K-ON! (Japanese) > OVA1. ライブハウス!
唯: ライブハウス?
律: そう。中学ん時の友達がさ、一緒に出ないかって誘ってくれたんだー。
唯: へえー。
澪: でも、これ、大晦日って書いてあるけど、あと十日しかないぞ。
梓: 何にも用意してませんよ。
唯: えー。でも楽しそう。わたし出てみたいな。
律: だろう?
唯: うん。
澪: でも、また大勢の人の前に出るのは・・・
律: 澪、そんなこと言ってたら、いつまでたっても成長できないぞ。
唯: ベース弾いてる澪ちゃん、かっこいいよ。
澪: じゃあ、多数決で決めよう。今回パスの人。
梓: 律先輩、唯先輩、すみません。
律: 小癪な、梓! じゃあ出たい人!
唯: はいっ! はいっ! はーいっ!
紬: はい!
梓: むぎ先輩!?
澪: むぎは年末年始は旅行じゃなかったのか?
紬: うん。でもこんなにいい機会、めったにないでしょ?
それに、今年最後の日もみんなで演奏ができるなんて、すごく幸せじゃないかなあ、って。
澪: むぎ・・・
確かにそのとおり・・・
梓: むぎ先輩を不幸にできない・・・
あのう・・・
澪: わたしたちも参加で。
唯: はははー。
律: よーし! じゃあ参加決定!
唯: やったー!
律: やるからには優勝だぜ!
紬: 優勝とかあるの?
唯: こうして、わたしたちの初のライブハウス参戦が決まったのでした。
どきどきです!
OP
唯: かわいいー。もうすぐクリスマスだね。
律: ほら、行くぞ。
唯: はーい。
唯: ここがライブハウスか。
紬: 何だか緊張するね。
澪: う、うん・・・
律: 大丈夫だって。
すみませーん。
川上: はーい!
はい、いらっしゃい。
律: あ、あの、出演、申し込みに来たんですけど。
放課後ティータイムです!
川上: ああ、話は聞いてるわ。「ラブ・クライシス」のマキちゃんの紹介ね。
唯: 「らぶ・くらいしす」! 何かかっこいい名前。
ねえ、律っちゃん。わたしたちのバンド名、ちょっとほわわんとしすぎかなあ。
川上: 「放課後ティータイム」って何だかかわいいバンド名ね。
唯: あれ? ほめられた?
ラジカセ:
ふわふわタイム ふわふわタイム
律: こんな感じですけど・・・
川上: うん。じゃあ、参加申込書を書いてもらえる?
律: はい!
川上: えっと、当日出演者は13時入りね。
律: けっこう早いんですね。
川上: リハやるから。各バンド15分で。
律: え、あ・・・
川上: 15時からミーティング、客入れが16時、開演は17時ね。
あと、当日・・・だけど、基本何をかけても・・・
律: あ、は、はい!
あ、あたしが忘れても、みんなが・・・
澪: これがライブのチケットか。
唯: 入場料払わないと入れないんだね。
律: 聞いてねえ。
川上: じゃ、中を案内するから。
ここが楽屋。
唯: 楽屋? こ、ここが・・・!
紬: あの、暖簾掛けたりしていいですか?
「毎度!」
唯: わあ、かっこいいね、むぎちゃん!
紬: でしょ、でしょう?
川上: 他のバンドの子たちも使うから。
川上: で、この扉からステージに。
律: すっげーなー!
唯: ねえ、ミラーボールもあるよ!
川上: 演奏中の照明のプランも考えておいてね。
唯: もう、ぐるんぐるんのぴかぴかのきらきらで。
梓: ここで演奏をするんですね。
紬: どきどきするわね。
澪: あ、あ、あああ・・・
律: まだ燃え尽きるな。
川上: じゃ、本番よろしくね。
HTT: よろしくお願いしまーす!
憂: え? ライブハウスに?
唯: そう。今からその打ち合わせなんだ。
憂: すごい、お姉ちゃん!
唯: えへへへへ。
律: 曲目は4曲か。「ホッチキス」に「ふでペン」「カレー」「ふわふわ」でいいやね。
唯: あ、何着て歌う?
律: 1年目の学園祭で着たやつか?
梓: え・・・、あのふりふりの?
唯: あずにゃんの分もさわちゃん先生が作ってくれるよ。
梓: えええー・・・
律: でも、他にさわちゃんが作ってきたのって、スク水・白衣・ロリロリ・・・
梓: いやです!
律: うーん、じゃあ新しく作ってもらおうか。
唯: あ、変身して戦う感じの衣装は?
紬: あ、かわいい! 魔法少女とか?
澪: 制服でいいんじゃないか。
梓: 制服がいいです!
唯: あ、それがいいね!
あっ、そうだ・・・
はい。これ憂と純ちゃんの分。
憂: え?
唯: 二人で見に来てね。
憂: お姉ちゃんが初めてライブに出る記念のチケット・・・何かもったいなくて使えない!
梓: 使わないとは入れないよ。
唯: あとは和ちゃんにも渡さないと。
唯: はい、和ちゃん。
和: へえ、ライブに出るんだ。すごいわね。
唯: でへへへへー。
今のうちに、わたしたちのサイン貰っといたほうがいいよー。
和: え? 別にいいわよ。
唯: え!? もう書いてきたのに・・・
澪: 気が早いな。
和: わかった。貰っとく。
唯: ありがとう、和ちゃん。あとはさわちゃん先生に渡して、と。
梓: あ、貼ってある。
唯: わあ。わたしたち、これに出るんだね。
紬: うん。
律: おう!
唯: 他にはどんな人たちが出るのかな?
澪: ううっ!
梓: 澪先輩!?
律: 澪、人見知りだからな。
憂: お姉ちゃん、お風呂、先入るね。
唯: はーい。
ギー太、明日は一緒にがんばろうね。きっと、すっごく楽しいよ。
ファン: 年明けでしょ?/うん。/うーん、でもね、とりあえず内定で・・・/楽しみだよね。
ファン: お疲れ様です!
唯: はい?
律: どうもー!
唯: 何だろう? 出演バンドの子たちかな?
律: の、ファンの子たちじゃない?
唯: ああー、すでにファンが。
唯: こんにちは。
律: よろしくお願いしまー・・・
HTT: ええっ!
唯: こ、これは皆さん、手強そうな・・・
律: えええ・・・
澪: うっ。
サヤカ: おはようっす。
LC: お早う。
エリ: よろしく。
唯: ちゃんと挨拶してくれた。
マキ: 律っちゃん! 澪ちゃんも久しぶり。
律: あ、マキちゃん。
みんな、紹介するね。こちら、「ラブ・クライシス」のドラムのマキちゃん。今回ライブに誘ってくれた。
マキ: よろしくね。
唯: こ、こちらこそ! 律っちゃんがいつもお世話になってます!
アヤ: ああー、澪さんだ!
マキ: うちのベースのアヤ。澪ちゃんの大ファンでさ。
澪: ええっ?
アヤ: 学園祭のライブ、かっこよかったです。
唯: え? 見に来てくれたんだ!
アヤ: あ、遅れてきた人。
唯: すいません! すみません!
アヤ: そんな。楽しいライブでした。
あ、あの・・・
律: えへへ、ごめん。知らない人からライブをほめてもらったこと、あんまりないから。たぶん・・・
アヤ: そうなんだ・・・
あ、そうだ! 今度はわたしたちのライブ、ぜひ見に来てください。
マキ: 次は単独ライブなんだ。
紬: すごい・・・
アヤ: よかったらCDも。手作りなんだけど。
唯: すごいですね!
マキ: それじゃあ、またあとで。
律: うん!
何かうちらと意気込みが違うな。
唯: ねえねえ、わたしたちも何かロゴマークとかあったらいいね。
律澪紬梓: え?
唯: んーと、えへへへー。
えっとね、こんなのとか!
律: それじゃ温泉だ!
唯: あれ?
紬: ティーカップも描いたらどう?
唯: こう?
おおー、まったりお茶するいい感じ!
できました!
律: おっほー。これにも描いて描いて。
紬: わたしのキーボードにも。
澪: じゃあ、わたしもこれに。
梓: わたしもピックに。
唯: みんなでお揃いだね。
川上: じゃ、ミーティング始めまーす!
唯: あ・・・
HTT: うん!
律: よっしゃーっ!
HTT: 行くぞー!
唯: おおー! わたしたち2番目だ!
澪: 2番か・・・
アシスタント: すいませーん。これ、バックステージ・パスです。
澪: あ・・・ど、どうも・・・
律: すみません。
唯: これ、どこに貼ればいいの?
ん? ああ、あれか!
紬: すごい・・・
律: ライブ重ねてきたつわものだな。
澪: うん。
唯: じゃあ、わたしたちはこれが1枚目だね。
梓: はい!
唯: ・・・よっと。
律: いやいや。当日は自分に貼らないと出入りできないから。
唯: あ、そうなんだ。
律: そこに貼るか!
唯: へ?
梓: 湿布か!
唯: ええー?
何か無難な位置だな。
律: おっ、それよか、セッティング・シート書こうぜ。
唯: はー。いろいろ書くとこあるんだね。
律: まあ、曲名や曲調は決まってるからいいとして・・・
唯: 照明のイメージって?
律: それなんだよなあ。
紬: どう書けばいいのかな?
唯: うーん・・・
あ! ちょっと行ってくる!
澪: 選りに選っていちばん怖そうなところへ!
唯: 「元気よく」とか「ポップな感じで」って書いてた。
律: おおー! じゃ、うちもそんな感じで。
澪: あ、待って!
うちは・・・全部ピンクで!
梓: ピンクですか?
澪: だめ?
律: んじゃ、「ふわふわタイム」のサビはピンクで。
唯: あ、ミラーボールも!
律: じゃあ、前奏と間奏に使おうぜ。
紬: あとは・・・
律: うーん・・・。
ずばっとあたしにピンスポット当ててもらってもいいかな
「ずばっ!」
梓: 何で律先輩だけに? メンバー紹介のときに、一人ずつ照明当ててもらいましょうよ。
唯: ギー太にもね。
澪: わたしはいらないから!
律: 「ベースが転んだらすかさずピンスポ・・・」
澪: 絶対転ばない!
紬: 音響イメージはどうする?
唯: あ・・・。待ってて!
「3曲目、リバーブください」とか「ボーカル、目一杯ください」とか書いてた。
律: ああー。じゃ、うちもそんな感じで。
あ。MCはどこに入れるんだろ?
唯: 聞いてくる!
書き終わったから、これ参考に持ってっていいって。
律: おっほー!・・・ ええっ!?
す、すんません・・・
唯: ありがとうー。
澪: すでに馴染んでる・・・
律: ある意味最強だな、唯は。
澪: 他のバンドのリハも参考になるからな。
梓: あ、すごい。エフェクターいっぱい・・・
律: あ、マイ・マイクだ。いくらくらいするんだろうなあ・・・
唯: ねえねえ! お菓子も売ってるよ! あ、律っちゃん、CDが売ってるよ! あー、わたしたち売る物ないね、澪ちゃん。あ、あずにゃん、わたしたちもこれに映るのかな! うはー、へー、凄いね、むぎちゃん。
律: あー、はいはいはいはいはいはいっ。
唯: わあー、「放課後ティータイム様」だって! 「さ・ま」!
澪: いいから落ち着け!
紬: お茶にしよっか。
澪: ええっ!?
律: むぎもある意味、最強だな。
唯: はああー、おいしいねー。
律: やっぱこれだなー。
マキ: ああ、いい香り。
紬: よかったらご一緒にお茶、いかがですか?
マキ: えっ? じゃあ・・・、遠慮なく。
紬: うん。
律: へえー。じゃあ、けっこういろんなコンテストに出てるんだ。
エリ: なかなか入賞できないんだけどね。
サヤカ: でも、絶対プロになりたいから。
マキ: そうだよね。あきらめたら終わりだもん。
アヤ: ずっと音楽やってきたいし。
梓: すごい・・・
澪: みんな音楽がやりたくて、バンドやってるんだな。
唯: 「めざせ武道館」って言ってたのが恥ずかしいね。
澪: こんな話ができたのも、唯やむぎ、みんなのおかげかも。みんな、いつもちょっとずつ新しいドアを開いてくれる。
アシスタント: 放課後ティータイムさん、リハお願いします!
澪: しまった! まったりしすぎた!
唯: あ、まず何から・・・
律: セッティングだろ!
紬: しょ、照明!
梓: 誰に言ってんですか!
川上: じゃあお願いします!
HTT: え、はいっ!
律: じゃ、準備OK?
唯: いいっす!
梓: はい!
紬: だいじょーうぶ!
澪: う、うん・・・
律: じゃ、じゃあ、ええーと、4曲目「ふわふわタイム」、ワンコーラスいきます!
唯: あはあ、へへ・・・
律: 唯、ボーカル!
唯: あっ、しまっ・・・! ああ!
澪: だ、大丈夫・・・あああ!
梓: 澪先輩!
紬: あ、あ、ああっ!
律: 落ち着け、みんな!
エリ(?): 落ち着いて!
アヤ: もう一回、最初からでいいよ!
サヤカ: 大丈夫、大丈夫!
紫髪: がんばれ!
唯: みんなに迷惑かけないように、ちゃんとやらなきゃ。
梓: わたしたちだけのライブじゃない。
紬: だから、落ち着いてがんばらなきゃ。
澪: せっかく新しいドアを開いたんだから。
律: うん!
和: たしか、このあたりのはずだけど。ん?
純: ああっ! あれ、みんなお客さん!?
和: こんなに?
憂: お姉ちゃん、大丈夫かな?
唯: ういー!
憂: あ・・・、お姉ちゃん。
唯: 和ちゃんと純ちゃんも来てくれてありがとう。
純: すごい盛況ですね。
唯: でへへへへー。あ、見て見て。バックステージ・パス!
和: あんた、緊張しないの?
唯: するよー。お菓子食べて、緊張ほぐしてくる。あ、そうだ! ステージからみんなの名前呼ぶね。
和: やめて! わたしたちが緊張するから。
唯: じゃあ、またあとで。
憂: 大丈夫。いつものお姉ちゃんだ。
さわ子: ふう・・・。昔の服探してたら、時間かかっちゃったわよ。
唯: お気に入りのうさちゃん 抱いて
今夜もおやすみ ふわふわタイム
澪: ふわふわタイム
唯: ふわふわタイム
澪: ふわふわタイム
唯: ふとした仕草に 今日もハートずきずき
川上: ん?・・・ ああっ、キャサリン!
さわ子: え? ジャニス! あんた何で?
川上: ここのマネージャーやってんの。あんた、ちっとも変わらないわね。
さわ子: か、変わったわよ。だって、わたし、あの子たちの先生してるんだから。
川上: そっか・・・
唯: ああ神様 どうして好きになるほど
ドリームナイト 切ないの
とっておきのくまちゃん出したし 今夜は大丈夫かな?
唯: んんー、ああ、終わったー!
律: 終わったな。
さわ子: お疲れ様。
唯: ああっ、さわちゃん先生! 待っててくれたの?
憂: お姉ちゃん! お姉ちゃん、すごいよかったよ!
唯: ありがとう。
和: ほんと、みんながんばってたわね。かっこよかったわよ。
唯: ありがとう。
梓: あ・・・
ファン: お疲れ様です!
律: すごいな。
梓: はい。
唯: でも、わたしたちも和ちゃんとか、みんな来てくれたよ。
ありがとう!
マキ: あ・・・
律: また、一緒にライブしよう!
梓: お世話になりました!
紬: ありがとう。
澪: お、お疲れ様。
マキ: また誘うからね!
唯: よいお年を!
さわ子: ほら、虎ビキニもあるから着てみてー。
梓: いやです!
さわ子: なーにを・・・
澪: さっきの感動が・・・
憂: みなさん、年越しソバもありますよ。
梓(?): わあー!
律: うまそう!
澪: ごめんね、大勢で押しかけて。
憂: いいえ、全然です。だって・・・
唯: うーまああああい・・・
憂: あの顔が見られるだけで幸せですから。
唯: あ、またババだぞー・・・
律: いっひひひひひひひ。
アナウンサー: さあ、残すところ今年もあと1分を切りました。
律: あ、いよいよだな。澪、今年はどんな年だった?
澪: たくさん楽しいことがあったよ、みんなのおかげで。ありがとう。
律: へっ? あー・・・。いや、よせやい、気持ちわりいー!
澪: へ、き、気持ちわりいって・・・
律: おーい、みんなー! もうすぐ年明けだぞ!
・・・って、寝てるし!
アナウンサー: あけましておめでとうございます!
澪: あ、年明けた。
律: ちょーっ! 肝心なときに寝てどうすんだよ!
澪: ぐだぐだ・・・。けど、それも軽音部だよな。
律: むぎ! 唯! とっとと起きろって、もう。あ、口開いてるってば。ったく、もう・・・
唯: 起きて! ねえ! ねえ、みんな起きて!
律: ん・・・? あ? 何だ?
紬: ここどこ?
梓: いま何時ですか?
唯: 初日の出、見に行こう! 初日の出!
律: 眠いからいいや・・・
唯: もう! こんなときに寝てどうするの!
澪: いや、お前が言うか?
唯: さわちゃん先生おいて来ちゃったけど、大丈夫かな?
澪: 憂ちゃんもいるし、大丈夫だろ。
唯: ああ!
紬: きれい・・・
唯: でしょ、でしょ? ここ穴場なんだ。
澪: それじゃあ、えっと・・・、あけましておめでとうございます。
律唯紬梓: あめでとうございます!
唯: ところであずにゃん、それいつまで付けてるの?
梓: え? にゃあっ!
唯: えへへへー。
梓: な、何で誰も教えてくれないんですか!
律: ごみんごみんー、あんまり似合ってたもんで。
紬: すっごくかわいい。
唯: あずにゃん、自信持ちなよ。
梓: ううぅぅ・・・
澪: ふう、やれやれ。
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律: そう。中学ん時の友達がさ、一緒に出ないかって誘ってくれたんだー。
唯: へえー。
澪: でも、これ、大晦日って書いてあるけど、あと十日しかないぞ。
梓: 何にも用意してませんよ。
唯: えー。でも楽しそう。わたし出てみたいな。
律: だろう?
唯: うん。
澪: でも、また大勢の人の前に出るのは・・・
律: 澪、そんなこと言ってたら、いつまでたっても成長できないぞ。
唯: ベース弾いてる澪ちゃん、かっこいいよ。
澪: じゃあ、多数決で決めよう。今回パスの人。
梓: 律先輩、唯先輩、すみません。
律: 小癪な、梓! じゃあ出たい人!
唯: はいっ! はいっ! はーいっ!
紬: はい!
梓: むぎ先輩!?
澪: むぎは年末年始は旅行じゃなかったのか?
紬: うん。でもこんなにいい機会、めったにないでしょ?
それに、今年最後の日もみんなで演奏ができるなんて、すごく幸せじゃないかなあ、って。
澪: むぎ・・・
確かにそのとおり・・・
梓: むぎ先輩を不幸にできない・・・
あのう・・・
澪: わたしたちも参加で。
唯: はははー。
律: よーし! じゃあ参加決定!
唯: やったー!
律: やるからには優勝だぜ!
紬: 優勝とかあるの?
唯: こうして、わたしたちの初のライブハウス参戦が決まったのでした。
どきどきです!
OP
唯: かわいいー。もうすぐクリスマスだね。
律: ほら、行くぞ。
唯: はーい。
唯: ここがライブハウスか。
紬: 何だか緊張するね。
澪: う、うん・・・
律: 大丈夫だって。
すみませーん。
川上: はーい!
はい、いらっしゃい。
律: あ、あの、出演、申し込みに来たんですけど。
放課後ティータイムです!
川上: ああ、話は聞いてるわ。「ラブ・クライシス」のマキちゃんの紹介ね。
唯: 「らぶ・くらいしす」! 何かかっこいい名前。
ねえ、律っちゃん。わたしたちのバンド名、ちょっとほわわんとしすぎかなあ。
川上: 「放課後ティータイム」って何だかかわいいバンド名ね。
唯: あれ? ほめられた?
ラジカセ: ふわふわタイム ふわふわタイム
律: こんな感じですけど・・・
川上: うん。じゃあ、参加申込書を書いてもらえる?
律: はい!
川上: えっと、当日出演者は13時入りね。
律: けっこう早いんですね。
川上: リハやるから。各バンド15分で。
律: え、あ・・・
川上: 15時からミーティング、客入れが16時、開演は17時ね。
あと、当日・・・だけど、基本何をかけても・・・
律: あ、は、はい!
あ、あたしが忘れても、みんなが・・・
澪: これがライブのチケットか。
唯: 入場料払わないと入れないんだね。
律: 聞いてねえ。
川上: じゃ、中を案内するから。
ここが楽屋。
唯: 楽屋? こ、ここが・・・!
紬: あの、暖簾掛けたりしていいですか?
「毎度!」
唯: わあ、かっこいいね、むぎちゃん!
紬: でしょ、でしょう?
川上: 他のバンドの子たちも使うから。
川上: で、この扉からステージに。
律: すっげーなー!
唯: ねえ、ミラーボールもあるよ!
川上: 演奏中の照明のプランも考えておいてね。
唯: もう、ぐるんぐるんのぴかぴかのきらきらで。
梓: ここで演奏をするんですね。
紬: どきどきするわね。
澪: あ、あ、あああ・・・
律: まだ燃え尽きるな。
川上: じゃ、本番よろしくね。
HTT: よろしくお願いしまーす!
憂: え? ライブハウスに?
唯: そう。今からその打ち合わせなんだ。
憂: すごい、お姉ちゃん!
唯: えへへへへ。
律: 曲目は4曲か。「ホッチキス」に「ふでペン」「カレー」「ふわふわ」でいいやね。
唯: あ、何着て歌う?
律: 1年目の学園祭で着たやつか?
梓: え・・・、あのふりふりの?
唯: あずにゃんの分もさわちゃん先生が作ってくれるよ。
梓: えええー・・・
律: でも、他にさわちゃんが作ってきたのって、スク水・白衣・ロリロリ・・・
梓: いやです!
律: うーん、じゃあ新しく作ってもらおうか。
唯: あ、変身して戦う感じの衣装は?
紬: あ、かわいい! 魔法少女とか?
澪: 制服でいいんじゃないか。
梓: 制服がいいです!
唯: あ、それがいいね!
あっ、そうだ・・・
はい。これ憂と純ちゃんの分。
憂: え?
唯: 二人で見に来てね。
憂: お姉ちゃんが初めてライブに出る記念のチケット・・・何かもったいなくて使えない!
梓: 使わないとは入れないよ。
唯: あとは和ちゃんにも渡さないと。
唯: はい、和ちゃん。
和: へえ、ライブに出るんだ。すごいわね。
唯: でへへへへー。
今のうちに、わたしたちのサイン貰っといたほうがいいよー。
和: え? 別にいいわよ。
唯: え!? もう書いてきたのに・・・
澪: 気が早いな。
和: わかった。貰っとく。
唯: ありがとう、和ちゃん。あとはさわちゃん先生に渡して、と。
梓: あ、貼ってある。
唯: わあ。わたしたち、これに出るんだね。
紬: うん。
律: おう!
唯: 他にはどんな人たちが出るのかな?
澪: ううっ!
梓: 澪先輩!?
律: 澪、人見知りだからな。
憂: お姉ちゃん、お風呂、先入るね。
唯: はーい。
ギー太、明日は一緒にがんばろうね。きっと、すっごく楽しいよ。
ファン: 年明けでしょ?/うん。/うーん、でもね、とりあえず内定で・・・/楽しみだよね。
ファン: お疲れ様です!
唯: はい?
律: どうもー!
唯: 何だろう? 出演バンドの子たちかな?
律: の、ファンの子たちじゃない?
唯: ああー、すでにファンが。
唯: こんにちは。
律: よろしくお願いしまー・・・
HTT: ええっ!
唯: こ、これは皆さん、手強そうな・・・
律: えええ・・・
澪: うっ。
サヤカ: おはようっす。
LC: お早う。
エリ: よろしく。
唯: ちゃんと挨拶してくれた。
マキ: 律っちゃん! 澪ちゃんも久しぶり。
律: あ、マキちゃん。
みんな、紹介するね。こちら、「ラブ・クライシス」のドラムのマキちゃん。今回ライブに誘ってくれた。
マキ: よろしくね。
唯: こ、こちらこそ! 律っちゃんがいつもお世話になってます!
アヤ: ああー、澪さんだ!
マキ: うちのベースのアヤ。澪ちゃんの大ファンでさ。
澪: ええっ?
アヤ: 学園祭のライブ、かっこよかったです。
唯: え? 見に来てくれたんだ!
アヤ: あ、遅れてきた人。
唯: すいません! すみません!
アヤ: そんな。楽しいライブでした。
あ、あの・・・
律: えへへ、ごめん。知らない人からライブをほめてもらったこと、あんまりないから。たぶん・・・
アヤ: そうなんだ・・・
あ、そうだ! 今度はわたしたちのライブ、ぜひ見に来てください。
マキ: 次は単独ライブなんだ。
紬: すごい・・・
アヤ: よかったらCDも。手作りなんだけど。
唯: すごいですね!
マキ: それじゃあ、またあとで。
律: うん!
何かうちらと意気込みが違うな。
唯: ねえねえ、わたしたちも何かロゴマークとかあったらいいね。
律澪紬梓: え?
唯: んーと、えへへへー。
えっとね、こんなのとか!
律: それじゃ温泉だ!
唯: あれ?
紬: ティーカップも描いたらどう?
唯: こう?
おおー、まったりお茶するいい感じ!
できました!
律: おっほー。これにも描いて描いて。
紬: わたしのキーボードにも。
澪: じゃあ、わたしもこれに。
梓: わたしもピックに。
唯: みんなでお揃いだね。
川上: じゃ、ミーティング始めまーす!
唯: あ・・・
HTT: うん!
律: よっしゃーっ!
HTT: 行くぞー!
唯: おおー! わたしたち2番目だ!
澪: 2番か・・・
アシスタント: すいませーん。これ、バックステージ・パスです。
澪: あ・・・ど、どうも・・・
律: すみません。
唯: これ、どこに貼ればいいの?
ん? ああ、あれか!
紬: すごい・・・
律: ライブ重ねてきたつわものだな。
澪: うん。
唯: じゃあ、わたしたちはこれが1枚目だね。
梓: はい!
唯: ・・・よっと。
律: いやいや。当日は自分に貼らないと出入りできないから。
唯: あ、そうなんだ。
律: そこに貼るか!
唯: へ?
梓: 湿布か!
唯: ええー?
何か無難な位置だな。
律: おっ、それよか、セッティング・シート書こうぜ。
唯: はー。いろいろ書くとこあるんだね。
律: まあ、曲名や曲調は決まってるからいいとして・・・
唯: 照明のイメージって?
律: それなんだよなあ。
紬: どう書けばいいのかな?
唯: うーん・・・
あ! ちょっと行ってくる!
澪: 選りに選っていちばん怖そうなところへ!
唯: 「元気よく」とか「ポップな感じで」って書いてた。
律: おおー! じゃ、うちもそんな感じで。
澪: あ、待って!
うちは・・・全部ピンクで!
梓: ピンクですか?
澪: だめ?
律: んじゃ、「ふわふわタイム」のサビはピンクで。
唯: あ、ミラーボールも!
律: じゃあ、前奏と間奏に使おうぜ。
紬: あとは・・・
律: うーん・・・。
ずばっとあたしにピンスポット当ててもらってもいいかな
「ずばっ!」
梓: 何で律先輩だけに? メンバー紹介のときに、一人ずつ照明当ててもらいましょうよ。
唯: ギー太にもね。
澪: わたしはいらないから!
律: 「ベースが転んだらすかさずピンスポ・・・」
澪: 絶対転ばない!
紬: 音響イメージはどうする?
唯: あ・・・。待ってて!
「3曲目、リバーブください」とか「ボーカル、目一杯ください」とか書いてた。
律: ああー。じゃ、うちもそんな感じで。
あ。MCはどこに入れるんだろ?
唯: 聞いてくる!
書き終わったから、これ参考に持ってっていいって。
律: おっほー!・・・ ええっ!?
す、すんません・・・
唯: ありがとうー。
澪: すでに馴染んでる・・・
律: ある意味最強だな、唯は。
澪: 他のバンドのリハも参考になるからな。
梓: あ、すごい。エフェクターいっぱい・・・
律: あ、マイ・マイクだ。いくらくらいするんだろうなあ・・・
唯: ねえねえ! お菓子も売ってるよ! あ、律っちゃん、CDが売ってるよ! あー、わたしたち売る物ないね、澪ちゃん。あ、あずにゃん、わたしたちもこれに映るのかな! うはー、へー、凄いね、むぎちゃん。
律: あー、はいはいはいはいはいはいっ。
唯: わあー、「放課後ティータイム様」だって! 「さ・ま」!
澪: いいから落ち着け!
紬: お茶にしよっか。
澪: ええっ!?
律: むぎもある意味、最強だな。
唯: はああー、おいしいねー。
律: やっぱこれだなー。
マキ: ああ、いい香り。
紬: よかったらご一緒にお茶、いかがですか?
マキ: えっ? じゃあ・・・、遠慮なく。
紬: うん。
律: へえー。じゃあ、けっこういろんなコンテストに出てるんだ。
エリ: なかなか入賞できないんだけどね。
サヤカ: でも、絶対プロになりたいから。
マキ: そうだよね。あきらめたら終わりだもん。
アヤ: ずっと音楽やってきたいし。
梓: すごい・・・
澪: みんな音楽がやりたくて、バンドやってるんだな。
唯: 「めざせ武道館」って言ってたのが恥ずかしいね。
澪: こんな話ができたのも、唯やむぎ、みんなのおかげかも。みんな、いつもちょっとずつ新しいドアを開いてくれる。
アシスタント: 放課後ティータイムさん、リハお願いします!
澪: しまった! まったりしすぎた!
唯: あ、まず何から・・・
律: セッティングだろ!
紬: しょ、照明!
梓: 誰に言ってんですか!
川上: じゃあお願いします!
HTT: え、はいっ!
律: じゃ、準備OK?
唯: いいっす!
梓: はい!
紬: だいじょーうぶ!
澪: う、うん・・・
律: じゃ、じゃあ、ええーと、4曲目「ふわふわタイム」、ワンコーラスいきます!
唯: あはあ、へへ・・・
律: 唯、ボーカル!
唯: あっ、しまっ・・・! ああ!
澪: だ、大丈夫・・・あああ!
梓: 澪先輩!
紬: あ、あ、ああっ!
律: 落ち着け、みんな!
エリ(?): 落ち着いて!
アヤ: もう一回、最初からでいいよ!
サヤカ: 大丈夫、大丈夫!
紫髪: がんばれ!
唯: みんなに迷惑かけないように、ちゃんとやらなきゃ。
梓: わたしたちだけのライブじゃない。
紬: だから、落ち着いてがんばらなきゃ。
澪: せっかく新しいドアを開いたんだから。
律: うん!
和: たしか、このあたりのはずだけど。ん?
純: ああっ! あれ、みんなお客さん!?
和: こんなに?
憂: お姉ちゃん、大丈夫かな?
唯: ういー!
憂: あ・・・、お姉ちゃん。
唯: 和ちゃんと純ちゃんも来てくれてありがとう。
純: すごい盛況ですね。
唯: でへへへへー。あ、見て見て。バックステージ・パス!
和: あんた、緊張しないの?
唯: するよー。お菓子食べて、緊張ほぐしてくる。あ、そうだ! ステージからみんなの名前呼ぶね。
和: やめて! わたしたちが緊張するから。
唯: じゃあ、またあとで。
憂: 大丈夫。いつものお姉ちゃんだ。
さわ子: ふう・・・。昔の服探してたら、時間かかっちゃったわよ。
唯: お気に入りのうさちゃん 抱いて
今夜もおやすみ ふわふわタイム
澪: ふわふわタイム
唯: ふわふわタイム
澪: ふわふわタイム
唯: ふとした仕草に 今日もハートずきずき
川上: ん?・・・ ああっ、キャサリン!
さわ子: え? ジャニス! あんた何で?
川上: ここのマネージャーやってんの。あんた、ちっとも変わらないわね。
さわ子: か、変わったわよ。だって、わたし、あの子たちの先生してるんだから。
川上: そっか・・・
唯: ああ神様 どうして好きになるほど
ドリームナイト 切ないの
とっておきのくまちゃん出したし 今夜は大丈夫かな?
唯: んんー、ああ、終わったー!
律: 終わったな。
さわ子: お疲れ様。
唯: ああっ、さわちゃん先生! 待っててくれたの?
憂: お姉ちゃん! お姉ちゃん、すごいよかったよ!
唯: ありがとう。
和: ほんと、みんながんばってたわね。かっこよかったわよ。
唯: ありがとう。
梓: あ・・・
ファン: お疲れ様です!
律: すごいな。
梓: はい。
唯: でも、わたしたちも和ちゃんとか、みんな来てくれたよ。
ありがとう!
マキ: あ・・・
律: また、一緒にライブしよう!
梓: お世話になりました!
紬: ありがとう。
澪: お、お疲れ様。
マキ: また誘うからね!
唯: よいお年を!
さわ子: ほら、虎ビキニもあるから着てみてー。
梓: いやです!
さわ子: なーにを・・・
澪: さっきの感動が・・・
憂: みなさん、年越しソバもありますよ。
梓(?): わあー!
律: うまそう!
澪: ごめんね、大勢で押しかけて。
憂: いいえ、全然です。だって・・・
唯: うーまああああい・・・
憂: あの顔が見られるだけで幸せですから。
唯: あ、またババだぞー・・・
律: いっひひひひひひひ。
アナウンサー: さあ、残すところ今年もあと1分を切りました。
律: あ、いよいよだな。澪、今年はどんな年だった?
澪: たくさん楽しいことがあったよ、みんなのおかげで。ありがとう。
律: へっ? あー・・・。いや、よせやい、気持ちわりいー!
澪: へ、き、気持ちわりいって・・・
律: おーい、みんなー! もうすぐ年明けだぞ!
・・・って、寝てるし!
アナウンサー: あけましておめでとうございます!
澪: あ、年明けた。
律: ちょーっ! 肝心なときに寝てどうすんだよ!
澪: ぐだぐだ・・・。けど、それも軽音部だよな。
律: むぎ! 唯! とっとと起きろって、もう。あ、口開いてるってば。ったく、もう・・・
唯: 起きて! ねえ! ねえ、みんな起きて!
律: ん・・・? あ? 何だ?
紬: ここどこ?
梓: いま何時ですか?
唯: 初日の出、見に行こう! 初日の出!
律: 眠いからいいや・・・
唯: もう! こんなときに寝てどうするの!
澪: いや、お前が言うか?
唯: さわちゃん先生おいて来ちゃったけど、大丈夫かな?
澪: 憂ちゃんもいるし、大丈夫だろ。
唯: ああ!
紬: きれい・・・
唯: でしょ、でしょ? ここ穴場なんだ。
澪: それじゃあ、えっと・・・、あけましておめでとうございます。
律唯紬梓: あめでとうございます!
唯: ところであずにゃん、それいつまで付けてるの?
梓: え? にゃあっ!
唯: えへへへー。
梓: な、何で誰も教えてくれないんですか!
律: ごみんごみんー、あんまり似合ってたもんで。
紬: すっごくかわいい。
唯: あずにゃん、自信持ちなよ。
梓: ううぅぅ・・・
澪: ふう、やれやれ。