Layer:01 WEIRD


女の子:
どうして?
どうして来ないの?
こっちへ来ればいいのに。



女の人:
ホラホラ、見て見て!



女の人:
アアン、ダメ!

男の人:
何で?

女の人:
ダメ。

男の人:
いいだろう。
勿体つけないでよ。
なあ、一緒に幸せな所へ行こうよ・・・

男の人①:
何だよ!?

男の人②:
どうしたんだ!?

男の人①:
知らねえよ!
俺ら・・・関係ねえ。
急に・・・

女の人:
ヤダァ、もう・・・



玲音:
うるさいなあ。
黙ってられないの!?

男の人:
ああ?

女の人:
え?



ありす:
樹莉、気にしないほうがいいって。

麗華:
そうだよ、イタズラに決まってるじゃん!

樹莉:
だって、だって・・・

ありす:
んー、大丈夫。

玲音?

玲音:
え?

ありす:
アンタんトコ、来なかった?

玲音:
なに?

ありす:
メールだよ。

玲音:
メール?

ありす:
四方田千砂からのメール!

玲音:
あたし、苦手だから・・・

ありす:
メールくらい毎日チェックしなさいよ!
まあ、いいけどさぁ・・・

麗華:
玲音子供だからねー!

玲音:
何で泣いてるの?

麗華:
だから、四方田千砂からメールが来ちゃったからじゃないよ!

玲音:
千砂って?

麗華:
D組の子。
先週渋谷で飛び降り自殺したの。
先生も言ってたでしょうが!

ありす:
樹莉だけじゃないの。
今週に入ってから何人にもメールが来てるのよ。

玲音:
だって・・・その子・・・

ありす:
そう。
死んだ子からメールが来るはずがない。でも、来る。



NAVI:
ログイン。
だれ?

玲音:
え・・・

NAVI:
lain. 名前を喋って。

玲音:
れ・い・ん。

NAVI:
アクセプト。
lain だね!
lain 宛に、メールが届いています。

玲音:
誰から?

NAVI:
四方田千砂。
メールを読みますか。

「こんにちは、元気?
玲音とは、一度だけ一緒に帰ったことあったよね。
覚えてる?」

玲音:
うん。

NAVI:
「あたしは、ただ肉体を捨てただけ。
あたしはこうしてまだ生きてるって、
説明出来るの。それを教えたくて、
玲音に、このメールを送ってるの。
分かる?
今、分からなくてもいい。
きっとすぐに分かるようになるから。
みんなだって。」

玲音:
どうして死んだの?

NAVI:
「誰かのイタズラメールだとかって、
学校では、噂になってるそうだけど、そうじゃないってことを、
玲音には、分かってもらいたいの。」

玲音:
どうして?
どうして死んじゃったの?

NAVI:
「ここには、神様がいるの。」

玲音:
え?



美香:
昼が遅くってさぁ。
ごちそうさま。

玲音:
ママ。

美穂:
なーに?

玲音:
メールが来たの。
先週自殺した子から。



康男:
どうした、玲音?
玲音がこの部屋に入ってくるの、珍しいね。

玲音:
あたしの・・・あたしの・・・NAVI、新しいのに。

康男:
やっと興味が出て来たのかい?
玲音も中学生になったんだ。
友達に遅れちゃうだろ。
もっといいマシンを使いなさいって。
あ?
この世界はね、玲音、リアル・ワールドでもワイヤードでも、
人間はみんながつながって、
それで社会が動いてる。
玲音のような子でも、すぐに友達が出来るんだよ。
怖がることなんて全然ないんだ。
そこら辺の所が、何故かママには理解出来ないんだなー。

玲音:
怖くなんかないよ、あたし。

康男:
でも、どうして急にそんなことを言い出したのかな。

玲音:
会いたい友達がいるの。



乗客①:
どうした?

車掌:
皆様、お急ぎのところ申し訳ございません。
ただいま、この車両は事故のため停止中です。

乗客②:
何だって!?

乗客③:
人身かな。

乗客④:
まったく。

玲音:
あっ!



先生:
岩倉さん。

玲音:
あっ・・・

先生:
岩倉さん。

玲音:
あ、はい!

先生:
ここ、テストに出るわよ。



玲音:
あっ・・・
千砂ちゃん?
そこ、どこ?
待ってよ!