ボクと渚と黒ビキニ!
タイトル: ボクと渚と黒ビキニ!
若松真人: ボクと渚と黒ビキニ。
若松真人: さて、とにかく16年生きて来たんだ。
若松真人: それなりのエピソードはある。
若松真人: 中学生の頃夢中だった松田せいこちゃんに興味を無くした事。
若松真人: 親父の学生時代の成績表を見つけ、自分の限界を知らせらた事。
若松真人: おふくろを二人も亡くした事。
若松真人: それから、オレは男だったんだと。
若松真人: 女の子を好きになって、初めて気づいた事。
若松真人: 若松真人、高校二年。
若松真人: 春。
村木好夫: 早く見たいな、水着姿。激写、激写、激写。
N.N.男の子: オレ、片手で写せる最高級のオートマカメラ。
N.N.男の子: 若松、お前は?
若松真人: オレ?
若松真人: 頭ん中に焼き付ける主義。
若松真人: オレの青春。
若松真人: ご紹介申し上げます。
若松真人: 鹿島みゆき。
若松真人: クラスメートという以外、
若松真人: オレとはなんの関係もない。
若松真人: 今のところ。
若松真人: ついでながら 水森裕子、
若松真人: 三原佐知子、
若松真人: 矢内清美。
若松真人: 今のオレの素直な感情なので
矢内清美: ごめん、若松くん。
若松真人: バカ!どこ見て打ってるんだよ⁈
鹿島みゆき: ごめんね、若松くん。
若松真人: 頑張ってね!これ、はい。
鹿島みゆき: ありがとう。
鹿島みゆき: 行くわよ!
若松真人: 大切なのは顔より心だと言う人もいるけれど、
若松真人: しかし、それは両方ともよい方がいい訳で。
村木好夫: 鹿島と同じ屋根の下に泊まれた上、
村木好夫: こんな美しいお姿を。
村木好夫: その上、水着姿まで見られるなんて。
若松真人: はい、村木くん。
村木好夫: サンキュ。
村木好夫: 感激。
村木好夫: 本当、来て良かった。
若松真人: 元々今回のツアーには仕掛け人がおりまして。
若松真人: こいつです。
若松真人: 恐怖の落第男。
若松真人: 間崎竜一。
間崎竜一: がんばってるね!
間崎竜一: さて、おいらもはりきっちゃおう。
若松真人: えー?お前がお昼ご飯つくるの?
間崎竜一: そう。みんなにおもいっきりうまいモン食わしたるぜ。
若松真人: ここは竜一の伯父さんが経営する民宿なわけで。
間崎竜一: 君たちは鹿島の水着姿を見たくはないか。ん?
間崎竜一: それも、春の海。
間崎竜一: ひねもすのたりの海岸でだぞ。
若松真人: だが、世の中うまい話には必ず落し穴がある。
若松真人: 竜一は女の子たちを趣味で招待していたが…
間崎竜一: お客様は神様です。お皿二枚:524円。
間崎竜一: 神様の宿泊料に付けとします。よろしく。
村木好夫: 死ね、小父!
間崎竜一: 村木さま、宿泊料一割アップ。
若松真人: オレがこのツアーに参加したのは
若松真人: 竜一の話に釣られたのではなく、
若松真人: あの別荘に大事な用があるわけで。
間崎竜一: あの崖、お雨か何かで崩れねかなあ。
若松真人: えっ?
若松真人: 何かあそこの別荘に恨みでもあるのか。
間崎竜一: 別に。
間崎竜一: ただ、いつだって下のやつはー
間崎竜一: 上が落ちるのお願うものさ。
村木好夫: あそこが 落っこちたら ここはべしゃんこだなあ 竜一。
村木好夫: うれしいな、
若松真人&村木好夫: うれしいな、春休み!
村木好夫: わあおう! ナウイギャルのみなさん!
村木好夫: 海辺の春休み いかがお過ごしでしょうか。
村木好夫: もうすぐお昼ご飯どぅぇぇす!
若松真人: その軽薄さ素敵よ、村木くん。
村木好夫: ワーオー!お昼ですよ。男ですよ。開けますよ。
若松真人: おるす?
村木好夫: 女共、まだテニスをしているのかなあ。
若松真人: しかし、オレ達の部屋より随分いいな。
若松真人: 竜一のやろう部屋まで 差を付けやがって。
村木好夫: いや、部屋だけではない。
村木好夫: オレ達には塩せんべいだったが
村木好夫: ここは何とチースケーキ!
若松真人: 確かに許せん。
若松真人: この男女差別め。
若松真人: んっ?もしかしてー
村木好夫: もしかすると!
若松真人&村木: ビキニ!
村木好夫: 見ろ、ビキニだそ。
若松真人: こんな近くで見るの初めてじゃ。
村木好夫: 若松、生きてて良かった。
若松真人: 幸せ。
村木好夫: だれのだろべ?
村木好夫: 大胆だなー。鹿島のかな?
若松真人: みゆきちゃんがそんなの着るか。
若松真人: きっとワンピースだよ。
若松真人: うん、ワンピース。
村木好夫: ま、タイプとしては言えるな。
村木好夫: てえと、一番グラマーは水森だな、こりゃ
若松真人: 確かにその線がこいな。
村木好夫: 楽しみだな。
村木好夫: 早く竜一のやつ、女の子達にサーフィンを教えないかなあ。
村木好夫: なー、若松?
若松真人: よし、よし。君のその素直な気持ち, きっとあほな竜一に届くであろ。
村木好夫: ありがとう、若松。
若松真人: 帰って来たみたい。
村木好夫: ど・ど・どうしよう?どうしよう?
若松真人: あわてるな。オレ達は何も悪い事はしていない。
若松真人: とは、言い切れないか。
村木好夫: でー、どうする?
若松真人: 隠れよ!
村木好夫: はい。
女の子達: <ざわざわざわ>
水森裕子: 昼飯の前の運動はあかんぜよ。
矢内清美: あぁー、辛いわ。あー、もう私だめ。
若松真人: オレ達のほうが辛いみたい。
矢内清美: あらー⁈
矢内清美: おかしいわねー、 チースケーキが二つしかないわ。
鹿島みゆき: 竜一くんが、間違えて持って来たんじゃない。
矢内清美: そだ。ポテチが残ったでしょう。
三原佐知子: うん。押入れのバックの中。
矢内清美: 押入れ?
水森裕子: 間食は美容に良くないよ、清美。
矢内清美: 本能には逆らえないんだよな、それが。
矢内清美: 何だ?外に出てんじゃない。
三原佐知子: ん、そう?
鹿島みゆき: でも、もうすぐお昼ご飯よ、清美。
矢内清美: んー、そっか。
矢内清美: 止めとこか。
水森裕子: ねー、竜一くんがサーフィン教えてくれるって言ってだでしょう。
水森裕子: 男の子達もやるのかしら。
若松真人: さあー
三原佐知子: そう言えば,さっきもテニス見ただけだったしー
三原佐知子: なーのために 旅行に来たのかしら。
若松真人: 何のためでしょう…
鹿島みゆき: 竜一くんに誘われて 民宿で のんびりしようって 思ったんじゃない きっと。
水森裕子: いいえ、お目あっては絶対に、みゆき。
若松真人: 鋭い!
鹿島みゆき: あっ、そんなー
水森裕子: 赤くなっちゃって。
水森裕子: みゆきはやっぱり若松くんが好きなのね?
若松真人: なー?
鹿島みゆき: やあね、裕子ったら、すぐそう言うこと言うんだから。
矢内清美: あらまあ、あんな軽薄が趣味なの。
矢内清美: 知らなかったなー。
鹿島みゆき: あまり話したことないから、良く分かんないけど。
矢内清美: 止めなさい,止めなさい!あんなの顔悪いし 頭も弱い。
矢内清美: 絶対がっかりするわよ!
若松真人: みゆきちゃんがオレの事を?
若松真人: ここは何としても逃げ延びねばー
若松真人: 見つかった場合、
若松真人: 笑ってごまかすだけではすまなくなったぞ。
水森裕子: あぁー、私も恋する乙女に成りたい。
水森裕子: ねー、押入れから座布団取って?
矢内清美: はいよ!
若松真人: 座布団?
矢内清美: 座布団,座布団と。
間崎竜一: みんな、飯の用意が出来たぞ。
間崎竜一: 急いで食堂に集まってくれや。
女の子達: はいー!
矢内清美: さー。いっぱい、食べるぞっと。
三原佐知子: こんなにお腹が空いたの久々だわ。
水森裕子: テニスしてご飯食べてサーフィンして、そしてまだ食べて…最高!
三原佐知子: 勉強しないから調子がいいのよ。春休み万歳!
間崎竜一: 命の恩人、間崎竜一,よろしく!
若松真人: やなやつに借りを作っちまったな。
村木好夫: 鹿島、本当にお前の事好きなんだろうか。
若松真人: あっ と・とにかく村木、今聞いた事はだれにも言うなよ!
村木好夫: オレだって早く忘れたいよ。
若松真人: 忘れてたまるか。
若松真人: その時
若松真人: オレがもう一つの大事な事忘れていた。
若松真人: しかし、みゆきちゃんがオレに好意を抱いている知った事攻撃しにくくなったのは確かである。
若松真人: どうしても、嫌われまいと守備に回ってしまい。
若松真人: それも、オレのどこが気にいったのか分からないから。
間崎竜一: おぉーい!集合しるや。
女の子達: はーい。
間崎竜一: 何だ、その格好は?
水森裕子: だって、寒そうなんだもんね。
三原佐知子: こんなままでサーフィンできないの、竜一くん。
間崎竜一: 君達ね、サーフィンとはスポーツ!スポーツですよ!
間崎竜一: んなもん着てちゃあだめ!
村木好夫: そ!脱ぎましょう。
N.N.男の子: そうしましょう。
間崎竜一: お前らもだ!
男の子達: えっ?
若松真人: オレ達も?
村木好夫: オレ達見ているだけでいいだけどな。
若松真人: それにオレ達こんな暖っかそうなもの
若松真人: 持ってないもんな。
間崎竜一: 君達、旅行の目的は何で合ったのかね。
若松真人: そ・それ言うわれるとー
矢内清美: 何だ?
若松真人: サーフィンは
若松真人: 爆発だ!
若松真人: 寒くない!
村木好夫: そうだ!寒い筈がない。
N.N.男の子: 筈がない!
間崎竜一: 青春、青春!ね、君たちも!
間崎竜一: あのね、君達、僕のサーフィン教室ねー
若松真人: うぅ、寒い。
若松真人: えー、寒い!
若松真人: 泳がないの、鹿島?
若松真人: 希望としてはみゆきと呼びたい。
若松真人: 体の調子でも悪いの?
若松真人: あの日かな。
鹿島みゆき: そうじゃないの。
若松真人: そうだよな。
若松真人: やっぱりまだ海には早いよな。大体竜一がー
鹿島みゆき: 水着がないの。
鹿島みゆき: 水着がないの。
若松真人: 持って来なかったの?
鹿島みゆき: 持って来たんだけど、
鹿島みゆき: ないの下だけ。
若松真人: 下だけ?
若松真人: あっあれ?ワンピースじゃなかったの?
鹿島みゆき: えっ?違うわ。どうして?
若松真人: あっ、あ、いや。ただ何と無く。
若松真人: でもまさか、黒のビキニって事はないよね?
鹿島みゆき: そうよ。黒のビキニ。
若松真人: あぁ、そう?
若松真人: 意外だな。ヘヘ。
若松真人: そ・そのなくなったって本当?
鹿島みゆき: くる時、ちゃんとバックに入れといたんだけど。
若松真人: ありました。
若松真人: 確かに。
若松真人: あの時ー
若松真人: 慌ててー
若松真人: 確かー
鹿島みゆき: どうしたの?
若松真人: あっ、いや、そのー サーフィンなんかやめてー
若松真人: なんか話しようかなあって。
鹿島みゆき: うん。
若松真人: みゆきちゃー、いや、鹿島はー
鹿島みゆき: みゆきでいいわ。
若松真人: みゆき・ちゃんは映画好き?
鹿島みゆき: うん。
若松真人: 一緒に行こうか。
若松真人&鹿島みゆき: あのー
鹿島みゆき: 何?
若松真人: えっ、いや、どんな映画好き?
鹿島みゆき: 何でも。
若松真人: 何でもか。
若松真人: うん!
若松真人: みゆきちゃん、
鹿島みゆき: えっ?
若松真人: あっ、兄弟は?
鹿島みゆき: 一人っ子。
若松真人: 一緒に 行こうか。
鹿島みゆき: えっ?
若松真人: あっ、映画!
若松真人: 良かったらだけど。
鹿島みゆき: えー
鹿島みゆき: うん!
村木好夫: 愛に飢えた哀れの男です!
村木好夫: お見逃しよ!
若松真人: 村木!て・てめ!
若松真人: くそー、ビショビショだよ。
鹿島みゆき: 大丈夫?
若松真人: 頭に来るな、あのやろ!
若松真人: 今度きたら、ひっぱたいてやるんだ。
若松真人: ね、みゆきちゃん?あっ?
鹿島みゆき: それはー
若松真人: 言い訳、言い訳!
鹿島みゆき: それー
鹿島みゆき: わたしのだって。
鹿島みゆき: 知ってた?
若松真人: えっ? いいえ、知りません!
若松真人: 絶対!全く!本当に知りません!
若松真人: さて、この誤解は解けるでありましょうか?
若松真人: 誤解でないから、無理だろな。
若松真人: そんなムードじゃないって!
村木好夫: すげえな!
間崎竜一: 出来る しかも 女の子!
若松みゆき: Hi~!
若松真人: Hi~.
村木好夫: かわゆい!
N.N.男の子: オレのタイプ!
村木好夫: しかし、何でこいつが?
N.N.男の子: 何でだ?
間崎竜一: 若松くん、
間崎竜一: ちょっと君に頼みたい事があるんだがー
間崎竜一: お前、今の娘とおしりあいになってこい。
間崎竜一: そして電話番号そのほか聞き出した事、
間崎竜一: すべてオレに報告するんだ。
間崎竜一: いいな?
間崎竜一: ゆめゆめ押入れの恩、忘れるでないぞ。
若松真人: そんな!
若松真人: とはいえー
若松真人: この役は決して悪い役であるはずもなく。
若松真人: あれ?
若松真人: おかしいな。
若松みゆき: ワオッ!
若松真人: え?
若松みゆき: どなたかお探しですか。
若松真人: あっ、君、お探しです。
若松真人: 本当可愛いや。
若松みゆき: やっぱり私を。
若松真人: えっ?
若松みゆき: 私達、波長が合ったもんね。
若松真人: えー?
若松みゆき: 私達きっとうまくいくわ。
若松みゆき: でしょう?
若松真人: です!
若松みゆき: 私、変わってると思う?
若松真人: どうして?
若松みゆき: 変な趣味でしょう,わたし。
若松真人: 何を言われても怒る気がせん。
若松真人: またあえる?
若松みゆき: うん、絶対にあえる。
若松みゆき: おんじゃ!
若松真人: あっ、おんじゃ!また!
若松みゆき: Bye!
若松真人: 絶対にあえるーか。
若松真人: 捨てる神あれば拾う神あり。
若松真人: もちろん、こんなうまくいった事 そのまま報告するほどバカではない。
若松真人: 振られてしもうた。
間崎竜一: 御苦労さん。
若松真人: そうしてみんな帰っていった。
若松真人: オレのほっぺたにきつい感触残して
若松真人: 一人残ったオレは親父の別荘に向かった。
若松真人: 仕事で外国に行っていた親父達と六年ぶりの再会をするのである。
若松真人: とにかく16年 それなりのエピソードはあった。
若松真人: おふくろを二人亡くし。
若松真人: 今の家族は六年ぶりに会う親父が一人・・・
若松真人: 親父!
若松真人: 来たよ!
若松真人: いるの?
若松真人: 親父!
若松みゆき: お兄ちゃん?
若松みゆき: お兄ちゃんだのね?
若松真人: あっー ああ。
若松みゆき: 今すぐ行く!
若松真人: ・・・そして六年ぶりに会う妹が一人。
若松真人: 妹の名は若松みゆき。
若松みゆき: さ、お兄ちゃん。
若松みゆき: そ、れ!
若松真人: そしてー
若松真人: それは全ての始まりだった。
若松真人: さて、みゆきちゃんの誤解は解けるのか。
若松真人: 妹のみゆきとおれはどうなるのか。
若松真人: 物語はいよいよ波乱を含んで 展開していくわけで
若松真人: 次回:
若松真人: 平手打ちは恋のレッスンでは。
若松真人: 何とまたしてもみゆきちゃんのきつい一発が決まっちゃう
若松真人: 叩かれる身にもなってよ、みゆきちゃん!
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若松真人: ボクと渚と黒ビキニ。
若松真人: さて、とにかく16年生きて来たんだ。
若松真人: それなりのエピソードはある。
若松真人: 中学生の頃夢中だった松田せいこちゃんに興味を無くした事。
若松真人: 親父の学生時代の成績表を見つけ、自分の限界を知らせらた事。
若松真人: おふくろを二人も亡くした事。
若松真人: それから、オレは男だったんだと。
若松真人: 女の子を好きになって、初めて気づいた事。
若松真人: 若松真人、高校二年。
若松真人: 春。
村木好夫: 早く見たいな、水着姿。激写、激写、激写。
N.N.男の子: オレ、片手で写せる最高級のオートマカメラ。
N.N.男の子: 若松、お前は?
若松真人: オレ?
若松真人: 頭ん中に焼き付ける主義。
若松真人: オレの青春。
若松真人: ご紹介申し上げます。
若松真人: 鹿島みゆき。
若松真人: クラスメートという以外、
若松真人: オレとはなんの関係もない。
若松真人: 今のところ。
若松真人: ついでながら 水森裕子、
若松真人: 三原佐知子、
若松真人: 矢内清美。
若松真人: 今のオレの素直な感情なので
矢内清美: ごめん、若松くん。
若松真人: バカ!どこ見て打ってるんだよ⁈
鹿島みゆき: ごめんね、若松くん。
若松真人: 頑張ってね!これ、はい。
鹿島みゆき: ありがとう。
鹿島みゆき: 行くわよ!
若松真人: 大切なのは顔より心だと言う人もいるけれど、
若松真人: しかし、それは両方ともよい方がいい訳で。
村木好夫: 鹿島と同じ屋根の下に泊まれた上、
村木好夫: こんな美しいお姿を。
村木好夫: その上、水着姿まで見られるなんて。
若松真人: はい、村木くん。
村木好夫: サンキュ。
村木好夫: 感激。
村木好夫: 本当、来て良かった。
若松真人: 元々今回のツアーには仕掛け人がおりまして。
若松真人: こいつです。
若松真人: 恐怖の落第男。
若松真人: 間崎竜一。
間崎竜一: がんばってるね!
間崎竜一: さて、おいらもはりきっちゃおう。
若松真人: えー?お前がお昼ご飯つくるの?
間崎竜一: そう。みんなにおもいっきりうまいモン食わしたるぜ。
若松真人: ここは竜一の伯父さんが経営する民宿なわけで。
間崎竜一: 君たちは鹿島の水着姿を見たくはないか。ん?
間崎竜一: それも、春の海。
間崎竜一: ひねもすのたりの海岸でだぞ。
若松真人: だが、世の中うまい話には必ず落し穴がある。
若松真人: 竜一は女の子たちを趣味で招待していたが…
間崎竜一: お客様は神様です。お皿二枚:524円。
間崎竜一: 神様の宿泊料に付けとします。よろしく。
村木好夫: 死ね、小父!
間崎竜一: 村木さま、宿泊料一割アップ。
若松真人: オレがこのツアーに参加したのは
若松真人: 竜一の話に釣られたのではなく、
若松真人: あの別荘に大事な用があるわけで。
間崎竜一: あの崖、お雨か何かで崩れねかなあ。
若松真人: えっ?
若松真人: 何かあそこの別荘に恨みでもあるのか。
間崎竜一: 別に。
間崎竜一: ただ、いつだって下のやつはー
間崎竜一: 上が落ちるのお願うものさ。
村木好夫: あそこが 落っこちたら ここはべしゃんこだなあ 竜一。
村木好夫: うれしいな、
若松真人&村木好夫: うれしいな、春休み!
村木好夫: わあおう! ナウイギャルのみなさん!
村木好夫: 海辺の春休み いかがお過ごしでしょうか。
村木好夫: もうすぐお昼ご飯どぅぇぇす!
若松真人: その軽薄さ素敵よ、村木くん。
村木好夫: ワーオー!お昼ですよ。男ですよ。開けますよ。
若松真人: おるす?
村木好夫: 女共、まだテニスをしているのかなあ。
若松真人: しかし、オレ達の部屋より随分いいな。
若松真人: 竜一のやろう部屋まで 差を付けやがって。
村木好夫: いや、部屋だけではない。
村木好夫: オレ達には塩せんべいだったが
村木好夫: ここは何とチースケーキ!
若松真人: 確かに許せん。
若松真人: この男女差別め。
若松真人: んっ?もしかしてー
村木好夫: もしかすると!
若松真人&村木: ビキニ!
村木好夫: 見ろ、ビキニだそ。
若松真人: こんな近くで見るの初めてじゃ。
村木好夫: 若松、生きてて良かった。
若松真人: 幸せ。
村木好夫: だれのだろべ?
村木好夫: 大胆だなー。鹿島のかな?
若松真人: みゆきちゃんがそんなの着るか。
若松真人: きっとワンピースだよ。
若松真人: うん、ワンピース。
村木好夫: ま、タイプとしては言えるな。
村木好夫: てえと、一番グラマーは水森だな、こりゃ
若松真人: 確かにその線がこいな。
村木好夫: 楽しみだな。
村木好夫: 早く竜一のやつ、女の子達にサーフィンを教えないかなあ。
村木好夫: なー、若松?
若松真人: よし、よし。君のその素直な気持ち, きっとあほな竜一に届くであろ。
村木好夫: ありがとう、若松。
若松真人: 帰って来たみたい。
村木好夫: ど・ど・どうしよう?どうしよう?
若松真人: あわてるな。オレ達は何も悪い事はしていない。
若松真人: とは、言い切れないか。
村木好夫: でー、どうする?
若松真人: 隠れよ!
村木好夫: はい。
女の子達: <ざわざわざわ>
水森裕子: 昼飯の前の運動はあかんぜよ。
矢内清美: あぁー、辛いわ。あー、もう私だめ。
若松真人: オレ達のほうが辛いみたい。
矢内清美: あらー⁈
矢内清美: おかしいわねー、 チースケーキが二つしかないわ。
鹿島みゆき: 竜一くんが、間違えて持って来たんじゃない。
矢内清美: そだ。ポテチが残ったでしょう。
三原佐知子: うん。押入れのバックの中。
矢内清美: 押入れ?
水森裕子: 間食は美容に良くないよ、清美。
矢内清美: 本能には逆らえないんだよな、それが。
矢内清美: 何だ?外に出てんじゃない。
三原佐知子: ん、そう?
鹿島みゆき: でも、もうすぐお昼ご飯よ、清美。
矢内清美: んー、そっか。
矢内清美: 止めとこか。
水森裕子: ねー、竜一くんがサーフィン教えてくれるって言ってだでしょう。
水森裕子: 男の子達もやるのかしら。
若松真人: さあー
三原佐知子: そう言えば,さっきもテニス見ただけだったしー
三原佐知子: なーのために 旅行に来たのかしら。
若松真人: 何のためでしょう…
鹿島みゆき: 竜一くんに誘われて 民宿で のんびりしようって 思ったんじゃない きっと。
水森裕子: いいえ、お目あっては絶対に、みゆき。
若松真人: 鋭い!
鹿島みゆき: あっ、そんなー
水森裕子: 赤くなっちゃって。
水森裕子: みゆきはやっぱり若松くんが好きなのね?
若松真人: なー?
鹿島みゆき: やあね、裕子ったら、すぐそう言うこと言うんだから。
矢内清美: あらまあ、あんな軽薄が趣味なの。
矢内清美: 知らなかったなー。
鹿島みゆき: あまり話したことないから、良く分かんないけど。
矢内清美: 止めなさい,止めなさい!あんなの顔悪いし 頭も弱い。
矢内清美: 絶対がっかりするわよ!
若松真人: みゆきちゃんがオレの事を?
若松真人: ここは何としても逃げ延びねばー
若松真人: 見つかった場合、
若松真人: 笑ってごまかすだけではすまなくなったぞ。
水森裕子: あぁー、私も恋する乙女に成りたい。
水森裕子: ねー、押入れから座布団取って?
矢内清美: はいよ!
若松真人: 座布団?
矢内清美: 座布団,座布団と。
間崎竜一: みんな、飯の用意が出来たぞ。
間崎竜一: 急いで食堂に集まってくれや。
女の子達: はいー!
矢内清美: さー。いっぱい、食べるぞっと。
三原佐知子: こんなにお腹が空いたの久々だわ。
水森裕子: テニスしてご飯食べてサーフィンして、そしてまだ食べて…最高!
三原佐知子: 勉強しないから調子がいいのよ。春休み万歳!
間崎竜一: 命の恩人、間崎竜一,よろしく!
若松真人: やなやつに借りを作っちまったな。
村木好夫: 鹿島、本当にお前の事好きなんだろうか。
若松真人: あっ と・とにかく村木、今聞いた事はだれにも言うなよ!
村木好夫: オレだって早く忘れたいよ。
若松真人: 忘れてたまるか。
若松真人: その時
若松真人: オレがもう一つの大事な事忘れていた。
若松真人: しかし、みゆきちゃんがオレに好意を抱いている知った事攻撃しにくくなったのは確かである。
若松真人: どうしても、嫌われまいと守備に回ってしまい。
若松真人: それも、オレのどこが気にいったのか分からないから。
間崎竜一: おぉーい!集合しるや。
女の子達: はーい。
間崎竜一: 何だ、その格好は?
水森裕子: だって、寒そうなんだもんね。
三原佐知子: こんなままでサーフィンできないの、竜一くん。
間崎竜一: 君達ね、サーフィンとはスポーツ!スポーツですよ!
間崎竜一: んなもん着てちゃあだめ!
村木好夫: そ!脱ぎましょう。
N.N.男の子: そうしましょう。
間崎竜一: お前らもだ!
男の子達: えっ?
若松真人: オレ達も?
村木好夫: オレ達見ているだけでいいだけどな。
若松真人: それにオレ達こんな暖っかそうなもの
若松真人: 持ってないもんな。
間崎竜一: 君達、旅行の目的は何で合ったのかね。
若松真人: そ・それ言うわれるとー
矢内清美: 何だ?
若松真人: サーフィンは
若松真人: 爆発だ!
若松真人: 寒くない!
村木好夫: そうだ!寒い筈がない。
N.N.男の子: 筈がない!
間崎竜一: 青春、青春!ね、君たちも!
間崎竜一: あのね、君達、僕のサーフィン教室ねー
若松真人: うぅ、寒い。
若松真人: えー、寒い!
若松真人: 泳がないの、鹿島?
若松真人: 希望としてはみゆきと呼びたい。
若松真人: 体の調子でも悪いの?
若松真人: あの日かな。
鹿島みゆき: そうじゃないの。
若松真人: そうだよな。
若松真人: やっぱりまだ海には早いよな。大体竜一がー
鹿島みゆき: 水着がないの。
鹿島みゆき: 水着がないの。
若松真人: 持って来なかったの?
鹿島みゆき: 持って来たんだけど、
鹿島みゆき: ないの下だけ。
若松真人: 下だけ?
若松真人: あっあれ?ワンピースじゃなかったの?
鹿島みゆき: えっ?違うわ。どうして?
若松真人: あっ、あ、いや。ただ何と無く。
若松真人: でもまさか、黒のビキニって事はないよね?
鹿島みゆき: そうよ。黒のビキニ。
若松真人: あぁ、そう?
若松真人: 意外だな。ヘヘ。
若松真人: そ・そのなくなったって本当?
鹿島みゆき: くる時、ちゃんとバックに入れといたんだけど。
若松真人: ありました。
若松真人: 確かに。
若松真人: あの時ー
若松真人: 慌ててー
若松真人: 確かー
鹿島みゆき: どうしたの?
若松真人: あっ、いや、そのー サーフィンなんかやめてー
若松真人: なんか話しようかなあって。
鹿島みゆき: うん。
若松真人: みゆきちゃー、いや、鹿島はー
鹿島みゆき: みゆきでいいわ。
若松真人: みゆき・ちゃんは映画好き?
鹿島みゆき: うん。
若松真人: 一緒に行こうか。
若松真人&鹿島みゆき: あのー
鹿島みゆき: 何?
若松真人: えっ、いや、どんな映画好き?
鹿島みゆき: 何でも。
若松真人: 何でもか。
若松真人: うん!
若松真人: みゆきちゃん、
鹿島みゆき: えっ?
若松真人: あっ、兄弟は?
鹿島みゆき: 一人っ子。
若松真人: 一緒に 行こうか。
鹿島みゆき: えっ?
若松真人: あっ、映画!
若松真人: 良かったらだけど。
鹿島みゆき: えー
鹿島みゆき: うん!
村木好夫: 愛に飢えた哀れの男です!
村木好夫: お見逃しよ!
若松真人: 村木!て・てめ!
若松真人: くそー、ビショビショだよ。
鹿島みゆき: 大丈夫?
若松真人: 頭に来るな、あのやろ!
若松真人: 今度きたら、ひっぱたいてやるんだ。
若松真人: ね、みゆきちゃん?あっ?
鹿島みゆき: それはー
若松真人: 言い訳、言い訳!
鹿島みゆき: それー
鹿島みゆき: わたしのだって。
鹿島みゆき: 知ってた?
若松真人: えっ? いいえ、知りません!
若松真人: 絶対!全く!本当に知りません!
若松真人: さて、この誤解は解けるでありましょうか?
若松真人: 誤解でないから、無理だろな。
若松真人: そんなムードじゃないって!
村木好夫: すげえな!
間崎竜一: 出来る しかも 女の子!
若松みゆき: Hi~!
若松真人: Hi~.
村木好夫: かわゆい!
N.N.男の子: オレのタイプ!
村木好夫: しかし、何でこいつが?
N.N.男の子: 何でだ?
間崎竜一: 若松くん、
間崎竜一: ちょっと君に頼みたい事があるんだがー
間崎竜一: お前、今の娘とおしりあいになってこい。
間崎竜一: そして電話番号そのほか聞き出した事、
間崎竜一: すべてオレに報告するんだ。
間崎竜一: いいな?
間崎竜一: ゆめゆめ押入れの恩、忘れるでないぞ。
若松真人: そんな!
若松真人: とはいえー
若松真人: この役は決して悪い役であるはずもなく。
若松真人: あれ?
若松真人: おかしいな。
若松みゆき: ワオッ!
若松真人: え?
若松みゆき: どなたかお探しですか。
若松真人: あっ、君、お探しです。
若松真人: 本当可愛いや。
若松みゆき: やっぱり私を。
若松真人: えっ?
若松みゆき: 私達、波長が合ったもんね。
若松真人: えー?
若松みゆき: 私達きっとうまくいくわ。
若松みゆき: でしょう?
若松真人: です!
若松みゆき: 私、変わってると思う?
若松真人: どうして?
若松みゆき: 変な趣味でしょう,わたし。
若松真人: 何を言われても怒る気がせん。
若松真人: またあえる?
若松みゆき: うん、絶対にあえる。
若松みゆき: おんじゃ!
若松真人: あっ、おんじゃ!また!
若松みゆき: Bye!
若松真人: 絶対にあえるーか。
若松真人: 捨てる神あれば拾う神あり。
若松真人: もちろん、こんなうまくいった事 そのまま報告するほどバカではない。
若松真人: 振られてしもうた。
間崎竜一: 御苦労さん。
若松真人: そうしてみんな帰っていった。
若松真人: オレのほっぺたにきつい感触残して
若松真人: 一人残ったオレは親父の別荘に向かった。
若松真人: 仕事で外国に行っていた親父達と六年ぶりの再会をするのである。
若松真人: とにかく16年 それなりのエピソードはあった。
若松真人: おふくろを二人亡くし。
若松真人: 今の家族は六年ぶりに会う親父が一人・・・
若松真人: 親父!
若松真人: 来たよ!
若松真人: いるの?
若松真人: 親父!
若松みゆき: お兄ちゃん?
若松みゆき: お兄ちゃんだのね?
若松真人: あっー ああ。
若松みゆき: 今すぐ行く!
若松真人: ・・・そして六年ぶりに会う妹が一人。
若松真人: 妹の名は若松みゆき。
若松みゆき: さ、お兄ちゃん。
若松みゆき: そ、れ!
若松真人: そしてー
若松真人: それは全ての始まりだった。
若松真人: さて、みゆきちゃんの誤解は解けるのか。
若松真人: 妹のみゆきとおれはどうなるのか。
若松真人: 物語はいよいよ波乱を含んで 展開していくわけで
若松真人: 次回:
若松真人: 平手打ちは恋のレッスンでは。
若松真人: 何とまたしてもみゆきちゃんのきつい一発が決まっちゃう
若松真人: 叩かれる身にもなってよ、みゆきちゃん!