Part 1: 圭一(冬服): はぁ……なるほどな。一穂ちゃんの見た夢って、なかなか不思議というか、変わった内容だぜ。 美雪(冬服): 夢の中で、レナに似た人と姉妹になって……花魁の姉が殺されて、妹が後追い自殺……か。 一穂(冬服): う、うん……妹はまだ花魁になったばかりというか、なる直前だったみたいだけどね……ぁふ……。 レナ(冬服): はぅ……一穂ちゃん、大丈夫?まだ眠そうな感じだから、もう少し休んでおいたらどうかな……かな? 一穂(冬服): ううん、もう大丈夫。レナさんやみんなと話をしたら、ちょっと落ち着いてきたから。 沙都子(冬服): それにしても……奇妙な偶然ですわね。倉庫から出て来た着物が一穂さんの夢に出てきた姉花魁と同じ柄とは、どういうことですの? 梨花(冬服): みー。偶然……で済ませるには、何かの奇縁というか、因縁を感じるのですよ。 羽入(冬服): あぅあぅ。なんだか、ちょっと怖いのですよ。 魅音(冬服): 確かに、なんか変な感じだね。一緒に入っていた手紙には、花魁姉妹は病気で亡くなった……って書いてあったのにさ。 沙都子(冬服): こういう場合、どちらが本当だと考えればよろしいんですの? 美雪(冬服): んー。この着物の破れ方と血痕のようなシミを見る限り、病気と他殺……どちらも可能性としてはありそうなんだよね。 圭一(冬服): ここまで時間が経っちまっていると、警察の鑑識でも判断が難しいだろうな。考古学の最新技術で分析したら、あるいは……。 菜央(冬服): ……っ……。 羽入(冬服): あぅ、菜央……どうしたのですか?なんだか、身体がぷるぷると震えているようですが。 菜央(冬服): ……っ、るい……。 魅音(冬服): えっ? 菜央(冬服): 一穂だけ、ずるい!あたしも花魁姿のレナちゃんが見たい! 菜央(冬服): っていうか、レナちゃんと姉妹?!なにそれ、天国? 極楽っ?なんであたしじゃなく、一穂なのぉ?! 一穂(冬服): えっ……あの、そう言われても……ご、ごめん。 菜央(冬服): 別に謝らなくてもいいわよ!一穂が悪いんじゃなくて、夢を見せる相手をあんたにしたこの着物が空気読めって言ってるのっ! 菜央(冬服): 見たかったのに……! この着物を身にまとったレナちゃんの艶姿を、あたしは! この目で焼き付けるくらいに見たかったのに……ッ!! レナ(冬服): は、はぅ……な、菜央ちゃん……? 一穂(冬服): (なんていうか、その……ここまで悔しがってる菜央ちゃんは、珍しいかもしれない。血の涙を流して、ってこういう感じなんだろうか?) 一穂(冬服): (……あ、もちろん菜央ちゃんは血どころか涙なんて流してはいないけど) 一穂(冬服): えっと……菜央ちゃん。私が会ったのはレナさん本人じゃなくて、あくまでイメージの……私の相手役としての「礼奈大夫」なんだけど……。 沙都子(冬服): ……一穂さん。正しく伝えたいというお気持ちはわかりますが、それではかえって話が混乱するだけですわ。 一穂(冬服): ご、ごめんなさい……。 菜央(冬服): 見たい、見たいっ!あたしも、レナちゃんの花魁姿が見たーいっ!そして妹になって、一緒に並びたーいッッ!! 美雪(冬服): え、えーっと……さすがにこの着物の丈だと、菜央が着るには大きすぎると思うよ。仕立て直しにしても、長さをつめないとね。 菜央(冬服): ……じゃあ、切るわ。ばっさりと。 美雪(冬服): なんてことを言い出すんだこの子はっ?文化財になってもおかしくないくらいの超高級な着物なんだぞ?! 菜央(冬服): だったら、せめてレナちゃんの花魁姿が見たい!お願い、レナちゃん! ねっ? ねっ?! 美雪(冬服): ……こりゃダメだ。普段は年齢を忘れるくらいにしっかり者のくせに、レナが絡むと年相応を通り越してまるで幼児のレベルだよ……。 一穂(冬服): あ、あははは……。 菜央(冬服): ねぇ……レナちゃん。もしよかったら、一度だけでもいいからこの花魁の着物……着てくれない? レナ(冬服): はぅっ? こ、この着物を……? 梨花(冬服): ……落ち着いてくださいなのです、菜央。この着物は、この倉庫の中にどれだけの間しまわれてあったと思っているのですか? 羽入(冬服): あぅあぅ……倉庫にずっと眠っていたものなので、見えない汚れがついているかもなのですよ。 魅音(冬服): うん……綺麗ではあるけど、それはちょっとね。さっきも言ったようにあちこち破れているし、シミもあるんだからさ。 美雪(冬服): んー、そういや昔、お母さんが季節物の服を押し入れにしまう時にうっかり防虫剤を忘れて、大変なことになったんだよね……。 圭一(冬服): 菜央ちゃんの気持ちはわかるけどさ……さすがにこの着物をここで着ろってのは無茶が過ぎると思うぜ。 菜央(冬服): ……何言ってるのよ。これをそのままレナちゃんに着て、なんてそんなバカなことを頼むわけないでしょ? 一穂(冬服): え? じゃ、じゃあどうするの……? 菜央(冬服): 決まってるでしょ!この花魁衣装を参考に、新しく作るのよ!! レナ(冬服): え、え……えええええっ?! Part 2: ――そして、翌日。 レナ(冬服): ……はぅ。菜央ちゃんって、すごい行動力だね。 レナ(冬服): 倉庫整理は昨日だったのに、早速今日は魅ぃちゃんの知り合いの人に着物の縫い方を教えてもらいに行っているんだって……? 美雪(冬服): あー、うん。私としては、昨日の今日で和裁を教えられる人をすぐに紹介できる魅音の人脈も、すごいと思うけどねぇ。 レナ(冬服): あっ、そういえば一穂ちゃんがいないけど……やっぱり菜央ちゃんと一緒なのかな? かな? 美雪(冬服): 菜央の目指す着物は、一穂が夢で見たものの再現だからねー。朝からあの子の首根っこを掴んで、飛んでったよ。 レナ(冬服): あははは。なんだかその光景が、想像できちゃうね。 美雪(冬服): まぁ、あの子に付き合って花魁用の高下駄を再現しようと準備を進めてる、私もずいぶん付き合いがいいなー、とは思うけどさ。 レナ(冬服): はぅ……今の時代には、花魁用の三枚歯の高下駄なんてものは普通のお店に売ってないからね。 美雪(冬服): 倉庫にあったあれは、年季が入ってるからねー。見た目よりも脆くなってる可能性があるとなると、使うわけにはいかないしさ。 美雪(冬服): ……けど、レナはいいの? レナ(冬服): え、何がいいのかな……かな? 美雪(冬服): 菜央の勢いに乗せられちゃってるけど……このままだとレナ、正月には花魁衣装を着ることになっちゃうんだよ? レナ(冬服): あははは。レナは全然構わないよ。それに、花魁さんの衣装ってとっても綺麗だもん。一度着てみるのも素敵だなぁ……ってね。 美雪(冬服): そっか……いや、それならいいんだけどね。 美雪(冬服): よし……じゃあ前原くんが足りない道具を買って来てくれる前に、今できる作業をやっちゃおう! レナ(冬服): うんっ! レナも手伝うよ~! 圭一(冬服): よぉっ! 調子はどうだ? レナ(冬服): あ、圭一くん! 美雪(冬服): お疲れー。鼻緒用の道具ってあった? 圭一(冬服): あぁ、菜央ちゃんにもらった買い物メモを店の人に見せたら、一発だったぜ。 レナ(冬服): あははは、よかったぁ。わざわざ買いに行ってきてくれてありがとうね、圭一くん。 圭一(冬服): へへっ、この程度はお安い御用だぜ。……で、レナと美雪ちゃんは今のところ何をやっているんだ? 美雪(冬服): んー、これ?高下駄用のパーツを削り終わったから、休憩を兼ねて木材で遊んでるんだよ。 レナ(冬服): はぅ~、美雪ちゃんって木材の扱いがとっても上手なんだよ。 圭一(冬服): どれどれ……おぉ、ここにあるのって全部削り出した高下駄の素材なのか?確かに、出来栄えがすげぇな。 美雪(冬服): いやいや……レナが寸法通りにきっちりと切り分けてくれたからだよ。私がやったのは、細かい調節だけだしね。 美雪(冬服): ……よし、できたっ。木彫りのキツネ……どうですか、奥さん? レナ(冬服): かっ……かかか、かぁいい~~!!お持ち帰りぃしたぃ~っ!! 美雪(冬服): どうぞどうぞ。こんな荒削りなやつでよければね。 レナ(冬服): はぅ~っ、美雪ちゃんありがと~!!かかか、かぁいいよぉ~!! 圭一(冬服): レナ……ほっぺにキツネの耳が刺さってるぞ。痛くないのか? 美雪(冬服): んー、この顔を見る限りは大丈夫そうだね。 美雪(冬服): ……にしても、花魁かぁ。一穂も着物の夢を見るんだったら、普通に時代劇の夢とかを見てくれればよかったんだけどなぁ。 圭一(冬服): ? 何か含んだような言い方だな……美雪ちゃんって花魁、好きじゃないのか? 美雪(冬服): うーん、花魁というか……風俗系は、全部? 圭一(冬服): んー、まぁあっち系の仕事をする人って女性から見たら、色んなイメージがあるだろうしな。化粧も濃いし、人との付き合い方だって……。 美雪(冬服): あ、違う違う。働いてる人に対しては、全然悪い印象なんて持ってないよ。 美雪(冬服): 警察が拳銃を持つように、仕事によって色々と備えるのは当たり前のことだし……お酒を飲んで盛り上げるのも、立派な商売だよ。 圭一(冬服): ん、そうなのか? だったら……。 レナ(冬服): はぅ……美雪ちゃんが好きになれないのは、お店で働いている人じゃなくて……その後ろについている人じゃないかな、かな。 圭一(冬服): 後ろ……っていうと、経営者か? 美雪(冬服): あるいは、さらに後ろにいる人たち……かな。風俗の経営体制は色々と複雑なものがあるから、一概に全部が悪とは言えないけど……。 美雪(冬服): ……あのさ。古手家の倉庫から見つかった着物の持ち主の死因……2人は、どう思う? 圭一(冬服): 病死か、他殺か……ってことだよな。あの場では、余計なことを言っても嫌な空気になるだけだと思って、黙っていたんだが……。 レナ(冬服): 一穂ちゃんの夢は、ただの夢かもしれない……。けど、ただの病死と考えるには着物の傷やシミが気になるよね。 圭一(冬服): 後者だとしたら……着物に添えられていた手紙を書いた人が、嘘をついたってことになるしな。 美雪(冬服): 手紙を書いた人は知らなかった、ってことも考えられるけど……その辺りでどう結論づけたものか、悩むんだよね。 美雪(冬服): 性的なものが絡むと、歴史って歪みやすいというか……正しい事実が伝わりにくくなるからさ。 レナ(冬服): ……圭一くんが、「花魁ってなんだ?」ってとぼけてみせたように? 圭一(冬服): ぎくっ。 美雪(冬服): あ、やっぱり。 圭一(冬服): や、やっぱり……って、2人とも気づいていたのか? 美雪(冬服): あははは。あれは嘘じゃなくて、前原くんなりの気遣いでしょ? レナ(冬服): 花魁がどういう仕事か、一穂ちゃんや菜央ちゃんの前だと話しにくかったんだよね。 圭一(冬服): うっ……。 美雪(冬服): いや、でもあれで正解だったと思うよ。おかげで魅音が上手にぼかして、花魁について説明してくれたしね。 圭一(冬服): ふ、2人が揃うと言い訳する暇すらないな……まぁ、その通りなんだが。 レナ(冬服): でも、花魁もそうだけど……花街の実態がどうだったかって、いろんな説があるよね。 レナ(冬服): 衣食住は保証されていた、って話もあるし、全ては最低限以下で飼い殺しにされた……レナはどっちも聞いたことがあるよ。 美雪(冬服): ……歴史ってのは結局、人間が編集してから後世に残すものだからね。 美雪(冬服): どっちかが本当かもしれないし、どっちも嘘で全く別のところに真実があるのかもしれない。 レナ(冬服): あの着物の持ち主の花魁は、レナのご先祖様の親戚かもしれないし他人かもしれない……って話とも似ているよね。 圭一(冬服): 自分のご先祖様が何をやっていたかなんてよくわからないのに……その兄弟とかがどうだったかなんて、さっぱりだぜ。 レナ(冬服): 戦国武将とかも、大きな事件や事実は残っているけど……関わった人の証言によってどんな人だったのか、が食い違ったりするよね。 レナ(冬服): でも……そこが、歴史の面白いところだなってレナは思うかな……かな。 圭一(冬服): まぁ、そうだよな。歴史ってやつに、数学みたいな絶対ってのは存在しないんだろう。 美雪(冬服): 姿は見えても、顔は見えず……か。改めて思うと、歴史って難しいね。 美雪(冬服): ……おっ、いいことを思いついたよ! レナ(冬服): はぅ……いいことってなにかな? かな? 美雪(冬服): レナって、キツネが好きだよね。 レナ(冬服): え? うん。美雪ちゃんが作ってくれたこの木彫りのキツネさん、とってもかぁいいよ♪ 美雪(冬服): レナが手伝ってくれたおかげで、高下駄作りは順調だし……これが終わったら、おまけも作ろっかな~。 圭一(冬服): ……おまけ? Part 3: 菜央(冬服): ほ、ほ…………。 菜央(冬服): ほぁぁああ~~~~っ!!レナちゃん、素敵ぃいいいいい!!! レナ(花魁): はぅ……ありがとう菜央ちゃん。作ってくれた着物、とっても素敵だよ。 圭一(冬服): い、いやー……花魁と聞いていたから予想はしていたつもりなんだが、なかなかすさまじい格好だぜ……! 梨花(冬服): みー。圭一の口から、ヨダレが出てるのです。 羽入(冬服): あ、あぅあぅ……。 圭一(冬服): で、出てねぇよ!……出てねぇよな?! 魅音(冬服): そうやって確認する時点でもうダメじゃない? 圭一(冬服): ぐぅおおぉおおおお……。 レナ(花魁): あ、あんまりじっと見つめられると、ちょっと恥ずかしいかな……かな……! 菜央(冬服): あぁあああああ!レナちゃん、素敵ぃいいい!! 沙都子(冬服): な、菜央さん! そんな姿勢で写真を撮ったら、下着が見えてしまいますわよ!? 菜央(冬服): 止まらない……!シャッターを押す手が止まらない……! 菜央(冬服): ……あ、フィルムが切れた。ちょっと、予備はどこよ?! 美雪(冬服): いやー、着物を作った菜央もすごいけどさ……ゲストハウスの隅に、こんなセットを作るなんてすごいというか、やりすぎじゃない? 圭一(冬服): だな……何がどうなったら、こうなるんだ? 魅音(冬服): 菜央が、完成した着物で写真を撮りたいって言ったら、和裁の先生たちが面白がって屏風やら灯籠やらを、色々と持ってきてくれてさ。 魅音(冬服): で……全部組み合わせたら、こうなっちゃった。 美雪(冬服): だからって、全部のせ過ぎじゃない? 魅音(冬服): 私もそう思ったけどね……「今どき和裁を習いたい子なんて、貴重だ」って先生たちが喜んで、張り切っちゃってさ。 魅音(冬服): 自分たちの歴史を繋いでくれる子が現れた、ってもう大はしゃぎで止められなかったんだよ。 美雪(冬服): ……まぁ、そうだよね。自分たちの功績を正しく伝えてくれる人がいるってのは、嬉しいと思って当然か……。 一穂(冬服): …………。 圭一(冬服): なぁ、一穂ちゃん。 一穂(冬服): あ……ま、前原くん。どうしたの? 圭一(冬服): いや……あの着物って、どうだ?夢の中で見たものと似ているか、一応聞いてみたいと思ってさ。 一穂(冬服): う、うん。夢の中とそっくり……でも、あのキツネのお面はどうしたの? 圭一(冬服): 美雪ちゃんが下駄ついでに、作ったんだってさ。見よう見まねって言っていたけど、すげぇよなー! 一穂(冬服): ……。うん、そうだね……。 圭一(冬服): ……一穂ちゃん? 一穂(冬服): あ、べ……別になんでもないよ。ただ……。 一穂(冬服): あのお面の……おかげかな。夢の中の花魁さんの顔がどうだったのか、やっぱり思い出せないけど……。 一穂(冬服): 無理に思い出さなくても、いいのかなって。あの人がレナさんに似てても似てなくても、私を助けてくれたことは、事実だから……。 圭一(冬服): ……そっか。 菜央(冬服): もう、予備のフィルムどこに行ったのよ~! 梨花(冬服): みー。焦って探しても見つからないのです。 羽入(冬服): あぅあぅ菜央、ちょっと落ち着くのですよ。 圭一(冬服): ははは。こりゃちょっと、休憩に入った方がよさそうだな。 一穂(冬服): そ、そうだね……。 美雪(冬服): お疲れさま、レナ。衣装の着心地はどう? レナ(花魁): うん。ちょっとだけ重いけど、悪くないよ。 圭一(冬服): まぁ、その頭って重そうだもんなー。でも、すげぇ似合っているぜ。 レナ(花魁): ありがとう、圭一くん。……。 美雪(冬服): ? どうしたの、その顔。なんか浮かない感じだけど……。 圭一(冬服): 撮影が長引いて、疲れちまったのか?だったらもう少し、ゆっくりできるところに移動しても……。 レナ(花魁): ……ううん、そうじゃないの。 レナ(花魁): あのね……圭一くん、美雪ちゃん。レナ、ずっと考えていたんだ。昔、この衣装を着た花魁さんのことを……。 レナ(花魁): 花魁さんたちがどう生きたのか、死因とか、色々……。 美雪(冬服): ……結論は出た? レナ(花魁): わからない、って思った。 圭一(冬服): わからないが結論なのか? レナ(花魁): うん。過去がどうだったかは、今を生きているレナの目で見ることはきっと、できないから。 レナ(花魁): だけど、今に残っている着物のことは……綺麗だって……かぁいいなって思ったものは、なるべく残していきたいなって。 レナ(花魁): あと……わかったことはちゃんと今のままで残すべきだけど、わからないこともそのまま残すべきだと思う。 レナ(花魁): ……今は、何が正解かはわからない。けど、もしかしたら未来の人が本当のことを見つけてくれるかもしれないから。 レナ(花魁): レナがゴミ山から宝物を見つけるみたいに。……いつか、誰かが。 圭一(冬服): わからないなら、わからないなりに全部残して、未来に託すか……ははっ、レナらしい結論だな。 美雪(冬服): 確かに、中途半端に切り捨てるよりはいろんな説を残す方がよさそうだね……。ゴミ山よりは、場所も取らないしさ。 レナ(花魁): あはは、そうだね! 美雪ちゃんの言う通り! 菜央(冬服): よし……フィルムがあった!レナちゃん、撮影を再開してもいい?! レナ(花魁): うん! っ、と……! 圭一(冬服): レナ、足元気をつけろよ。手を貸してやるから、ゆっくり行こうぜ。 圭一(冬服): 高下駄で歩くのは危ないからな。 レナ(花魁): はぅ……ありがとう、圭一くん。 美雪(冬服): あとで、記念写真でも撮ろうよ。写真は事実を、そのまま残せるから……ね。 圭一(冬服): だな! 今日があった事実を残してやろうぜ! レナ(花魁): ……うん、そうだね!菜央ちゃん、お待たせー!今からそっちに行くよ~♪