The Squid Girl (Japanese) > 02a. 仲間じゃなイカ?
悟郎「ライフセイバーとは、あるときは海水浴場を見守る、あるときは体を張り、人命を救助する、まさに海の守護神。それが、ライフセイバー!」
海水浴客「あの、すみません」
悟郎「あ?」
海水浴客「あそこで誰かが溺れてるみたいなんですが」
悟郎「ああっ、なんだって! 待ってろ! いま助けに行く!」
イカ娘「溺れるでゲソ! 触手が、触手がつったでゲソ!」
―――
たける「イカ姉ちゃん、大丈夫?」
悟郎「たける君、知り合いか?」
イカ娘「準備運動をサボったら、触手がつってしまったでゲソ」
たける「ああっ」
悟郎「離れろ、たける君!」
イカ娘「ん? 警戒しなくてもいいでゲソ。たけるは私の知り合いでゲソ」
悟郎「あんたじゃない!」
イカ娘「は?」
悟郎「そのうねうねは何だ!」
(俺はとんでもないものを地上に引き上げてしまったのかもしれない!)
栄子「おーい、イカ娘。あ、何やってんだ?」
たける「あ、姉ちゃん。イカ姉ちゃんが溺れかけたのを、悟郎兄ちゃんが助けてくれたんだ」
イカ娘「この人間と知り合いでゲソか?」
栄子「ああ、幼馴染でな。つーか、イカのくせに何で溺れるんだよ」
イカ娘「そ、それはちょっと準備体操を怠ったからでゲソ」
栄子「小学生か! って、海から来たんなら、溺れても平気なんじゃないか?」
イカ娘「うーん・・・そ、そうだったでゲソ! 地上の生活に慣れてすっかり忘れてたでゲソ!」
千鶴「悟郎君、ありがとう。これはお礼よ」
悟郎「いや、海を守るライフセイバーとしては当然のことですから」
千鶴「でも、毎日見守ってくれてありがたいわ」
イカ娘(こいつ、もしかして千鶴が怖いのか?)
悟郎「はい! 海を愛する心は誰にも負けません!」
イカ娘「なにっ!」
悟郎「なにとはなんだ」
イカ娘「お前こそ何者でゲソ」
悟郎「俺は海を守るライフセイバー、嵐山悟郎だ」
イカ娘「私は海を守る海の使者、イカ娘でゲソ」
悟郎・イカ娘「あ?」
栄子「おい悟郎、そいつが何者か分かってんのか?」
悟郎「海を守る気持ちは同じ!」
イカ娘「仲間でゲソ!」
悟郎・イカ娘「なっはっはっはっは!」
栄子「意味が違うだろ」
イカ娘「では早速、ライトセイバーとやらの仕事ぶりを見せてもらおうじゃなイカ」
悟郎「ライフセイバーだよ!」
たける「僕も行く!」
悟郎「仕事といってもいろいろあるから。海水浴場をパトロールしたり」
イカ娘(人間が海を汚さないように海を見張っているでゲソね)
悟郎「潮の流れや強さを見たり」
イカ娘(海の怒りを肌で感じるでゲソね)
悟郎「あとは、いざというときのための体力づくりは、日ごろから欠かさないな」
イカ娘(いつか来たる人類への反逆のためでゲソね)
「うん、人間のわりにはなかなかしっかりやってるじゃなイカ」
悟郎「ライフセイバーに抜かりはないのさ。ところで、お前は海を守るために何をしているんだ?」
イカ娘「え? ああ・・・」
たける「え?」
悟郎「え?」
イカ娘(な、何もしていない!)
たける「イカ姉ちゃん?」
イカ娘「ま、まあ、いろいろやってるでゲソ」
悟郎「いろいろ?」
イカ娘「と、ところで、あれは何でゲソ?」
悟郎「ああ、あそこから全体を見渡して、何も異常がないか周りを監視しているんだよ」
イカ娘「わあ、これはなかなかの絶景でゲソ」
たける「高い。気持ちいいね」
悟郎「こら! 勝手に登るな!」
イカ娘「べー。あ・・・」
海水浴客「それっ」
イカ娘「あー」
海水浴客「ん?」
イカ娘「ひざまずけ愚民ども! 海の使者である私を敬うでゲソ!」
悟郎「駄目だろうが!」
イカ娘「海を守るなら、まず人類征服じゃなイカ!」
悟郎「何でそうなるんだよ!」
イカ娘「もうお前とは同士でも何でもないでゲソ!」
たける「イカ姉ちゃん」
イカ娘「どっちが海の使者の称号にふさわしいか、思い知らせてやるでゲソ。あ・・・」
(やつが海の使者としてしくじるようなことがあれば、それはつまり、私のほうがふさわしいということじゃなイカ?)
イカ娘(海に入る悟郎でゲソ。やつに海で溺れる屈辱を味わわせてやろうじゃなイカ)
悟郎「おおっ!? 何だ? 足が引き込まれる!」
イカ娘「大丈夫でゲソ?」
悟郎「イカ!?」
イカ娘「ライフセイバーでも溺れることはあるのでゲソね」
悟郎「そんなこと言ってる場合じゃねえ!」
イカ娘「え?」
悟郎「向こうで、子供が流されてんだよ! くそ! 出来ればお前みたいな素人に頼みたくないが、頼む! 行ってくれ!」
イカ娘「お、お主だってこうしている間に死ぬかもしれないじゃなイカ」
悟郎「いま助けを求めているのは俺じゃないだろう! 早く、あの子を助けるんだ!」
母親「本当にありがとうございます」
悟郎「いやあ、俺は何も出来なかったんで、お礼なら助けたこいつに言ってください」
子供「お姉ちゃん、ありがとう!」
イカ娘「あ・・・、えへへ」
栄子「へえ、初めてイカっぽいのが役に立ったな」
千鶴「えらいわ、イカ娘ちゃん」
たける「僕も見たかった!」
イカ娘「べ、別に助けたくて助けたわけじゃないでゲソ。人類は私の敵でゲソからね」
悟郎「でも、ありがとな。見直したぜ」
(悟郎「助けてくれてどうもありがとうございます! バカにしてすみませんでした!」)
イカ娘(本当はこうなるはずだったのに・・・!)
悟郎「あ、どわっ」
イカ娘「お前なんか未来永劫、私の敵でゲソ!」
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海水浴客「あの、すみません」
悟郎「あ?」
海水浴客「あそこで誰かが溺れてるみたいなんですが」
悟郎「ああっ、なんだって! 待ってろ! いま助けに行く!」
イカ娘「溺れるでゲソ! 触手が、触手がつったでゲソ!」
―――
たける「イカ姉ちゃん、大丈夫?」
悟郎「たける君、知り合いか?」
イカ娘「準備運動をサボったら、触手がつってしまったでゲソ」
たける「ああっ」
悟郎「離れろ、たける君!」
イカ娘「ん? 警戒しなくてもいいでゲソ。たけるは私の知り合いでゲソ」
悟郎「あんたじゃない!」
イカ娘「は?」
悟郎「そのうねうねは何だ!」
(俺はとんでもないものを地上に引き上げてしまったのかもしれない!)
栄子「おーい、イカ娘。あ、何やってんだ?」
たける「あ、姉ちゃん。イカ姉ちゃんが溺れかけたのを、悟郎兄ちゃんが助けてくれたんだ」
イカ娘「この人間と知り合いでゲソか?」
栄子「ああ、幼馴染でな。つーか、イカのくせに何で溺れるんだよ」
イカ娘「そ、それはちょっと準備体操を怠ったからでゲソ」
栄子「小学生か! って、海から来たんなら、溺れても平気なんじゃないか?」
イカ娘「うーん・・・そ、そうだったでゲソ! 地上の生活に慣れてすっかり忘れてたでゲソ!」
千鶴「悟郎君、ありがとう。これはお礼よ」
悟郎「いや、海を守るライフセイバーとしては当然のことですから」
千鶴「でも、毎日見守ってくれてありがたいわ」
イカ娘(こいつ、もしかして千鶴が怖いのか?)
悟郎「はい! 海を愛する心は誰にも負けません!」
イカ娘「なにっ!」
悟郎「なにとはなんだ」
イカ娘「お前こそ何者でゲソ」
悟郎「俺は海を守るライフセイバー、嵐山悟郎だ」
イカ娘「私は海を守る海の使者、イカ娘でゲソ」
悟郎・イカ娘「あ?」
栄子「おい悟郎、そいつが何者か分かってんのか?」
悟郎「海を守る気持ちは同じ!」
イカ娘「仲間でゲソ!」
悟郎・イカ娘「なっはっはっはっは!」
栄子「意味が違うだろ」
イカ娘「では早速、ライトセイバーとやらの仕事ぶりを見せてもらおうじゃなイカ」
悟郎「ライフセイバーだよ!」
たける「僕も行く!」
悟郎「仕事といってもいろいろあるから。海水浴場をパトロールしたり」
イカ娘(人間が海を汚さないように海を見張っているでゲソね)
悟郎「潮の流れや強さを見たり」
イカ娘(海の怒りを肌で感じるでゲソね)
悟郎「あとは、いざというときのための体力づくりは、日ごろから欠かさないな」
イカ娘(いつか来たる人類への反逆のためでゲソね)
「うん、人間のわりにはなかなかしっかりやってるじゃなイカ」
悟郎「ライフセイバーに抜かりはないのさ。ところで、お前は海を守るために何をしているんだ?」
イカ娘「え? ああ・・・」
たける「え?」
悟郎「え?」
イカ娘(な、何もしていない!)
たける「イカ姉ちゃん?」
イカ娘「ま、まあ、いろいろやってるでゲソ」
悟郎「いろいろ?」
イカ娘「と、ところで、あれは何でゲソ?」
悟郎「ああ、あそこから全体を見渡して、何も異常がないか周りを監視しているんだよ」
イカ娘「わあ、これはなかなかの絶景でゲソ」
たける「高い。気持ちいいね」
悟郎「こら! 勝手に登るな!」
イカ娘「べー。あ・・・」
海水浴客「それっ」
イカ娘「あー」
海水浴客「ん?」
イカ娘「ひざまずけ愚民ども! 海の使者である私を敬うでゲソ!」
悟郎「駄目だろうが!」
イカ娘「海を守るなら、まず人類征服じゃなイカ!」
悟郎「何でそうなるんだよ!」
イカ娘「もうお前とは同士でも何でもないでゲソ!」
たける「イカ姉ちゃん」
イカ娘「どっちが海の使者の称号にふさわしいか、思い知らせてやるでゲソ。あ・・・」
(やつが海の使者としてしくじるようなことがあれば、それはつまり、私のほうがふさわしいということじゃなイカ?)
イカ娘(海に入る悟郎でゲソ。やつに海で溺れる屈辱を味わわせてやろうじゃなイカ)
悟郎「おおっ!? 何だ? 足が引き込まれる!」
イカ娘「大丈夫でゲソ?」
悟郎「イカ!?」
イカ娘「ライフセイバーでも溺れることはあるのでゲソね」
悟郎「そんなこと言ってる場合じゃねえ!」
イカ娘「え?」
悟郎「向こうで、子供が流されてんだよ! くそ! 出来ればお前みたいな素人に頼みたくないが、頼む! 行ってくれ!」
イカ娘「お、お主だってこうしている間に死ぬかもしれないじゃなイカ」
悟郎「いま助けを求めているのは俺じゃないだろう! 早く、あの子を助けるんだ!」
母親「本当にありがとうございます」
悟郎「いやあ、俺は何も出来なかったんで、お礼なら助けたこいつに言ってください」
子供「お姉ちゃん、ありがとう!」
イカ娘「あ・・・、えへへ」
栄子「へえ、初めてイカっぽいのが役に立ったな」
千鶴「えらいわ、イカ娘ちゃん」
たける「僕も見たかった!」
イカ娘「べ、別に助けたくて助けたわけじゃないでゲソ。人類は私の敵でゲソからね」
悟郎「でも、ありがとな。見直したぜ」
(悟郎「助けてくれてどうもありがとうございます! バカにしてすみませんでした!」)
イカ娘(本当はこうなるはずだったのに・・・!)
悟郎「あ、どわっ」
イカ娘「お前なんか未来永劫、私の敵でゲソ!」