Part 01: 菜央(冬服): ……ぁふ……っ。 こみ上げてきたあくびを噛み殺しながら、あたしはふと壁にかかった時計を仰ぎ見る。 そろそろ、閉館の時間だ。今日はもう少し早めに上がる予定だったのだけど、集中していたせいで気づくのが遅れたようだ。 菜央(冬服): あんまり遅いと一穂たちが心配するから、このあたりにしておかないとね……よっと。 とりあえず読み終えた本をぱたんと閉じて立ち上がり、あたしは奥の本棚へと向かう。 貸出で家に持ち帰り、読み返すことも考えたがそろそろ部屋が本で埋まってしまう寸前だ。せめて半分を返してからもう一度検討するべきだろう。 菜央(冬服): 図書館の本はみんなの共有財産なんだから、独り占めするのはマナー違反だもんね……、っ? そうひとりごちて本を棚に戻し、鞄を取りに閲覧席へと向かったあたしの進む先にふと、女の人が姿を見せる。 長い髪が照明にあたってキラキラと輝くその人は……入江診療所の看護婦、鷹野三四さんだった。 鷹野(冬服): あら……菜央ちゃんじゃない。こんなところで会うなんて、奇遇ね。 菜央(冬服): あ……はい。こんばんは、鷹野さん。 一瞬うろたえかけたけど、すぐに平静を取り戻してあたしは如才なくぺこり、と頭を下げる。 鷹野さんの言う通り、顔を合わせたことはこれまでにも何度かあったけど……図書館で会うのはこれが初めてかもしれない。 普段彼女と会う場所は、圧倒的な確率で診療所。他には#p雛見沢#sひなみざわ#rの村のあちこちで、その場合はカメラマンの富竹さんと一緒がほとんどだ。 話によると鷹野さんも、自然の風景の撮影に興味があるとのことだったが……そのわりにカメラを持参していない時が多いようにも感じられる。 菜央(冬服): (それに、この人と顔を合わせた時は無意識のうちに身構えちゃうのよね……なぜかしら?) 鷹野(冬服): こんな時間まで、図書館で調べ物?噂通りの努力家なのね……くすくす。 菜央(冬服): いえ……本を読むのが、好きなだけです。 お世辞だとすぐに理解できたので、あたしも普段から使い慣れた無難な答えを返す。 優しくて穏やかな声色に、笑みをたたえた面立ち。確かに、すごく美人だと思う……けど……。 それだけでは片付けられない「裏の顔」があるのでは……と考えてしまうのは、さすがにサスペンスドラマの見過ぎだろうか。 鷹野(冬服): あっ、そうだわ……ねぇ、菜央ちゃん。ちょうどあなたに相談したいことがあったから、もしよければこの後、時間をもらってもいい? 菜央(冬服): なんでしょうか? 鷹野(冬服): くす……緊張してくれなくても大丈夫よ。別に、難しいお願いをするつもりなんてないわ。 鷹野(冬服): お礼に夕食をごちそうしちゃうし、終わったらちゃんと家まで送ってあげる。だから……ね? 菜央(冬服): はぁ……。 さて、どうしようか。今日の夕食当番は美雪だから、電話をすれば2人とも許してくれるだろう。それに……。 菜央(冬服): (一度、話してみたいと思ってたのよね。この人の素性というか、隠してるものを確かめるためにも……) 菜央(冬服): わかりました。でも、一穂たちが心配すると思うので、あんまり遅いのはちょっと……。 鷹野(冬服): えぇ、約束するわ。……実は、今度のバレンタインデーのことで菜央ちゃんの意見を聞かせてもらいたいのよ。 菜央(冬服): バレンタインデー……ですか? 詩音(エンジェルモート): お帰りなさいませ……って、菜央さんと鷹野さん?これはまた、珍しい組み合わせですねー。 鷹野(冬服): くすくす……こんばんは、詩音ちゃん。私だってたまには、ジロウさん以外の人と夕食をとることだってあるのよ。 詩音(エンジェルモート): あ、いや……別に富竹さんが一緒じゃないと変だって意味で言ったわけじゃないんですが。 詩音(エンジェルモート): まぁ、いいです。それでは奥さ……じゃなかった、お嬢様お二人をこちらの席へご案内しまーす。 鷹野(冬服): ……くす、ありがと。 菜央(冬服): っ……どうも。 ……一瞬だけ、鷹野さんの目がナイフのように鋭く輝いたように見えたんだけど、これもあたしの気のせい? 鷹野(冬服): さて……それじゃ、食べながらでもいいからお話をさせてね。私があなたに聞きたいのは、チョコの作り方についてなの。 菜央(冬服): チョコの作り方……ですか? 違和感に、つい首を傾げてしまう。チョコの作り方なんて、子どものあたしにわざわざ教えてもらうようなことなんだろうか……? 菜央(冬服): あの……失礼な言い方になるかもしれませんが、手作りチョコってそんなに難しいものじゃないと思います。温度管理に気をつけて、型に流し込むだけですし。 鷹野(冬服): ううん、そうじゃなくって。詩音ちゃんの話だと、菜央ちゃんって首都圏で流行っているデザートにかなり詳しいのよね? 鷹野(冬服): しかも、エンジェルモートで行われる限定イベントだとその知識を応用して素敵なメニューを考えてくれる……小さな軍師さんって聞いたんだけど、それって本当? 菜央(冬服): は、はい……と言っても実際にレシピをまとめてくれるのは、レナちゃんですから。あたしはただ、アイデアを提供してるだけで……。 鷹野(冬服): あら、謙虚なのね。詩音ちゃんの話を聞く限りは、もっと自信満々なのかと思ったんだけど……。 鷹野(冬服): やっぱりダメね、人の話だけで判断しちゃ。 菜央(冬服): いえ……すごいのはレナちゃんです。ちょっとした思いつきでも、それを最大限に活かしたレシピを考えてくれて……。 菜央(冬服): あたしはただ、レナちゃんに感想や意見を求められた時に答えてるだけですから……。 鷹野(冬服): くす……レナちゃんがすごいのは知っているけど、菜央ちゃんもやっぱり大したものよ。そんなに小さいのに、謙虚でいられるんだもの。 鷹野(冬服): じゃあ、小さな軍師さんにお願い。ちょっとの間だけ、私の軍師もしてもらえないかしら。 菜央(冬服): あ……はい。あたしなんかで、お役に立てるんでしたら……。 Part 02: ……話を終えて店を出た時、時計の針は予定を大幅に超えた時刻を指していた。 遅い時間ということもあり、家まで送るという鷹野さんの言葉にはありがたく甘えることにした。 鷹野(冬服): ごめんなさいね、菜央ちゃん。あんまり話が楽しくて、あれもこれもと聞いてしまって……さすがに疲れちゃった? 菜央(冬服): いえ……平気です。あたしも話してて、結構楽しかったですから。 本心からそう答えて、あたしは笑いかける。 ……実際、とても楽しかった。理由もなくこの人は信用できないと思い込んでいた少し前の自分を怒鳴りつけてやりたいくらいだ。 鷹野(冬服): くすくす……。 菜央(冬服): ? あの、どうかしましたか……? 鷹野(冬服): ……本当にあなたって、不思議な子ね。大人びた口調に加えて年不相応な態度と物腰なのに、それがちっとも不快に感じない。 鷹野(冬服): よほど、素敵なご両親のしつけと教育に恵まれたのね。羨ましい限りだわ。 菜央(冬服): 両方……じゃないです。父親は、あたしがまだ小さい時に離婚したので時々顔を合わせて話すくらいです。 適当に流してしまえば良かったはずなのに、あたしはつい明かさなくてもいい家庭事情をこの人に話してしまう。 ……母のことはいい。幼い頃から色々なことを教わったのは事実だし、今のあたし自身があるのはあの人のおかげだ。 けど、父は違う。確かにビジネスマンとしては成功者で、才能に恵まれているのかもしれないが……人としては間違いなく、最低の部類に入る。 あんな人のおかげとしてしつけと教育で褒められるのは不本意を通り越して屈辱であり、正直不愉快だった。 菜央(冬服): あたしは、お母さんを尊敬してます。あたしに大事なことを、たくさん教えてくれて……でも、父に教わってこうなったわけじゃないです。 鷹野(冬服): …………。 菜央(冬服): すみません……生意気なことを言ってしまって。でも、あたしは……っ……。 鷹野(冬服): ……そうだったの。ごめんなさい、知らなかったとはいえ失礼なことを言ってしまって。 菜央(冬服): ……っ……? 鷹野(冬服): 確かにそうよね。……ちゃんとした子の親がみんなちゃんとしているって、思い込んでいたわ。 鷹野(冬服): 菜央ちゃん……私もね、実は両親がいないの。子どもの頃に、事故があって……それで……。 菜央(冬服): ……そうなんですか? 鷹野(冬服): そうよ。だから私は、引き取ってくれたおじいちゃんのもとで育ったの。……その人も、ずいぶん前に亡くなったんだけどね。 鷹野(冬服): だから私は、おじいちゃんに恩返しをしようと思って大学の研究室に入ったのよ。そして医学の知識を得て、今に至っているってわけ。 鷹野(冬服): おじいちゃんが褒められると、私はとても嬉しくなる。……ジロウさんにおじいちゃんは素敵な人だねって言われるたびに、とても嬉しくなる。 鷹野(冬服): 最近、ジロウさんと昔話をしていた時にすごいねステキだねって、おじいちゃんのことをたくさん褒めてくれたの。だから……。 鷹野(冬服): 親を褒められて、嫌な気持ちになる子どもはいないって……無意識のうちに、そう思ってしまっていたみたい。ごめんなさいね。 菜央(冬服): いえ……普通は、そうだと思います。あたしも親のことを悪く言われたら……あまり、いい気分はしませんので。 鷹野(冬服): ありがとう、菜央ちゃんは優しいわね。 菜央(冬服): でも、鷹野さんは……すごいですね。亡くなったおじいさんのために、そうやってずっと努力を続けてきたんですから。 菜央(冬服): あたしも……お母さんのことが大好きで、ずっと憧れて……あの人みたいになりたいって思って、頑張ってるつもりですけど、でも……。 鷹野(冬服): …………。 鷹野(冬服): くす……なぁんだ。実は私たちって、似た者同士だったのね。 鷹野(冬服): 自分の好きな人……尊敬している人のために頑張って、頑張って、頑張り続けて……そして今もこうして、生きている。 鷹野(冬服): 知らない他人が、どう思おうとも構わない。そうでしょう? 菜央(冬服): ……それは、はい。 菜央(冬服): あ、でも……美雪とか、一穂とかには……認めてもらいたいなって、ちょっとだけ……思います。 菜央(冬服): 鷹野さんも、富竹さんは例外ですよね。 鷹野(冬服): ……そうね。でも、難しいかもしれないわ。 菜央(冬服): えっ? 鷹野(冬服): 菜央ちゃんには言えないけれど、いろいろと難しい問題がたくさんあるのよ。 鷹野(冬服): 私の全てをあの人が認めてくれるかもしれないって希望は……チョコよりも甘くて脆い、いわば夢みたいなものね。 菜央(冬服): ……ごめんなさい。あたし、よくわからなくて……。 鷹野(冬服): こちらこそごめんなさいね。大人は複雑すぎて説明できないことが多くて。でも……。 鷹野(冬服): あの人が全てを認めてくれるかも、って夢を捨てきれないから、私は今こうしていられるのかもしれないわね。 鷹野(冬服): 今回のチョコ騒動の原因である、思い込み。それと何も変わらないかもしれないけど。 鷹野(冬服): この思い込みみたいな夢は、捨てられないの。 菜央(冬服): ……鷹野さんは、富竹さんが大好きなんですね。 鷹野(冬服): くすくす……ジロウさんには今の話、内緒にしてね。 菜央(冬服): ……あ、そうだ。鷹野さん。富竹さんへのチョコの渡し方、もう決めました?2人きりで渡すとか、こだわりがあるとか……。 鷹野(冬服): いえ、まだ決めてないわ。ただ、どうせ渡すならびっくりさせたいわね。ジロウさんの驚く顔が見たいわ……くすくす。 菜央(冬服): あの……実はレナちゃんたちと話し合ってバレンタイン当日は感謝したい人にお礼を言うパーティーを開こうって話になりまして。 菜央(冬服): というか、今回の騒動の責任を感じて入江先生や大石さんが落ち込んでいるので、ちょっと元気づけてあげようってことになって。 菜央(冬服): 前原さんの分は虫歯が治ってからなので、後日の別開催ですけど。 鷹野(冬服): あら、楽しそうなパーティーね。 菜央(冬服): あたしも、きっと楽しいと思います。だから鷹野さん……。 菜央(冬服): よかったら、参加してもらえませんか? Part 03: 富竹(冬服): え、えっと……詩音ちゃん。呼び出されたから、一応ここに来てみたんだけど……いったい何を始める気なんだい? 詩音(冬服): くっくっくっ……それはこれからのお楽しみですよ。 入江: それよりも詩音さん、それに皆さん……先日は、本当に申し訳ないことをしてしまいました。 入江: 謝って済むものではないと重々承知しておりますが、改めてここで、お詫びさせてください。 魅音(冬服): 監督もしつこいなぁ……あの件はもういい、って何度も言ったでしょ?私たちは全然、気にしていないんだからさ。 大石: おや、そうだったんですか? てっきり私たちは、この前のチョコ騒ぎで弾劾裁判でもされるものだと腹をくくっていたんですけどね……んっふっふっふっ。 詩音(冬服): その大きな腹をくくるような紐だと、関取が締めるようなまわしが必要でしょうけどねー。 詩音(冬服): っていうか、そんな糾弾の場にエンジェルモートを選ぶはずなんてありませんよ。3人を招いたのは、別の理由があってのことです。 富竹(冬服): 別の理由……?そりゃまた、いったいどんなことだい? 魅音(冬服): くっくっくっ……それは見てのお楽しみだよ。んじゃみんな、準備はいいかいー? 美雪(冬服): おっけー!んじゃ、最初は私たちから大石さんに……ハッピーバレンタイン! 大石: ほほぅっ……? 私みたいな老体に、あなた方がチョコをくれるというんですか? 大石: なっはっはっはっ、これはありがたいですねぇ。この年になると飲み屋のお姉ちゃんくらいにしか貰う機会がないので、とても嬉しいですよ。 菜央(冬服): といっても、大石さんは甘いものよりこういったものの方が好きそうだから……チョコと一緒に、こんなものを作ってみたの。 大石: ふむ?……カクテルですね。しかもチョコと……こいつは日本酒ですか?香りだけでもなかなか味な組み合わせです。 大石: しかし、赤坂さんに鳳谷さん。ひょっとしてこれを未成年のあなたたちがお作りになったんですか?だとしたら立場上、さすがにいただくわけには……。 一穂(冬服): あ、大丈夫です。これは他のウェイトレスさんにレシピを伝えて、作ってもらったものですから。 菜央(冬服): チョコと日本酒は意外に合うって、お母さんに教えてもらったことがあったの。味見まではできなかったけど、どうかしら? 美雪(冬服): お父……じゃなかった、いつもお世話になっているお礼でーす! 大石: なるほど……いや、そういうことでしたら喜んでいただきますよ。 大石: んんっ……こいつぁいい!寒さが吹き飛んでしまう感じにあったまりますよ~! 魅音(冬服): あっはっはっはっ、そいつぁ良かった!で、次は監督へのプレゼントだけど……。 入江: あ、いえ……お気持ちは大変ありがたいのですが、やはり罪を犯した私には過ぎたる代物です。 入江: ですからどうか、他の方々だけで楽しんでください。今回ばかりは、私だけでも遠慮させてもらえると……。 梨花(冬服): みー。入江にはボクと羽入、そして沙都子から……入江にハッピーバレンタインなのですよー。 入江: すみません梨花さん、それは……のはっ?! 沙都子(メイド): う、うぅ……なんで私だけが、こんな格好を……っ。 梨花(冬服): 入江が元気を出して、喜んでもらうためなのです。沙都子、ふぁいと、おーなのですよ。 入江: さ、ささささ、沙都子ちゃんっっ?そそそ、そのメイド服姿は……?! 沙都子(メイド): はぁ、監督には普通に渡そうと思っていたのに……でも、仕方ありませんわね。落ち込む監督なんて、見ていて楽しいものではありませんもの。 沙都子(メイド): こほん。監督……いえ、ご主人さま。いつも私たちのために、ありがとうですわ。 沙都子(メイド): これは私たちからの、ほんの感謝のしるし……どうか、受け取ってくださいまし。 入江: ――はぅっ……。 沙都子(メイド): って、監督っ?いきなり跪いて、どうなさいましたの?! 入江: 天使が……いえ、女神が見えました……!もはや私は、この日を迎えるために生きてきたと言っても過言ではない……!! 入江: 沙都子ちゃん……この入江京介は今より主人の名を返上してあなたの家来、いえ下僕となってお仕えしますッ! 入江: どうか私めを、足蹴にしてください!そしてこの愚かで軽い頭を、そのおみ足で踏んでいただけますと幸いッ! さぁっ! 沙都子(メイド): そ、そんなことできませんわー!無茶なことをおっしゃらないでくださいましー?! 梨花(冬服): みー……入江に、新たな世界への扉を開かせてしまったのですよ。 羽入(冬服): というより、頭のネジが5、6本弾け飛んでしまった感じなのですよ……あぅ。 詩音(冬服): そして最後は、富竹さんに……今呼んできますから、ちょっと待っていてくださいね。 富竹(冬服): あ、あははは……僕にはいったい、何をプレゼントしてくれるっていうんだい? 鷹野(チョコドレス): ……お待たせ、ジロウさん。 富竹(冬服): えっ?……ぐほああぁぁぁあっっ?! 富竹(冬服): なっ……たたた、鷹野さんっ?き、ききき、君はなんて格好をしているんだ?! 鷹野(チョコドレス): くすくす……どうかしら。ちょっとしたサプライズなんてどうかと思ってね。 菜央(冬服): このドレス、チョコで染めた生地を使ってみたんです。で、チョコクリームをアレンジに使って……着心地は今ひとつかもしれませんが、どうですか? 鷹野(チョコドレス): えぇ、いい感じよ。さすがは村でも噂になるほどの小さなデザイナーさんね。想像していたより素敵なドレスで、驚いちゃった。 富竹(冬服): ……っ……。 鷹野(チョコドレス): あら、ジロウさん。固まっちゃったみたいだけど、大丈夫? 富竹(冬服): ふっ……ふおおおおぉぉぉおおぉぉっっ?!しゅっしゅっ、ぽっぽっ、ぽぽぽぽぽぽ――んんっっ!! 美雪(冬服): ってちょっと、富竹さんっ? 鷹野(チョコドレス): もう……こういう場面だとほんとダメな人ねぇ。まぁ、そういうところがかわいいんだけど。 富竹(冬服): ……あ、あれ? 僕は鷹野さんに、膝枕をされているのかい?なんだやっぱり夢かははっ道理で都合が良すぎる話だと思ったようんそうかこれは夢だ夢で違いないもしくは天国か極楽浄土だ。 富竹(冬服): ということは僕は死んだのかいまぁそれは驚きだし悲しいけど受け止めようあんなにも素敵なものを見た上に最高の思いを体験できたんだからねあぁ僕の人生に一片の悔いもなしッ!! 一穂(冬服): と、富竹さんっ? いつもの富竹さんじゃない上に何をおかしなことを口走っちゃったりしてるんですか?! 菜央(冬服): 富竹さんって純粋で、初心な人なのね。鷹野さんがついからかいたくなるって気持ちのも、ちょっとだけ理解できるかも……かも。 レナ(冬服): はぅ……それを理解するには菜央ちゃんはまだ早いんじゃないかな……かな? 鷹野(チョコドレス): くすくす……確かに菜央ちゃんにはまだ早いわね。でも、大人になったらわかる日が来るかもしれないわよ。