The Squid Girl (Japanese) > 07a. 狙われなイカ?

渚「バイト先のみんなはとってもいい人たち・・・一人を除けば。イカ娘が怖い私は、斉藤渚」


渚「お疲れ様でした!」(今日はイカの人がいなくてラッキーだったな。いつもこうだといいんだけど・・・)

栄子「ああ、渚ちゃん、このあと暇? うちでごはん食べてかない?」

渚「え、いいんですか?」

栄子「歓迎パーティまだだったし、どうかなあと思って」

渚(イカの人もいないし・・・)「ありがとうございます。行かせていただきます」


栄子「ただいま。渚ちゃん、連れてきたよ」

千鶴「いらっしゃい」

渚「こんにちは。お邪魔します」

千鶴「準備ができるまで、あっちで待っててもらえる?」

たける「こっち、こっち!」

渚「ああ」


イカ娘「わあっ!!」

渚「ああああっ!!」

イカ娘「うりー、うりうりー」

渚「ど、どうしてイカの人がここに?」(まさかこの家・・・!)


(イカ娘「はっはっはっは」)


イカ娘「渚よ、お主はこう思っているでゲソ。『なぜ侵略者がここに? 何か悪いことをたくらんでいるに違いない』と」

渚「何でわかったんですか!?」

たける「イカ姉ちゃん、先に来て歓迎パーティの準備手伝ってくれてたんだよ」

渚「ええ?」

イカ娘(たけるめ、余計なことを)

たける「僕、ジュース取ってくるね」

渚「あの、それで今日、バイトいなかったんですね」

イカ娘「そんなの口実に決まってるじゃなイカ。実は今まで練りに練った計画があるのでゲソ。それを仕込んでいたでゲソ」

渚「何ですって? 練りに練った計画?」

イカ娘「そうでゲソ。渚が帰ったあとでゆっくり実行に移すでゲソ」

渚(いったい何をするつもりなの?)

イカ娘「おっと、これ以上は言えないでゲソ」

栄子「おーい、準備できたぞ」

イカ娘「おー、待ちくたびれたでゲソ」

渚(そんな顔をして。私だけは騙されないんだから)


栄子「渚ちゃん、これからもよろしく」

千鶴・たける・イカ娘「「「よろしく」」でゲソ」

渚「こちらこそよろしくお願いします」

千鶴「遠慮しないで、たくさん食べてね」

たける「千鶴姉ちゃんのコロッケ、すっごく美味しいんだよ!」

渚(こんな幸せそうな家族を、イカの人の手によって壊してはいけない・・・)

栄子「どうした渚ちゃん、怖い顔して」

イカ娘「トイレならあっちでゲソ」

渚「今夜、ここに泊めて下さい!」

栄子「ええっ、今夜? ずいぶん急な話だな。まあ、いいけど」

渚(私がみんなを守る!)


渚「お休みなさい」

栄子「うーん・・・」

イカ娘「お休みなさいでゲソ・・・」

渚(いったい何をするつもりなのか、起きて見張ってないと)

イカ娘「ゲソー、ゲーソー・・・」

渚(早っ! いや、これがイカの人の作戦なのかも。油断したら駄目)

イカ娘「ゲーソー、ゲーソー・・・」


渚(待つこと3時間、とうとうイカの人が動いた!)


(栄子「イーカー、イカイカ、イーカー」

イカ娘「ふっ」)


渚(早く助けないと・・・!)「あ・・・」(ゲーム・・・)


渚「おはようございます・・・」

栄子「あれ? 渚ちゃん、寝不足? やっぱりイカ娘と一緒じゃ安心して眠れないか。何でお前まで眠そうなんだ?」

イカ娘「き、気のせいじゃなイカ?」

渚「ゲームやってたからじゃないですか?」

イカ娘「うあっ!?」

栄子「お前! 夜中にゲームやるなって言っただろう!」

イカ娘「何でバレたでゲソ! 渚め、よくも私の秘密を密告してくれたでゲソね。この恨み、どう晴らして見せようぞ!」

栄子「渚ちゃんかまってないで、早く顔洗って来いって、もう」

渚(そうよ。なぜ私にばかりかまうの。この前も・・・)


イカ娘「渚は私の獲物でゲソ!」


渚(いま分かっている限りでは、イカの人を怖がる人はいない、むしろ打ち解けてる感じさえする。これがイカの人のやり方だとしたら、型にはまらない私は不用、いいえ、私こそイカの人にとっての危険人物。その上で私にかまっているのだとしたら・・・狙われてるんだ、私! 死んでしまっては元も子もない。しばらく、怖くないふりをしよう)

イカ娘「しっかり働かないと、触手で八つ裂きにしてしまうでゲソよ!」

栄子「こら、イカ娘!」

渚「もう、悪い冗談はやめて下さいよ、イカ娘先輩」

イカ娘・栄子「「い、イカ娘」先輩!?」

栄子「ええっと、もうこいつのこと、怖くないの?」

イカ娘「そうそう、強がっても無駄でゲソ」

渚「強がっていませんよ。安心してください。もう怖くはありませんから」

イカ娘「ああっ・・・」

栄子「そっか、ついに克服したか。これからは仲良くなるんだぞ」

渚(上手く騙せたかな。あ・・・)

栄子「お、おい! 待て、イカ娘!」


栄子「渚ちゃんが怖がらなくなって、そんなにショックか? みんなに受け容れられる侵略者がいてもいいと思うぞ。お前、渚ちゃんのこと好きなんだろ? 好きな人に避けられるなんて、さびしすぎると思わないか?」

イカ娘「さびしい・・・そうかもしれないでゲソ」

栄子「よし。渚ちゃんと仲良くできるな?」

イカ娘「うん」

栄子「んじゃ、戻るか」


イカ娘「いままでおどかしたりして悪かったでゲソ。これからは友好的にいこうじゃなイカ」

渚「うっ・・・。ごめんなさいやっぱり無理です本当は怖いんです許して下さい! あああああっ!!」

イカ娘「私はどうすればいいのでゲソ?」

栄子「いつもどおりでいいんじゃね?」