「では、次の
と、惑星連合宇宙軍士官学校男子寮・第六百六十五代寮長であるキクチヨ・ミフネは
「まあ、みんなだいたい
そう、彼をおいて他にはなかったのだ、この責任ある、
「ヤマモト」
一年間の
「こっちへ来て、
「は、はい……」
当のマコト・ヤマモトはコチコチに
「気楽にやれよ」
と、ミフネは後任者の
「何のために一週間も前に、通達したと思ってる。上がり
「そ、それはわかっております」
とヤマモト。
「で、ですが──」
その一週間の
「
「相変わらずだなあ……」
苦笑するミフネ。
「ま、そこがおまえなんだが──。しかし、もうちょっと気楽に
「で、ですが、この大任を──」
「大任と思っているのは、おまえだけだ」
とミフネ。
「他の
「ですが──」
「なあヤマモト」
とミフネは親身に
「おまえだって、あと一年で士官として戦場に出ることになるんだ。今からそんなコチコチじゃ、先が思いやられるぞ。ま、
「おっしゃらないでください、ミフネ
と、
「これで、ますます……緊張が……」
「さ、とっとと挨拶しろ!」
ポンと背中をはたく。その
『あ──』
『まっしろ……』
そこからは、何をしゃべっているのか自分でもさっぱりわからなかった。
「ふ、
彼は五秒で、就任挨拶を終えた。
「
「あ──」
そこでヤマモトの、記憶が戻った。
「じ、自分は……」
「最高の挨拶だったぞ、ヤマモト」
ミフネが
「
「本当は、五分ばかり続くはずだったのでありますが──」
「いいんだ」
彼の心中も意に
「就任挨拶なんてのは、短ければ短いほどいいんだ。どうせ誰も聞いちゃいないんだし……」
「そ、それではミもフタも──」
「見ろ、ヤマモト」
と、ミフネは寮生たちを見渡し、言った。
「みんなおまえの短い挨拶に、
「そ、そうでありましょうか?」
思わず微笑んでしまう、ヤマモト。
「そうとも」
ミフネの
「これでおまえは、寮長としてみんなの心を
思えばそれが、一連の不幸の始まりだったかもしれないと、ヤマモトは後年になってつくづく思う。
あれから何十年も経つというのに、その就任挨拶のことを、マコト・ヤマモト
「
と、少尉の階級章を付けたミフネが、微笑みながら言う。
「
「
ヤマモトはさっと
「どうかなあ……」
まるで他人事のように、ミフネ。
「巡洋艦クラスは、いちばんボカスカ
「
とヤマモト。
「先輩のような強運の持ち主が、そうやすやすと──」
「ヤマモト」
ミフネは一瞬、真顔になった。
「世の中に、『絶対』という二文字はないのだ。特に、戦場ではな……」
「