K-ON! (Japanese) > 09. 新入部員!

唯: 軽音楽部に待望の入部希望者がやってきました。
律: ようこそ、軽音部へ。
唯: ほら、こっちこっち。座って。
紬: お名前は何ていうの?
梓: あッ、中野です。
律: パートは何やってるの?
梓: あッ、えっと…
唯: 好きな食べ物は?
律: 中学校はどこだった?
澪: 落ち着け、お前ら。

OP

梓: えっと、1年2組の中野梓といいます。パートはギターを少し。
律: あッ、唯と一緒だな。
梓: よろしくお願いします、唯先輩。
唯: 唯先輩…。先輩、先輩!
律: おーい、帰ってこーい。

唯: とりあえず、なんか弾いてみせて。
梓: まだ初心者なので、下手ですけど。
唯: 大丈夫。私が教えてあげるから。
澪: おおッ、早くも先輩風吹かせてるな。
梓: そッ、それじゃあ…
澪: うッ、うまい。
唯: 私より断然。
梓: あッ、あれ? どうしよう、何だか変な雰囲気。やっぱり私の演奏が下手だったから…。ごめんなさい。やっぱり聞き苦しかったですよね?
澪: ああ、いや。そういうわけじゃ…
唯: まッ、まだまだね。
律: ちょっ、唯。おい、いつまで見栄張ってるんだよ。
梓: 私、もう一度唯先輩のギターが聴きたいです。
唯: えッ? ああ~、ええと…。ライブでギックリ腰になったからまた今度ね。
澪: 苦しい。
律: もういいからどいてろ。とにかく入部してくれるっていうことでいいんだよね?
梓: はい。新歓ライブの皆さんの演奏を聴いて感動しました。これからよろしくお願いします。
唯: まぶしすぎて直視できません。
梓: あッ、そうだ。入部届です。
律: 確かに受け取ったから、明日っからよろしくね。
梓: はい。それじゃあ失礼します。
唯: わッ、私どうしよう。
2: 練習しとけ。

梓: こんにちは。
律: あッ、元気いっぱいだな。
梓: はい。放課後が待ち遠しかったです。
律: それじゃあ早速…
梓: 練習ですか?
律: お茶にするか。
梓: ええッ?

紬: 梓ちゃんもどうぞ。
梓: あ、あの~音楽室でこんなことして大丈夫なんですか?
律: 大丈夫大丈夫。
全員: あッ。
梓: あの、あの、これは…
さわ子: 私ミルクティーね。
梓: ええッ。

さわ子: 顧問の山中さわ子です。よろしくね。
梓: よ、よろしくお願いします。きれいな人だなあ。
さわ子: 猫耳とか似合いそうね。
紬: お菓子もどうぞ。
律: はーい。
唯: 今日もおいしそう。
さわ子: それにしても新入部員か。春ね~          唯: むぎちゃん、これ何ていうの?
律: 春になって彼氏できました?                紬: (xxx)
さわ子: 余計なお世話よ、ほっといて。            唯: へえ、なんかわかんないけど美味しいね。
梓: ここ、軽音部だよね。あ、もしかして私の自主性が試されてるのかな。
さわ子: うるさーーい!
梓: ええッ?
律: さわちゃんのアホーッ!
さわ子: だって静かにお茶したかったんだもん。
律: 言い方ってもんがあるだろ。
澪: ごめんな。あの先生ちょっと変なの。
さわ子: おい。
紬: 気にしないでね。
唯: さあ、ケーキ食べよう。
律: ティータイムがウチのウリだから。
紬: 梓ちゃん?
梓: こんなんじゃダメですーッ!
澪: キレたッ。
梓: 皆さん、やる気が感じられないです!
律: いや、新歓終わったあとだったし。
梓: そんなの関係ありません! 音楽室を私物化するのもよくないと思います。ティーセットは全部撤去すべきです。
さわ子: それだけは勘弁して。
梓: 何で先生が言うんですかッ!
律: まあ、とにかく落ち着いて。
梓: これが落ち着いていられますか!
唯: いい子いい子。
澪: そんなことで収まるはず…、収まったーッ。

梓: 取り乱してすみませんでした。
唯: ううん、全然気にしてないから。
梓: えッ、それはそれで…
澪: 梓が言うことも一理あるよ。私達ももっとやる気出していかないと。わかりましたねッ。
2: はーい。

梓: この前迷惑かけたから行きたくないなあ。こんにちは。全然動じてない。
唯: い、今から練習するところだったんだよ。ホントだよ。

唯: フンッ。
梓: はやッ。
唯: やっぱケーキ食べないと力が出ないよ~
紬: はい、唯ちゃん。
唯: あーん。
梓: うまい!
唯: 梓ちゃんも食べてみなよ。おいしいよ。はい、あーん。ほれ。
梓: おいしい。
律: うん? 何だって?
梓: 「おしい」って言ったんです。
唯: 気に入らなかったか~。ほい。ほい。おもろい。

生徒: 先生さようなら
さわ子: はい、さようなら。はあ…、今日から音楽室でのティータイムはなしか。でも教師らしくちゃんとしなきゃ、たまには。みんな練習頑張ってる? …って食べてるじゃん!

さわ子: 私、もうここで死んでもいい。
律: 死ぬな。
さわ子: そういえば、結局何でティーセット撤去しなかったの?
梓: そ、それは…、何でもかんでも否定するのはダメだと思って。
さわ子・律: へえ~
唯: 梓ちゃんっていつギター始めたの?
梓: えっと、小4くらいからです。親がジャズバンドをやっていたので、その影響で。
澪: へえ~
律: 全然初心者じゃないじゃん。
梓: 唯先輩がギター始めたきっかけって何ですか?
唯: えッ、私? 言えない、軽音が軽い感じの音楽だと思ってたなんて言えない。
梓: あ、あの…
唯: いや~とにかく新入部員が入ってよかった。
律: ごまかした。
さわ子: そうそう。私、梓ちゃんにプレゼント持ってきたんだった。パンパカパーン!
梓: あの、これ何ですか?
さわ子: 何って猫耳だけど?
梓: いやそれはわかるんですけど、えっと、これをどうすれば?
さわ子: フッフッフッ。
律: 大丈夫だよ、軽音部の儀式みたいなもんだから。
梓: 何の儀式ですか?
さわ子: もう、恥ずかしがりやさんねえ。
梓: 当たり前です。先輩方だって恥ずかしいですよね?
紬: どう?
唯: 似合う~
律: さすがムギだな。
梓: あれ? 私がおかしいの?
唯: はい。次、梓ちゃんの番。
3: わあッ! おお~ッ!
唯: すごく似合ってるよ。
さわ子: 私の目に狂いはなかったわ。
4: 軽音部へようこそ!
梓: ここで?
唯: 梓ちゃん、かわいい~
律: ニャーって言ってみて、ニャーって。
梓: ニッ…ニャー。
4: ああ~ッ
梓: はッ、つい…
唯: あだ名はあずにゃんで決定だね。

さわ子: 次はこの服よ。ネコミミメイド
梓: それは絶対イヤです。
唯: 似合うのに~
梓: イヤですッ。
澪: 梓、かわいいな。いじられる対象が私から梓に移ったのは助かったけど、でもこの寂しい気持ちは…
律: 何?
澪: さっきから何言ってるのよ。

唯: あーッ、楽しかった。
梓: 練習もしてないのに疲れました。
澪: あッ、私、音楽室に忘れ物。
律: じゃあ、先行ってるな。
澪: ああ、うん。

澪: おッ、あったあった。うん? ・・・ヒッ、ヒゲ。
律: 苦しいぞ~。

唯: ねえ、あずにゃん、ウチの近くにおいしいアイス屋さんがあるんだよ~
紬: みんなで行きましょう。
唯: 先輩がおごってあげる。
梓: はあ…
唯: 違う違う。返事はニャーだよ。
梓: えッ?
唯: はい、ニャー。
梓: ニャッ、ニャー。
澪: 手なづけられている。

唯: おいしい~ッ。
紬: ホントにおいしい。
澪: アイスついてるぞ。
唯: あッ…
澪: 大丈夫? 軽音部やっていけそう?
梓: あッ、えっと、こののんびりした空気がちょっとアレですけど、まあ…
唯: 大丈夫、すぐ慣れるよ。
梓: ていうか慣れたくない。

律: 何? 緊急会議って
澪: 新入部員が入ったのに、いつまでもまったりダラダラしてたらまずいと思うんだよな。
唯: そうなの?
澪: このままじゃ梓、辞めてしまうかもしれないぞ。
唯: あずにゃんがいなくなるのはイヤだ。
律: 仕方ない。何か梓の弱み…あ痛い!
澪: ちゃんと活動計画を立てた方がいいんじゃないか?
紬: 活動計画?
律: 確かにな~。じゃあまず…、梓の歓迎会をするか。
唯: いいね~
紬: 楽しそう。
澪: って、おい!

唯: ほら、あずにゃんも食べて食べて。
紬: ケーキもあるわよ。
律: 梓にはこれッ。
澪: コラーッ! ・・・たい焼き好きなの?
梓: うん

唯: おお~ッ。
律: こら、どこ投げてんだよッ。
唯: 頑張れ、りっちゃーん。
梓: 澪先輩はうまいのに、何でこんなやる気のない部活にいるんだろう?
澪: 何?
梓: い、いいえ。あの…澪先輩は外でバンド組んだりしないんですか?
澪: うーん、確かに外バンもおもしろそうだよね。
律: あ~、そんなこと言っていいのかな。
澪: 何よ、それッ。
梓: 弱み握られてるのかな?
さわ子: バニーもいいわね。
梓: うわ~ッ!
唯: あッ、さわちゃん先生。
さわ子: 遅れてごめんね。いろいろと仕込みがあってさ。ジャーン!
紬: かわいい~
律: あいかわらずスゲエな。
唯: あずにゃん嫌なら私達が着るから。
梓: そッ、そういう問題じゃ…

唯: ああ~、楽しかったね。
律: 今度はどこ行くかな。
紬: 動物園とか。
さわ子: 温泉もいいわね。
唯: ああッ、それいい!
紬: ホント。すごく素敵です。
さわ子: そう? じゃあ今度ホントに行っちゃう?
澪: みんな聞いてッ! ウチは軽音部だから。明日からは絶対練習するからな! 絶対の絶対の絶対!
4: うんうんうん。

律: みんな、忘れてるかもしれないが、ウチは軽音部だから。
澪: いや、忘れてないから。
律: 今日は練習するぞ!
オーッ!
澪: オー?
律: よし、唯と梓ギターが2人になったから演奏の幅が広がるな。どっちがリードギターやる?
梓: それはもちろん先輩が…
唯: はいはい! 私がやる!
律: この自信はどこから?
唯: ふんす!
律: 一応、2人の演奏を聴いてみてから決めた方が…
梓: そッ、それじゃ私から。
紬: すごい、梓ちゃん。
澪: やっぱりうまいな。
律: 次は唯の番…
唯: ギックリ腰が…
律: いいかげんにしろ。
唯: あずにゃん、ギター教えてください。
律: 変わり身はえーな!

梓: そこはミュートした方が…、あとさっきのフレーズはビブラートきかせるといいかも。
唯: ミュート? ビブラート? 何それ?
梓: ほえッ?
澪: こんなんでも1年間やってきたんだ。
梓: ミュートもビブラートも知らずにどうやって…あれ? ちゃんとミュートできてる。
唯: ああ、さっきのがミュートっていうんだ。
さわ子: ミュートとは、弦に軽く触れて音が伸びないようにする技術よ。
澪: 唯はゲーム買っても説明書読まないタイプなんだよ。
梓: 納得です。
さわ子: じゃあ、そろそろロイヤルミルクティーいれてくれる?
紬: あの、今日は練習しますから。
律: ちょっとだけ休憩するか。

3: ほげ~~
澪: 練習はッ?
律: 明日から頑張ろう。
唯: あずにゃん、あーん。はい、あーん。
紬: はい、梓ちゃん専用のカップよ。
梓: はッ、ダメになる。このままじゃダメになる。

梓: 軽音部じゃなくて、よそのバンドに参加しよう。他にもきっと素敵なバンドが…
どうしてだろう。どのバンドもウチの軽音部よりうまいのに、・・・どうして?

唯: 最近あずにゃん来ないね。
澪: もう来ないかもな。
唯: えッ?
律: あッ、梓。何で最近こなかったんだよ。ここんとこ毎日練習してたんだぞ。
唯: わーん、待ってたよ。
澪: どうした?
律: まさか辞めるって言いにきたのか?
唯: それだけは勘弁してくだせえ。
梓: わからなくなって。
4: えッ?
梓: どうして軽音部に入ろうと思ったのか、どうして新歓ライブの演奏にあんなに感動したのか。しばらく一緒にいてみれば、きっとわかると思ってやってきたけど、けどやっぱりわからなくって。
唯: あずにゃん。
律: よし。じゃあ梓のために演奏するか。そのときの気持ちを思い出せるようにさ。
3: うん!
梓: 唯先輩はまるで音楽用語知らないし、律先輩のドラムも走り気味なのに、4人そろって演奏すると、どうしてこんなにいい曲になるんだろう。どうして?
澪: 梓。この前、何で私が外バン組まないか聞いたよね。
梓: はい。
澪: やっぱり私はこのメンバーとバンドするのが楽しいんだと思う
梓: えッ?
澪: きっとみんなもそうで、だからいい演奏になるんだと思う。さあ一緒にやろう、梓。
梓: はい。私、やっぱり先輩方と演奏したいです。
唯: よかった~ッ。
澪: まあ、これからもお茶飲んだりダラダラすることもあると思うけど、それもやっぱり必要な時間なんだよ。うん。
唯: 燃え尽きた。
律: 向こう1週間は演奏したくねえ~
梓: 本当に?
澪: 多分。
唯: あずにゃん、猫耳つけてみて。
梓: イヤです。
唯: ねえ、お願い。そしたら頑張れるから。
梓: じゃあ…
唯: 萌え萌えきゅん。

【予告】
律: 夏休みなのに大変ですねえ。
さわ子: 研修とかいろいろあってねえ。あなた達も練習?
唯: はい。
さわ子: 何か用?
律: 軽音部で合宿するんだけど、
唯: 先生も来るかなあと思って。
さわ子: 合宿ねえ。
律: …めんどくさそうな顔。
梓: ちゃんと練習できるのかなあ。
唯: あずにゃ~ん!
律: キャベツうめーッ!