Code Geass(Japanese)>11. Battle for Narita
日本解放戦線(にっぽんかいほうせんせん)。
エリア11における最大の武装勢力(ぶそうせいりょく)をつぶすため、コーネリア総督(そうとく)は成田連山(なりたれんざん)に包囲作戦(ほういさくせん)を展開(てんかい)した。
圧倒的(あっとうてき)な制圧力(せいあつりょく)を誇(ほこ)るブリタニア軍に大勢(たいせい)が決(けっ)したかと思われたその時、黒の騎士団は動き出した。
紅蓮弐式(ぐれんにしき)の輻射波動(ふくしゃはどう)を使い、山頂から水脈を一気に爆発させたのだ。
山は崩れた。
日本解放戦線もブリタニアの主力部隊(しゅりょくぶたい)も、土砂(どしゃ)と水流(すいりゅう)に巻き込まれていく。
主戦力(しゅせんりょく)を失い孤立(こりつ)するコーネリアの部隊。
形勢逆転(けいせいぎゃくてん)をねらうゼロは黒の騎士団を率いてコーネリアをめざすのだが…。
人は誰しもが己(おのれ)の勝利を…存在を信じたがるものだ。
されど、時と運命の前に信じるという行為(こうい)はあまりにむなしく、そして儚(はかな)い…。
ダールトン:
我が軍の被害(ひがい)は?
ブリタニア兵:
信号の返りは20%をきっています。
ダールトン:
20%?
これでは指揮系統(しきけいとう)がなりたたん。
ブリタニア兵:
こちらマルソー隊。
アレックス将軍と連絡が取れません。
第二師団は壊滅(かいめつ)したと見るしか…。
スザク:
ロイドさん、これは!
ロイド:
うん、とっても不自然。
スザク:
不自然って…。
ロイド:
未確認(みかくにん)だけど、黒の騎士団が現れたって情報もある。
スザク:
ゼロ…。
ロイド:
おめでとう!
出番(でばん)、あるかもよ。
スザク:
ロイドさん!
セシル:
不謹慎(ふきんしん)です!
ロイド:
えっ? どうして?
セシル:
教えてさしあげましょうか?
ロイド:
いえ。遠慮(えんりょ)します。
まあともかくさ、参謀府が情報をあつめしだい、こっちも対応を決めるしかないよねぇ。
ブリタニア兵:
総督は無事(ぶじ)なのか?
ブリタニア兵:
流れの外ですから問題はありません。
しかし、後ろ備え(うしろぞなえ)が動いたため、孤立(こりつ)に近い形に…。
ブリタニア兵:
何をやってるんだ、純潔派(じゅんけつは)は!
キューエル:
おい、動け! イレブンに負けてしまう。
誇(ほこ)りあるブリタニアの…。
ヴィレッタ:
キューエル卿!
ゼロ:
よし!紅蓮は予定位置へ。
ここは残ったもので突破(とっぱ)し、コーネリアを狙う。
カレン:
はい。
黒の騎士団:
わかった。
いけるぞ、俺たち。
ブリタニア兵:
ここは死守(ししゅ)するぞ!
杉山:
うわっ!
黒の騎士団:
杉山!生きてるか?
杉山:
ああ…。
黒の騎士団:
くそっ!やっちまえ!
ゼロ:
そうだ、動け。
この戦いに生き残れば、お前たちは戦士になれる。
その先にこそ…。
ブリタニア兵:
純潔派がくい止めている?
ブリタニア兵:
はい。ヴィレッタ卿の指揮(しき)で。
ブリタニア兵:
なら今のうちだ。総督には後ろに下がっていただけ。
空軍の援護を…。
ユーフェミア:
待って!総督の後ろに何かが近づいています。
藤堂:
各機。準備は整ったか?
四聖剣:
はい。
藤堂:
よし。無頼改、出撃(しゅつげき)!
四聖剣:
出撃します。
藤堂:
いいか?この山崩れが人為的(じんいてき)なものであれば、我らはコーネリアの背後をつけるはず。
コーネリアを捕縛(ほばく)せよ。今こそ七年前の借りを返すぞ!
四聖剣:
はい!我ら四聖剣の誇(ほこ)りにかけて!
コーネリア:
なに?
ギルフォード:
殿下をお守りしろ!
藤堂:
囲め!
コーネリア:
日本解放戦線か?
藤堂:
斬撃包囲陣(ざんげきほういじん)!
四聖剣:
承知(しょうち)!
藤堂:
ただの無頼と思うなよ。
朝比奈:
七年前を思い出しますね。
千葉:
あの時とは違う。こっちにもナイトメアがあるんだからな。
ギルフォード:
殿下!ここは私たちにまかせ、一旦(いったん)お引きください!
コーネリア:
よし。ならば逆手(さかて)にとってやる。
ギルフォード!
ギルフォード:
はっ!
コーネリア:
刃(やいば)をまじえたのち、ポイント9まで来い。
ギルフォード:
9? わかりました。
日本解放戦線:
コーネリア!
コーネリア:
脆弱者(ぜいじゃくもの)が!
ふんっ。
ヴィレッタ:
よし!このままゼロを釘付け(くぎづけ)にしろ!
黒の騎士団:
なあ。カレンに戻ってきてもらったほうが…。
ゼロ:
駄目だ。今、配置を変えると作戦がくずれる!
…とはいえ、まずいな。このままでは、親衛隊(しんえいたい)まで相手にすることに…。
カレン:
ゼロ。コーネリアが下から奇襲(きしゅう)をうけたって。
ゼロ:
なに?どの班(はん)がうごいた?
カレン:
うちじゃなくって、解放戦線らしい。
ゼロ:
こっちの狙いをよんだやつがいたか…、優秀(ゆうしゅう)だな。
なら、親衛隊の足止めはやってくれるはず。
藤堂:
少将閣下、遅くなりました。
片瀬:
藤堂。待っていたぞ。
藤堂:
閣下(かっか)、ここで兵力をすべて投入してください。
片瀬:
勝てるか、奴らに?
藤堂:
ブリタニアの本体を足止めすれば、勝てます。
今こそが、戦局逆転(せんきょく ぎゃくてん)の好機(こうき)!
ギルフォード:
エリア11に、将軍と騎士の器(うつわ)を持つ者がいると聞いた。
まさか、こいつがその藤堂?
だが…、私とて!
ダールトン:
ええい、こんな時に!
ブリタニア兵:
どういたしますか?
ダールトン:
転進(てんしん)だ!何が何でもコーネリア総督と合流(ごうりゅう)するぞ!
ブリタニア兵:
しかし、敵の本拠(ほんきょ)は目の前です。それに背後から攻撃を受けると甚大(じんだい)な被害(ひがい)が…。
ダールトン:
馬鹿者(ばかもの)!
姫様を失ったら、この戦いそのものが終わってしまうわ!
ブリタニア兵:
は…はい。
うわぁ!
ブリタニア兵:
ユーフェミア副総督。このG1を突入させましょう。総督を…。
ユーフェミア:
なりません!
ブリタニア兵:
しかし、ギルフォード隊長も動けないということは、コーネリア総督のお命が…。
ユーフェミア:
なりません!
ここには野戦病院も設置されています。避難(ひなん)してきた周辺の住民もいます。それに、このG1ベースは本陣の象徴(しょうちょう)。
「なにがあろうと動くな」との総督の厳命(げんめい)。ですから…だから…。
えっ!?
ロイド:
どうも、どうも。
特別派遣嚮導技術部(とくべつ はけん きょうどう ぎじゅつぶ)でございます。
ブリタニア兵:
無礼者(ぶれいもの)!
駐軍(ちゅうぐん)しているだけのイレギュラーはおとなしくしておれ!
セシル:
あっ…いや…たしかにそうなんですけど…。
ロイド:
おかげで困ってるんですよ、暇(ひま)で。
スザク:
ユーフェミア副総督、お願いします!
特派(とくは)に命令をあたえてください!
ブリタニア兵:
しらじらしい。総督救出の功績(こうせき)がほしいのだろう?
ブリタニア兵:
たった一機で状況をかえられるなら、誰も苦労はせん!
それにナンバーズなど…。
ロイド:
いやいや、だから。やってみてもいいじゃないですか。
失敗したってそちらの損失(そんしつ)なんかじゃないんでしょう?
ねぇ、聞いてます?
ユーフェミア:
わかりました。頼みます。
ロイド:
やったぁ!
セシル:
ありがとうございます。
スザク:
はい!必ずや!
藤堂:
こいつ!やるな。
藤堂:
散(ち)れ!
卜部:
中佐。コーネリアはどうしますか?
藤堂:
ゼロが見込みどおりの奴なら手をうっているはずだ。
ここは奴を信じるしかない!
ギルフォード:
何?ゼロが転進した?
ヴィレッタ:
はい。我々はこのままそちらの援護にまわります。
ギルフォード:
それよりゼロだ。位置情報をくれ!
ヴィレッタ:
は…はい。これがゼロたちの予測進路です。
ギルフォード:
まずい!藤堂たちをさそいこむはずの場所に黒の騎士団が。
コーネリア殿下!
コーネリア:
聞こえているよ、ギルフォード。
セシル:
嚮導兵器(きょうどうへいき)、Z01 ランスロットはサンドボードを使用し、最大戦速(さいだいせんそく)にて液状斜面(えきじょうしゃめん)を上昇。
総督を救援(きゅうえん)せよ。
スザク:
イエス、マイロード。
ロイド:
スザクくん。ひとつ聞きたかったんだけど。
スザク:
なんでしょうか?
ロイド:
君は人が死ぬのを極端(きょくたん)に嫌うねぇ。
なのに軍隊にいる。なぜだい?
スザク:
死なせたくないから、軍隊にいるんです。
ロイド:
その矛盾(むじゅん)はさ、いつか君を殺すよ…。
あ…ご、ごめんなさい!ごめんなさい!
スザク:
ランスロット。発進します。
カレン:
コーネリア!
コーネリア:
下衆(げす)の分際(ぶんざい)で!
コーネリア:
何だ?ただのカスタム機ではなさそうだな…。
ゼロ:
聞こえているか、コーネリアよ?
すでにチェックメイトだ。
コーネリア:
ゼロか?
ゼロ:
ああ。再会を祝うべきかな?
しかし、その前に我々に投降(とうこう)していただきたい。
あなたには聞きたいこともあるしな。
ちなみに援軍(えんぐん)は間に合わない。わたしの勝ちなんだよ、コーネリア。
コーネリア:
愚かなリ、ゼロ。
こいつさえ…、こいつさえ倒せば活路(かつろ)は開く!
コーネリア:
器用(きよう)な奴だな!
コーネリア:
卑怯者(ひきょうもの)!
後ろから撃(う)つとは!
ゼロ:
ほお、ならお前たちの作戦は卑怯(ひきょう)ではないと?
ダールトン:
体制を整えるまえに挟撃(きょうげき)とは。
これでは姫様のもとへは…。
仙波:
中佐。敵の援軍をたたきました。
藤堂:
よし。旋回活殺自在陣(せんかい かっさつ じざいじん)に切り替えよ!
四聖剣:
承知!
ギルフォード:
ええい!このままではコーネリア殿下が…。
コーネリア:
ギルフォード。我が騎士ギルフォードよ。
ダールトンと共にユフィを補佐(ほさ)してほしい。
ギルフォード:
殿下!
コーネリア:
私は投降はせぬ。
皇女として、最後まで戦うのみ!
ギルフォード:
コ、コーネリア様!
ゼロ:
ふん。つまらん選択を…。
セシル:
うわぁ…。
ロイド:
あいかわらず無茶(むちゃ)するなぁ。ヴァリスで間の障害を突き破るなんて…。
スザク:
総督、ご無事ですか?救援(きゅうえん)にまいりました。
コーネリア:
特派だと?誰の許しで…?
ギルフォード:
しかし助かった。あのランスロットならば…。
玉城:
おい、まさかあのナイトメア…。
扇:
ああ、シンジュクや河口湖(かわぐちこ)にいたやつだ。
ゼロ:
またか…。またあいつが…。
ゼロ:
紅蓮弐式は白兜(しろかぶと)を破壊(はかい)しろ!
こいつの突破力(とっぱりょく)は邪魔(じゃま)だ!
カレン:
はい!
コーネリア:
そちらはまかせた。
私はゼロをたたく!
カレン:
シンジュクの借りをここで!
スザク:
まさか!? ランスロット並の速さ?
カレン:
こいつさえ倒せば!
カレン:
そんな武器なんか!
スザク:
止めた!?
カレン:
うわぁ!
扇:
おい、大丈夫か?
カレン:
あ…あぁ。
ゼロ:
扇、紅蓮は?
扇:
右手が駄目だ。修理(しゅうり)しないと。
ゼロ:
退(ひ)くぞ!
全軍、脱出地点に移動させろ!
これ以上は消耗戦(しょうもうせん)になる。撤退(てったい)だ!
スザク:
総督。
コーネリア:
お前はゼロを追え。
スザク:
しかし…。
コーネリア:
エナジーフィラーが尽きただけだ。行け!
スザク:
はい。
玉城:
なあ、本当に退いちゃっていいのかよ?
扇:
勝ったのは事実だし、これ以上…。
玉城:
日本解放戦線を囮(おとり)にして逃げるしかないってか?
カレン:
そんな言い方、嫌いなんだけど。
扇:
ああ、人間はゲームの駒(こま)なんかじゃないんだ。
ゼロだってそんなことは考えていないはずさ。
そうじゃなきゃ、俺たちまで駒として使われているってことになってしまうよ。
でも、ありえない。彼のブリタニアに対する怒りは本物だ。
怒りを知る人間は、悲しみも知っているはずだから。
スザク:
特派ヘッドトレーラーへ。
ゼロを発見。
これより確保(かくほ)します。
スザク:
ゼロ。君には恩がある。
君の行動のおかげで救われた人がいて、多くのイレブンが陰から協力していることも知っている。でも、君のやり方は…、間違っている。
スザク:
あれは…?
まさか…シンジュクの…カプセルの?
C.C.:
やめろ!
この男には手を出すな!
ゼロ:
シーツー?
スザク:
彼女…ゼロの仲間(なかま)?
ゼロ:
おい、何をする気だ?
相手はナイトメアだぞ!
C.C.:
お前に死なれては困る。
間接接触(かんせつ せっしょく)だが、試す価値はある。
スザク:
父さん…?
嘘(うそ)だ…、死んだはずなのに。
違う、そんなつもりじゃ…。
僕は…、俺は!
ゼロ:
おい!まさかパイロットにギアスを…。
C.C.:
ショックイメージを見せているだけだ。
何を見ているのかは知らないがな。
それより逃げろ。今のうちだ。
ゼロ:
お前はどうする?
C.C.:
今は動けない。先に行け。
ゼロ:
冗談じゃない。お前に借りを作ったままで…。
C.C.:
やめろ! 今は…。
ゼロ:
なんだ?前と違う。
こ…これは?
C.C.:
や…やめろ。
私に…入ってくるな!
やめろ…どうして…。
私が…開かれる。
スザク:
俺はああするしかなかったんだ!
ゼロ:
な…なんなんだ、今のは?
C.C.:
馬鹿!今のうちに逃げろ!
ゼロ:
シーツー!
C.C.:
早く…逃げろ!
千葉:
おのれ!
藤堂:
追うな!
ゼロの動きが不鮮明(ふせんめい)だ。
我らはこのまま少将に合流し脱出の手助けをする。
ギルフォード:
殿下!今、参ります!
コーネリア:
ギルフォード、全軍に伝えよ。撤退準備(てったいじゅんび)だと。
これ以上我が将兵(しょうへい)の命を賭ける理由は無い。
戦闘状態(せんとう じょうたい)を維持(いじ)しつつ、ゆるやかに後退せよ。
認めなくてはならん。今回は我々の負けだ。
玉城:
ほらな。ブリタニアは解放戦線の相手をするだけでいっぱいいっぱい。
扇:
ああ、確かに俺たちが逃げる隙間(すきま)はできたが…・
カレン:
ねえ、ゼロは?
無頼ともつながらないし、まさか捕(つか)まったんじゃ…?
ゼロ:
この女、やはり人間じゃないのか?
傷の再生スピードが普通じゃない。
シンジュクでも確かに額(ひたい)を撃(う)たれていたし。
クロヴィスが個人で研究していたのだから、ブリタニアとは関係ないはずだが…。
バイタルは人間と同じ。血液サンプルは後で調べるとして、傷口(きずぐち)も撮影(さつえい)しておくか。
ん?…なんだ?
C.C.:
やっと呼んでくれたね、私の名前。
コーネリア:
結局、ゼロは捕まらないままか。
ギルフォード:
日本解放戦線が防衛(ぼうえい)ラインをおしあげているので、その中に紛(まぎ)れたかと。
コーネリア:
好かんな。
常に何かを盾(たて)にして身を守る。
…で、枢木(くるるぎ)はどうなった?
ギルフォード:
回収済みです。
エナジーフィラーが尽(つ)きて停止するのを待ったため、時間がかかりました。
コーネリア:
待ったとは?
機体の不具合(ふぐあい)か?
ギルフォード:
かもしれません。
暴走状態(ぼうそう じょうたい)になっていたようですから。
コーネリア:
兄上の部隊らしからぬ失態(しったい)だな。
ゼロ:
破片を摘出(てきしゅつ)して、傷口を洗っておいた。
C.C.:
必要ない。
ゼロ:
そうらしいな。
C.C.:
だから、助ける意味なんて無かったんだ。
お前はいつもつまらんところでプライドにこだわる。
ゼロ:
おかげでいいことを知ったよ。
…お前の名前だろ?
C.C.:
趣味(しゅみ)が悪いな。盗み聞きなんて…。
ゼロ:
いい名前じゃないか?
シーツーよりずっと人間らしい。
C.C.:
ばかばかしい。わたしに人間らしさなど…。
どうせ私は…私には…。
ゼロ:
ん?
C.C.:
忘れたんだ、全部…何もかも…。
今さら名前なんて…、名前なんか…。
ゼロ:
いい機会(きかい)だから言っておく。
そう…、さっきは助かった。
今までも、それからギアスのことも…。
だから…、一度しかいわないぞ。
ありがとう。
C.C.:
感謝(かんしゃ)されたのは初めてだよ。
では、お礼を返してもらおうか。
もう一度呼べ。さきほどのように。
ゼロ:
ああ、あの名前か。
C.C.:
一度だけだ。
大切に、優しく心をこめてな。
ゼロ:
仕方ないな。
…これでいいのか?
C.C.:
駄目だな。全然駄目だ。
優しさが足りない。素直さといたわりの心も。
発音もあやしいし、なにより温かみに欠ける。
ゼロ:
わがままな女だ。
C.C.:
そうとも。私はシーツーだからな。
男:
また軍人か?
男:
それだけ部隊が崩れたってことだろ。
ジェレミア:
オレンジじゃないんです…。
ゼロォォォォ!
ゼロ:
お迎えがきたようだな。
カレン:
ゼロ!大丈夫ですか?他のメンバーは先に…
誰!?
ゼロ:
ああ、心配しなくていい。
彼女は私の大事な仲間だ。
シーツー、私はどうして雪が白いのかは知らない。
しかし、白い雪はきれいだと思う。
私は嫌いではない。
C.C.:
そうか。
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エリア11における最大の武装勢力(ぶそうせいりょく)をつぶすため、コーネリア総督(そうとく)は成田連山(なりたれんざん)に包囲作戦(ほういさくせん)を展開(てんかい)した。
圧倒的(あっとうてき)な制圧力(せいあつりょく)を誇(ほこ)るブリタニア軍に大勢(たいせい)が決(けっ)したかと思われたその時、黒の騎士団は動き出した。
紅蓮弐式(ぐれんにしき)の輻射波動(ふくしゃはどう)を使い、山頂から水脈を一気に爆発させたのだ。
山は崩れた。
日本解放戦線もブリタニアの主力部隊(しゅりょくぶたい)も、土砂(どしゃ)と水流(すいりゅう)に巻き込まれていく。
主戦力(しゅせんりょく)を失い孤立(こりつ)するコーネリアの部隊。
形勢逆転(けいせいぎゃくてん)をねらうゼロは黒の騎士団を率いてコーネリアをめざすのだが…。
人は誰しもが己(おのれ)の勝利を…存在を信じたがるものだ。
されど、時と運命の前に信じるという行為(こうい)はあまりにむなしく、そして儚(はかな)い…。
ダールトン:
我が軍の被害(ひがい)は?
ブリタニア兵:
信号の返りは20%をきっています。
ダールトン:
20%?
これでは指揮系統(しきけいとう)がなりたたん。
ブリタニア兵:
こちらマルソー隊。
アレックス将軍と連絡が取れません。
第二師団は壊滅(かいめつ)したと見るしか…。
スザク:
ロイドさん、これは!
ロイド:
うん、とっても不自然。
スザク:
不自然って…。
ロイド:
未確認(みかくにん)だけど、黒の騎士団が現れたって情報もある。
スザク:
ゼロ…。
ロイド:
おめでとう!
出番(でばん)、あるかもよ。
スザク:
ロイドさん!
セシル:
不謹慎(ふきんしん)です!
ロイド:
えっ? どうして?
セシル:
教えてさしあげましょうか?
ロイド:
いえ。遠慮(えんりょ)します。
まあともかくさ、参謀府が情報をあつめしだい、こっちも対応を決めるしかないよねぇ。
ブリタニア兵:
総督は無事(ぶじ)なのか?
ブリタニア兵:
流れの外ですから問題はありません。
しかし、後ろ備え(うしろぞなえ)が動いたため、孤立(こりつ)に近い形に…。
ブリタニア兵:
何をやってるんだ、純潔派(じゅんけつは)は!
キューエル:
おい、動け! イレブンに負けてしまう。
誇(ほこ)りあるブリタニアの…。
ヴィレッタ:
キューエル卿!
ゼロ:
よし!紅蓮は予定位置へ。
ここは残ったもので突破(とっぱ)し、コーネリアを狙う。
カレン:
はい。
黒の騎士団:
わかった。
いけるぞ、俺たち。
ブリタニア兵:
ここは死守(ししゅ)するぞ!
杉山:
うわっ!
黒の騎士団:
杉山!生きてるか?
杉山:
ああ…。
黒の騎士団:
くそっ!やっちまえ!
ゼロ:
そうだ、動け。
この戦いに生き残れば、お前たちは戦士になれる。
その先にこそ…。
ブリタニア兵:
純潔派がくい止めている?
ブリタニア兵:
はい。ヴィレッタ卿の指揮(しき)で。
ブリタニア兵:
なら今のうちだ。総督には後ろに下がっていただけ。
空軍の援護を…。
ユーフェミア:
待って!総督の後ろに何かが近づいています。
藤堂:
各機。準備は整ったか?
四聖剣:
はい。
藤堂:
よし。無頼改、出撃(しゅつげき)!
四聖剣:
出撃します。
藤堂:
いいか?この山崩れが人為的(じんいてき)なものであれば、我らはコーネリアの背後をつけるはず。
コーネリアを捕縛(ほばく)せよ。今こそ七年前の借りを返すぞ!
四聖剣:
はい!我ら四聖剣の誇(ほこ)りにかけて!
コーネリア:
なに?
ギルフォード:
殿下をお守りしろ!
藤堂:
囲め!
コーネリア:
日本解放戦線か?
藤堂:
斬撃包囲陣(ざんげきほういじん)!
四聖剣:
承知(しょうち)!
藤堂:
ただの無頼と思うなよ。
朝比奈:
七年前を思い出しますね。
千葉:
あの時とは違う。こっちにもナイトメアがあるんだからな。
ギルフォード:
殿下!ここは私たちにまかせ、一旦(いったん)お引きください!
コーネリア:
よし。ならば逆手(さかて)にとってやる。
ギルフォード!
ギルフォード:
はっ!
コーネリア:
刃(やいば)をまじえたのち、ポイント9まで来い。
ギルフォード:
9? わかりました。
日本解放戦線:
コーネリア!
コーネリア:
脆弱者(ぜいじゃくもの)が!
ふんっ。
ヴィレッタ:
よし!このままゼロを釘付け(くぎづけ)にしろ!
黒の騎士団:
なあ。カレンに戻ってきてもらったほうが…。
ゼロ:
駄目だ。今、配置を変えると作戦がくずれる!
…とはいえ、まずいな。このままでは、親衛隊(しんえいたい)まで相手にすることに…。
カレン:
ゼロ。コーネリアが下から奇襲(きしゅう)をうけたって。
ゼロ:
なに?どの班(はん)がうごいた?
カレン:
うちじゃなくって、解放戦線らしい。
ゼロ:
こっちの狙いをよんだやつがいたか…、優秀(ゆうしゅう)だな。
なら、親衛隊の足止めはやってくれるはず。
藤堂:
少将閣下、遅くなりました。
片瀬:
藤堂。待っていたぞ。
藤堂:
閣下(かっか)、ここで兵力をすべて投入してください。
片瀬:
勝てるか、奴らに?
藤堂:
ブリタニアの本体を足止めすれば、勝てます。
今こそが、戦局逆転(せんきょく ぎゃくてん)の好機(こうき)!
ギルフォード:
エリア11に、将軍と騎士の器(うつわ)を持つ者がいると聞いた。
まさか、こいつがその藤堂?
だが…、私とて!
ダールトン:
ええい、こんな時に!
ブリタニア兵:
どういたしますか?
ダールトン:
転進(てんしん)だ!何が何でもコーネリア総督と合流(ごうりゅう)するぞ!
ブリタニア兵:
しかし、敵の本拠(ほんきょ)は目の前です。それに背後から攻撃を受けると甚大(じんだい)な被害(ひがい)が…。
ダールトン:
馬鹿者(ばかもの)!
姫様を失ったら、この戦いそのものが終わってしまうわ!
ブリタニア兵:
は…はい。
うわぁ!
ブリタニア兵:
ユーフェミア副総督。このG1を突入させましょう。総督を…。
ユーフェミア:
なりません!
ブリタニア兵:
しかし、ギルフォード隊長も動けないということは、コーネリア総督のお命が…。
ユーフェミア:
なりません!
ここには野戦病院も設置されています。避難(ひなん)してきた周辺の住民もいます。それに、このG1ベースは本陣の象徴(しょうちょう)。
「なにがあろうと動くな」との総督の厳命(げんめい)。ですから…だから…。
えっ!?
ロイド:
どうも、どうも。
特別派遣嚮導技術部(とくべつ はけん きょうどう ぎじゅつぶ)でございます。
ブリタニア兵:
無礼者(ぶれいもの)!
駐軍(ちゅうぐん)しているだけのイレギュラーはおとなしくしておれ!
セシル:
あっ…いや…たしかにそうなんですけど…。
ロイド:
おかげで困ってるんですよ、暇(ひま)で。
スザク:
ユーフェミア副総督、お願いします!
特派(とくは)に命令をあたえてください!
ブリタニア兵:
しらじらしい。総督救出の功績(こうせき)がほしいのだろう?
ブリタニア兵:
たった一機で状況をかえられるなら、誰も苦労はせん!
それにナンバーズなど…。
ロイド:
いやいや、だから。やってみてもいいじゃないですか。
失敗したってそちらの損失(そんしつ)なんかじゃないんでしょう?
ねぇ、聞いてます?
ユーフェミア:
わかりました。頼みます。
ロイド:
やったぁ!
セシル:
ありがとうございます。
スザク:
はい!必ずや!
藤堂:
こいつ!やるな。
藤堂:
散(ち)れ!
卜部:
中佐。コーネリアはどうしますか?
藤堂:
ゼロが見込みどおりの奴なら手をうっているはずだ。
ここは奴を信じるしかない!
ギルフォード:
何?ゼロが転進した?
ヴィレッタ:
はい。我々はこのままそちらの援護にまわります。
ギルフォード:
それよりゼロだ。位置情報をくれ!
ヴィレッタ:
は…はい。これがゼロたちの予測進路です。
ギルフォード:
まずい!藤堂たちをさそいこむはずの場所に黒の騎士団が。
コーネリア殿下!
コーネリア:
聞こえているよ、ギルフォード。
セシル:
嚮導兵器(きょうどうへいき)、Z01 ランスロットはサンドボードを使用し、最大戦速(さいだいせんそく)にて液状斜面(えきじょうしゃめん)を上昇。
総督を救援(きゅうえん)せよ。
スザク:
イエス、マイロード。
ロイド:
スザクくん。ひとつ聞きたかったんだけど。
スザク:
なんでしょうか?
ロイド:
君は人が死ぬのを極端(きょくたん)に嫌うねぇ。
なのに軍隊にいる。なぜだい?
スザク:
死なせたくないから、軍隊にいるんです。
ロイド:
その矛盾(むじゅん)はさ、いつか君を殺すよ…。
あ…ご、ごめんなさい!ごめんなさい!
スザク:
ランスロット。発進します。
カレン:
コーネリア!
コーネリア:
下衆(げす)の分際(ぶんざい)で!
コーネリア:
何だ?ただのカスタム機ではなさそうだな…。
ゼロ:
聞こえているか、コーネリアよ?
すでにチェックメイトだ。
コーネリア:
ゼロか?
ゼロ:
ああ。再会を祝うべきかな?
しかし、その前に我々に投降(とうこう)していただきたい。
あなたには聞きたいこともあるしな。
ちなみに援軍(えんぐん)は間に合わない。わたしの勝ちなんだよ、コーネリア。
コーネリア:
愚かなリ、ゼロ。
こいつさえ…、こいつさえ倒せば活路(かつろ)は開く!
コーネリア:
器用(きよう)な奴だな!
コーネリア:
卑怯者(ひきょうもの)!
後ろから撃(う)つとは!
ゼロ:
ほお、ならお前たちの作戦は卑怯(ひきょう)ではないと?
ダールトン:
体制を整えるまえに挟撃(きょうげき)とは。
これでは姫様のもとへは…。
仙波:
中佐。敵の援軍をたたきました。
藤堂:
よし。旋回活殺自在陣(せんかい かっさつ じざいじん)に切り替えよ!
四聖剣:
承知!
ギルフォード:
ええい!このままではコーネリア殿下が…。
コーネリア:
ギルフォード。我が騎士ギルフォードよ。
ダールトンと共にユフィを補佐(ほさ)してほしい。
ギルフォード:
殿下!
コーネリア:
私は投降はせぬ。
皇女として、最後まで戦うのみ!
ギルフォード:
コ、コーネリア様!
ゼロ:
ふん。つまらん選択を…。
セシル:
うわぁ…。
ロイド:
あいかわらず無茶(むちゃ)するなぁ。ヴァリスで間の障害を突き破るなんて…。
スザク:
総督、ご無事ですか?救援(きゅうえん)にまいりました。
コーネリア:
特派だと?誰の許しで…?
ギルフォード:
しかし助かった。あのランスロットならば…。
玉城:
おい、まさかあのナイトメア…。
扇:
ああ、シンジュクや河口湖(かわぐちこ)にいたやつだ。
ゼロ:
またか…。またあいつが…。
ゼロ:
紅蓮弐式は白兜(しろかぶと)を破壊(はかい)しろ!
こいつの突破力(とっぱりょく)は邪魔(じゃま)だ!
カレン:
はい!
コーネリア:
そちらはまかせた。
私はゼロをたたく!
カレン:
シンジュクの借りをここで!
スザク:
まさか!? ランスロット並の速さ?
カレン:
こいつさえ倒せば!
カレン:
そんな武器なんか!
スザク:
止めた!?
カレン:
うわぁ!
扇:
おい、大丈夫か?
カレン:
あ…あぁ。
ゼロ:
扇、紅蓮は?
扇:
右手が駄目だ。修理(しゅうり)しないと。
ゼロ:
退(ひ)くぞ!
全軍、脱出地点に移動させろ!
これ以上は消耗戦(しょうもうせん)になる。撤退(てったい)だ!
スザク:
総督。
コーネリア:
お前はゼロを追え。
スザク:
しかし…。
コーネリア:
エナジーフィラーが尽きただけだ。行け!
スザク:
はい。
玉城:
なあ、本当に退いちゃっていいのかよ?
扇:
勝ったのは事実だし、これ以上…。
玉城:
日本解放戦線を囮(おとり)にして逃げるしかないってか?
カレン:
そんな言い方、嫌いなんだけど。
扇:
ああ、人間はゲームの駒(こま)なんかじゃないんだ。
ゼロだってそんなことは考えていないはずさ。
そうじゃなきゃ、俺たちまで駒として使われているってことになってしまうよ。
でも、ありえない。彼のブリタニアに対する怒りは本物だ。
怒りを知る人間は、悲しみも知っているはずだから。
スザク:
特派ヘッドトレーラーへ。
ゼロを発見。
これより確保(かくほ)します。
スザク:
ゼロ。君には恩がある。
君の行動のおかげで救われた人がいて、多くのイレブンが陰から協力していることも知っている。でも、君のやり方は…、間違っている。
スザク:
あれは…?
まさか…シンジュクの…カプセルの?
C.C.:
やめろ!
この男には手を出すな!
ゼロ:
シーツー?
スザク:
彼女…ゼロの仲間(なかま)?
ゼロ:
おい、何をする気だ?
相手はナイトメアだぞ!
C.C.:
お前に死なれては困る。
間接接触(かんせつ せっしょく)だが、試す価値はある。
スザク:
父さん…?
嘘(うそ)だ…、死んだはずなのに。
違う、そんなつもりじゃ…。
僕は…、俺は!
ゼロ:
おい!まさかパイロットにギアスを…。
C.C.:
ショックイメージを見せているだけだ。
何を見ているのかは知らないがな。
それより逃げろ。今のうちだ。
ゼロ:
お前はどうする?
C.C.:
今は動けない。先に行け。
ゼロ:
冗談じゃない。お前に借りを作ったままで…。
C.C.:
やめろ! 今は…。
ゼロ:
なんだ?前と違う。
こ…これは?
C.C.:
や…やめろ。
私に…入ってくるな!
やめろ…どうして…。
私が…開かれる。
スザク:
俺はああするしかなかったんだ!
ゼロ:
な…なんなんだ、今のは?
C.C.:
馬鹿!今のうちに逃げろ!
ゼロ:
シーツー!
C.C.:
早く…逃げろ!
千葉:
おのれ!
藤堂:
追うな!
ゼロの動きが不鮮明(ふせんめい)だ。
我らはこのまま少将に合流し脱出の手助けをする。
ギルフォード:
殿下!今、参ります!
コーネリア:
ギルフォード、全軍に伝えよ。撤退準備(てったいじゅんび)だと。
これ以上我が将兵(しょうへい)の命を賭ける理由は無い。
戦闘状態(せんとう じょうたい)を維持(いじ)しつつ、ゆるやかに後退せよ。
認めなくてはならん。今回は我々の負けだ。
玉城:
ほらな。ブリタニアは解放戦線の相手をするだけでいっぱいいっぱい。
扇:
ああ、確かに俺たちが逃げる隙間(すきま)はできたが…・
カレン:
ねえ、ゼロは?
無頼ともつながらないし、まさか捕(つか)まったんじゃ…?
ゼロ:
この女、やはり人間じゃないのか?
傷の再生スピードが普通じゃない。
シンジュクでも確かに額(ひたい)を撃(う)たれていたし。
クロヴィスが個人で研究していたのだから、ブリタニアとは関係ないはずだが…。
バイタルは人間と同じ。血液サンプルは後で調べるとして、傷口(きずぐち)も撮影(さつえい)しておくか。
ん?…なんだ?
C.C.:
やっと呼んでくれたね、私の名前。
コーネリア:
結局、ゼロは捕まらないままか。
ギルフォード:
日本解放戦線が防衛(ぼうえい)ラインをおしあげているので、その中に紛(まぎ)れたかと。
コーネリア:
好かんな。
常に何かを盾(たて)にして身を守る。
…で、枢木(くるるぎ)はどうなった?
ギルフォード:
回収済みです。
エナジーフィラーが尽(つ)きて停止するのを待ったため、時間がかかりました。
コーネリア:
待ったとは?
機体の不具合(ふぐあい)か?
ギルフォード:
かもしれません。
暴走状態(ぼうそう じょうたい)になっていたようですから。
コーネリア:
兄上の部隊らしからぬ失態(しったい)だな。
ゼロ:
破片を摘出(てきしゅつ)して、傷口を洗っておいた。
C.C.:
必要ない。
ゼロ:
そうらしいな。
C.C.:
だから、助ける意味なんて無かったんだ。
お前はいつもつまらんところでプライドにこだわる。
ゼロ:
おかげでいいことを知ったよ。
…お前の名前だろ?
C.C.:
趣味(しゅみ)が悪いな。盗み聞きなんて…。
ゼロ:
いい名前じゃないか?
シーツーよりずっと人間らしい。
C.C.:
ばかばかしい。わたしに人間らしさなど…。
どうせ私は…私には…。
ゼロ:
ん?
C.C.:
忘れたんだ、全部…何もかも…。
今さら名前なんて…、名前なんか…。
ゼロ:
いい機会(きかい)だから言っておく。
そう…、さっきは助かった。
今までも、それからギアスのことも…。
だから…、一度しかいわないぞ。
ありがとう。
C.C.:
感謝(かんしゃ)されたのは初めてだよ。
では、お礼を返してもらおうか。
もう一度呼べ。さきほどのように。
ゼロ:
ああ、あの名前か。
C.C.:
一度だけだ。
大切に、優しく心をこめてな。
ゼロ:
仕方ないな。
…これでいいのか?
C.C.:
駄目だな。全然駄目だ。
優しさが足りない。素直さといたわりの心も。
発音もあやしいし、なにより温かみに欠ける。
ゼロ:
わがままな女だ。
C.C.:
そうとも。私はシーツーだからな。
男:
また軍人か?
男:
それだけ部隊が崩れたってことだろ。
ジェレミア:
オレンジじゃないんです…。
ゼロォォォォ!
ゼロ:
お迎えがきたようだな。
カレン:
ゼロ!大丈夫ですか?他のメンバーは先に…
誰!?
ゼロ:
ああ、心配しなくていい。
彼女は私の大事な仲間だ。
シーツー、私はどうして雪が白いのかは知らない。
しかし、白い雪はきれいだと思う。
私は嫌いではない。
C.C.:
そうか。