Haruhi(Japanese)>10. 孤島症候群 前編

キョン:
何をたくらんでるのか聞かせてもらおう。

古泉:
何も。本当ですよ。
言っておきますが、この件に機関は無関係です。
一応報告はしましたけど。
いいじゃないですか、合宿。

キョン:
俺がひっかかっているのは、お前がセッティングした旅だってことだ。

古泉:
涼宮さんが興味を持ったのは、
個人所有の無人島だってことらしいです。
クローズドサークルが、とか言ってましたね。

キョン:
クローズドサークルってなんだ?

古泉:
ミステリー用語ですよ。
外部との直接的な接触を絶たれた状況のことです。

キョン:
あの、吹雪の中の山荘とか、
台風でつり橋が落ちて隔離されたペンション、
みたいなことか。

古泉:
まわりの環境によって、当事者がその場に閉じ込められてしまう。
つまり、クローズド、というわけです。

キョン:
それが今回の合宿とどうつながるんだ?

古泉:
人里離れた無人島ですよ。
これで嵐でも来れば、クローズドサークルとしては
吹雪の山荘に並んで、
双璧を誇っている舞台になります。

キョン:
なぜ俺がこの大海原で古泉と話をしているのかと言えば、
期末テストの返却というブラックマンデーから
ようやく立ち直りかけていたあの日、
あの会議に遡らなければならない。