Part 01: 沙都子(私服): ……っと、バーベキューの串焼きの本数はこれくらいあれば十分ですわね。レナさん、そちらの準備はいかがでして? レナ(私服): ちょっと待ってね。すね肉の火の通りは……うん、ばっちり!ほろほろになって、いい感じだよ~♪ 羽入(私服): あぅあぅ……まだ下ごしらえの段階なのに、お肉の匂いが香ばしくておいしそうなのです~♪ 魅音(私服): だからって、つまみ食いはだめだよ。この煮込んだすね肉は、明日のキャンプの夕食……ビーフシチューで使う大事なやつなんだからさ。 詩音(私服): まぁ、羽入さんのお気持ちもよくわかります。私だって、夕食をとった後じゃなかったらきっとこの匂いに吸い寄せられていたでしょうね。 梨花(私服): それにしても、ここのキッチンを借りられて助かったのです。 梨花(私服): 思った以上に量が多くなって、ボクたちの家のキッチンだと作業がしにくく……て? 一穂(私服): ……ごくっ……。 魅音(私服): ……って、一穂?あんたさっき、夕食しっかり食べたよね?ご飯3杯もおかわりしたよねっ? 菜央(私服): ……まったく、一穂の食欲は無限大レベルね。お腹にブラックホールでも入ってるのかしら。 圭一(私服): はははっ! 一穂ちゃんの腹センサーがここまで反応するほどなんだから、夕食も期待大ってやつだな。 一穂(私服): は、腹センサーって……私、戦艦じゃないよぉ。 魅音(私服): ……いや、一穂。申し訳ないけどあんたの今の姿を見る限り私は圭ちゃんを支持するよ。 一穂(私服): あ……あぅぅっ……? 美雪(私服): 戦艦じゃなくて、鯨ってことにしておこうよ。そっちの方が可愛いしさ。 一穂(私服): う、うーん……戦艦に比べれば可愛いかも……? 沙都子(私服): 大して変わらない気がしますわ……。 梨花(私服): いい感じにごまかされてるのですよ、みー。 圭一(私服): にしても、バーベキューの串焼きの準備はともかくどうして肉を前もって下ごしらえしていくんだ?現地で他の野菜とかと一緒に調理すればいいのに。 レナ(私服): すね肉って、たくさん脂が出るんだよ。だから肉のゆで汁をそのまま使うと、お鍋の中がすごいことになっちゃうの……ほらっ。 圭一(私服): おわっ……す、すげぇ……?この水面でテカテカしているやつ、全部脂なのか? 菜央(私服): えぇ。このままだとシチューがギトギトして食べづらくなるし、なによりキャンプだとアクや油を捨てるのは大変だって美雪がね。 美雪(私服): 配水管に流した油が冷えて固まって詰まったら、下手すると損害賠償だからねぇ。 圭一(私服): ひぇっ?! ま、マジか……! 菜央(私服): だから、火を止めて氷水で粗熱をとって……上の方で固まった脂を取り除く手間が必要なのよ。 圭一(私服): なるほど……シチューひとつでも、そういった工夫があってこそうまくなるんだな。勉強になったぜ。 詩音(私服): まぁ、私たちがこういったことに詳しくなったのは菜央さんと美雪さんが加わってからなんですけどね。……あと、一穂さんも。 菜央(私服): とってつけたように言わないでよ、詩音さん。……確かに料理に関しては役に立ってないけど。 一穂(私服): ううっ……! レナ(私服): そうだよ詩ぃちゃん、一穂ちゃんに失礼だよ。……それが事実だったとしても。 一穂(私服): あぅぅっ……?! 梨花(私服): みー、一穂が追撃を喰らって悶絶しているのですよ。 圭一(私服): あははは、確かに一穂ちゃんって面白ぇよな!俺も存在感をアピールできるよう、頑張るぜ! 沙都子(私服): をーっほっほっほっ!部活を離れてブランクのある圭一さんの居場所が、まだ残っていると本気で思っておりまして~? 魅音(私服): っ、沙都子……! 沙都子(私服): あっ……?! 圭一(私服): …………。 沙都子(私服): ち、違いますのよ、圭一さんっ?わ……私は、そんなつもりで言ったのでは……?! 圭一(私服): ……確かに、そうだな。悪りぃ、ちょっと俺も調子に乗りすぎていたぜ。 梨花(私服): 圭一……。 圭一(私服): おっと、もうこんな時間か。今日はこの後、お袋にお遣いを頼まれていたからこのあたりで失礼するぜ。んじゃな。 沙都子(私服): ……ぁ、圭一さっ……。 沙都子(私服): …………。 詩音(私服): ……沙都子。いくら言葉の応酬が激しくなったとしても、さすがにあれはないと思いますよ。 沙都子(私服): ……ごめんなさいですわ、詩音さん。それに、他の皆さんも……。 沙都子(私服): で……でも私、決して圭一さんのことが嫌いなんかじゃありませんのよっ?ただ、楽しくお喋りをしたくて、でも……。 レナ(私服): ちょっとだけ、言葉選びを間違えちゃったんだね。 魅音(私服): まぁ……ブランクがあるって意味じゃ、私たちも沙都子と同じかもしれないよね。 詩音(私服): ですね。以前だと踏み込むラインが、もっと見極められていたと思います。 沙都子(私服): わ、私……今から追いかけて、圭一さんに謝罪をしてきますわ。 美雪(私服): んー、それも悪くはないと思うけど……それよりもまず、沙都子に聞いてもいい? レナ(私服): はぅ、美雪ちゃん……?沙都子ちゃんに何が聞きたいのかな、かな……? Part 02: 魅音(私服): さて! 思っていたよりも早く到着したから、昼食の準備前にかるーく身体を動かしておきたいんだけど……みんなはどう? レナ(私服): はぅ~!つまりこの大自然の中で、部活をやるってことだね?レナはもちろん異議なーし、だよ! 菜央(私服): レナちゃんが賛成だったら、あたしも異存なしね。一穂だって、もう聞くまでもないでしょ? 一穂(キャンプ): う、うん……部活ができるんだったら、頑張るよ! 梨花(私服): みー。ボクも羽入も負けないのです。圭一……覚悟はできていますですか? 圭一(キャンプ): へへっ、その質問は野暮ってもんだぜ梨花ちゃん!たとえ呼ばれなくったって無理矢理、強引にでも割り込んで参加してやるつもりさ! 詩音(私服): まぁ、圭ちゃんが誘われないことは絶対にあり得ないので大丈夫ですよ。……ですよね、お姉? 魅音(私服): だからなんで、いちいち私に同意を求めるのさ!そもそも、圭ちゃんの参加に異議を唱える子が私たちの中にいるわけが……あっ……。 沙都子(キャンプ): …………。 梨花(私服): みー、沙都子。気になるのであれば、もう一度謝った方がいいのです。 沙都子(キャンプ): 梨花……。 梨花(私服): 圭一。この前沙都子が言ったことは、本心じゃないのです。久々に圭一と一緒に過ごすのが楽しくて、つい言い過ぎてしまったのですよ。 圭一(キャンプ): …………。 梨花(私服): だから沙都子のことを、許してあげてほしいのです。……お願いしますのですよ、圭一。 圭一(キャンプ): へっ……そんなの言うまでもないぜ、梨花ちゃん。俺があんなことでへこたれて、泣き言をいうようなヘタレ野郎に見えるってのか? 梨花(私服): み……? 圭一(キャンプ): 自分の居場所は、自分で切り開いて作るもの!だから沙都子、お前も気に病む必要なんてねぇ! 圭一(キャンプ): 認めさせてやるさ、お前たちに!改めて俺が仲間のひとりとして、面白ぇやつだって思ってもらえるようにな! 沙都子(キャンプ): 圭一さん……。 沙都子(キャンプ): を……をーっほっほっほっ!そこまでおっしゃるのでしたらあなたの実力とやら、とくと私たちに見せてくださいまし! 圭一(キャンプ): おぉっ、望むところだ!それじゃ魅音、今回の部活の種目を教えてくれ! 魅音(私服): えっ? あ、あぁうん、えっと……。 詩音(私服): ちょっと……お姉?部活をやるとあれだけ大見得を切っておきながら、まさか何も決めていないとか言いませんよね……? 梨花(私服): みー。今回の魅ぃはノープラン過ぎるのです。さすがにペナルティをつけるべきなのですよ。 魅音(私服): か、考えてきたよ! ただちょっと、圭ちゃんがそこまで沙都子や私たちのことを前向きに思ってくれていたことが嬉し……じゃなくてっ! 魅音(私服): よーし! そこまで言うなら圭ちゃん、自分の居場所は自分で切り開いてみせなよ!今回の種目は……こいつだ! 一穂(キャンプ): えっと……それって、フリスビー? 魅音(私服): その通り!せっかくこれだけ広い場所を縦横無尽に使えるんだから、普段はあまりしない遊びで楽しまないとね! 魅音(私服): まずは2チームに分かれて、ドッジボール形式で対決だよ!で、最後まで残ったチームの子が1ポイントを獲得! 魅音(私服): その後は改めてチーム分けをして、さらに対決!最終的にポイント数の少ない子が、罰ゲームだ! 圭一(キャンプ): おぉ……そいつぁ燃えてくるな!つまり俺がひたすらピンポイントで狙い撃ちすれば、必然的に沙都子が罰ゲーム確定ってわけか……! 圭一(キャンプ): くっくっくっ……久々の罰ゲームだ、沙都子にはガチ泣きするレベルの恥ずかしい目に遭わせてやるぜぇぇ! 沙都子(キャンプ): な……ななな、何を世迷い言をおっしゃいましてぇ?たとえどれだけ付け狙われようとも、私が圭一さんに遅れをとることなど絶っ対にあり得ませんわ! 圭一(キャンプ): はっはっはっ! そうやって虚勢を張るのは大いに結構だが、果たして俺を敵に回しておいて終わった後に同じ台詞を言えるかなぁ……? 圭一(キャンプ): 言っておくが俺は、竹を割ったような男に見せかけて実は、モチをついたようにしつこいんだ!罰ゲームを喰らった時の涙を用意しておけよ~! Part 03: 魅音(私服): というわけで……今回の栄えある優勝は、沙都子! 魅音(私服): そして、ビリの罰ゲーム確定の敗者は……圭ちゃんだー! 沙都子(キャンプ): をーっほっほっほっ、ざまぁないですわねぇ!あれほど大口を叩いておきながら最下位だなんて、情けないにもほどがありましてよ~! 圭一(キャンプ): ぐっ……ぐおおぉぉっ……?ただボールがフリスビーに変わっただけで、あんなに難易度が上がっちまうとは……! 圭一(キャンプ): っていうかレナ、魅音! それに他の面々!なんで沙都子だけじゃなくお前らまで、俺にばっかり狙い撃ちを決めてきたんだよ?! 圭一(キャンプ): ゲーム開始早々からあんなに集中砲火を浴びせられたんじゃ、さすがにひとたまりもねぇぜ! 美雪(私服): んー、だって……やっぱり一番の脅威は、真っ先に排除しておきたいと思うもんでしょ? レナ(私服): それに圭一くん、罰ゲームで沙都子ちゃんを恥ずかしい目に遭わせるって言っていたから……。 菜央(私服): 火の粉はさっさと払っておくに限る、って全員の利害が一致したのよ。文字通り口は災いの元だったわね、前原さん。 梨花(私服): みー。さすがのボクたちも、軽犯罪を看過するわけにはいかないのですよ。にぱー☆ 圭一(キャンプ): いや、俺だってそこまでは求めたりしねぇって!つかみんな、実はわかっていて俺をハメやがったなぁ?! 詩音(私服): くすくす……だって、罰ゲームになって一番面白いのは誰かと聞かれたら……ねぇ、羽入さん? 羽入(私服): あぅあぅ、やっぱり圭一は勇ましく勝利を誇るよりも惨めにうなだれている姿が素敵だと思うのですよ~♪ 圭一(キャンプ): なんなんだ、そのゆがみまくった俺への評価はっ?お前ら全員、サディストか?男をいたぶって悦に浸るやばいやつらなのかぁぁ?! 一穂(キャンプ): ご、ごめんね前原くん……!ここで協力しないと、ターゲットを私にするぞって脅されたから、仕方なく……。 圭一(キャンプ): 典型的ないじめの構図じゃねぇかそれは!#p雛見沢#sひなみざわ#rに戻ったら、PTAと教育委員会に訴えてやるから覚悟していろよっ! 美雪(私服): あー、それやっても無駄だよ。あの人たちって基本的に強者におもねる、形骸化された組織だからさ。 美雪(私服): 泣きつくなら警察か、それともヤクザか……こっちの方が確実だよ。うん。 圭一(キャンプ): その両方の家のやつが敵に回っている時点で、俺の未来は絶望しかないだろうがぁぁぁ?! 魅音(私服): はいはい。……でもまぁ、これで沙都子もわかったよね。 沙都子(キャンプ): えぇ……最初からわかっておりましたけど、これではっきりしましたわ。 魅音(私服): んじゃ、罰ゲームの発表だね……前原圭一!あんたは間違いなく部活メンバーの一員!それに対しての疑いを持つことを禁ずる! 魅音(私服): この禁止事項は特例として他の部活メンバーに対しても有効とする! レナ(私服): はぅ~、圭一くん!改めてこれからも、レナたちと一緒に遊ぼうね! 梨花(私服): ぱちぱちぱち☆ 羽入(私服): あぅあぅ、圭一と一緒に遊ぶと僕もすっごく楽しいのですよ~。 圭一(キャンプ): みんな……。 沙都子(キャンプ): 圭一さん……この前はごめんなさいですわ。 圭一(キャンプ): おいおい、沙都子が素直に頭下げるなんてどうした?どういう風の吹き回しだ……?! 詩音(私服): 素直に謝罪を受け取ってあげてくださいよ。 圭一(キャンプ): 詩音……。 詩音(私服): 圭ちゃんの件については、お姉たちに非があるのが明らかですけどね……。 詩音(私服): 身勝手前提で言わせてもらいますけど、圭ちゃんにしょぼくれられると空気が重くなるんですよ。 詩音(私服): まぁ、そういう反省した態度を圭ちゃんが望んでいるのだとしたら、私は沙都子をあと少しくらい叱りつけてやりますけどねー。 圭一(キャンプ): いやいやいやそんなの望んでねぇって?!……俺も、この前は悪かったよ。 圭一(キャンプ): 実は、#p興宮#sおきのみや#rの学校の連中に雛見沢のことでちょっと色々言われて……ケンカじゃないけど軽い言い合いになっちまってな。 圭一(キャンプ): その時のことが頭に残っていて、過剰反応しちまったと言うか……悪かった。あんな感じの悪い反応するほどじゃなかったのに。 沙都子(キャンプ): 圭一さん……。 一穂(キャンプ): 知らなかった……そんなことがあったんだ。 魅音(私服): ……圭ちゃん、それ言ったのどいつ? 圭一(キャンプ): 待て待て、報復に出る気だろ?!言わない! そこまでの大事にする気はない! 詩音(私服): 圭ちゃんがそう言うなら、仕方ないですね……では、次から似たようなことが起きたら両者お仕置きですのでよろしくお願いしますね☆ 圭一(キャンプ): あぁ……ところで、お仕置きってなんだ? 詩音(私服): 該当者2人の恥ずかしい衣装をたくさん着せて写真集を作ります☆ 大丈夫、写真館も製本もアテはあるので任せてください! 圭一(キャンプ): 任せてたまるかぁああああああ!!くそおおおお! 素直に感動させてくれよぉおお!!! 菜央(私服): 本当にそれさえなければ感動できたのかしら? 一穂(キャンプ): き、きっと口実だけで、そんなことしないよ!……多分。 美雪(私服): 脅しじゃなくて、本気で作る気だと思うな……その時は涙を飲んで見てあげよう。うん。 菜央(私服): あえて見ないって選択肢はないのね。 美雪(私服): だって面白そうじゃん? 一穂(キャンプ): さ、さりげなく酷い……! 沙都子(キャンプ): その串焼きは、渡しませんわぁぁあっっ!! 圭一(キャンプ): ぐはっ……?さ、沙都子……てめぇ……?! 沙都子(キャンプ): をーっほっほっほっ! この串焼き3本は、私が最初のうちに目をつけて狙っていた珠玉の品!易々と食べさせるわけにはいきませんのよ~! 圭一(キャンプ): 俺だって狙っていたんだぞ、その串焼きは!せめて1本くらいよこしやがれぇぇっっ!! 沙都子(キャンプ): あっかんべー!悔しかったら力づくで奪ってごらんなさいまし~! 圭一(キャンプ): よーし、言ったな沙都子!ふん捕まえてその串焼き全部奪い取ってやるから、覚悟しやがれぇぇぇ!! 魅音(私服): いやまぁ、確かに元通りになればいいとは言ったけどさぁ……。 詩音(私服): 騒がしさだけで言えば、さらにアップしていませんか? 一穂(キャンプ): あ、あははは……。 レナ(私服): はぅ……でも沙都子ちゃん、とっても楽しそうだよ。 菜央(私服): そうね……。 沙都子(キャンプ): 美雪さん、予備の調味料ってお持ちでしたわよね?味が薄かったので、足してみたいのですが。 美雪(私服): うん、こっちにあるよ。取りに行こうか。 沙都子(キャンプ): えぇ、お供しますわ。 美雪(私服): はい、調味料あったよー。 沙都子(キャンプ): ありがとうですわ……それにしても、驚きましてよ。 美雪(私服): え? なにが? 沙都子(キャンプ): キャンプの準備中に、「沙都子は前原くんが嫌いなの?」って聞かれた時のことですわ。 沙都子(キャンプ): そうじゃないとわかってても、そういうことは普通ストレートには聞かないものだと思いますの。 美雪(私服): うん……でもストレートに聞かないとダメかなって思ってさ。 美雪(私服): まぁ部活メンバーのことだから大丈夫だとわかっていたけど、一応というか……念のためにね。 沙都子(キャンプ): びっくりして慌てて、否定してしまいましたわ。まぁ……もっと圭一さんと遊びたいというのは付け加えなくてもいいかと思いましてよ。 美雪(私服): いや、あった方がよかったよ。 美雪(私服): 万を超して億が一でも、沙都子は前原くんが嫌いで実は追い出したいかも……なんて疑惑を持たれたくないでしょ? 沙都子(キャンプ): ……美雪さんは、そういったあらぬ疑惑を持たれたことがありますの? 美雪(私服): ……おぅ。沙都子は時々鋭いね。うん、まぁそういうことがあってね。 美雪(私服): なんとか誤解を解こうと頑張ったけど、私は手遅れだったからさ。そうならなくてよかったよ。 沙都子(キャンプ): 美雪さんも、苦労されているのですね……でもそのおかげで、私は助けられた。 沙都子(キャンプ): ……なんだか、妙な気分ですわ。素直にありがとうと言いづらいと申しますか他人の失敗を利用しているようで……。 美雪(私服): 利用と言うと聞こえが悪いけどさ……誰かの失敗を糧にすることは悪いことじゃないと思うよ。お互い、状況が違えば立場が入れ替わることもあるし。 沙都子(キャンプ): 私の失敗も、いつかは美雪さんの糧になりますの? 美雪(私服): うん。そのためには失敗を間近で見てないとね。だから私も沙都子たちと一緒にもっと遊びたいし……。 美雪(私服): ……これからも、一緒にいていいかな? 沙都子(キャンプ): 何を今さらなことをおっしゃいますの?美雪さんはとっくに立派な部活メンバーでしてよ~! 沙都子(キャンプ): では戻りますわよ! 肉が私を待っておりますわ! 美雪(私服): うん……ありがと、沙都子。 沙都子(キャンプ): って私の肉がありませんわぁあああああ?! 圭一(キャンプ): 遅かったな沙都子……美味かったぜ。 沙都子(キャンプ): け、い、い、ち、さぁあああああん!!! 美雪(私服): おぅ、またケンカしてる。 梨花(私服): この2人がケンカするなら、見ていて楽しいケンカがいいのですよ。……みー、オレンジジュースが進むのです。 羽入(私服): 梨花ぁ!人のケンカを見世物にしてはいけないのですよ~!