Code Geass(Japanese)>10. Guren Dances
ブリタニアの少年、ルルーシュは力を二つもっている。
ひとつはギアス。いかなる相手にでも命令を下せる絶対遵守(ぜったいじゅんしゅ)の力。
ひとつは黒の騎士団。父が統治(とうち)するブリタニア帝国を破壊するための彼の軍隊。
ゼロというコードネームを使いルルーシュは動き出す。
母のかたきを討つために。そして、妹ナナリーが幸せにすごせる場所を作るために。
その行動がいかなる結果をうんでいくのか?今はまだ、誰も知らない。
ルルーシュ:
ん?ブリタニア人。スパイにしては堂々(どうどう)としているな。主義者(しゅぎしゃ)か。
C.C.:
結構(けっこう)なことだな。入団希望者が増えて。
ルルーシュ:
思ったより簡単だったよ。ブリタニアは嫌いだが、テロという手段には賛成できない。
それが大多数のイレブンの意見だからな。
C.C.:
つまり、ほとんどのイレブンは黒の騎士団を支持(しじ)する。
ルルーシュ:
おかげで、集団での行動をとりやすくなった。
民衆(みんしゅう)が体制側(たいせいがわ)に通報(つうほう)しないだけでも大助かりだ。
キョウトとかいうグループもナイトメアをまわしてくれるっていうし、情報提供(じょうほうていきょう)も加速度的(かそくどてき)に増えている。
日本人ってやつはスタンピードに弱いからな。肯定(こうてい)できる隙間(すきま)さえ作ってやれば・・・。
C.C.:
そのための正義(せいぎ)の味方(みかた)か・・・。
ルルーシュ:
みんな大好きだろ?正義の味方が。
C.C.:
それは正義の味方の顔ではないな。
ルルーシュ:
そうかい?
ディートハルト:
私は左遷(させん)された身ですよ。
あなた方と同じように。
ヴィレッタ:
だからこそ力を借りたいのだ。
我々はこのまま終わるつもりはない。
お前もそうだろ?
ディートハルト:
さあ、どうでしょうかねえ?
ジェレミア:
ゼロの手がかりをつかんだのだ。
ヴィレッタ:
私立(わたくしりつ)アッシュフォード学園、そこの男子生徒を調べてもらいたい。
ゼロの協力者と思われる。
ジェレミア:
我々は軍務(ぐんむ)のため、成田連山(なりたれんざん)に向かわなければならないしな。その間…。
ディートハルト:
成田?
噂(うわさ)では日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)が有るとか無いとか。
ジェレミア:
切れすぎるのも考え物だな。
ディートハルト:
買いかぶりすぎですよ。
新入団員:
すげえ!これってグラスゴーだろ?
無頼(ぶらい)。日本が改造(かいぞう)した奴だって。
こんなのはじめて見た。
すごいの持ってんなぁ、黒の騎士団って。
入団審査も楽じゃなかったし…。
ってことは、俺達エリート?エリート?
燃えてきたなぁ。
杉山:
キョートの人たち、こいつまで…。
( ):
これこそが、完全な日本製のナイトメア…。
カレン:
紅蓮弐式(ぐれんにしき)。
( ):
取説(とりせつ)は見たか?
井上:
輻射波動(ふくしゃはどう)でしょ?すごい武器(ぶき)よね。
玉城:
へっへー。うれしいねえ。
キョートのお偉いさんも、俺達 黒の騎士団を認めたってことだよ。
新入団員:
先輩(せんぱい)!
玉城:
あぁ?
新入団員:
こっちの機材(きざい)、どうやって使えば?
玉城:
おー、今行く。ちょっと待ってろ。
井上:
しょうがないわねえ、新人(しんじん)は。
ゼロ:
玉城はともかく、井上達まで浮かれ気分か。
キョートは複数(ふくすう)のレジスタンスを支援(しえん)しているそうだな。
カレン:
はい。その中に、やっと私達も入れてもらえで…。
ゼロ:
違うな。間違っているぞ、カレン。
これはただの試験に過ぎない。
カレン:
そう思ってもらえただけでもすごいことです。
ゼロ:
前向きだな。
カレン:
これ…?
ゼロ:
紅蓮弐式は、カレン、君のものだ。
カレン:
私が?
でも今は人も増えたし、それに紅蓮の防御力(ぼうぎょりょく)ならあなたこそが…。
ゼロ:
君がエースパイロットだ。
私は指揮官(しきかん)。無頼は使うが、戦闘(せんとう)の切り札は君だけだ。
それに、君には戦う理由がある。
カレン:
…はい。
扇:
ゼロ。ちょっといいか?
変な情報があがってきた。入団希望のブリタニア人からだ。
我々をさそいだす罠(わな)じゃないのかなあ?
裏(うら)をとろうにも、この男に迂闊(うかつ)に接触(せっしょく)するのは危険だし, けど無視するには大きすぎる情報だ。
どうすればいい?
ゼロ:
週末はハイキングかな…、成田連山まで。
扇:
それじゃあ…。
ナナリー:
咲世子(さよこ)さん。朝食、お兄様のぶんはいらないわ。
咲世子:
お出かけですか?
ナナリー:
今日から三日ほど旅行に出るって…。
咲世子:
そうですか。最近、よくお出かけになりますね。恋人とか?
ナナリー:
そうかもしれませんね。
兵士1:
第五区画、異常(いじょう)ありません。
はい。次の定時連絡(ていじれんらく)は二時間後に。
兵士2:
異常なんてあるわけないって。ここは俺達日本解放戦線の勢力範囲(せいりょくはんい)。下手(へた)に・・・、ん?
兵士1 & 兵士2:
ゼロ!
ゼロ:
落ち着け。話をしに来ただけだ。
お前達は無視するだけでいい、全ての異常を。
兵士1:
わかった、わかった。
兵士2:
おい、お前の番だぞ。
兵士1:
急がすなよ。一応、軍務中(ぐんむちゅう)だぞ。
( ):
ゼロからの合図を確認した。我々は第二地点へ移動。
玉城:
ゼロの奴、何で無頼の無線を使わないんだ?
井上:
それより、ハイキングって・・・、どういうつもりかしら?
( ):
軍事教練(ぐんじきょうれん)だろ?
( ):
ゼロだけ別の所にいるってのに?
( ):
温泉(おんせん)でも掘るんじゃないの?
( ):
ああ、そのための掘削機(くっさくき)か。なら納得(なっとく)。
玉城:
カレン、何か聞いてないか?
カレン:
さあ。
玉城:
扇は?
扇:
いや、なにも。
…ゼロは通信による逆探知(ぎゃくたんち)を避(さ)けた。やはり本気か。
ゼロ:
コーネリア、ついにこの日が来たな。…ん?
ダールトン:
この地域に、日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)があるのは確実です。
すでに四個大隊(よんこだいたい)を七つにわけ、伏(ふ)せてあります。
あとは総督(そうとく)の合図を待って一気に包囲網(ほういもう)をせばめ、殲滅(せんめつ)します。
ユーフェミア:
包囲網の外から敵が現れることはないのでしょうか?
コーネリア:
ゼロか?
ダールトン:
ご安心ください。作戦開始と同時に、周辺道路および山道(さんどう)を封鎖(ふうさ)します。
コーネリア:
友軍(ゆうぐん)もある。下手に姿を現せば、その時がゼロの最後となろう。
ミレイ:
はぁ?会いたいって言ってもさぁ、相手わかってる?
むこうは皇女(こうじょ)様。こっちは庶民(しょみん)。
ホテルジャックの縁といったって、どんな縁よそれ。
ニーナ:
でも、お礼言ってないし、ユーフェミア様に。
ミレイ:
いや、うちも昔ならそれくらいできたんだけど…。
ねえ、理事長(りじちょう)の孫ってどれくらいの社会的ステータス?
ニーナ:
うーん・・・、そこそこ?
ミレイ:
えっ? そこそこ…。
ゼロ:
シーツー、何をしてる?こんなところで。
C.C.:
守ってやるって言っただろ。
ゼロ:
保護者面(ほごしゃづら)をして・・・。
C.C.:
ルルーシュ、お前はなぜルルーシュなのだ?
ゼロ:
哲学(てつがく)を語っている余裕(よゆう)はない。
C.C.:
家の名はランペルージに変えた。だが、ルルーシュという個人は残した。
甘さだな・・・、過去を捨てきれない。
ゼロ:
だからってシーツーはやりすぎだろ。
人間の名前じゃない。
C.C.:
ルルーシュ、雪がどうして白いか知っているか?
自分がどんな色だったか忘れてしまったからさ。
ブリタニア兵:
総員(そういん)、配置(はいち)につきました。
コーネリア:
わかった。ユーフェミアは予定通り、G1で後方支援(こうほうしえん)。
衛生班(えいせいはん)の指揮(しき)にあたらせよ。
ブリタニア兵:
イエス、ユアハイネス。
ギルフォード:
コーネリア様。
コーネリア:
ギルフォードか。ユフィのことだろ?
ギルフォード:
はい。本来なら、聖庁(せいちょう)におられるべきでは?
コーネリア:
意外と強情(ごうじょう)なのだ、あれは。
戦いの実際(じっさい)を見てみたいというのでな。
ユーフェミア:
あの後方にある部隊はなんですか?
ブリタニア兵:
イレブンのパイロットを有する友軍(ゆうぐん)です。
ユーフェミア:
えっ?ランスロットですか?
ブリタニア兵:
ナイトメアをナンバーズなどが動かすなぞ、本来なら許されざることなのですが・・・。
ブリタニア兵:
彼(か)の部隊は第二皇子さまの肝(きも)いりでして、我々の人事権(じんじけん)は及ばぬのです。
しかし、できるだけ実戦の機会を与えてほしいと。
扇:
なあ、本当にやるのか?
ゼロ:
相手はコーネリア。ブリタニアでも屈指(くっし)の武力を誇(ほこ)る軍だ。
扇:
だから、日本解放戦線と協力して…。
ゼロ:
今さら?
扇、私を信用できないか?
扇:
何言ってるんだ。
俺が君に頼んだんだぞ、リーダーになってほしいと。
ゼロ:
なら、答えはひとつだ。
扇:
あ、ああ…。
ブリタニア兵:
総督(そうとく)。時間です。
コーネリア:
よし。作戦開始(さくせんかいし)。
日本解放戦線。時に取り残されし者共が…。慈愛(じあい)を忘れた者共が…。
今こそまほろばの夢とともに朽(く)ちて消えゆけ。
片瀬:
敵襲(てきしゅう)だと?
イレブン兵:
ブリタニア軍はこの成田連山全体を包囲(ほうい)しています。
その数、すでに100(ひゃく)以上。
ゼロ:
始まったな。
玉城:
じょ、冗談(じょうだん)…、冗談じゃねえぞ、ゼロ!
あんなのが来たんじゃ完全に包囲されちまう。帰りの道だって…。
ゼロ:
もう封鎖(ふうさ)されているな。生き残るには、ここで戦争するしかない。
井上:
戦争…ブリタニアと…。
玉城:
真正面から戦えってのか?囲まれてるのに。
杉山:
しかも相手はコーネリアの軍。今までとは違って大勢力だぞ。
ゼロ:
ああ、これで我々が勝ったら奇跡(きせき)だな。
扇:
ゼロ!今さら!
ゼロ:
メシアでさえ奇跡を起こさなければ認めてもらえなかった。
だとすれば、我々にも奇跡が必要だろう。
玉城:
あのな、奇跡は安売りなんかしてねえんだよ!
やっぱり、お前にリーダーは無理だ。俺こそが…。
ゼロ:
すでに退路(たいろ)は断(た)たれた。
この私抜きで勝てると思うのなら、誰でもいい、私を撃(う)て。
黒の騎士団に参加したからには、選択肢(せんたくし)はふたつしかない。
私と生きるか、私と死ぬかだ。
イレブン兵:
我々は完全に包囲(ほうい)されました。
地下協力員(ちかきょうりょくいん)も一斉(いっせい)に逮捕(たいほ)されたようです。
イレブン兵:
片瀬少将(かたせ しょうしょう)。
コーネリア軍から「投降(とうこう)せよ」との連絡(れんらく)が入りましたが…。
片瀬:
馬鹿(ばか)め!ここで我々が降(くだ)ったら日本の抵抗活動(ていこうかつどう)はおしまいだ。
イレブン兵:
では、少将。うって出ますか?それとも、篭城策(ろうじょうさく)を?
片瀬:
藤堂…、藤堂はどうした?
イレブン兵:
無頼改(ぶらいかい)を受け取りにキョートまで…。
イレブン兵:
四聖剣も行動を共にしています。
予定ではそろそろ戻るはずですが。
片瀬:
藤堂は間に合わん。無頼、出撃準備(しゅつげきじゅんび)。
包囲網(ほういもう)の一角(いっかく)を崩(くず)し脱出(だっしゅつ)する。
日本の誇(ほこ)りと意地を懸(か)けよ。
回天(かいてん)の時である!
ブリタニア兵:
敵の本拠地(ほんきょち)は山中(さんちゅう)にあるはずですが、正確なポイントはつかめていません。
しかし、協力メンバーのリストを手に入れるためにも、空爆(くうばく)で本拠地ごとつぶすわけにもいきません。
ブリタニア兵:
敵は我が軍の包囲網に対し、部分突破(ぶぶんとっぱ)をねらうでしょうから、そこから本拠地を推測(すいそく)します。
ブリタニア兵:
我が軍の正面戦力(しょうめんせんりょく)は三つ。ダールトン将軍、アレックス将軍、そしてコーネリア総督(そうとく)が率(ひき)いる部隊です。
側面戦力(そくめんせんりょく)としては…、ん?
ブリタニア兵:
敵のECMですね。
ダールトン:
間もなく敵部隊が出てくるはずだ。
こちらはECCMを展開。チャンネルをアルファ4に接続(せつぞく)。敵の…何と言ったか?
ブリタニア兵:
無頼ですか?
ダールトン:
ああ、グラスゴーもどきにだけは気をつけろ。
ブリタニア兵:
イエス、マイロード。
コーネリア:
ほお、この山を要塞化(ようさいか)していたか。
ギルフォード:
殿下、お下がりください。
コーネリア:
ギルフォード。私をそこらの女といっしょにするなよ。
ギルフォード:
コーネリア殿下!
イレブン兵:
まさか…コーネリア?
イレブン兵:
おじけるな!大将首(たいしょうくび)ぞ!
コーネリア:
亡霊(ぼうれい)がっ!
ギルフォード:
しかたありませんね。援護(えんご)にまわります。
コーネリア:
ふん。さあ、コーネリアはここにいるぞ。
挑(いど)んでくるものはいないのか?
ゼロ:
どうした?私に挑み、倒してみろ。
玉城:
けっ、好きにしろよ。
杉山:
ああ、あんたがリーダーだ。
ゼロ:
ありがとう、感謝(かんしゃ)する。
ブリタニア軍:
この地区(ちく)には退避命令(たいひめいれい)が出ている。
まだ残っているものがあれば、速(すみ)やかに退避せよ。
くり返す、この地区には退避命令が出ている・・・
研究員:
どうしてこんな場所を選んだんだ。
コードRの実験(じっけん)データが軍に見つかったらおしまいだぞ。
研究員:
テロリストの勢力範囲(せいりょくはんい)なら捜査(そうさ)の手が及びにくいって話だったのに
研究員:
決めたのはバトレー将軍(しょうぐん)だ。今さらそれを言っても…。
コーネリア:
脆弱(ぜいじゃく)すぎる。
ダールトン:
敵戦力はこちらに集中している。
当たりかもしれんぞ。
散開(さんかい)!
イレブン兵:
だめです。第二次攻撃もつうじません。
片瀬:
何という制圧力(せいあつりょく)か…。
ブリタニア兵:
ダールトン将軍。敵行動目的(てきこうどうもくてき)の解析結果(かいせきけっか)から、日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)入り口はあの山荘(さんそう)になるとの予測(よそく)が出ました。
ダールトン:
ビンゴ、と言うのだったか?こういう場合。
ブリタニア兵:
いえ、正確には…。
ダールトン:
あわせろよ、正直者(しょうじきもの)め。
コーネリア:
あれは、ダールトンか?
ギルフォード:
敵本拠地はあちらでしたか。
コーネリア:
よし。我らはここで備(そな)える。
ギルフォード:
よろしいのですか?
コーネリア:
部下の手柄(てがら)を横取りする趣味はないさ。
予備部隊(よびぶたい)をダールトン側に寄せろ。
また勲章(くんしょう)が増えるな。
ゼロ:
さすがはコーネリア。理(り)にかなった布陣(ふじん)だ。
しかし、優れているが故(ゆえ)によみやすい…、お前の位置すらもな。
ジェレミア:
予備部隊はダールトン将軍のもとに集まるのでは?
ヴィレッタ
はい。しかし我が隊はコーネリア総督(そうとく)の後方で備えよと。
ジェレミア:
ここが後方?主戦場(しゅせんじょう)のはずれのはずれ。
こんな所で、私にどうやって汚名(おめい)をはらせというのだ!?
イレブン兵:
ナカムラ隊、通信途絶(つうしんとぜつ)。
第三区画(だいさんくかく)、反応ありません。
タバタ少佐、戦死(せんし)。
クロダとクラタもやられました。
ナガイはどうなった?
片瀬:
藤堂…、藤堂さえいれば神風(かみかぜ)が吹くものを…。
厳島(いつくしま)の奇跡(きせき)をもう一度。
朝比奈:
強引(ごういん)すぎませんか?藤堂さん。
藤堂:
朝比奈(あさひな)、千葉(ちば)。無頼改の準備(じゅんび)だ。
後ろの卜部(うらべ)、仙波(せんば)にもつたえろ。
ナリタを囲む形での交通規制(こうつうきせい)…、事(こと)はすでに始まっている。
間に合えばよいが…。
ダールトン:
これでエリア11の反政府勢力(はんせいふせいりょく)は…。
コーネリア:
…おしまいだ。
ゼロ:
よし!全ての準備は整った。
黒の騎士団。総員出撃準備。
団員:
くそっ!やるしかねえ。
死んでたまるか。
奇跡ってやつをおこしてやる。
俺達にはゼロがついてんだ。
ゼロ:
これより、我が黒の騎士団は、山頂よりブリタニア軍に対して奇襲(きしゅう)を敢行(かんこう)する。
私の指示に従い、第三ポイントにむけ一気にかけ下りろ。
作戦目的は、ブリタニア第二皇女コーネリアの確保(かくほ)にある。
突入ルートを切り開くのは、紅蓮弐式だ。
カレン、貫通電力(かんつう でんりょく)は三番を使え。一撃できめられるな?
カレン:
はい。
出力確認(しゅつりょくかくにん)。
輻射波動機構(ふくしゃはどう きこう)、外態状態維持(がいたい じょうたい いじ)。
外周伝達(がいしゅう でんたつ)!
カレン:
やったあ!
ブリタニア兵:
お、おい!地震(じしん)か?
ブリタニア兵:
こんな時に・・・うわあ!
ユーフェミア:
これは?
ブリタニア兵:
馬鹿な、こんな巨大な山崩れなど・・・。
ブリタニア兵:
このままでは、アレックス隊とダールトン隊が全滅(ぜんめつ)する。
コーネリア:
状況把握は?
ブリタニア兵:
まだ確認中です。
ギルフォード:
殿下、お下がりください。そこは危険です。
コーネリア:
かまわぬ!アレックスは?ダールトンの消息(しょうそく)を調べよ。
片瀬:
ここは耐えられるのか?
兵士:
中心部です。なんとか。
ロイド:
あららー。このままじゃ麓(ふもと)までいっちゃうよ。
セシル:
熱反応(ねつはんのう)が異常です。
誰かが意図的(いとてき)に水蒸気爆発(すいじょうき ばくはつ)をおこしたのでは?
ロイド:
まさか。ラクシャータの輻射波動(ふくしゃはどう)でも使わない限り無理だよ。
スザク:
何があったんですか?
ロイド:
ああ、こっちには関係ないから、君はそのまま待機しててね。
スザク:
はあ。
ゼロ:
ふうん。予想以上の破壊力(はかいりょく)だな。
コーネリア隊の孤立(こりつ)には成功したが、もう少し綿密(めんみつ)さは必要か・・・。
物理の先生・・・、いや、確率論(かくりつろん)もこみでニーナに教えてもらうか。
ブリタニア兵:
山頂方向(さんちょうほうこう)より新たな部隊を確認。
カリウス隊が迎撃(げいげき)に向かいました。
コーネリア:
ふん。混乱(こんらん)に乗(じょう)じるつもりか?
ブリタニア兵:
カリウス隊より緊急連絡(きんきゅうれんらく)。
コーネリア:
どうした?
ブリタニア兵:
日本解放戦線ではありません。
相手は黒の騎士団と思われます。
コーネリア:
何?では・・・。
ジェレミア:
ゼロだ!
よくぞ現れてくれた。ゼロ!
ヴィレッタ;
ジェレミア卿。勝手に持ち場を離れては・・・。
ジェレミア:
非常時(ひじょうじ)である。
立身栄達(りっしんえいたつ)が望みならば、私に従え!
ゼロ:
コーネリアへの援軍(えんぐん)は限られている。
一気に突き進め!
団員:
おうっ!こうなったらやってやるよ!
井上:
いい?私達の役目はゼロ達の背後を守ること。撃(う)て!
ジェレミア:
カリウス隊が全滅(ぜんめつ)?
ちっ、ゼロがコーネリア殿下に接触(せっしょく)する前に決着(けっちゃく)をつけねば。
ヴィレッタ:
ジェレミア卿。
ジェレミア:
ヴィレッタ。来てくれたか。
ゼロ:
背水の陣(はいすいのじん)と逆落とし(さかおとし)。
古典的戦法(こてんてきせんぽう)がこんなに有効(ゆうこう)だとはな。
ジェレミア:
ゼロォ!
ゼロはいるのか?いるならこの私と、ジェレミア・ゴットバルトと戦え!
ゼロ:
ほお、久しぶりですね。まだ軍におられたのですか?
しかし、今あなたにかかわっている時間はないんですよ。オレンジ君。
ジェレミア:
オ…オオ、オレンジだとぉ?
死ねえぇぇぇ!
ヴィレッタ:
ジェレミア卿!
ジェレミア:
手を出すな。
これは私の決闘(けっとう)だ!
ヴィレッタ:
しかし、これは初めて見るタイプのナイトメアです。
まさか、イレブンが・・・?
ジェレミア:
イレブン風情(ふぜい)にそんな技術(ぎじゅつ)があるものか。
速い!
こ…こいつか?こいつがカリウスの部隊を…。
カレン:
見たかブリタニア!
やっと…やっとお前達と対等(たいとう)に戦える。
この紅蓮弐式こそが私達の反撃(はんげき)の…始まりだ!
ジェレミア:
まずい。あの右手…何かがある。
間合いさえ取れば。
何?
カレン:
ごめん。
ジェレミア:
な…なんだこれは?
ヴィレッタ:
ジェレミア卿!脱出(だっしゅつ)を!
ジェレミア:
できるか!目の前にゼロが、ゼロがいるというのに!
くそっ!オートだと?
作動(さどう)するな…まだ…まだ私は…ゼロに…
カレン:
負けない。私の…紅蓮弐式なら。
ヴィレッタ
ジェレミアがやられた・・・
黒の騎士団。こいつらは一体?
ゼロ:
条件は全てクリアされた。
駒(こま)もそろった。
あとは相手の本陣(ほんじん)にチェックをかけるだけだ。
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ひとつはギアス。いかなる相手にでも命令を下せる絶対遵守(ぜったいじゅんしゅ)の力。
ひとつは黒の騎士団。父が統治(とうち)するブリタニア帝国を破壊するための彼の軍隊。
ゼロというコードネームを使いルルーシュは動き出す。
母のかたきを討つために。そして、妹ナナリーが幸せにすごせる場所を作るために。
その行動がいかなる結果をうんでいくのか?今はまだ、誰も知らない。
ルルーシュ:
ん?ブリタニア人。スパイにしては堂々(どうどう)としているな。主義者(しゅぎしゃ)か。
C.C.:
結構(けっこう)なことだな。入団希望者が増えて。
ルルーシュ:
思ったより簡単だったよ。ブリタニアは嫌いだが、テロという手段には賛成できない。
それが大多数のイレブンの意見だからな。
C.C.:
つまり、ほとんどのイレブンは黒の騎士団を支持(しじ)する。
ルルーシュ:
おかげで、集団での行動をとりやすくなった。
民衆(みんしゅう)が体制側(たいせいがわ)に通報(つうほう)しないだけでも大助かりだ。
キョウトとかいうグループもナイトメアをまわしてくれるっていうし、情報提供(じょうほうていきょう)も加速度的(かそくどてき)に増えている。
日本人ってやつはスタンピードに弱いからな。肯定(こうてい)できる隙間(すきま)さえ作ってやれば・・・。
C.C.:
そのための正義(せいぎ)の味方(みかた)か・・・。
ルルーシュ:
みんな大好きだろ?正義の味方が。
C.C.:
それは正義の味方の顔ではないな。
ルルーシュ:
そうかい?
ディートハルト:
私は左遷(させん)された身ですよ。
あなた方と同じように。
ヴィレッタ:
だからこそ力を借りたいのだ。
我々はこのまま終わるつもりはない。
お前もそうだろ?
ディートハルト:
さあ、どうでしょうかねえ?
ジェレミア:
ゼロの手がかりをつかんだのだ。
ヴィレッタ:
私立(わたくしりつ)アッシュフォード学園、そこの男子生徒を調べてもらいたい。
ゼロの協力者と思われる。
ジェレミア:
我々は軍務(ぐんむ)のため、成田連山(なりたれんざん)に向かわなければならないしな。その間…。
ディートハルト:
成田?
噂(うわさ)では日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)が有るとか無いとか。
ジェレミア:
切れすぎるのも考え物だな。
ディートハルト:
買いかぶりすぎですよ。
新入団員:
すげえ!これってグラスゴーだろ?
無頼(ぶらい)。日本が改造(かいぞう)した奴だって。
こんなのはじめて見た。
すごいの持ってんなぁ、黒の騎士団って。
入団審査も楽じゃなかったし…。
ってことは、俺達エリート?エリート?
燃えてきたなぁ。
杉山:
キョートの人たち、こいつまで…。
( ):
これこそが、完全な日本製のナイトメア…。
カレン:
紅蓮弐式(ぐれんにしき)。
( ):
取説(とりせつ)は見たか?
井上:
輻射波動(ふくしゃはどう)でしょ?すごい武器(ぶき)よね。
玉城:
へっへー。うれしいねえ。
キョートのお偉いさんも、俺達 黒の騎士団を認めたってことだよ。
新入団員:
先輩(せんぱい)!
玉城:
あぁ?
新入団員:
こっちの機材(きざい)、どうやって使えば?
玉城:
おー、今行く。ちょっと待ってろ。
井上:
しょうがないわねえ、新人(しんじん)は。
ゼロ:
玉城はともかく、井上達まで浮かれ気分か。
キョートは複数(ふくすう)のレジスタンスを支援(しえん)しているそうだな。
カレン:
はい。その中に、やっと私達も入れてもらえで…。
ゼロ:
違うな。間違っているぞ、カレン。
これはただの試験に過ぎない。
カレン:
そう思ってもらえただけでもすごいことです。
ゼロ:
前向きだな。
カレン:
これ…?
ゼロ:
紅蓮弐式は、カレン、君のものだ。
カレン:
私が?
でも今は人も増えたし、それに紅蓮の防御力(ぼうぎょりょく)ならあなたこそが…。
ゼロ:
君がエースパイロットだ。
私は指揮官(しきかん)。無頼は使うが、戦闘(せんとう)の切り札は君だけだ。
それに、君には戦う理由がある。
カレン:
…はい。
扇:
ゼロ。ちょっといいか?
変な情報があがってきた。入団希望のブリタニア人からだ。
我々をさそいだす罠(わな)じゃないのかなあ?
裏(うら)をとろうにも、この男に迂闊(うかつ)に接触(せっしょく)するのは危険だし, けど無視するには大きすぎる情報だ。
どうすればいい?
ゼロ:
週末はハイキングかな…、成田連山まで。
扇:
それじゃあ…。
ナナリー:
咲世子(さよこ)さん。朝食、お兄様のぶんはいらないわ。
咲世子:
お出かけですか?
ナナリー:
今日から三日ほど旅行に出るって…。
咲世子:
そうですか。最近、よくお出かけになりますね。恋人とか?
ナナリー:
そうかもしれませんね。
兵士1:
第五区画、異常(いじょう)ありません。
はい。次の定時連絡(ていじれんらく)は二時間後に。
兵士2:
異常なんてあるわけないって。ここは俺達日本解放戦線の勢力範囲(せいりょくはんい)。下手(へた)に・・・、ん?
兵士1 & 兵士2:
ゼロ!
ゼロ:
落ち着け。話をしに来ただけだ。
お前達は無視するだけでいい、全ての異常を。
兵士1:
わかった、わかった。
兵士2:
おい、お前の番だぞ。
兵士1:
急がすなよ。一応、軍務中(ぐんむちゅう)だぞ。
( ):
ゼロからの合図を確認した。我々は第二地点へ移動。
玉城:
ゼロの奴、何で無頼の無線を使わないんだ?
井上:
それより、ハイキングって・・・、どういうつもりかしら?
( ):
軍事教練(ぐんじきょうれん)だろ?
( ):
ゼロだけ別の所にいるってのに?
( ):
温泉(おんせん)でも掘るんじゃないの?
( ):
ああ、そのための掘削機(くっさくき)か。なら納得(なっとく)。
玉城:
カレン、何か聞いてないか?
カレン:
さあ。
玉城:
扇は?
扇:
いや、なにも。
…ゼロは通信による逆探知(ぎゃくたんち)を避(さ)けた。やはり本気か。
ゼロ:
コーネリア、ついにこの日が来たな。…ん?
ダールトン:
この地域に、日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)があるのは確実です。
すでに四個大隊(よんこだいたい)を七つにわけ、伏(ふ)せてあります。
あとは総督(そうとく)の合図を待って一気に包囲網(ほういもう)をせばめ、殲滅(せんめつ)します。
ユーフェミア:
包囲網の外から敵が現れることはないのでしょうか?
コーネリア:
ゼロか?
ダールトン:
ご安心ください。作戦開始と同時に、周辺道路および山道(さんどう)を封鎖(ふうさ)します。
コーネリア:
友軍(ゆうぐん)もある。下手に姿を現せば、その時がゼロの最後となろう。
ミレイ:
はぁ?会いたいって言ってもさぁ、相手わかってる?
むこうは皇女(こうじょ)様。こっちは庶民(しょみん)。
ホテルジャックの縁といったって、どんな縁よそれ。
ニーナ:
でも、お礼言ってないし、ユーフェミア様に。
ミレイ:
いや、うちも昔ならそれくらいできたんだけど…。
ねえ、理事長(りじちょう)の孫ってどれくらいの社会的ステータス?
ニーナ:
うーん・・・、そこそこ?
ミレイ:
えっ? そこそこ…。
ゼロ:
シーツー、何をしてる?こんなところで。
C.C.:
守ってやるって言っただろ。
ゼロ:
保護者面(ほごしゃづら)をして・・・。
C.C.:
ルルーシュ、お前はなぜルルーシュなのだ?
ゼロ:
哲学(てつがく)を語っている余裕(よゆう)はない。
C.C.:
家の名はランペルージに変えた。だが、ルルーシュという個人は残した。
甘さだな・・・、過去を捨てきれない。
ゼロ:
だからってシーツーはやりすぎだろ。
人間の名前じゃない。
C.C.:
ルルーシュ、雪がどうして白いか知っているか?
自分がどんな色だったか忘れてしまったからさ。
ブリタニア兵:
総員(そういん)、配置(はいち)につきました。
コーネリア:
わかった。ユーフェミアは予定通り、G1で後方支援(こうほうしえん)。
衛生班(えいせいはん)の指揮(しき)にあたらせよ。
ブリタニア兵:
イエス、ユアハイネス。
ギルフォード:
コーネリア様。
コーネリア:
ギルフォードか。ユフィのことだろ?
ギルフォード:
はい。本来なら、聖庁(せいちょう)におられるべきでは?
コーネリア:
意外と強情(ごうじょう)なのだ、あれは。
戦いの実際(じっさい)を見てみたいというのでな。
ユーフェミア:
あの後方にある部隊はなんですか?
ブリタニア兵:
イレブンのパイロットを有する友軍(ゆうぐん)です。
ユーフェミア:
えっ?ランスロットですか?
ブリタニア兵:
ナイトメアをナンバーズなどが動かすなぞ、本来なら許されざることなのですが・・・。
ブリタニア兵:
彼(か)の部隊は第二皇子さまの肝(きも)いりでして、我々の人事権(じんじけん)は及ばぬのです。
しかし、できるだけ実戦の機会を与えてほしいと。
扇:
なあ、本当にやるのか?
ゼロ:
相手はコーネリア。ブリタニアでも屈指(くっし)の武力を誇(ほこ)る軍だ。
扇:
だから、日本解放戦線と協力して…。
ゼロ:
今さら?
扇、私を信用できないか?
扇:
何言ってるんだ。
俺が君に頼んだんだぞ、リーダーになってほしいと。
ゼロ:
なら、答えはひとつだ。
扇:
あ、ああ…。
ブリタニア兵:
総督(そうとく)。時間です。
コーネリア:
よし。作戦開始(さくせんかいし)。
日本解放戦線。時に取り残されし者共が…。慈愛(じあい)を忘れた者共が…。
今こそまほろばの夢とともに朽(く)ちて消えゆけ。
片瀬:
敵襲(てきしゅう)だと?
イレブン兵:
ブリタニア軍はこの成田連山全体を包囲(ほうい)しています。
その数、すでに100(ひゃく)以上。
ゼロ:
始まったな。
玉城:
じょ、冗談(じょうだん)…、冗談じゃねえぞ、ゼロ!
あんなのが来たんじゃ完全に包囲されちまう。帰りの道だって…。
ゼロ:
もう封鎖(ふうさ)されているな。生き残るには、ここで戦争するしかない。
井上:
戦争…ブリタニアと…。
玉城:
真正面から戦えってのか?囲まれてるのに。
杉山:
しかも相手はコーネリアの軍。今までとは違って大勢力だぞ。
ゼロ:
ああ、これで我々が勝ったら奇跡(きせき)だな。
扇:
ゼロ!今さら!
ゼロ:
メシアでさえ奇跡を起こさなければ認めてもらえなかった。
だとすれば、我々にも奇跡が必要だろう。
玉城:
あのな、奇跡は安売りなんかしてねえんだよ!
やっぱり、お前にリーダーは無理だ。俺こそが…。
ゼロ:
すでに退路(たいろ)は断(た)たれた。
この私抜きで勝てると思うのなら、誰でもいい、私を撃(う)て。
黒の騎士団に参加したからには、選択肢(せんたくし)はふたつしかない。
私と生きるか、私と死ぬかだ。
イレブン兵:
我々は完全に包囲(ほうい)されました。
地下協力員(ちかきょうりょくいん)も一斉(いっせい)に逮捕(たいほ)されたようです。
イレブン兵:
片瀬少将(かたせ しょうしょう)。
コーネリア軍から「投降(とうこう)せよ」との連絡(れんらく)が入りましたが…。
片瀬:
馬鹿(ばか)め!ここで我々が降(くだ)ったら日本の抵抗活動(ていこうかつどう)はおしまいだ。
イレブン兵:
では、少将。うって出ますか?それとも、篭城策(ろうじょうさく)を?
片瀬:
藤堂…、藤堂はどうした?
イレブン兵:
無頼改(ぶらいかい)を受け取りにキョートまで…。
イレブン兵:
四聖剣も行動を共にしています。
予定ではそろそろ戻るはずですが。
片瀬:
藤堂は間に合わん。無頼、出撃準備(しゅつげきじゅんび)。
包囲網(ほういもう)の一角(いっかく)を崩(くず)し脱出(だっしゅつ)する。
日本の誇(ほこ)りと意地を懸(か)けよ。
回天(かいてん)の時である!
ブリタニア兵:
敵の本拠地(ほんきょち)は山中(さんちゅう)にあるはずですが、正確なポイントはつかめていません。
しかし、協力メンバーのリストを手に入れるためにも、空爆(くうばく)で本拠地ごとつぶすわけにもいきません。
ブリタニア兵:
敵は我が軍の包囲網に対し、部分突破(ぶぶんとっぱ)をねらうでしょうから、そこから本拠地を推測(すいそく)します。
ブリタニア兵:
我が軍の正面戦力(しょうめんせんりょく)は三つ。ダールトン将軍、アレックス将軍、そしてコーネリア総督(そうとく)が率(ひき)いる部隊です。
側面戦力(そくめんせんりょく)としては…、ん?
ブリタニア兵:
敵のECMですね。
ダールトン:
間もなく敵部隊が出てくるはずだ。
こちらはECCMを展開。チャンネルをアルファ4に接続(せつぞく)。敵の…何と言ったか?
ブリタニア兵:
無頼ですか?
ダールトン:
ああ、グラスゴーもどきにだけは気をつけろ。
ブリタニア兵:
イエス、マイロード。
コーネリア:
ほお、この山を要塞化(ようさいか)していたか。
ギルフォード:
殿下、お下がりください。
コーネリア:
ギルフォード。私をそこらの女といっしょにするなよ。
ギルフォード:
コーネリア殿下!
イレブン兵:
まさか…コーネリア?
イレブン兵:
おじけるな!大将首(たいしょうくび)ぞ!
コーネリア:
亡霊(ぼうれい)がっ!
ギルフォード:
しかたありませんね。援護(えんご)にまわります。
コーネリア:
ふん。さあ、コーネリアはここにいるぞ。
挑(いど)んでくるものはいないのか?
ゼロ:
どうした?私に挑み、倒してみろ。
玉城:
けっ、好きにしろよ。
杉山:
ああ、あんたがリーダーだ。
ゼロ:
ありがとう、感謝(かんしゃ)する。
ブリタニア軍:
この地区(ちく)には退避命令(たいひめいれい)が出ている。
まだ残っているものがあれば、速(すみ)やかに退避せよ。
くり返す、この地区には退避命令が出ている・・・
研究員:
どうしてこんな場所を選んだんだ。
コードRの実験(じっけん)データが軍に見つかったらおしまいだぞ。
研究員:
テロリストの勢力範囲(せいりょくはんい)なら捜査(そうさ)の手が及びにくいって話だったのに
研究員:
決めたのはバトレー将軍(しょうぐん)だ。今さらそれを言っても…。
コーネリア:
脆弱(ぜいじゃく)すぎる。
ダールトン:
敵戦力はこちらに集中している。
当たりかもしれんぞ。
散開(さんかい)!
イレブン兵:
だめです。第二次攻撃もつうじません。
片瀬:
何という制圧力(せいあつりょく)か…。
ブリタニア兵:
ダールトン将軍。敵行動目的(てきこうどうもくてき)の解析結果(かいせきけっか)から、日本解放戦線の本拠地(ほんきょち)入り口はあの山荘(さんそう)になるとの予測(よそく)が出ました。
ダールトン:
ビンゴ、と言うのだったか?こういう場合。
ブリタニア兵:
いえ、正確には…。
ダールトン:
あわせろよ、正直者(しょうじきもの)め。
コーネリア:
あれは、ダールトンか?
ギルフォード:
敵本拠地はあちらでしたか。
コーネリア:
よし。我らはここで備(そな)える。
ギルフォード:
よろしいのですか?
コーネリア:
部下の手柄(てがら)を横取りする趣味はないさ。
予備部隊(よびぶたい)をダールトン側に寄せろ。
また勲章(くんしょう)が増えるな。
ゼロ:
さすがはコーネリア。理(り)にかなった布陣(ふじん)だ。
しかし、優れているが故(ゆえ)によみやすい…、お前の位置すらもな。
ジェレミア:
予備部隊はダールトン将軍のもとに集まるのでは?
ヴィレッタ
はい。しかし我が隊はコーネリア総督(そうとく)の後方で備えよと。
ジェレミア:
ここが後方?主戦場(しゅせんじょう)のはずれのはずれ。
こんな所で、私にどうやって汚名(おめい)をはらせというのだ!?
イレブン兵:
ナカムラ隊、通信途絶(つうしんとぜつ)。
第三区画(だいさんくかく)、反応ありません。
タバタ少佐、戦死(せんし)。
クロダとクラタもやられました。
ナガイはどうなった?
片瀬:
藤堂…、藤堂さえいれば神風(かみかぜ)が吹くものを…。
厳島(いつくしま)の奇跡(きせき)をもう一度。
朝比奈:
強引(ごういん)すぎませんか?藤堂さん。
藤堂:
朝比奈(あさひな)、千葉(ちば)。無頼改の準備(じゅんび)だ。
後ろの卜部(うらべ)、仙波(せんば)にもつたえろ。
ナリタを囲む形での交通規制(こうつうきせい)…、事(こと)はすでに始まっている。
間に合えばよいが…。
ダールトン:
これでエリア11の反政府勢力(はんせいふせいりょく)は…。
コーネリア:
…おしまいだ。
ゼロ:
よし!全ての準備は整った。
黒の騎士団。総員出撃準備。
団員:
くそっ!やるしかねえ。
死んでたまるか。
奇跡ってやつをおこしてやる。
俺達にはゼロがついてんだ。
ゼロ:
これより、我が黒の騎士団は、山頂よりブリタニア軍に対して奇襲(きしゅう)を敢行(かんこう)する。
私の指示に従い、第三ポイントにむけ一気にかけ下りろ。
作戦目的は、ブリタニア第二皇女コーネリアの確保(かくほ)にある。
突入ルートを切り開くのは、紅蓮弐式だ。
カレン、貫通電力(かんつう でんりょく)は三番を使え。一撃できめられるな?
カレン:
はい。
出力確認(しゅつりょくかくにん)。
輻射波動機構(ふくしゃはどう きこう)、外態状態維持(がいたい じょうたい いじ)。
外周伝達(がいしゅう でんたつ)!
カレン:
やったあ!
ブリタニア兵:
お、おい!地震(じしん)か?
ブリタニア兵:
こんな時に・・・うわあ!
ユーフェミア:
これは?
ブリタニア兵:
馬鹿な、こんな巨大な山崩れなど・・・。
ブリタニア兵:
このままでは、アレックス隊とダールトン隊が全滅(ぜんめつ)する。
コーネリア:
状況把握は?
ブリタニア兵:
まだ確認中です。
ギルフォード:
殿下、お下がりください。そこは危険です。
コーネリア:
かまわぬ!アレックスは?ダールトンの消息(しょうそく)を調べよ。
片瀬:
ここは耐えられるのか?
兵士:
中心部です。なんとか。
ロイド:
あららー。このままじゃ麓(ふもと)までいっちゃうよ。
セシル:
熱反応(ねつはんのう)が異常です。
誰かが意図的(いとてき)に水蒸気爆発(すいじょうき ばくはつ)をおこしたのでは?
ロイド:
まさか。ラクシャータの輻射波動(ふくしゃはどう)でも使わない限り無理だよ。
スザク:
何があったんですか?
ロイド:
ああ、こっちには関係ないから、君はそのまま待機しててね。
スザク:
はあ。
ゼロ:
ふうん。予想以上の破壊力(はかいりょく)だな。
コーネリア隊の孤立(こりつ)には成功したが、もう少し綿密(めんみつ)さは必要か・・・。
物理の先生・・・、いや、確率論(かくりつろん)もこみでニーナに教えてもらうか。
ブリタニア兵:
山頂方向(さんちょうほうこう)より新たな部隊を確認。
カリウス隊が迎撃(げいげき)に向かいました。
コーネリア:
ふん。混乱(こんらん)に乗(じょう)じるつもりか?
ブリタニア兵:
カリウス隊より緊急連絡(きんきゅうれんらく)。
コーネリア:
どうした?
ブリタニア兵:
日本解放戦線ではありません。
相手は黒の騎士団と思われます。
コーネリア:
何?では・・・。
ジェレミア:
ゼロだ!
よくぞ現れてくれた。ゼロ!
ヴィレッタ;
ジェレミア卿。勝手に持ち場を離れては・・・。
ジェレミア:
非常時(ひじょうじ)である。
立身栄達(りっしんえいたつ)が望みならば、私に従え!
ゼロ:
コーネリアへの援軍(えんぐん)は限られている。
一気に突き進め!
団員:
おうっ!こうなったらやってやるよ!
井上:
いい?私達の役目はゼロ達の背後を守ること。撃(う)て!
ジェレミア:
カリウス隊が全滅(ぜんめつ)?
ちっ、ゼロがコーネリア殿下に接触(せっしょく)する前に決着(けっちゃく)をつけねば。
ヴィレッタ:
ジェレミア卿。
ジェレミア:
ヴィレッタ。来てくれたか。
ゼロ:
背水の陣(はいすいのじん)と逆落とし(さかおとし)。
古典的戦法(こてんてきせんぽう)がこんなに有効(ゆうこう)だとはな。
ジェレミア:
ゼロォ!
ゼロはいるのか?いるならこの私と、ジェレミア・ゴットバルトと戦え!
ゼロ:
ほお、久しぶりですね。まだ軍におられたのですか?
しかし、今あなたにかかわっている時間はないんですよ。オレンジ君。
ジェレミア:
オ…オオ、オレンジだとぉ?
死ねえぇぇぇ!
ヴィレッタ:
ジェレミア卿!
ジェレミア:
手を出すな。
これは私の決闘(けっとう)だ!
ヴィレッタ:
しかし、これは初めて見るタイプのナイトメアです。
まさか、イレブンが・・・?
ジェレミア:
イレブン風情(ふぜい)にそんな技術(ぎじゅつ)があるものか。
速い!
こ…こいつか?こいつがカリウスの部隊を…。
カレン:
見たかブリタニア!
やっと…やっとお前達と対等(たいとう)に戦える。
この紅蓮弐式こそが私達の反撃(はんげき)の…始まりだ!
ジェレミア:
まずい。あの右手…何かがある。
間合いさえ取れば。
何?
カレン:
ごめん。
ジェレミア:
な…なんだこれは?
ヴィレッタ:
ジェレミア卿!脱出(だっしゅつ)を!
ジェレミア:
できるか!目の前にゼロが、ゼロがいるというのに!
くそっ!オートだと?
作動(さどう)するな…まだ…まだ私は…ゼロに…
カレン:
負けない。私の…紅蓮弐式なら。
ヴィレッタ
ジェレミアがやられた・・・
黒の騎士団。こいつらは一体?
ゼロ:
条件は全てクリアされた。
駒(こま)もそろった。
あとは相手の本陣(ほんじん)にチェックをかけるだけだ。