Part 01: 知恵: いいですか皆さん。お料理は真剣にやらないと思わぬ怪我をします。 知恵: これも授業ですから、ふざけないでしっかりやって下さいね! 一同: はーーいっ!! 美雪(クッキング): ……はーい……? クラス全員が元気よく応じる様子に若干の違和感を抱きながら、とりあえず私は目の前に用意された食材に向き直る。 今日はグラウンドで、家庭科の授業。汚れてもいいように、ということで全員が私服に着替えている。 簡易のかまどを使ってシチューを作り、その出来を採点してもらう……という内容らしい。 ちなみに審査員は校長先生と知恵先生、営林署の職員さん。彼らは野菜ジュースを飲みながら、少し離れた場所で私たちのことを見守っている。 特に営林署の方々には、分校の校舎として建物を間借りさせてもらっている恩義もあるのでそのお礼も兼ねて、とのことだった。 美雪(クッキング): まぁ、飯ごう炊さんはガールスカウトで散々やってきたからむしろ大歓迎だけどね。にしても、この献立は……。 千雨: ……? どうした美雪、何か気に入らないことでもあったりするのか? 美雪(クッキング): んー、そういうのじゃないんだけどさ。こういう野外での料理の時の定番って、シチューよりもカレーなんじゃないの? カレーが好んで選ばれる理由は、至って簡単。野菜を煮込んだ後ルーを放り込むだけで、誰でもそれなりに食べられるものに仕上げられるからだ。 もちろん、その中に一工夫や二工夫を加えることで味の深みなどに変化が出てくるけど……基本的にはそういった「作りやすさ」が魅力のひとつだった。 魅音(私服): 今回は、営林署の人たちへのお礼がメインだからね。あえてカレーは外すことになったんだよ。 美雪(クッキング): ? 前後の文章が繋がってないように聞こえるんだけど……つまり、どういうこと? 沙都子(私服): ……知恵先生は、カレーに命をかけておられますのよ。中途半端なものを作りでもしたら、怒りが大爆発して場の空気が悪くなってしまいますわ。 美雪(クッキング): ……んな大げさな。いくらなんでも家庭科で素人が適当に作った料理に、そこまでこだわったりしないでしょ? レナ(私服): 適当なんて、言わないほうがいいよ……。知恵先生はカレーに関しては鬼なんだから。 美雪(クッキング): カレーの鬼って……料理番組じゃあるまいし。 魅音(私服): 普段は温厚な、いい先生なんだけどね。どういうわけかカレーにだけはうるさいんだよ。そりゃもう熱狂的なくらいにさ! レナ(私服): ……秘伝のカレーを研究するためだって言って、毎年インドへ旅行に行っているそうだからね。 沙都子(私服): 風の噂ですと……ご飯は3食ともカレーライスで、たまに他のものを食べる時でも必ずカレー味……というこだわりぶりらしいですの。 千雨: ……そこまで行くと、熱狂やこだわりじゃなくて偏執的な変態だな。 千雨: だいたい、カレーってジャンクフードの筆頭だぞ?そんなに偏った食生活じゃ、栄養的にも問題が――。 圭一(クッキング): ……っ? 危ねぇ、千雨ちゃんっ! 前原くんの声が聞こえるとほぼ同時に……私たちの足下の地面へ何かが勢いよく突き刺さる。 それはフォーク、ナイフ、スプーンで……はっとなって振り返ると、先生が校長先生の隣でにこやかな笑顔で手を振っているのが見えた。 千雨: ……全然見えなかった。今のはなんだ? 圭一(クッキング): カレーを貶すようなことを言うと、こうなるって知恵先生からの警告だ。……1回目だから、この程度で済んで良かったぜ。 美雪(クッキング): この程度って……この上があるってこと? その質問に対して、魅音たちは一斉に無言で頷く。……本当に、何があったのか逆に気になってきた。 魅音(私服): というわけで、カレーは除外したんだよ。出来云々で惨劇が起きて、営林署の人たちにホラーを見せることにもなりかねないしね。 千雨: ……ジョークにしてはたちが悪いし、本気だったらもっと悪い話の典型だな。 まぁ、なぜカレーが除外されたのかはわかった。……ただ、その代替料理がシチューというのも私としては引っかかりを覚えずにはいられない。 美雪(クッキング): だからって、ご飯に合わせづらいシチューとはねぇ。ビーフシチューだったらワンチャンありかもだけど、クリームシチューは……うーん……。 千雨: そうか……? 私はシチューの時はご飯に直接かけて食ったりしてるから、特に違和感のようなものはないけどな。 美雪(クッキング): おぅ……確かに千雨はそうだったっけ。けど、私はシチューにはご飯よりもパン派だからちょっとだけ考えちゃうんだよねー。 菜央(私服): あたしもどちらかと言えば、パンに合わせる場合が多いけど……ご飯にかけるのもリゾットみたいで、結構おいしいと思うわよ。 羽入(私服): あぅあぅ、リゾットとはどういった料理なのですか? 菜央(私服): 本来は洋風の炊き込みご飯を指すんだけど、雑炊っぽくやわらかく煮たものもあるみたいね。フランスではピラフの別名だったりするそうよ。 一穂(私服): 洋風のお雑炊……?食べたことはないけど、想像してみるだけですごくおいしそうだよ……♪ 梨花(私服): みー。一穂の口からよだれがだばだばと出て、まるで滝のようなのですよ。 菜央(私服): 機会があったら夕食で出してあげるわ。けど今日は、シチューづくりに集中しましょう。 圭一(クッキング): おぅ、そうだな! まずは班分けを決めようぜ! 千雨: あぁ……っていうか、前原。さっきから気になってたんだが、なんでお前が分校にいて当たり前のように参加してるんだ? 圭一(クッキング): ? 俺が加わっていると、何かおかしいのか? 梨花(私服): みー。圭一も立派な#p雛見沢#sひなみざわ#r分校の一員なのです。仲間外れはかわいそかわいそなのですよ。 千雨: あ、いや。私はそういうつもりで言ったわけじゃないんだが……。 千雨: つまり、また「世界」が前触れもなく改変されたってことか。……ったく。 美雪(クッキング): 改変?……それってどういう意味、千雨? 千雨: なんでもない、こっちの話だ。……変な言い方になって悪かったな、前原。 圭一(クッキング): へへっ、別にいいぜ。それで班分けは、どうやって決めるんだ? 魅音(私服): それじゃ手っ取り早く、くじ引きで決めよう!誰と一緒になるのかは恨みっこなしだよ~! 千雨: ……。まぁ、いいか。 Part 02: 魅音(私服): というわけで、無事に班分けも決定!そして今回は審査員の厳正な採点が加わるってことだから……みんな、わかっているね? 魅音(私服): いつもの部活の場外戦!料理対決の始まりだぁぁぁああぁっっ!! 美雪(クッキング): おぉぉおおぉ……お……? 圭一(クッキング): ちょ、ちょっと待てぇええええぇぇえっっ?! 遮るように轟き渡った前原くんの叫びに、各自振り上げそうになったこぶしを中途で止めた。 魅音(私服): なんだよ、圭ちゃん?せっかく全員で盛り上がっていこうってのに、初っ端からストップなんてかけないでよね。 圭一(クッキング): いや、かけたくもなるだろこの班分けは!A班がレナに魅音、それに菜央ちゃんだとぉぉ?! 圭一(クッキング): 3人のうちひとりだけを相手にしても一騎当千なのに、なんだそのドリームチームはっ?ギャラクシー集団を相手にして勝てるかぁぁっ!! 菜央(私服): 何を言うのよ。まだ始まってもないのに白旗なんて、前原さんらしくないわ。勝負はやってみないとわからないじゃない。 梨花(私服): ……と、隠しきれない笑みを隠しながら菜央は一応殊勝なことを言っていますが……本音はどうなのですか? 菜央(私服): この勝負もらったわ!!負ける要素なんてナッシングよ!! 圭一(クッキング): ほら見ろそら見ろ!戦力の不均衡にもほどがあるじゃねぇか!それに……! 美雪(クッキング): B班は私と梨花ちゃんに沙都子、羽入。そしてC班は前原くんに千雨、そして一穂か……。 美雪(クッキング): うん! この上なく均等にばらけたね!恨みっこなしの好勝負が期待できるよ! 圭一(クッキング): 嘘つけぇぇえぇっ!千雨ちゃんの料理の腕については未知数だが、一穂ちゃんは完全に戦力外じゃねぇかっ? 一穂(私服): ご、ごめんなさい……。 圭一(クッキング): あ、いや……気にしないでくれ。俺も料理については悲惨なレベルだから、偉そうなことも言えないしな。 圭一(クッキング): ちなみに、千雨ちゃん……料理に関してはどれくらいできる感じだ? 千雨: 安心しろ。釣った魚を自前で捌くこともできるし、それなりにできるほうだと思うぞ。 圭一(クッキング): おぉっ? 魚を捌けるレベルだってのは、かなり期待できるな!……今回の料理に魚を食材に使うことは、たぶんなさそうだが。 美雪(クッキング): んー、でも千雨は一応料理できるけど……すっごい悪食だよ? 舌が牛じゃないかと疑いたくなるくらいにさ。 沙都子(私服): 悪食って……どういう意味ですの? 梨花(私服): みー、食べ物の好き嫌いなく何でも食べられる人をそう呼ぶのですよ。 羽入(私服): あ、あぅあぅ……意味としては合っていますが、悪食というのはそれ以上に……。 美雪(クッキング): とりあえず……生肉OK、虫OK。あと、砂糖と塩を間違えた料理でもまったく気にしなくて……。 美雪(クッキング): 以前なんて、台所洗剤の味がしたご飯をおかわりしてたんだよ? 私たち全員が即吐き出してたのに、平然とした顔で……。 一穂(私服): む、虫……?千雨ちゃんって、虫を食べたことあったのっ? 千雨: 食用と保証されたものだけだ。そんなに驚くことでもないだろ。 圭一(クッキング): いや、驚くだろっ?少なくとも虫を平然と食える女の子なんて、俺の周りにはひとりもいねぇぞ?! 千雨: いるだろうが。お前の目の前に、私が。……それとも私は、前原にとって女子には該当しないという素敵すぎる評価か? 圭一(クッキング): そ、そそそ、そうじゃねぇ!だからにっこり笑いながら包丁を手に取って近づくのは止めてくれぇぇぇ!! 千雨: それに、そもそも魚や鳥は虫を餌にしてる。だから普段でも私たちは、魚や鳥を介して虫を腹に収めてるわけだし……。 菜央(私服): ちょっ……止めてよ! 今日のシチューの鶏肉が食べられなくなっちゃうじゃない! 圭一(クッキング): おいおいおい、大丈夫かっ?急にものすごっく不安になってきたぞ?! 美雪(クッキング): まぁ、そんなわけだから……おいしい料理を作るためには前原くん、キミが頑張るしかない! 美雪(クッキング): もちろん、私は応援してるよ!……といっても罰ゲームは嫌だったから、内心ではC班でなくて良かった~、って思ってるけどねー? 圭一(クッキング): 応援するなら、そういう本音は最後まで隠し続けてくれぇぇぇえぇっっ!頼む、せめて1人だけでも助っ人を……! と、その時……ホイッスルの音が鳴り響く。知恵先生が料理の開始を告げる合図だった。 知恵: 皆さん、いいですか?刃物には十分に気をつけてくださいね。 圭一(クッキング): くっ……始まっちまった!こうなりゃ、やれるだけやるしかない……! 千雨: ……そうだな。私も罰ゲームになるのは御免だし、あそこまで言いやがった美雪の吠え面が見てみたい。 一穂(私服): あ、あははは……やっぱり千雨ちゃん、美雪ちゃんにあんな言われ方をされて怒ってたんだね……。 Part 03: 俺はまず、ご飯の準備を始める。これに関しては一応知識と経験があったので、それなりに自信をもって進めることができた。 一穂(私服): わっ……前原くん、火をつけるのが上手だね。あっという間に太い薪が燃え始めたよ。 圭一(クッキング): 親父がデイキャンプ好きでさ。夏場なんかにはよく家族で出かけるんだ。 千雨: ふむ。となると、とりあえず食えるシチューはできそうだから最悪でも体裁は整うとして……あとは味をどれだけ極められるかってことか。 圭一(クッキング): まぁ、始める前からわかっていたことだがな……。 圭一(クッキング): んじゃ、野菜を切っていくぜ。千雨ちゃんは魚もさばけるってことだから、包丁は問題ないんだよな? 千雨: あぁ。皮むきもみじん切りも、一通りちゃんとこなせるぞ。 圭一(クッキング): おぉ、それを聞いて安心した。で、一穂ちゃんは……。 一穂(私服): ……ごめんなさい。私は、その……。 圭一(クッキング): いやいや、謝らなくてもいいって。んじゃ、一穂ちゃんはご飯の炊き上がりを見ておいてもらえるか? 一穂(私服): ご、ご飯を……? でも、どうやって炊けてるのかを確かめたらいいのか、よく知らなくて……。 千雨: なら、私が教えてやるよ。すまんが前原、少しの間だけ野菜を頼む。すぐに戻って、ノルマ分を片付けるから。 圭一(クッキング): あぁ、いいぜ。といってもまだ時間があるから、慌てなくても大丈夫だぞ。 一穂(私服): あ、ありがとう……前原くん。 圭一(クッキング): さて、ご飯はあの2人に任せるとして…。俺も作業を進めるとするか。 圭一(クッキング): そういや、他の2つの班はどんな感じだ?あっちは確か、レナたちのA班だが……。 圭一(クッキング): って、おい! A班は野菜をみじん切り……いや、すり下ろしているぞっ?いったい何をするつもりなんだ?! 菜央(私服): シチューの出来は、肉と野菜のダシ次第。でも家庭科の授業だと、野菜を炒めたり煮たりする時間が短くなっちゃうでしょ? レナ(私服): だから菜央ちゃんの発案で、ごろごろ野菜とすり下ろした野菜を一緒に使うことにしたんだよ~♪ 魅音(私服): これなら野菜のうまみがたくさん出て、コクも増す! もちろんおいしさもね……くっくっくっ! だ、ダメだ……A班はもはや、プロのシェフ顔負けの発想と調理技術で突き抜けて……いや、飛び抜けている。 となると、俺たちが相手をすべきなのは残るB班ということになるのだが……。 沙都子(私服): ん……んしょ、っと。梨花ぁ、野菜の皮むきはこんな感じですの? 梨花(私服): みー。もうちょっと形を揃えてくれると、綺麗に切りやすくなるのですよ。 沙都子は少し不器用な手つきだが、梨花ちゃんがアドバイスを送りながら巧みにフォローしている。 ……いや、彼女たちよりも特筆すべきはその隣にいる残りの2人だった。 美雪(クッキング): ほいっ……皮むき終わったよ!羽入、あとはこれよろしくっ! 羽入(私服): 任されたのですよ、あぅあぅあぅ~! 美雪ちゃんが軽やかな包丁さばきで皮をむいた野菜を受け取るや、羽入はものすごい速さで刻んでいく。 その腕前たるや、普段のボケボケ……もといマイペースっぷりが嘘のような迅速さと華麗さを併せ持つものだった……! 圭一(クッキング): は、羽入って料理、結構上手だったんだな……?普段は一穂ちゃんと同様に腹ぺこキャラだから、てっきり料理の腕前もそうだと思っていたぜ。 一穂(私服): ちょっ……?前原くん、私のことをそんなふうに見てたのっ? 千雨: ……怒るのは筋違いだぞ、一穂。実際に今だって役には立ってないんだから、これを機に反省して腕を磨け。 一穂(私服): う……うぅ、ごめんなさい……。 千雨ちゃんの容赦のないツッコミに、一穂ちゃんはしょぼんとうなだれて肩を落としてしまう。 まぁ、俺も野菜を乱雑に切っているだけだから偉そうな顔ができるわけじゃないが……。 ただ……このままだと本当に惨敗必至だ。罰ゲームを食らうのはともかく、勝負を途中で投げ捨てるのは俺のプライドが許さねぇ……! 圭一(クッキング): くそっ……何か、ないのかっ?この状況をひっくり返さなくてもいいから、せめて一矢報いる方法が……! 千雨: なぁ……前原。本当に、一矢報いるだけでいいのか? 圭一(クッキング): あぁ……悔しいが、あれだけの料理自慢を相手にして身の程を弁えないあがきをしても、たいして違いがねぇだろ。 圭一(クッキング): ただ、審査員の人たちはともかくあいつらにだけは頑張ったという事実を見せつけてやりたいんだ……! 千雨: ……。なら、私に考えがある。ちなみに材料は、ここにあるもの以外を使っても別に構わないんだよな? 圭一(クッキング): そりゃまぁ……けど、だからって学校外で調達するのはさすがにマズいと思うぜ。 千雨: 外には出ない。……行くのは、あっちだ。 そう言って千雨ちゃんは、くいっと親指で背後を指さす。 ……それは、営林署の職員さんたちが座っている場所だった。 知恵: それでは、前原くんの班の発表ですね……さて、シチューの出来は……おや? 美雪(クッキング): シチューが、赤い……どういうこと?こんなルーなんて、食材の中にあったっけ……? 千雨: あぁ……用意されてた中にはなかった。ただ、代わるものが近くにあった……それは、こいつだ!! 美雪(クッキング): 野菜ジュース……あ、あぁっ? 圭一(クッキング): くっくっくっ……そう、営林署の職員さんが飲んでいたこれを煮込んだ野菜汁の中に、目一杯ぶち込んだ! 圭一(クッキング): あと、みんながあまり使わずに置いてあったトマトもな! おかげで盛大にうまみ成分を中に投入することができたぜ! レナ(私服): は、はぅ……そっか、菜央ちゃんのすりおろし野菜のアイディアを野菜ジュースで代わりに活用したんだね……! 菜央(私服): ルーがクリームシチュー用しかないから、クリームシチューをつくるしかない……その思い込みを逆手に使ったってこと? 圭一(クッキング): そういうことだ!……ちなみにトマトは、切らずに握りつぶした! 一穂ちゃんがな! 一穂(私服): わ、私も頑張ったよ……ほんの少しだけど。というわけで……どうぞ、召し上がって下さい! 知恵: はい。それではいただきます。 知恵: ……これはおいしい!クリームシチューが悪いわけではありませんが、こっちは野菜の味が良く出ている! 校長: うむ、なかなかの出来だ!少し辛みが効いているのも、実に食欲がわく! 職員A: それに、正直に言っちゃうと……クリームシチューばかりだったので、少し変化が欲しかったんですよね。 職員B: 馬鹿野郎!せっかく作ってくれた生徒さんたちに失礼だろうが! ただ、そうは言っても本音は隠せないのか他のクリームシチュー(A班以外)よりも心なしか、かき込む勢いが強い……気がする。 そして、全て食べ終わった後に出た結果は……! 美雪(クッキング): えっ……う、嘘でしょっ?A班ぶっちぎりはともかく、B班とC班は……い、1点差でこっちの負けぇぇ?! 沙都子(私服): こんなの卑怯ですわー!正々堂々、同じクリームシチューで勝負してこそですのよー! 千雨: 料理のお題は「シチュー」だったはずだ。つまり何の味であっても反則じゃない……だろ? 一穂(私服): よ、よかった……!2人の足を引っ張らずにすんだよ……! 梨花(私服): みー。まさに発想の勝利なのです。お見事なのですよ。ぱちぱちー。 美雪(クッキング): ……そうだね。前原くんと千雨の底力を見誤っていたよ。 美雪(クッキング): いや、素晴らしい戦いだった!3人の頑張りを素直に認めて、健闘を称えようじゃないかー! 千雨: ……そう言ってくれるのは光栄だが、美雪。お前たちが最下位だってのは事実だからな。 美雪(クッキング): うぼはっ?! 圭一(クッキング): くっくっくっ……おい魅音、今回の罰ゲームはなんだ?せいぜい派手なやつで頼むぜ……! 魅音(私服): くっくっくっ……もちろんだよ。とりあえず4人の代表として、今回は美雪が罰ゲームに……。 魅音(私服): って、逃げたっ? すっごい速さ! 千雨: ……ふん、悪あがきを。私から逃げられるわけがないだろうに――! レナ(私服): は、はぅっ……千雨ちゃんも速い!あっという間に追いついて……捕まっちゃった。 菜央(私服): ラグビータックル……いえ、カーフブランディングね。プロレス番組で見たわ。 千雨: さぁ、神妙にしろ!よくも私の嗜好をばらしやがって……! 美雪(クッキング): うわーん! お代官様、お慈悲を~! 圭一(クッキング): ……やっぱり可哀想になってきたな。 一穂(私服): あ、あははは……。