Eden of The East(Japanese)>11. さらにつづく東
平澤 「だとすると、滝沢の携帯は何でもできる魔法の携帯ってことか?」
咲 「ダメ。通りに出て捕まえよう!」
みっちょん 「とにかく、まずはパンツの送ったデータ調べてみて。あいつとも連絡とれないの」
平澤 「わかった、やってみる。だがお前たちは豊洲に来るなっ」
みっちょん 「えっ、なんでよ?」
平澤 「実はな、行方不明だったニートたちが滝沢を探してシネコンになだれ込んできたんだ」
みっちょん 「ええっ!」
平澤 「……ここはもう、お終いだ」
第11話
さらにつづく東
おネエ 「よく知ってたわね、こんなところ」
平澤 「不動産資料を見ていたときにな」
大杉 「だいじょぶか? こんなところに隠れて」
春日 「どのみち、イカレル全裸オトコに道理は通じませんよ!」
おネエ 「寒いのに、行儀よく携帯を回収してるわ」
平澤 「何よりもまずは携帯というわけか。……もしもし?」
みっちょん 「あ、一臣? やっぱりそっちに行くよ。一緒にデータ調べたほうが早いと思うから」
平澤 「そうか。しかし、60発のミサイル攻撃は本当にあるのか? それにあったとして、今から俺たちに何ができる? 俺たちは魔法の携帯を持っているわけではないからな」
咲 「滝沢くんは、魔法の携帯を持ってたから住民を助けたんじゃないと思う。ただ、当たり前のことをしようとしただけなんだよ」
平澤 「じゃあ、なぜ奴は自ら記憶を消したりした? あの大量のニートはなぜ滝沢に怒っているんだ?」
大杉 「そうだよ、咲ちゃん! でなかったら、あいつらだってあんなに怒りゃしないって!」
咲 「大杉くん、滝沢くんはミサイルから住民を守っただけじゃなくて、避難誘導に手を貸したことで疑惑の目を向けられた二万人のニートを守るために、ひとりで悪者になって記憶を消したんだよ」
平澤&大杉 「……!」
春日&おネエ 「……?」
咲 「滝沢くんはあの携帯を受け取ったあと、ネット上で得た情報を元に有志を集め、犯罪行為すれすれの方法で住民を逃がすことに成功したの」
平澤 「……それがあの二万人ということか?」
咲 「うん、だと思う。だけど、助けられた住民は、そのあとメディアを通して不満を漏らし始めた。滝沢くんたちはミサイルが落ちることをなぜ知っていたのか? 本当は別の目的があったんじゃないのかって。滝沢くんたちも実際にミサイルが落ちてくるかはわからなかったから、中には現場で盗みを働いたりした人もいたらしいの。それでも、大半の人は住民を救ったという事実に燃えていた。けど、ミサイルですべてを失った住民は、一度芽生えてしまった疑いの心を抑えることができなかった。すると今度は、事態を傍観していた人たちが、避難住民をネットを使って誹謗中傷し始めた。それがあの事件を、より複雑かつ奇妙なものに変えてしまった原因のひとつなの。滝沢くんはそこで、いくつかの偽名を使って彼らを豊洲に集めると、怒りの矛先を自分ひとりに向けさせるために、自分がミサイルテロの犯人だと名乗った。滝沢くんを複数の名前で認識していたり、怒りをあらわにしているのは、それが理由だと思う。そのあと滝沢くんは、彼らを世間の目から隠すために、3か月間ドバイに逃がした。不確かな情報や、自分にとって都合のいい噂で簡単に自分の意見を変えてしまう無責任な大多数。滝沢くんは一番守りたかった人たちに裏切られ、絶望し、それで記憶を消すしかなかったんだよ」
平澤 「奴はそのことを思い出したのか?」
咲 「わからない。でも今度は私たちだけでミサイル攻撃をなんとかしなくちゃならないの」
大杉 「なんで咲ちゃんがそんな風に思う必要があるんだ! 滝沢が本当にいい奴だったとして、でもあいつはただのバカじゃないか! そんな携帯持ってて下手こいてるなんて、ただのバカとしか思えないよ……!」
咲 「板津くんのデータに、ミサイルの落ちるところも記録されていると思うの。迂闊な月曜日のときに滝沢くんがやったように、ネットにそのことを書き込めば――」
平澤 「確かにな。殺人予告一行で逮捕者が出るご時世だ。ミサイル攻撃があるって書けば、何らかのリアクションは起こせるだろう。ただ――」
みっちょん 「ただ、何よ?」
平澤 「事態はそれを許さぬ状況にある」
みっちょん 「どういうこと?」
平澤 「……板津のデータは今、ゾンビの手の中だからだっ!」
春日 「ああっ! すみません、先輩のPC、バーに置いてきてしまいましたっ!」
春日 「あった、これです!」
おネエ 「ええっ、どこ?」
春日 「ここ。この男が抱えてます」
平澤 「うん。しかし、どうやって回収する?」
春日 「進言します! ここは攻めに転じる意味でも、全裸になってみてはいかがでしょうか!?」
平澤 「はあ? なぜ全裸なのだ?」
春日 「はっ! 木を隠すなら森、裸のニートにまぎれるなら、こちらも裸になるのが得策かとっ!」
3人 「はああああ?」
おネエ 「えー、ムリムリムリムリムリ……」
春日 「気づかれませんね。作戦は大成功です」
平澤 「のようだな。……早く来い! ここまで来て何をためらう!」
大杉 「いや、そうなんだけどさ……」
みっちょん 「ま、マジ?!」
咲 「何とか平澤くんたちと合流しないと……。サッと駆け抜ければ、案外だいじょうぶかも」
みっちょん 「うん」
AKX20000 「女子だーっ!」
AKX20000 「あ?」
AKX20000 「わああああああああ」
平澤 「PCですか」
AKX20000 「ええ、でもパスワードが掛かっていて」
平澤 「ちょっと貸してみてください」
AKX20000 「もまいら、毛あるな。やけに白いし」
3人 「……!」
平澤 「では失礼……逃げろー!」
咲 「付いて来てる……」
みっちょん 「大丈夫。あの人たち、たぶん二次元にしか興味ないから」
平澤 「大杉、パス!」
大杉 「ええっ!」
春日 「先輩――」
平澤 「大杉! そのまま行けっ!」
大杉 「……ええっ!?」
咲&みっちょん 「? ……!!」
大杉 「さ、咲ちゃん……」
咲 「お……大杉くん、なんで裸なのっ!」
大杉 「ああっ」
みっちょん 「そんなところに当てないで!」
大杉 「だぁっ、何すんだよ、せっかく取り戻してきたのにィ!」
咲 「ごめん……! でも今は板津くんのデータを……!」
大杉 「……!」
おネエ 「こっちよ! 早く中に!」
みっちょん 「おネエ!」
咲&みっちょん 「おネエ!」
おネエ 「よーく来られたわねえ!」
大杉 「それより、早くデータを!」
豆柴 「ワン」
おネエ 「確か、赤文字のところがあったと思うけど」
みっちょん 「これ?」
おネエ 「国会や霞ヶ関も入ってるわ!」
大杉 「手分けしよう。まずは俺たちの携帯に送って」
みっちょん 「わかった。……待って! ウソ……これ見て!」
みっちょん 「豊洲?!」
おネエ 「……な、何?」
滝沢 「あ、テステス。ただいまカメラの試験中」
AKX20000 「滝沢だ!」
AKX20000 「滝沢だ!」
AKX20000 「滝沢だ!」
滝沢 「ハーイ、ジョニー! 今日、もまいらをここに集めたのには訳がありまつ! それは、迂闊な月曜日の真相を知っているもまいらと俺を訴えようとした住民を新たなミサイル攻撃で亡き者にするためなのでつ!」
咲 「ウソだよ! なに言ってるの滝沢くん! 滝沢くんがそんなことするはずないよ! なんでそんなウソ言うの?!」
滝沢 「これはウソではありません。ただし、生き延びるチャンスは無きにしも非ず! まず、生き延びたいジョニーは屋上に集まるように!」
咲 「滝沢くん……」
結城 「ひどいですよ! 今さらジュイスは手に入らないなんて!」
物部 「すまないが、あとは自己責任ってことで。ただ、私はもう一度、ミスター・アウトサイドを探すつもりだ。もし彼を見つけ出すことができたら、その時はまた会おう」
結城 「そんな……」
辻 「君、嵌められたんだよ」
結城 「どういうこと?」
辻 「やりすぎちゃったってことかな。あの人がサポーターだったとしたら、どう? 11発目は物部さんに指示されたんでしょ? 事件の生き証人であるニートは消した方がいいとか言われてさ。ご愁傷さま。しかし、ナンバー9はおもろいねー。たぶん今度も何かやらかすぜ」
結城 「今からじゃ何もできないよ!」
辻 「おととい、パトリオットの戦略上のプログラムが書き換えられたってニュース、聞かなかった?」
平澤 「お前たちだけでも、先に脱出しろ!」
みっちょん 「それができないの! 防火シャッター下りてて」
おネエ 「あれで外に行けない?」
AKX20000 「お?」
おネエ 「えっ?」
大杉 「無理だって!」
咲 「大杉くん!」
AKX20000 「あっ、おまえー!」
大杉 「滝沢?!」
滝沢 「お前が大杉? ガッツあるな。想像してた通りだ」
AKX20000 「あの野郎! 待ちやがれー!」
咲 「待って、滝沢くん! 滝沢くん、本当はみんなを助けに来たんでしょ? またひとりで悪者になって、それでみんなを――!」
滝沢 「最後まで電話、聞いててくれたんだ」
咲 「うん。でも、電池が切れちゃって」
滝沢 「あのあと、板津のところに戻ったら、平澤に履歴を送ったって言うんだ。で、あれを読んだら咲たち、ぜってーここに来ちゃうと思って」
咲 「滝沢くん、記憶は……?」
滝沢 「もまいら、よく戻ったな! だが、もうすぐミサイルが飛んでくるぞ。今回は、直接ミサイルを撃ち落とす方法を東のエデンサイトに書き込むのでつ!」
春日 「平澤さん……!」
平澤 「ああ……」
滝沢 「あいつらは直列に繋いでやれば結構なポテンシャルを発揮するんだ。きっと、迂闊な月曜日のときのようにスッゲー奇跡を思いつく。元々、俺ひとりでやったわけじゃないんだよ」
滝沢 「もまいら! うp乙~!」
AKX20000 「うpとかじゃねえし」
滝沢 「ジュイス」
Juiz 「はい、ジュイスです。東のエデンの書き込みの中からミサイル攻撃回避に最適な方法を抽出いたしました。今後もこの国の救世主たらんことを――」
滝沢 「ありがとう。じゃあ、始めようか」
滝沢 「バン!」
AKX20000 「おお……」
平澤 「無事だったか?」
大杉 「これは……滝沢が起こしているのか?」
平澤 「ああ。そして、ここにいるニートたちによってな」
みっちょん 「これが今、日本中で起きてるの?」
黒羽 「私のことはいつ助けに来てくれるの、ナンバー9?」
板津 「やりよるのお、わし」
辻 「ミサイルなんか落ちなくたって、この国は既に死に向かっている――」
物部 「とりあえず、間に合ったようだな」
滝沢 「バン!」
滝沢 「サンダース・キッドかよ、俺は……。咲!」
滝沢 「ジュイス」
Juiz 「何でしょう?」
滝沢 「今回は、テロリストを演じるだけじゃこの事態をかばいきれないんだ。だから、残りのお金で俺をこの国の王様にしてくんない?」
Juiz 「王様……ですか?」
滝沢 「ああ。この国には頭のいい連中がいっぱいいんのに、損な役回りやる奴がいないんだ。できれば、俺だってあんましやりたくはないけどさ、ひとりだけ信じてくれた子がいたから」
Juiz 「……受理されました。ノブレス・オブリージュ。今度会うときは、素敵な王子様たらんことを――」
滝沢 「そんときもこのままの俺でいたいよね。それとさ、ジュイス――」
滝沢 「ちぇっ。このメリーゴーランド、ゴールデンリングがついてねえや」
咲 「彼はこうして王子になった――王様のいないこの国で」
キャスト
滝沢 朗
森美 咲
Juiz
大杉 智
平澤 一臣
葛原 みくる
おネエ
春日 晴男
物部 大樹
結城 亮
辻 仁太郎
板津 豊
白鳥・ダイアナ・黒羽
AKX20000
Portions not contributed by visitors are Copyright 2018 Tangient LLC
TES: The largest network of teachers in the world
Turn off "Getting Started"
Home
...
Loading...
咲 「ダメ。通りに出て捕まえよう!」
みっちょん 「とにかく、まずはパンツの送ったデータ調べてみて。あいつとも連絡とれないの」
平澤 「わかった、やってみる。だがお前たちは豊洲に来るなっ」
みっちょん 「えっ、なんでよ?」
平澤 「実はな、行方不明だったニートたちが滝沢を探してシネコンになだれ込んできたんだ」
みっちょん 「ええっ!」
平澤 「……ここはもう、お終いだ」
第11話
さらにつづく東
おネエ 「よく知ってたわね、こんなところ」
平澤 「不動産資料を見ていたときにな」
大杉 「だいじょぶか? こんなところに隠れて」
春日 「どのみち、イカレル全裸オトコに道理は通じませんよ!」
おネエ 「寒いのに、行儀よく携帯を回収してるわ」
平澤 「何よりもまずは携帯というわけか。……もしもし?」
みっちょん 「あ、一臣? やっぱりそっちに行くよ。一緒にデータ調べたほうが早いと思うから」
平澤 「そうか。しかし、60発のミサイル攻撃は本当にあるのか? それにあったとして、今から俺たちに何ができる? 俺たちは魔法の携帯を持っているわけではないからな」
咲 「滝沢くんは、魔法の携帯を持ってたから住民を助けたんじゃないと思う。ただ、当たり前のことをしようとしただけなんだよ」
平澤 「じゃあ、なぜ奴は自ら記憶を消したりした? あの大量のニートはなぜ滝沢に怒っているんだ?」
大杉 「そうだよ、咲ちゃん! でなかったら、あいつらだってあんなに怒りゃしないって!」
咲 「大杉くん、滝沢くんはミサイルから住民を守っただけじゃなくて、避難誘導に手を貸したことで疑惑の目を向けられた二万人のニートを守るために、ひとりで悪者になって記憶を消したんだよ」
平澤&大杉 「……!」
春日&おネエ 「……?」
咲 「滝沢くんはあの携帯を受け取ったあと、ネット上で得た情報を元に有志を集め、犯罪行為すれすれの方法で住民を逃がすことに成功したの」
平澤 「……それがあの二万人ということか?」
咲 「うん、だと思う。だけど、助けられた住民は、そのあとメディアを通して不満を漏らし始めた。滝沢くんたちはミサイルが落ちることをなぜ知っていたのか? 本当は別の目的があったんじゃないのかって。滝沢くんたちも実際にミサイルが落ちてくるかはわからなかったから、中には現場で盗みを働いたりした人もいたらしいの。それでも、大半の人は住民を救ったという事実に燃えていた。けど、ミサイルですべてを失った住民は、一度芽生えてしまった疑いの心を抑えることができなかった。すると今度は、事態を傍観していた人たちが、避難住民をネットを使って誹謗中傷し始めた。それがあの事件を、より複雑かつ奇妙なものに変えてしまった原因のひとつなの。滝沢くんはそこで、いくつかの偽名を使って彼らを豊洲に集めると、怒りの矛先を自分ひとりに向けさせるために、自分がミサイルテロの犯人だと名乗った。滝沢くんを複数の名前で認識していたり、怒りをあらわにしているのは、それが理由だと思う。そのあと滝沢くんは、彼らを世間の目から隠すために、3か月間ドバイに逃がした。不確かな情報や、自分にとって都合のいい噂で簡単に自分の意見を変えてしまう無責任な大多数。滝沢くんは一番守りたかった人たちに裏切られ、絶望し、それで記憶を消すしかなかったんだよ」
平澤 「奴はそのことを思い出したのか?」
咲 「わからない。でも今度は私たちだけでミサイル攻撃をなんとかしなくちゃならないの」
大杉 「なんで咲ちゃんがそんな風に思う必要があるんだ! 滝沢が本当にいい奴だったとして、でもあいつはただのバカじゃないか! そんな携帯持ってて下手こいてるなんて、ただのバカとしか思えないよ……!」
咲 「板津くんのデータに、ミサイルの落ちるところも記録されていると思うの。迂闊な月曜日のときに滝沢くんがやったように、ネットにそのことを書き込めば――」
平澤 「確かにな。殺人予告一行で逮捕者が出るご時世だ。ミサイル攻撃があるって書けば、何らかのリアクションは起こせるだろう。ただ――」
みっちょん 「ただ、何よ?」
平澤 「事態はそれを許さぬ状況にある」
みっちょん 「どういうこと?」
平澤 「……板津のデータは今、ゾンビの手の中だからだっ!」
春日 「ああっ! すみません、先輩のPC、バーに置いてきてしまいましたっ!」
春日 「あった、これです!」
おネエ 「ええっ、どこ?」
春日 「ここ。この男が抱えてます」
平澤 「うん。しかし、どうやって回収する?」
春日 「進言します! ここは攻めに転じる意味でも、全裸になってみてはいかがでしょうか!?」
平澤 「はあ? なぜ全裸なのだ?」
春日 「はっ! 木を隠すなら森、裸のニートにまぎれるなら、こちらも裸になるのが得策かとっ!」
3人 「はああああ?」
おネエ 「えー、ムリムリムリムリムリ……」
春日 「気づかれませんね。作戦は大成功です」
平澤 「のようだな。……早く来い! ここまで来て何をためらう!」
大杉 「いや、そうなんだけどさ……」
みっちょん 「ま、マジ?!」
咲 「何とか平澤くんたちと合流しないと……。サッと駆け抜ければ、案外だいじょうぶかも」
みっちょん 「うん」
AKX20000 「女子だーっ!」
AKX20000 「あ?」
AKX20000 「わああああああああ」
平澤 「PCですか」
AKX20000 「ええ、でもパスワードが掛かっていて」
平澤 「ちょっと貸してみてください」
AKX20000 「もまいら、毛あるな。やけに白いし」
3人 「……!」
平澤 「では失礼……逃げろー!」
咲 「付いて来てる……」
みっちょん 「大丈夫。あの人たち、たぶん二次元にしか興味ないから」
平澤 「大杉、パス!」
大杉 「ええっ!」
春日 「先輩――」
平澤 「大杉! そのまま行けっ!」
大杉 「……ええっ!?」
咲&みっちょん 「? ……!!」
大杉 「さ、咲ちゃん……」
咲 「お……大杉くん、なんで裸なのっ!」
大杉 「ああっ」
みっちょん 「そんなところに当てないで!」
大杉 「だぁっ、何すんだよ、せっかく取り戻してきたのにィ!」
咲 「ごめん……! でも今は板津くんのデータを……!」
大杉 「……!」
おネエ 「こっちよ! 早く中に!」
みっちょん 「おネエ!」
咲&みっちょん 「おネエ!」
おネエ 「よーく来られたわねえ!」
大杉 「それより、早くデータを!」
豆柴 「ワン」
おネエ 「確か、赤文字のところがあったと思うけど」
みっちょん 「これ?」
おネエ 「国会や霞ヶ関も入ってるわ!」
大杉 「手分けしよう。まずは俺たちの携帯に送って」
みっちょん 「わかった。……待って! ウソ……これ見て!」
みっちょん 「豊洲?!」
おネエ 「……な、何?」
滝沢 「あ、テステス。ただいまカメラの試験中」
AKX20000 「滝沢だ!」
AKX20000 「滝沢だ!」
AKX20000 「滝沢だ!」
滝沢 「ハーイ、ジョニー! 今日、もまいらをここに集めたのには訳がありまつ! それは、迂闊な月曜日の真相を知っているもまいらと俺を訴えようとした住民を新たなミサイル攻撃で亡き者にするためなのでつ!」
咲 「ウソだよ! なに言ってるの滝沢くん! 滝沢くんがそんなことするはずないよ! なんでそんなウソ言うの?!」
滝沢 「これはウソではありません。ただし、生き延びるチャンスは無きにしも非ず! まず、生き延びたいジョニーは屋上に集まるように!」
咲 「滝沢くん……」
結城 「ひどいですよ! 今さらジュイスは手に入らないなんて!」
物部 「すまないが、あとは自己責任ってことで。ただ、私はもう一度、ミスター・アウトサイドを探すつもりだ。もし彼を見つけ出すことができたら、その時はまた会おう」
結城 「そんな……」
辻 「君、嵌められたんだよ」
結城 「どういうこと?」
辻 「やりすぎちゃったってことかな。あの人がサポーターだったとしたら、どう? 11発目は物部さんに指示されたんでしょ? 事件の生き証人であるニートは消した方がいいとか言われてさ。ご愁傷さま。しかし、ナンバー9はおもろいねー。たぶん今度も何かやらかすぜ」
結城 「今からじゃ何もできないよ!」
辻 「おととい、パトリオットの戦略上のプログラムが書き換えられたってニュース、聞かなかった?」
平澤 「お前たちだけでも、先に脱出しろ!」
みっちょん 「それができないの! 防火シャッター下りてて」
おネエ 「あれで外に行けない?」
AKX20000 「お?」
おネエ 「えっ?」
大杉 「無理だって!」
咲 「大杉くん!」
AKX20000 「あっ、おまえー!」
大杉 「滝沢?!」
滝沢 「お前が大杉? ガッツあるな。想像してた通りだ」
AKX20000 「あの野郎! 待ちやがれー!」
咲 「待って、滝沢くん! 滝沢くん、本当はみんなを助けに来たんでしょ? またひとりで悪者になって、それでみんなを――!」
滝沢 「最後まで電話、聞いててくれたんだ」
咲 「うん。でも、電池が切れちゃって」
滝沢 「あのあと、板津のところに戻ったら、平澤に履歴を送ったって言うんだ。で、あれを読んだら咲たち、ぜってーここに来ちゃうと思って」
咲 「滝沢くん、記憶は……?」
滝沢 「もまいら、よく戻ったな! だが、もうすぐミサイルが飛んでくるぞ。今回は、直接ミサイルを撃ち落とす方法を東のエデンサイトに書き込むのでつ!」
春日 「平澤さん……!」
平澤 「ああ……」
滝沢 「あいつらは直列に繋いでやれば結構なポテンシャルを発揮するんだ。きっと、迂闊な月曜日のときのようにスッゲー奇跡を思いつく。元々、俺ひとりでやったわけじゃないんだよ」
滝沢 「もまいら! うp乙~!」
AKX20000 「うpとかじゃねえし」
滝沢 「ジュイス」
Juiz 「はい、ジュイスです。東のエデンの書き込みの中からミサイル攻撃回避に最適な方法を抽出いたしました。今後もこの国の救世主たらんことを――」
滝沢 「ありがとう。じゃあ、始めようか」
滝沢 「バン!」
AKX20000 「おお……」
平澤 「無事だったか?」
大杉 「これは……滝沢が起こしているのか?」
平澤 「ああ。そして、ここにいるニートたちによってな」
みっちょん 「これが今、日本中で起きてるの?」
黒羽 「私のことはいつ助けに来てくれるの、ナンバー9?」
板津 「やりよるのお、わし」
辻 「ミサイルなんか落ちなくたって、この国は既に死に向かっている――」
物部 「とりあえず、間に合ったようだな」
滝沢 「バン!」
滝沢 「サンダース・キッドかよ、俺は……。咲!」
滝沢 「ジュイス」
Juiz 「何でしょう?」
滝沢 「今回は、テロリストを演じるだけじゃこの事態をかばいきれないんだ。だから、残りのお金で俺をこの国の王様にしてくんない?」
Juiz 「王様……ですか?」
滝沢 「ああ。この国には頭のいい連中がいっぱいいんのに、損な役回りやる奴がいないんだ。できれば、俺だってあんましやりたくはないけどさ、ひとりだけ信じてくれた子がいたから」
Juiz 「……受理されました。ノブレス・オブリージュ。今度会うときは、素敵な王子様たらんことを――」
滝沢 「そんときもこのままの俺でいたいよね。それとさ、ジュイス――」
滝沢 「ちぇっ。このメリーゴーランド、ゴールデンリングがついてねえや」
咲 「彼はこうして王子になった――王様のいないこの国で」
キャスト
滝沢 朗
森美 咲
Juiz
大杉 智
平澤 一臣
葛原 みくる
おネエ
春日 晴男
物部 大樹
結城 亮
辻 仁太郎
板津 豊
白鳥・ダイアナ・黒羽
AKX20000