……。 ……努力不足で、がっかりされたくなかった。あたしのせいで、嫌な気にさせたくなかった。 美雪たちに気を遣わせたくないというのも、冷静になった今だとずいぶんと独りよがりで……思い上がった考えだと、やっと気づく。 菜央(私服): (あの子たちに心配されるのは、あたしに力がないせいだと勝手に思い込んで……無意識のうちに、自分を追い詰めていたのね……) つまり……実のところ、全て自分のためだった。求められた期待に応えないと、自分の長所と利点がなくなってしまうかもという……そんな、不安。 矛盾しているかもしれないが、今が幸せであればこそ……恐怖にも似たその想いがいつしか大きくなっていた……。 菜央(私服): っ……みんなの期待、いつも感じてた……。あたしならきっと、何かすごいものを考えて驚かせてくれるって……。 菜央(私服): だから……それに応えたい、頑張りたいと思ってたんだけど……だんだん応えなきゃ、頑張らなきゃって感じになってきて……っ。 菜央(私服): だんだんどこまでやればいいのか、いつまで頑張ればいいのかわかんなくなって……あたし……それで……っ! レナ(私服): ……うん、わかるよ。菜央ちゃんはいつも真面目で頑張り屋さんだから、疲れちゃったって言えなかったんだね……。 レナ(私服): だから……菜央ちゃん?疲れた時は、レナに甘えてくれていいよ。わがままだっていっぱい、言ってもいい。 レナ(私服): 期待に応えようだとか、いいところを見せようだとか一切考えなくてもいい。だって、レナは……。 レナ(私服): 菜央ちゃんの役に立てることが、どんな時でもすごく嬉しくて幸せだから……ねっ。 菜央(私服): っ、おね……レナちゃん……、っ? ついこぼれそうになった言葉を飲み込んだあたしを、レナちゃんは優しく……その胸の中に抱き寄せてくれる。 そのぬくもりと柔らかさの中、あたしは何もかもを忘れて……全てを委ねていた……。 Part 03: 菜央(私服): っ……本当に、いいのかしら……? 駅のホームで穀倉行きの電車を待ちながら、あたしはことさらにしかめっ面をつくって引き締めた口元に力を込める。 嫌とか、乗り気じゃない……では、決してない。むしろ逆で、少しでも気が緩むと顔がだらしなく「ほにゃ~ん」となってしまいそうだからだ。 菜央(私服): レナちゃんと、お出かけ……2人きりで……ほわぁ……♪ 狭いホームで飛び跳ねると危険なのでやらないが、それほどに浮かれて……浮かれまくっている。 今日は、レナちゃんと一緒に東京へ行く。ただし遊びなどではなく、これもれっきとした魅音さんからの依頼だった……名目上は。 魅音(私服): 例のライバルチェーン店が、本部から穀倉に腕利きの料理人を派遣して……新メニューをぶつけてくるって情報があってさ。 魅音(私服): このままだと、話題をあっちに持ち去られて大打撃を受けるかもしれない……そこでっ! 魅音(私服): 東京に行って、何かネタを仕入れてきて!レナ、菜央ちゃん! あんたたちが頼りだよ!! 菜央(私服): あ……あたし、たち……?! 菜央(私服): (……なんて魅音さんは言ってたけど、さすがに大げさというか……無理矢理よね……) 唐突すぎて裏の意図が見え見えな依頼内容に、あたしとレナちゃんは思わず顔を見合わせて苦笑したものだ。 あえて仕事依頼にしたのは、ご褒美などではあたしが引け目に思って首を縦に振らないと考えての……苦肉の策だったのだろう。 本当に、優しい人たちだと心から思う。あたしの失態を責めるどころか、こんな素敵なプレゼントで慰労してくれるのだから……。 レナ:私服: ……菜央ちゃーん! あたしの名前を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、レナちゃんが大きく手を振りながらこちらに向かって駆けてくる姿が見える。 レナ(私服): ごめんね……待った?色々と準備をしていたら、家を出るのが遅くなっちゃって……はぅ……。 菜央(私服): う……ううん、いいのよ。約束の時間より早く、駅に着いただけだから。 レナ(私服): 監督の車で、駅に送ってもらったんだよね。……診察の結果はどうだったかな、かな? 菜央(私服): えぇ、大丈夫だって。やっぱりここ数日、ゆっくり休んだのがよかったみたい。 レナ(私服): あははは、よかったぁ♪ 念のため、出発前に入江先生の診察を受けた結果が良かったことを報告すると、レナちゃんは自分のことのように喜んでくれる。 あたしの勝手な思い込みかもしれないけど、彼女も今日のお出かけを楽しみにしてくれているようだ。……そう思うだけでとても嬉しく、幸せな思いだった。 レナ(私服): はぅ……ごめんね、菜央ちゃん。レナは東京って、どこのお店で何を見たらいいのか全然わかんないから……はぅ……! 菜央(私服): 大丈夫よ!大船に乗ったつもりであたしに任せて! そう言ってあたしは、どんと胸を叩いてみせる。もっとも、正直10年前の東京の状況についてはよくわからないので、不安を感じなくもないが……。 レナちゃんが一緒なら、きっとなんとかなる。そんな自信と覚悟が、あたしの中にあった。 菜央(私服): ……大丈夫、レナちゃん? レナ(私服): うん、平気だよっ!菜央ちゃんが色々とガイドしてくれるおかげで、知らない町なのに全然不安じゃないから……♪ 菜央(私服): ったく……美雪も一穂も、水くさいわね。普段はほぼ毎日暇してる感じなのに、今回に限って別件があるから同行を辞退するなんて。 むろん、その理由は聞くまでもなくわかっている。……あたしたちに気を遣ってくれたのだろう。 だから、この憎まれ口はただの照れ隠し。もちろんレナちゃんはお見通しの様子で、くすくすとおかしそうに笑うだけだった。 レナ(私服): 魅ぃちゃんも美雪ちゃんも2人でいっぱい楽しんで……じゃなくて、調べてきてって言っていたよ。 レナ(私服): だから菜央ちゃん、いろんなところに行こうね! 菜央(私服): えぇ……もちろん! レナ(平成女子高生): えっと……この服っておかしくないかな、かな? 菜央(平成女子高生): ううん、全然っ!とっても可愛くて、素敵よ! レナ(平成女子高生): あははは、ありがとうっ♪菜央ちゃんの服も、とっても似合っているよ♪ 菜央(平成女子高生): ほわっ……ほ、本当に……?! レナ(平成女子高生): うんっ。……あっそうだ、菜央ちゃん?せっかくだから、東京に遊びに来た記念にふたりで写真を撮っていこうっ! 菜央(平成女子高生): しゃ、写真……?でもこのカメラは、料理の資料を撮るために借りてきたものだし、フィルムも……。 レナ(平成女子高生): あははは、それなら問題ないよ。この日のために何個か、菜央ちゃんを撮るためのフィルムをお小遣いで買っておいたから♪ レナ(平成女子高生): じゃあ、誰かに撮ってもらおうね!あっ……すみませーん、少しいいですか? レナ(平成女子高生): ほらっ菜央ちゃん、もっと近づいて。笑顔、笑顔だよっ♪ 菜央(平成女子高生): こ、こうかしら……? 青年: はい、いきますよー……はい、チーズっ。 レナ・菜央: 「「あはははははっ♪」」 レナ(平成女子高生): カメラ、ありがとうございました~!それじゃ菜央ちゃん、次はどこに行く? 菜央(平成女子高生): えっと、それじゃ……。 菜央(私服): ……んぅ、……レナ……ぇ、ちゃん……。 レナ(私服): よく眠っているね、菜央ちゃん。大丈夫だよ……レナがずっと、ついているから。 …………。 レナ(私服): もし、詩ぃちゃんの言ったことが正しいのなら菜央ちゃんは……「あの人」の……。 レナ(私服): …………。 レナ(私服): もしそれが本当だったら、レナは……私は今までのように、菜央ちゃんの前で笑うことができるのかな……かな……?