舞台裏



 は秘匿された施設の一画──薄暗い格納庫だった。

 巨大ハンガーの作業通路にこうぞうが立つ。手すりをつかみ、一機のロボットを見上げていた。その胸中は重石おもしを納めたかのように重い。

「世界を救うために、世界を壊す……か」

 それは同志の言っていた言葉だ。しかし、ここに来て光三にはまだ迷いがあった。愛する娘のためとはいえ……多くの血を流し、世界の敵になる事に。

「私の選んだ道が、そしてこの機体が、〔正しい選択〕になることを祈るしかない」

 光三はそう言い、自分が完成させてしまったネイバーを見た。

「ネイバーナンバー15……【悪魔】のアルカナを持つネイバー──」

 腕を組む漆黒の機体──四枚の翼を畳むその姿と、六つの目は悪魔という形容しか浮かばない。光三は不安と期待、その二つを抱いたままその名をつぶやいた。

「頼むぞ。アモン」

 悪魔の中の大悪魔────ネイバー【アモン】は出撃の時を静かに待つ。


FIN