K-ON! (Japanese) > 01. 廃部!
憂:
おねえちゃ~ん、そろそろ起きないと… おねえちゃ…
唯:
は、8時!? 遅刻、遅刻!!
憂:
何で急ぐの?
唯:
[ちこく~! /いっふぇきまーす!]
おばさん: あら、ゆいちゃん。
唯:
おはよう!
唯:
あれ? 見間違えたー!
唯:
今日から…高校生!
OP
上級生: 入学おめでとうございまーす!/是非テニス部へ!/是非柔道部へ!/是非茶道部へ!/是非珠算部へ!/是非の是非!
和:
何唸ってるのよ、ゆい。
唯:
あーのどかちゃーん、実はどの部活に入ろうか迷って…
和:
えー!まだ決めてなかったの!? もう学校始まってから二週間もたってるよ!?
唯:
あ、でもでも、私運動音痴だし、文科系のクラブもよくわかんないし…
和:
はああ、こうやってニートが出来上がっていくのねー。
唯:
はっ! 部活やってないだけでニート!?
和:
振り返ってみると、ゆいって今まで何の部活もやってこなかったもんねー。
唯:
ぐさっ!
何かしなくちゃいけないような気がするんだけど、一体何をすればいいんだろう?
律:
みおーっ!
澪:
りつ?
律:
クラブ見学行こうぜー
澪:
クラブ見学?
律:
軽音部だよ、軽音部!
澪:
でも、私文芸部に入るつもりだし…
律:
えっ!?
澪:
入部希望の紙も書いたし…
律:
びり。
澪: あああああああ! 何すんだよおお、りつうう!
律:
ほーら、行くぞ。早く早くう!
澪:
ちょっとおお!
律:
えっ!? 廃部した?
さわ子:
正確には廃部寸前ね。昨年度までいた部員はみんな卒業しちゃって。今月中に四人(よにん)入部しないと、廃部になっちゃうの。
律:
ああ、だから誰もいなかったんだ音楽室。
唯:
せんせーー
さわ子:
はい、今行くわね。ゴメンネ、次音楽の授業あるから。頑張ってね…軽音部。
澪:
奇麗な先生だったなー。
律:
そういう問題じゃねえ。
さわ子:
このプリントをみんなに配っておいてね。プリントを…
唯:
ほ、ほい、失礼いたしやした。へへ、へへへ・・・
にらまれた!
律:
テンポ悪… 使えない子…
唯:
す…すいませーん。
さわ子:
大丈夫?
律:
ドジっ子…
澪:
廃部なら仕方ないな。私は文芸部に…
律:
誰もいないってことは、今入部すれば私が部長? へへー、悪くないわねーん。
唯:
あのー、さっき話してた軽音部って?
さわ子:
軽音部?
唯:
って何ですか?
さわ子:
軽い音楽と書いて軽音よ。
唯:
軽い…音楽…
さわ子:
そ、軽い音楽。
澪:
で、どうするの?
律:
入部希望者を待つ!!
澪:
待つの?
律:
待つ!! フン!!
澪:
帰ろっか…
紬:
あのー、見学したいんですけどお。
律:
おおおおおお!! 軽音部の!?
紬:
いえ、合唱部の。
律:
軽音部に入りませんか!?
紬:
あの、合唱部に…
律:
今部員が少なくて! お願いします! 後悔はさせません! あいて!
澪:
そんな強引な勧誘したら迷惑だろお!! じゃあ、あたしもう行くから。
律:
みお! あのときの約束は、嘘だったのか!? あたしがドラムで…みおがベースで…ずっと…ずっと…一緒にバンド組もうねって…約束…してたじゃない! 二人でライヴに行った…あの日…
澪:
これだ…
律:
これ…だよね…
律:
あの時の言葉は嘘だったのかー!!
澪:
その回想が嘘だ。
律:
ありっ? そうだっけ?
律:
これだよこれ!! バンドやろうよ!バンド!! うふう!!あはは!!
澪:
ってりつが強引に…
律:
みおもやるって言ったじゃん。
澪:
そうだけど…
律:
それでプロになったらギャラは7:3(ななさん)ね…って!
澪:
捏造すんな!
紬:
何だか楽しそうですね。キーボードくらいしか出来ませんけど、私でよければ入部させて下さい。
律:
はああああ! ありがとう! これであと一人入部すればあ!!っはー!!
澪:
あたしももう人数に入ってるのね…
律:
ええ・・と~
紬:
琴吹紬です。
律:
ドラムの田井中律。こっちはベースの秋山澪。うーーあとはーー、ギターだな!
和:
ゆい?
唯:
せっかく高校に入ったんだもん。何(なん)かしたいよねー。
和:
うん。すれば?
唯:
でも、何したらいいかわっかんないんだよおお!!
和:
はあ、やれやれ。
店員:
ご一緒にポテトもいかがですか?
紬:
はい、お願いいたします。
店員:
ありがとうございます。
紬:
うふふふふふ…
律:
どしたー?
紬:
わたし、ファーストフードのお店、初めてで…
律:
そうなの!?
紬:
ご一緒にポテトもいかがですかって言われるの憧れてたんです! あ、すみません。始めて下さい。
律:
お~、よし、作戦会議開始! 今月中に部員をあと一人獲得するために!
紬:
一体、何を…
律:
それをこれから考えるのさー。今入部したら、何かすんごい特典もらえるとかー。
紬:
特典?
律:
そ。何かもらえるとか。
紬:
車とか別荘とかですか?
澪:
凄いけど…無理。
律:
アイス奢るとか、宿題手伝うとか。
澪:
そんなことで入部するとは…
紬:
じゃあ、どうしたら…
律:
ぬるり~ん。
澪:
自分が飽きてどうする!
律:
じゃあ、ナンカカンガエテヨー
澪:
はぁ、も、帰りたい。
紬:
あのー、とりあえず…
律・紬:
せーのっ!
律:
もう…四月もあと…一週間…
紬:
誰も来てくれませんね…
澪:
バンドも組めずに廃部か…
律:
それはゼッタイイヤーーー!!
唯:
軽音楽か…
唯:
うんたんたんうんたんうんたんうんたん
先生:
唯ちゃん上手ねー。
唯:
よし!
唯:
とりあえず、軽音楽部ってところに入ってみました!
和:
へー、で、どんなことするの?
唯:
さあ?
和:
ええ?
唯:
でも、軽い音楽って書くから、きっと簡単なことしかやらないよー。口笛とか。
和:
なに、そのやる気の無いクラブ…
和:
ほら、何かバンドとかするみたいだよ。
唯:
ええ? 私ギターなんて弾けないよ。
和:
んー、じゃあ何(なん)なら弾けるの?
唯:
カ、カスタネット…
唯:
うんたんうんたんうんたん
和:
凄く似合うわ…
律:
ほら、これがさ、
xxx
さわ子:
こんにちはー。
3:
あ。こんにちは
さわ子:
入部希望者がいたわよ。はい。良かったわね。それと、素敵なティーセットだけど飲み終わったらちゃんと片付けてね。
3:
は~い。
律:
うっしゃあああ! 廃部がなくなるウウ
澪:
平沢唯。
律:
何か名前から凄そうだぞ…
澪:
やっぱ、ギターだよなあ?
紬:
楽しみですねえ?
律:
すっごーーい! 強力なメンバー加入う!
唯:
けいおんぶ…けいおんぶぅ?? ここを抜けないと軽音部に辿り着けない!
さわ子:
あらー。
さわ子:
軽音楽部なら音楽室よ。
唯:
ここかあ…。入ったばっかで言いにくいけど、やっぱり止めるって言おう。あ、でも、軽音部ってどんな人がいるのかな…
ク●ウザーさん:
ああ? 止めたいだとぉ? キサマ、タダで止められるとか思ってんのか? 殺害するぞ!?
唯:
どうしよおおお
はううひいいいいいいい! ののののちがいますちがいますちがちがちが!
律:
あっ、テンポ悪くて使えないドジっ子!
何やってんの?
唯:
は! びっくりしたあ。
律:
も、もしかして、あなたがひらさわゆいさん?
唯:
は、はい。
律:
入部希望の!?
唯:
は、はい?
律:
あっはああああああ! いろいろ誤解してて御免! ギターがスッゴクうまいんだよね!? 来てくれるの待ってたよー! おほおおうう!
唯:
なんか、あらぬ尾ひれがついてるよ。
律:
みんなー!
入部希望者がきたぞおお!
澪:
本当か!
紬:
わああ
澪:
ようこそ!軽音部へ!
紬:
歓迎いたしますわ!
律:
よーしむぎ、お茶の準備ダ!
紬:
はい~!
唯:
どおしよおおお…
紬:
どうぞ、召し上がって。
唯:
おいしい…! おいしい…!
止めるの…止めようかなあ?
律:
ひらさわさんはどんな音楽やりたいの?
唯:
うえ?
律:
どんなバンドが好きか?
唯:
え?
律:
好きなギタリストは?
唯:
えーっと…
やっぱ、言わなきゃ。実はギターなんて引けないって…
じじじじじじ・・・
澪:
ジミ・ヘンドリックス?
律:
おおおお!
唯:
いえええ…じじじ
澪:
ジミー・ペイジ?
律:
おおおお!
唯:
じじじじ
澪:
ジェフ・ベック?
唯:
ギタリストってじで始まる人多いの!?
律:
そっかああ! ジェフ・ベックかああ!
紬:
どなたあ?
澪:
ロックギタリストには二種類しかいない。ジェフ・ベックとジェフ・ベック以外だって言われている、常に新しいサウンドを追求する挑戦的なギタリスト!
紬:
まあ~
律:
さっすがあ! 渋いね~ひらさわさん!
唯:
あはあはははは…
律:
ひらさわさんみたいな人が入ってくれてよかったなー!
紬:
一週間以内にあと一人集まらなかったら、廃部になるところだったんです…
律:
ほんっとにありがとう!
唯:
益々言いづらいよ。でも…ちゃんと言わなきゃ…
あの! あの、申し訳ないんですけど、実は入部するの止めさせてくださいっていいにきたんです!
律:
ふえ?
唯:
ギターは引けないし、もっと違う楽器をやるんだと思って…
紬:
じゃあ、何ならできるの?
唯:
カスタ・・・ハ・ハーモニカ!
律:
あ!ハーモニカならあるよー。吹いてみて!
唯:
ゴメンなさい!吹けません!
澪:
でも、うちの部に入ろうって思ったって事は、音楽には興味あるってことよね?
紬:
他に入りたい部とかあるの~?
唯:
う、ううん。特には…
律:
せっかくのカモをここで手放すわけにはいかないぜ!
澪:
廃部を免れるために!
紬:
何とか引き止めないと!
唯:
本当にゴメンなさい!じゃ!
律:
あああ、ちょっと待って!
紬:
もう一杯お茶いかがあ?
唯:
んでもお。
紬:
クッキーとマドレーヌもあるの!
唯:
うん!
澪:
餌付けだ…
唯:
おいしい~。す、すみません。こんなにご馳走になるつもりじゃ…
律:
いいのいいの!
紬:
毎日こうやって一緒にお菓子を食べましょう!
澪:
何か趣旨が違って来て…
律:
ひらさわさん、他にはどんなものが好き?
唯:
おいしいものなら何でも…
律:
食べ物かよ…
家(うち)では休みの日とか何して過ごしてんの?
唯:
ごろごろ…かな?
紬:
好きなものとかある?
唯:
かわいいものが好き…かな?
澪:
苦手なものは…
唯:
暑いのも寒いのも苦手なんだー。冬は火燵に篭りっきりだしい、夏は床の上を転がってばっかりいるのー。
澪:
手ごわい!
律:
一体どうすれば…
紬:
わかりません…
唯:
あのーじゃあ…
律:
イカナイデ!オネガイ! ごろごろしてるだけでいいから!!
紬:
もっとおいしいお菓子持って来ますから!
唯:
ゴメンなさい、軽い気持ちで入部するなんて書いたから…期待させるだけさせて…何て謝ったらいいかああああふーんうううふーん
紬:
私達こそゴメンなさい。
澪:
無理に引き止めて悪かったな。
律:
じゃあ、せめてあたしたちの演奏だけでも聴いていって!
唯:
ううえっ!? 演奏してくれるのお!?
律:
うっ!? 食いついてきた
律:
どうだった?
唯:
なんていうか…すごく言葉にしにくいんだけど…
律:
うん!
唯:
あんまりうまくないですね!
律:
バッサリダー!
唯:
でも、何だかすっごく楽しそうでしたあ! 私、この部に入部します!
律:
バンザーイ!!
律:
ふふーんふふーん、ちょっとしつれーい。じゃあ、軽音部活動開始記念に!
澪:
ああ、私のカメラ…
律:
いっくよおおおおん!
唯:
あっ、でも私全然楽器できないし、あっ、マネージャーとかどうかなあ?
律:
いやあ、運動部じゃあないんだし。
紬:
そうだ、この機会にギターを始めてみたらどうかしら?
唯:
でっでも、すごく難しそうな…
律:
大丈夫だよおお! 私達も、分かるところは教えてあげるし!
唯:
あぉ… そうだね! さっきの演奏聴いてたら、私にもできるかもって思えてきた!
律:
ソレハヨカッタ。
和:
ええ!? 結局入部したんだ?
唯:
うーん! どうしてもって言われてえ。
和:
本気(まじ)でえ!? ああ、マネージャーとしてとかね!
唯:
う、人に言われると何かくやしい・・・。ちゃんとメンバーとして入ったんだから! ギター、一から教えてくれるってえ!
和:
へえ…。あっ、ということは新しくギター買ったりするんだあ?
唯:
ほぅ~ん、貸してくれないのかなぁ?
和:
くれないんじゃない?
唯:
五千円くらいで買えるよねー?
和:
こんな子 掴(つか) まされて大丈夫かしら…軽音部!
【予告】
唯:
こんにちはー
この3人が軽音部の仲間です。
紬:
めったに出会えない、とっても楽しくて愉快な人たちの仲間になりたかったの。
澪:
ゆ、ゆい・・・?
律:
うっしゃーっ! やるぞー! おー!
唯:
あ。あ、みんなー! へへへ・・・あいてっ!
唯:
高校生になったわたしは初めて・・・部活を始めました!
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おねえちゃ~ん、そろそろ起きないと… おねえちゃ…
唯:
は、8時!? 遅刻、遅刻!!
憂:
何で急ぐの?
唯:
[ちこく~! /いっふぇきまーす!]
おばさん: あら、ゆいちゃん。
唯:
おはよう!
唯:
あれ? 見間違えたー!
唯:
今日から…高校生!
OP
上級生: 入学おめでとうございまーす!/是非テニス部へ!/是非柔道部へ!/是非茶道部へ!/是非珠算部へ!/是非の是非!
和:
何唸ってるのよ、ゆい。
唯:
あーのどかちゃーん、実はどの部活に入ろうか迷って…
和:
えー!まだ決めてなかったの!? もう学校始まってから二週間もたってるよ!?
唯:
あ、でもでも、私運動音痴だし、文科系のクラブもよくわかんないし…
和:
はああ、こうやってニートが出来上がっていくのねー。
唯:
はっ! 部活やってないだけでニート!?
和:
振り返ってみると、ゆいって今まで何の部活もやってこなかったもんねー。
唯:
ぐさっ!
何かしなくちゃいけないような気がするんだけど、一体何をすればいいんだろう?
律:
みおーっ!
澪:
りつ?
律:
クラブ見学行こうぜー
澪:
クラブ見学?
律:
軽音部だよ、軽音部!
澪:
でも、私文芸部に入るつもりだし…
律:
えっ!?
澪:
入部希望の紙も書いたし…
律:
びり。
澪: あああああああ! 何すんだよおお、りつうう!
律:
ほーら、行くぞ。早く早くう!
澪:
ちょっとおお!
律:
えっ!? 廃部した?
さわ子:
正確には廃部寸前ね。昨年度までいた部員はみんな卒業しちゃって。今月中に四人(よにん)入部しないと、廃部になっちゃうの。
律:
ああ、だから誰もいなかったんだ音楽室。
唯:
せんせーー
さわ子:
はい、今行くわね。ゴメンネ、次音楽の授業あるから。頑張ってね…軽音部。
澪:
奇麗な先生だったなー。
律:
そういう問題じゃねえ。
さわ子:
このプリントをみんなに配っておいてね。プリントを…
唯:
ほ、ほい、失礼いたしやした。へへ、へへへ・・・
にらまれた!
律:
テンポ悪… 使えない子…
唯:
す…すいませーん。
さわ子:
大丈夫?
律:
ドジっ子…
澪:
廃部なら仕方ないな。私は文芸部に…
律:
誰もいないってことは、今入部すれば私が部長? へへー、悪くないわねーん。
唯:
あのー、さっき話してた軽音部って?
さわ子:
軽音部?
唯:
って何ですか?
さわ子:
軽い音楽と書いて軽音よ。
唯:
軽い…音楽…
さわ子:
そ、軽い音楽。
澪:
で、どうするの?
律:
入部希望者を待つ!!
澪:
待つの?
律:
待つ!! フン!!
澪:
帰ろっか…
紬:
あのー、見学したいんですけどお。
律:
おおおおおお!! 軽音部の!?
紬:
いえ、合唱部の。
律:
軽音部に入りませんか!?
紬:
あの、合唱部に…
律:
今部員が少なくて! お願いします! 後悔はさせません! あいて!
澪:
そんな強引な勧誘したら迷惑だろお!! じゃあ、あたしもう行くから。
律:
みお! あのときの約束は、嘘だったのか!? あたしがドラムで…みおがベースで…ずっと…ずっと…一緒にバンド組もうねって…約束…してたじゃない! 二人でライヴに行った…あの日…
澪:
これだ…
律:
これ…だよね…
律:
あの時の言葉は嘘だったのかー!!
澪:
その回想が嘘だ。
律:
ありっ? そうだっけ?
律:
これだよこれ!! バンドやろうよ!バンド!! うふう!!あはは!!
澪:
ってりつが強引に…
律:
みおもやるって言ったじゃん。
澪:
そうだけど…
律:
それでプロになったらギャラは7:3(ななさん)ね…って!
澪:
捏造すんな!
紬:
何だか楽しそうですね。キーボードくらいしか出来ませんけど、私でよければ入部させて下さい。
律:
はああああ! ありがとう! これであと一人入部すればあ!!っはー!!
澪:
あたしももう人数に入ってるのね…
律:
ええ・・と~
紬:
琴吹紬です。
律:
ドラムの田井中律。こっちはベースの秋山澪。うーーあとはーー、ギターだな!
和:
ゆい?
唯:
せっかく高校に入ったんだもん。何(なん)かしたいよねー。
和:
うん。すれば?
唯:
でも、何したらいいかわっかんないんだよおお!!
和:
はあ、やれやれ。
店員:
ご一緒にポテトもいかがですか?
紬:
はい、お願いいたします。
店員:
ありがとうございます。
紬:
うふふふふふ…
律:
どしたー?
紬:
わたし、ファーストフードのお店、初めてで…
律:
そうなの!?
紬:
ご一緒にポテトもいかがですかって言われるの憧れてたんです! あ、すみません。始めて下さい。
律:
お~、よし、作戦会議開始! 今月中に部員をあと一人獲得するために!
紬:
一体、何を…
律:
それをこれから考えるのさー。今入部したら、何かすんごい特典もらえるとかー。
紬:
特典?
律:
そ。何かもらえるとか。
紬:
車とか別荘とかですか?
澪:
凄いけど…無理。
律:
アイス奢るとか、宿題手伝うとか。
澪:
そんなことで入部するとは…
紬:
じゃあ、どうしたら…
律:
ぬるり~ん。
澪:
自分が飽きてどうする!
律:
じゃあ、ナンカカンガエテヨー
澪:
はぁ、も、帰りたい。
紬:
あのー、とりあえず…
律・紬:
せーのっ!
律:
もう…四月もあと…一週間…
紬:
誰も来てくれませんね…
澪:
バンドも組めずに廃部か…
律:
それはゼッタイイヤーーー!!
唯:
軽音楽か…
唯:
うんたんたんうんたんうんたんうんたん
先生:
唯ちゃん上手ねー。
唯:
よし!
唯:
とりあえず、軽音楽部ってところに入ってみました!
和:
へー、で、どんなことするの?
唯:
さあ?
和:
ええ?
唯:
でも、軽い音楽って書くから、きっと簡単なことしかやらないよー。口笛とか。
和:
なに、そのやる気の無いクラブ…
和:
ほら、何かバンドとかするみたいだよ。
唯:
ええ? 私ギターなんて弾けないよ。
和:
んー、じゃあ何(なん)なら弾けるの?
唯:
カ、カスタネット…
唯:
うんたんうんたんうんたん
和:
凄く似合うわ…
律:
ほら、これがさ、
xxx
さわ子:
こんにちはー。
3:
あ。こんにちは
さわ子:
入部希望者がいたわよ。はい。良かったわね。それと、素敵なティーセットだけど飲み終わったらちゃんと片付けてね。
3:
は~い。
律:
うっしゃあああ! 廃部がなくなるウウ
澪:
平沢唯。
律:
何か名前から凄そうだぞ…
澪:
やっぱ、ギターだよなあ?
紬:
楽しみですねえ?
律:
すっごーーい! 強力なメンバー加入う!
唯:
けいおんぶ…けいおんぶぅ?? ここを抜けないと軽音部に辿り着けない!
さわ子:
あらー。
さわ子:
軽音楽部なら音楽室よ。
唯:
ここかあ…。入ったばっかで言いにくいけど、やっぱり止めるって言おう。あ、でも、軽音部ってどんな人がいるのかな…
ク●ウザーさん:
ああ? 止めたいだとぉ? キサマ、タダで止められるとか思ってんのか? 殺害するぞ!?
唯:
どうしよおおお
はううひいいいいいいい! ののののちがいますちがいますちがちがちが!
律:
あっ、テンポ悪くて使えないドジっ子!
何やってんの?
唯:
は! びっくりしたあ。
律:
も、もしかして、あなたがひらさわゆいさん?
唯:
は、はい。
律:
入部希望の!?
唯:
は、はい?
律:
あっはああああああ! いろいろ誤解してて御免! ギターがスッゴクうまいんだよね!? 来てくれるの待ってたよー! おほおおうう!
唯:
なんか、あらぬ尾ひれがついてるよ。
律:
みんなー!
入部希望者がきたぞおお!
澪:
本当か!
紬:
わああ
澪:
ようこそ!軽音部へ!
紬:
歓迎いたしますわ!
律:
よーしむぎ、お茶の準備ダ!
紬:
はい~!
唯:
どおしよおおお…
紬:
どうぞ、召し上がって。
唯:
おいしい…! おいしい…!
止めるの…止めようかなあ?
律:
ひらさわさんはどんな音楽やりたいの?
唯:
うえ?
律:
どんなバンドが好きか?
唯:
え?
律:
好きなギタリストは?
唯:
えーっと…
やっぱ、言わなきゃ。実はギターなんて引けないって…
じじじじじじ・・・
澪:
ジミ・ヘンドリックス?
律:
おおおお!
唯:
いえええ…じじじ
澪:
ジミー・ペイジ?
律:
おおおお!
唯:
じじじじ
澪:
ジェフ・ベック?
唯:
ギタリストってじで始まる人多いの!?
律:
そっかああ! ジェフ・ベックかああ!
紬:
どなたあ?
澪:
ロックギタリストには二種類しかいない。ジェフ・ベックとジェフ・ベック以外だって言われている、常に新しいサウンドを追求する挑戦的なギタリスト!
紬:
まあ~
律:
さっすがあ! 渋いね~ひらさわさん!
唯:
あはあはははは…
律:
ひらさわさんみたいな人が入ってくれてよかったなー!
紬:
一週間以内にあと一人集まらなかったら、廃部になるところだったんです…
律:
ほんっとにありがとう!
唯:
益々言いづらいよ。でも…ちゃんと言わなきゃ…
あの! あの、申し訳ないんですけど、実は入部するの止めさせてくださいっていいにきたんです!
律:
ふえ?
唯:
ギターは引けないし、もっと違う楽器をやるんだと思って…
紬:
じゃあ、何ならできるの?
唯:
カスタ・・・ハ・ハーモニカ!
律:
あ!ハーモニカならあるよー。吹いてみて!
唯:
ゴメンなさい!吹けません!
澪:
でも、うちの部に入ろうって思ったって事は、音楽には興味あるってことよね?
紬:
他に入りたい部とかあるの~?
唯:
う、ううん。特には…
律:
せっかくのカモをここで手放すわけにはいかないぜ!
澪:
廃部を免れるために!
紬:
何とか引き止めないと!
唯:
本当にゴメンなさい!じゃ!
律:
あああ、ちょっと待って!
紬:
もう一杯お茶いかがあ?
唯:
んでもお。
紬:
クッキーとマドレーヌもあるの!
唯:
うん!
澪:
餌付けだ…
唯:
おいしい~。す、すみません。こんなにご馳走になるつもりじゃ…
律:
いいのいいの!
紬:
毎日こうやって一緒にお菓子を食べましょう!
澪:
何か趣旨が違って来て…
律:
ひらさわさん、他にはどんなものが好き?
唯:
おいしいものなら何でも…
律:
食べ物かよ…
家(うち)では休みの日とか何して過ごしてんの?
唯:
ごろごろ…かな?
紬:
好きなものとかある?
唯:
かわいいものが好き…かな?
澪:
苦手なものは…
唯:
暑いのも寒いのも苦手なんだー。冬は火燵に篭りっきりだしい、夏は床の上を転がってばっかりいるのー。
澪:
手ごわい!
律:
一体どうすれば…
紬:
わかりません…
唯:
あのーじゃあ…
律:
イカナイデ!オネガイ! ごろごろしてるだけでいいから!!
紬:
もっとおいしいお菓子持って来ますから!
唯:
ゴメンなさい、軽い気持ちで入部するなんて書いたから…期待させるだけさせて…何て謝ったらいいかああああふーんうううふーん
紬:
私達こそゴメンなさい。
澪:
無理に引き止めて悪かったな。
律:
じゃあ、せめてあたしたちの演奏だけでも聴いていって!
唯:
ううえっ!? 演奏してくれるのお!?
律:
うっ!? 食いついてきた
律:
どうだった?
唯:
なんていうか…すごく言葉にしにくいんだけど…
律:
うん!
唯:
あんまりうまくないですね!
律:
バッサリダー!
唯:
でも、何だかすっごく楽しそうでしたあ! 私、この部に入部します!
律:
バンザーイ!!
律:
ふふーんふふーん、ちょっとしつれーい。じゃあ、軽音部活動開始記念に!
澪:
ああ、私のカメラ…
律:
いっくよおおおおん!
唯:
あっ、でも私全然楽器できないし、あっ、マネージャーとかどうかなあ?
律:
いやあ、運動部じゃあないんだし。
紬:
そうだ、この機会にギターを始めてみたらどうかしら?
唯:
でっでも、すごく難しそうな…
律:
大丈夫だよおお! 私達も、分かるところは教えてあげるし!
唯:
あぉ… そうだね! さっきの演奏聴いてたら、私にもできるかもって思えてきた!
律:
ソレハヨカッタ。
和:
ええ!? 結局入部したんだ?
唯:
うーん! どうしてもって言われてえ。
和:
本気(まじ)でえ!? ああ、マネージャーとしてとかね!
唯:
う、人に言われると何かくやしい・・・。ちゃんとメンバーとして入ったんだから! ギター、一から教えてくれるってえ!
和:
へえ…。あっ、ということは新しくギター買ったりするんだあ?
唯:
ほぅ~ん、貸してくれないのかなぁ?
和:
くれないんじゃない?
唯:
五千円くらいで買えるよねー?
和:
こんな子 掴(つか) まされて大丈夫かしら…軽音部!
【予告】
唯:
こんにちはー
この3人が軽音部の仲間です。
紬:
めったに出会えない、とっても楽しくて愉快な人たちの仲間になりたかったの。
澪:
ゆ、ゆい・・・?
律:
うっしゃーっ! やるぞー! おー!
唯:
あ。あ、みんなー! へへへ・・・あいてっ!
唯:
高校生になったわたしは初めて・・・部活を始めました!