第4章 宇宙暦507410……
草木も眠る
書き物机の前にきっちりと正座し、目を固く閉じている姿は、
男は何かを思い立ったように、ふと立ち上がると、「もよおしてしまった」とつぶやきながら
便所で用を足した男は、自室へ
中では、この家に下宿する二人の少女が眠っている。
特に水色の髪の方は、
しかも、寝乱れたナイスバディは高校生とは思えない色気があった。
男は、もう一人の方の、日本的な顔だちに長い黒髪をした、少女の清らかな(?)寝顔をじっと見つめていた。
静かな寝息が、安らかな眠りの中にいることを物語っていた。
「天地さま……」
夢を見ているのであろう。
月明かりのおかげで、男の顔が見えた。その顔は、
しばらく少女に見入っていた男は、やがて思い切ったように部屋を出た。
男は、縁側に立って、春の星空を
光化学スモッグなどの公害が取り
男の
あの頃の私は、まだほんの子供で、父上に従って、毎日、剣の
ある時、父上が言った。
「
「はい。父上」
その頃の私は、
未来の樹雷を背負って立つのは私しかいないなどと、多少、思い上がった考えを持った、おませな子供だった。
「遥照、今日はお前に、全宇宙のために戦った樹雷皇の
「はい」
父上は私を連れて、これまで行ったことなどなかった、王宮から続く深い森を、奥へ、奥へとどこまでも進んで行った。
どれほど歩いただろうか。
ふと、目の前が明るくなった。
私たちは小さな湖のほとりに出た。
湖の真ん中には、小さな
父上は、私の手を取って、水の上を
そこにたどり
祠の中は、どこまでも広く、外から見た、あの祠の中だとは
「これは、どこです!?」
驚く私に、父上は静かな
「遥照、目に見えるものがすべてではない。あの祠は入り口に過ぎないのだよ」
哲学的な言葉だが、今にして思えばあたり前のような気がしないでもない。
祠の中には、無数の木の根のようなものが安置されており、それぞれ弱いが美しい光を放っていた。
「これは……!?」
「宇宙船の記憶だよ」
「宇宙船の、記憶?」
「そうだ。お前も知っている通り、樹雷の皇族はみんな自分の生命とも言える宇宙船を持っている。これは、
「宇宙船の
「幽霊?
父は、さらに祠の奥へ、奥へと私を
「これだよ。さあ、この記憶に手を
父に言われるままに、私はその薄く光るものに手を触れた。
「わっ」
「
再び、手を触れた私は、その宇宙船の記憶の奥深くに引き込まれていった。
もの
人も、建物も、宇宙船も……。
その時私は見たのだった。しかしそれは、あまりにも不確かな存在だった。
いや、あんなエネルギーを持った人間がいるわけがない。