Part 01: 梨花(私服): みー……? 一穂が村の人たちに、おかしなことを聞き回っている……ですか? 魅音(私服): うん……梨花ちゃんも最近、あの子から何か聞いたりされたことって……ある? 梨花(私服): ……その「おかしなこと」とは、いったいどういう内容なのですか? 魅音(私服): うーん……私の聞いた話だと、「#p雛見沢#sひなみざわ#rで狩猟の銃を持っている人はいるか」とかかな。あとは……。 魅音(私服): 「梨花ちゃんにお姉ちゃんはいるか」って聞かれた人もいたみたいだよ。 梨花(私服): ……それは、確かにおかしな質問なのです。ボクに姉がいないことは、雛見沢の人ならみんな知っていることなのですよ。 魅音(私服): そう……だよね。一穂だって、雛見沢で暮らし始めて結構経つんだから当然知っているはずなのに……。 梨花(私服): ……。それで一穂は、そんなことを聞いて回っている理由についてどう言っているのですか? 魅音(私服): いや……私もさっき小耳に挟んだばかりだから、まだ本人には直接確かめていないんだよ。 魅音(私服): それと……猟銃の件について聞かれた人が一穂がなぜか斧を神妙な顔で見つめていた、ってことも教えてくれてさ。 梨花(私服): 斧……? 魅音(私服): これくらいの、小さな手斧。たまたま、その人が畑仕事用に持っていたらしいんだよ。 魅音(私服): で、それを見た一穂が「……思ってたより、扱いやすそう」ってぼそっ……と小声で呟いたそうでさ。 魅音(私服): なんで急にそんなことを言い出したのか、その人も全然理解できない感じで……なんか怖かった、って言っていたんだ。 梨花(私服): …………。 魅音(私服): まさか……まさかとは、思うけどさ。……武器、とかじゃないよね。 梨花(私服): みー……?どうして一穂が武器を持つ必要があるのですか? 魅音(私服): いや、だっておかしいじゃん!突然変なことを聞き回ったり、武器になるものを探し出したり……! 魅音(私服): これじゃ、まるで悟史の時と……ッ! 梨花(私服): ――きっと。 梨花(私服): 菜央や美雪のために、何か斧を使うような用事があった……それだけのことなのですよ。 魅音(私服): へっ……? 梨花(私服): 特に深い意味はないと思うのです。銃も、たとえば『ツクヤミ』を倒せないかと考えたりしただけ……。 梨花(私服): 悪く捉えてしまうと不穏に感じるかもしれませんですが、実際は大したことではなかったなんてことも、よくあるのですよ。 魅音(私服): そ、そうかな……? 梨花(私服): みー……一穂が積極的になるのは、ご飯と部活の時くらいなのです。心配することはないのですよ。にぱー☆ 梨花(私服): もし、違っていたとしても……知ってしまえば拍子抜けな理由かもしれません。きっと、魅ぃの考えすぎなのですよ。 魅音(私服): あ……あっはっはっ、確かに! 魅音(私服): うん……そうかも。そういうこと……か。 魅音(私服): いやー、#p綿流#sわたなが#rしが近いせいかな?変に敏感になっていたみたいだねー! 魅音(私服): だいたい、もし一穂が急におかしくなったら先に美雪や菜央が気づくはずだもんね~。 梨花(私服): その通りなのですよ、みー。 魅音(私服): いやはや……心配のしすぎで、私が疑心暗鬼になるなんてね。ごめんね梨花ちゃん、変な相談しちゃってさ! 梨花(私服): みー、気にしないでほしいのです。野菜のお裾分け、ありがたくいただくのですよ。 魅音(私服): 私のところへのお裾分けの、お裾分けだけどね!それじゃ私、そろそろ帰るよ。また明日! 梨花(私服): また明日、なのですよ。みー。 ……軽快な足音が、神社の階段を降りていく。 やがてそれが聞こえなくなると、ふぅ……と大人びたため息が聞こえて。 梨花(私服): ……そろそろ出てきても大丈夫なのですよ、一穂。 一穂(私服): ……っ……。 観念した私は、そろりと藪の中から姿を現した。 一穂(私服): こ、こんにちは……。 Part 02: 夕方特有の僅かに冷えた風が、頬を撫でる。……少し、寒い。 一穂(私服): (……早く、美雪ちゃんと菜央ちゃんがいる家に帰りたい) でも、笑顔で2人のもとへ帰るためにも……確かめなくちゃいけないことがある。 一穂(私服): いつから私がここにいるって気づいてたの? 梨花(私服): 魅音と話し始めてから、すぐなのです。……一穂は、いつ来たのですか? 一穂(私服): 神社に来たら、魅音さんと梨花ちゃんの姿が見えて。それで、慌てて……。 梨花(私服): ……一穂。少し、座ってお話をしましょうなのです。 一穂(私服): う、うん。 梨花ちゃんに促されて移動し、さっきの魅音さんのように本殿の階段へと腰を下ろす。 梨花(私服): ――ボクに、姉はいないのですよ。 それと同時に、梨花ちゃんがきっぱりとした口調で断言した。 一穂(私服): えっ……? 梨花(私服): それを聞きに来たのではないのですか? 一穂(私服): う、うん……そうなんだけど。 一穂(私服): もしかしたら、梨花ちゃんには聞かされていないだけで……。生き別れの……の可能性とか……。 梨花(私服): いないと断言できるのです、みー。 一穂(私服): そ、そうなのっ……? 梨花(私服): ボクは、古手家直系の長女なのです。その上には、誰もいないのです。 梨花(私服): もしも姉が生まれていたら、その人が古手家の頭首になるはずなのです。……それが#p雛見沢#sひなみざわ#rの、しきたりなのです。 一穂(私服): ……じゃあ、レナさんや魅音さんくらいの年齢のお姉さんは……絶対にいない? 梨花(私服): いないのです、みー。 一穂(私服): ……そうなんだ。 梨花(私服): ……一穂。ボクに姉がいると、誰から聞かされたのですか? 一穂(私服): えっ? あ、ううん……そういうわけじゃ、ないけど……。 梨花(私服): では、猟銃を持っている人について調べていたのは……なぜなのですか? 一穂(私服): …………。 返す言葉が思いつかず、反射的に黙り込む。……こんな時、自分のことが心底嫌だと思う。 梨花(私服): 一穂。 すると、私の緊張を見抜いたのか梨花ちゃんが優しい声で私の名前を呼んできた。 それでも、すぐには決心ができず何度も深呼吸を繰り返して……ようやく顔を上げ、口を開いていった。 一穂(私服): ……梨花ちゃん。美雪ちゃんと菜央ちゃんには言わないって、約束して……くれる? 梨花(私服): ……約束はします。 絞り出すような問いかけに、梨花ちゃんは神妙に頷きながら……でも、と続けた。 梨花(私服): このまま一穂がいろんな人に聞いて回っていたら……いえ、もう既に聞いてしまったのですよね。 梨花(私服): だとしたら、ボクが言わなくても……誰かがいつか美雪や菜央に聞くと思うのです。 梨花(私服): 一穂におかしなことを尋ねられた……と。 一穂(私服): そう、だね……私も、魅音さんがもう知ってるって思わなかったよ。 一穂(私服): 雛見沢が小さい村だってわかってたけど、こんなに早く話が伝わっちゃうんだね。 梨花(私服): ……どうして美雪や菜央に知られたくないのですか? 一穂(私服): それは、……心配をかけたくないから。 間髪入れずに返せたのは、その言葉が嘘偽りの無い本心だからだ。 梨花(私服): 二人が知ったら、心配するようなことなのですか? 一穂(私服): 美雪ちゃんと菜央ちゃん、優しいから……。 笑い飛ばしたりせず、今の私みたいにこそこそした動きじゃなくて……きちんと聞き込みをして、確認を取ろうとする。 一穂(私服): それに、本当に大したことじゃないんだよ。ただ……。 美雪ちゃんと菜央ちゃんにさせたくないなら、私がちゃんと尋ねて、確認しなければならない。 とても勇気が必要なことだけど……その重荷を、美雪ちゃんと菜央ちゃんに代わりに背負わせることに比べれば。 一穂(私服): ……梨花ちゃんがもし知ってたら、教えてくれないかな。 梨花(私服): みー……何を、ですか? 一穂(私服): 猟銃の所持って、免許がいるんだよね?雛見沢にも何人か、それを持ってる人がいるってことは聞いたんだけど……その……。 梨花(私服): 害獣対策に持っている人がいる、とはボクも聞いたことがあるのです。 一穂(私服): そっか……その免許を持っている人の中に……。 一穂(私服): 若い女の人って、いる? かすかに震えた声の問いかけに、梨花ちゃんは神妙な顔でしばし黙り込んで。 梨花(私服): ……いないと思うのです。少なくとも、ボクは知らないのです。 一穂(私服): ほ、本当に……? 梨花(私服): 魅ぃにも確認をとって構いませんですが、たぶん知らないと思うのですよ。 梨花(私服): 若い女性で猟銃の免許を持っている人がいたら、必ずウワサになるのです。 一穂(私服): 私がいろんな人に話を聞いているってことが、魅音さんの耳にもすぐ入ったみたいに……? 梨花(私服): はいなのです。 軽い調子で頷く梨花ちゃんを前に、ようやく肩の力がわずかに抜ける。 一穂(私服): そっか……じゃあ、本当にいないんだね。 梨花(私服): ……何があったのですか、一穂? 一穂(私服): 本当に、大したことじゃないんだよ。ただ……ちょっとだけ、悪い夢を見てね。 一穂(私服): リアリティがすごくあって……起きてからもずっと、なんだか不安で……。 開いた自分の手を見下ろし、手を握ったり閉じたりを繰り返す。 確かにある、自分の体を動かす肉の感触。 一穂(私服): (でも……あの夢の中にも、それがあった) 一穂(私服): どんどん夢なのか現実なのか、よくわからなくなってきて……。 一穂(私服): 夢は夢だって思うために……ありえないって確信を得るために調べてたんだよ。 一穂(私服): でも、梨花ちゃんにお姉ちゃんはいない。雛見沢に猟銃を持ってる若い女の人はいない。 うん、と頷いて顔を上げるとそこには真剣な顔をした梨花ちゃんがいて。 一穂(私服): (……ありがとう、梨花ちゃん) 私の話をただの夢と笑い飛ばさずに、神妙に聞いて真摯に返してくれる。 梨花ちゃんがそんな誠実な人だから、私は胸を張って……断言することができた。 一穂(私服): 全部……夢だったんだと思う。けど、もしかしたら別の現実だったのかもしれないなって……。 梨花(私服): どんな夢だったのですか? 一穂(私服): なにもかもが中途半端で、全部を覚えてるわけじゃないんだけど……。 Part 03: 一穂(私服): ……夢の中で、私は知らない家の前にいたんだ。 一穂(私服): 見覚えはある気がするから、たぶん#p雛見沢#sひなみざわ#rのどこか……だと思う。 一穂(私服): そこで、梨花ちゃんによく似た……私と同じくらいの年齢の女の子が、足元の地面に……倒れてた。 一穂(私服): ……たぶん、死んでたんだと思う。私はそれを見下ろしながら、泣いてたみたいで……よくわからない。 一穂(私服): 死んじゃって、泣いてるってことは私の友達……だったのかな……。 一穂(私服): 雛見沢でも、#p興宮#sおきのみや#rでも見たことのない子。なのに、なぜか悲しくて辛い気持ちと……黒い感情がどんどん胸の内からわいてきて。 一穂(私服): それで、私のそばに……猟銃……みたいな長い銃を構えた若い女の人が、立っているのが見えたんだ。 一穂(私服): 若くても、私たちより年上……だと思う。 語り終えた私は数度目をしばたたかせて、目の前にいる梨花ちゃんを見る。 一穂(私服): その、殺された女の子が……梨花ちゃんによく似てて。 一穂(私服): だから、もしかして梨花ちゃんにはお姉ちゃんがいたんじゃないかな……って。 梨花(私服): ……それで、村のいろんな人に尋ね回っていたのですか? 一穂(私服): うん……。 これまでのことを最後まで話してから、自分のやってきた所業を思い返して……かぁっ、と頬が熱くなる。 一穂(私服): (落ち着いて考えたら……なんで私、こんなことを聞いて回ってたんだろう) 夢なんて、自分で勝手に見るものだ。なのにそんな夢に動揺して、誰彼構わず聞き込みをして、魅音さんに怪しまれて……。 一穂(私服): (私、恥ずかしい……) 一穂(私服): さ……最初から直接、梨花ちゃん本人に聞けばよかったんだよね。……ごめんなさい。 梨花(私服): ……謝らなくてもいいのですよ、みー。一穂は夢の話だと思っていたのですから、臆病になるのは当然なのです。 梨花(私服): 信じてもらえるか不安になって、真実を口にするのが怖くなる気持ち……ボクには痛いほどわかるのですよ。 一穂(私服): ……ありがとう。 想定外の優しい同意に、思わず泣きそうになってしまう。 一穂(私服): ……はぁ。ちゃんと話を聞いてもらったら、なんだかすっきりしたよ。 一穂(私服): 梨花ちゃんにお姉ちゃんはいない。そして雛見沢に猟銃免許を持った、若い女の人はいない……。 一穂(私服): そうだね。……全部夢だったんだ。 梨花(私服): み-……ところで、一穂。その猟銃を持った女の人は、どんな人だったのですか? 一穂(私服): ……ごめん。覚えてないんだ。 梨花(私服): そうですか。 一穂(私服): でも、よく考えたら雛見沢であんなに若くて綺麗な女の人は見かけたことがないし……。 一穂(私服): もしかしたら、ドラマに出てた女優さんを現実とごっちゃにしてたのかな……? 一穂(私服): ごめんね。私って寝ぼけて、変な夢を見て一人で不安になっちゃってたみたいだね……? 梨花(私服): 夢と現実が混濁するのは、珍しくないのです。誰にでも起こりうることなのですよ。 一穂(私服): …………。 一穂(私服): そろそろ帰るね、梨花ちゃん。明日魅音さんに、ちゃんと説明をしなくちゃ。 一穂(私服): 話を聞いてくれてありがとう。それじゃ。 ようやく安心ができたおかげで、途端に美雪ちゃんと菜央ちゃんの顔が見たくなってきた。 そして梨花ちゃんに手を振り、神社をあとにしようと踵を返しかけて――。 梨花(私服): ……一穂。 一穂(私服): ? なに、梨花ちゃん。 梨花(私服): 美雪や菜央に、今の話はしていないのですか……? 一穂(私服): ……ううん、してないよ。だって、心配をかけたくなかったから。 梨花(私服): そうですか……では、最後に一ついいですか? 梨花(私服): もし、夢の中に出てきた猟銃を持った女が現実に現れたとしたら……。 梨花(私服): 一穂は、どうするのですか? 一穂(私服): え、えっと……んっと……。私の夢と、同じ行動を取りそうだったら……。 一穂(私服): ……。なるべく、話をして解決の道を探したいと……思う。 一穂(私服): 美雪ちゃんと菜央ちゃん、それに梨花ちゃんや部活メンバーのことが大切だから……ね。 最後の本心は飲み込んで、今度こそ梨花ちゃんに手を振りながら走り出す。 一穂(私服): じゃあね、梨花ちゃん。また明日! 梨花(私服): ……また明日、なのです。 ……背中に梨花ちゃんの視線を感じながら、古手神社の階段を駆け下りる。 美雪ちゃんと菜央ちゃんのことが、大好き。梨花ちゃんたち部活メンバーは……大切な憧れ。 一穂(私服): (きっと夢の中の梨花ちゃんによく似た女の子も、私にとっては大切な人だったんだと……思う) 夢の中の彼女と、どんなふうに仲良くなったのだろう。……記憶にあるのは、亡骸の姿だけ。 でも……私と仲良くなってくれたのだとしたら、優しい人であることは間違いないだろう。 一穂(私服): (私が強かったら……助けられたのかな) 夢の記憶はぼんやりとしているのに……焼け付くような悲しみと怒りの感情だけは鮮明に思い出すことができる。 そして、あの猟銃を構えた女の顔も――。 一穂(私服): (梨花ちゃんには覚えてないって言っちゃったけど……もしまた会ったら、絶対に気づくと思う) ショートカット。細い目。長いストール。 一穂(私服): (あの夢の女の人が、また現れたら……) 私は弱い。そんなことはわかっている。でも、大事な人は絶対に失いたくない。 そのためなら……。 一穂(私服): ……戦う方法を、考えておかなくちゃ。 梨花(私服): 羽入……あなたは今の話、どう思う? 羽入(私服): ……あぅあぅ。 梨花(私服): 一穂は、「繰り返している」のかしら?私とあなたと、同じように。 羽入(私服): ごめんなさい……今の僕には、よくわからないのですよ。 梨花(私服): 以前もそんなことを言っていたわね。……となると、様子見するしかないか。 羽入(私服): 梨花こそ……一穂の話をどう受け止めているのですか? 梨花(私服): 私には姉はいないし、猟銃の免許を持った若い女性は雛見沢で聞いたことがない。 梨花(私服): 一応魅音にもあとで確認してみるけど……私の記憶する限り、これまでの「世界」にも存在していなかったはずよ。 梨花(私服): そもそも、雛見沢に若い女性は少ない。いれば間違いなく、印象に残っているはずなのにね。 羽入(私服): あぅあぅ、それはそうなのですが……。 羽入(私服): もし夢の女性が現実に姿を現したら……一穂はその人をどうするのでしょうか? 梨花(私服): さて、どうかしら……なんせ、その女は私に似た子を撃ち殺しているそうだからね。 梨花(私服): いざとなったら、美雪や菜央に相談しましょう。あの2人が間に入って凶行を止めようとしたら、一穂も迂闊な行動には出ないはずよ。 羽入(私服): ……梨花に似た女の子については、どう思いますか? 梨花(私服): 少なくとも、そんな子なんて私は知らない。あんたも知らない……そうでしょう? 梨花(私服): けど、一穂がもし「繰り返している」なら……別の「世界」にはいたのかもしれないわね。 梨花(私服): 私に似てる姉とやらが……ね。 梨花(私服): 姉も私と同じように、誰かに殺されたって言うのが皮肉だけど。 梨花(私服): ……古手の女は、どう足掻いても殺される運命からは逃れられないのかしら。 梨花(私服): あるいは……もしかしたらその「世界」だと、私じゃなくてその姉が繰り返しているのかしらね。 羽入(私服): ……本当に一穂は、「繰り返している」のでしょうか? 梨花(私服): だとしたら一穂は、目の前で友達を殺されたことになるわね。 梨花(私服): そして、たぶん……一穂は猟銃を持った若い女の顔を覚えているんだと思う。 梨花(私服): 気弱な性格だから、感情的になった行動に出るとは思わないけど……一応注意しておきましょう。 羽入(私服): ……あぅあぅ。一穂はただの気弱な子ではないと思うのですよ。 羽入(私服): 彼女はもう一度、同じことを繰り返さないためなら……強引な手段でもあえて選ぶことも辞さないと思うのです。 梨花(私服): あら、そうかしら……根拠は? 羽入(私服): あぅ……特にないのですよ。でも……。 羽入(私服): 一穂はきっと、一度決めたらやり遂げる。……そんな気がしてならないのです。