デュラララ!! 第3話 「跳梁跋扈」

(竜ヶ峰帝人)ダラーズ?
(紀田正臣)オレも 詳しいことは分かんねぇんだけどよ
とにかく 人数が多くて
線が一本 ぶち切れたチームらしい。

(杏里)初日から 欠席なんて…。
(誠二)知らないったら!

(正臣)
とにかく 平和島静雄ってヤツには
近づくなよ。
(帝人)
おりはらいざや?
(正臣)
こいつは やばいから
絶対に かかわるなよ。
ああ~ サイモンってさ
そこのロシア人が やってる
寿司屋の客引き やってんだ。




(サイモン)ハラショー ハラショー!
ロシアズシよ。
ウマイよ ヤスイよ~!
おにいサン 逃げないネ!
ロシアズシよ~!
ふぅ~…。

(ロシア人の観光客)
Excuse me.

(サイモン ナレーション)
「北には 大規模な歓楽街があり
1日に 100万人の人が
集まるといわれている
巨大な街 池袋」

「この街は
異邦人で あふれている」
「彼も そして 彼女も
何かを探し 何かを求め
この街に やってくる」
何かを変えようと この街に…」



(北駒)うん うん うん。
クラス委員が
まだ 決まってないが
誰か 立候補する者は いないか?

(サイモン)「新しい街…」
「誰も
かつての自分を知る者は いない」
「新しい自分になれるチャンス」
「だが…」

(帝人)あっ…。
(北駒)ん… ああ~
園原… 園原杏里か。
ほかは いないか?
じゃあ 女子は 決定。
園原 あとは頼むな。

(杏里)あ… あの…
それでは 男子で クラス委員を
やりたい人 いませんか

(帝人・心の声)≪やってみたいような…
でも めんどくさいような…≫
≪でも ほかの人に やられるのも
なんだか しゃくなような…≫

(帝人)あっ。

・お前 やれよ。
・えっ? マジで オレ?
・でも めんどくさくねぇ?
・あいつの相手 するんだぜ。

(帝人)はい。
(一同)あっ…。

(杏里)え… えっと…。
ははっ…。

(帝人)
竜ヶ峰… 帝人です。

園原さん。 あ… あの…
明日の
ほかのクラスとの連絡会だけど
僕 こういうの
あんまり やったことなくて…。

(杏里)すみません!
用があるので これで。

(帝人)あっ!

(正臣)
お前も 隅に置けないなぁ。
小学校のときは 幼なじみと
噂を立てられただけで
泣いてた お前が
自分から積極的に
ラブラブ ランデブーで
ハンターチャンスとは。

(帝人)はいはい。
(正臣)だが 最後のひと押しが甘い。
そんなこっちゃ
せっかく 東京 出てきたって
ウハウハの 学園ラブコメ生活は
送れないね… っと。
(帝人)
うっ… 別に そんなんじゃ…。

(正臣)
というわけで ナンパに行こう?



(正臣)
今こそ オレ? 今から オレ?
今 オレ モテ期到来みたいな~?

(帝人・心の声)≪そりゃ 高校生に 誘われたってね…≫

(サイモン)「変化を求め この街に やってくる者たち」
「だが そう簡単に 変化など 起こりはしない」
「場所が変わろうとも そこにいるのは 確実に 昔のままの自分だ」

女子高生#1)ええ~ 嫌だ。
女子高生#2)私 彼氏いるから。

(正臣)関係ない! ナンパされて お茶したって それは 浮気のうちに入らないから~。

女子高生#3)あっ ねえねえ 知ってる?
ユミの新しい彼氏 ダラーズなんだって。

女子高生#2)ええ~ マジで~!?
女子高生#1)怖くないのかな?

(正臣)興味深いね~。 お茶でも飲みながら ゆっくりと~。

女子高生#2)ダラーズって 暴走族みたいなもん?
女子高生#1)ええ~?

(サイモン)
「この街には 徒党を組み 時に 暴力的な行為を行う者がいる」
「彼らは それぞれの組織ごとに 自分たちの象徴となる色を 持っており カラーギャングと呼ばれている」
「しかし 昨今 勢力を伸ばしている そのチームは 特定の色を持たない」
「強いていえば 無色透明」
「それが ダラーズのチームカラーだ」
「専用のウェブサイトを通じ 構成員を増やしていく 特殊なチームだといわれている」

女子高生#3)
あっ 最近 起きてる 切り裂き魔の事件も ダラーズの仕業だって噂だよね。

女子高生#2)
えっ そうなの?

(正臣)だから~ 詳しい話は お茶でもしながら~。

田中「ダラーズって聞いた事だります?
甘楽「ダラーズ?」 「ええ、知ってますよ♪
田中「どんな人たちなんですか?」
甘楽「ダラーズはすごいんっです!」
甘楽「こないだチャイニーズマフィアと話をつけたらしいし」
甘楽「こないだヤクザが刺された事件も、そのダラーズの下っ端の仕業なんだって!」


(正臣)あぁ~あ まったく~
お前が 暗い顔してるから
逃げられちまったじゃないか。

・(狩沢)紀田君~!
(2人)ん?

(正臣)こんちは~っす。

(遊馬崎)ええっと~ 名前が 漫画みたいな… 帝人君っすね!
(狩沢)「とらのあな」 一緒に行く?
(遊馬崎)今日は… スージー安田先生の サイン会っすよ~!
(門田)そういう話を大声でするな。
(遊馬崎)ええっ なんで? スージー先生の話して…。

セットン「ダラーズ?」
セットン「はい、名前くらいなら……」
田中太郎「今日、友達から噂を聞いたんですけど…」
セットン「うーん、」
セットン「実際に見た事はないんですけど、本当にあるんですかね?」
田中太郎「ネット上の虚構だと?」
セットン「いや、判りませんけど…」
セットン「本当にあるチームでも、あんまりそう言うのに近付か
セットン ない方がいいですよね。」

(遊馬崎)ダラーズ?
サンシャイン60の地下に 封印されたフレイムヘイズと 日夜 戦いを繰り広げているんっすよね!?

(狩沢)違うよ ゆまっち。 パンツを見せながら 空を飛ぶ ぴぴるぴるぴる天使だよ。

(門田)どうして ダラーズのことなんか聞くんだ?

(帝人) あっ… どうしてって言われても…。

さっきの話 聞いてて
びびっちまったのか?

(門田)オレも
いろいろ 噂は聞いている
かなり危ないヤツらだってな。
そうなんですか?
(門田)興味本位で
近づかない方がいい。
余計な詮索は
よしておくことだな。

(遊馬崎) 門田さん 格好いい~!
大人なムードの 主人公の兄貴分キャラって感じ?

(狩沢)おやじ好きな女子に 人気なタイプ~?

(サイモン・ナレーション)「街には 足を踏み入れては いけない場所もある」

(サイモン)オナカ 壊さないネ~! 一回 試しに 食べてみるヨ~。 一回くらいナラ 死なないヨ。

(トム)腹 減ったなぁ。
(静雄)そうっすね。

(トム)次の回収 行く前に 軽く…。
(エンジン音)ヒヒィーーン!

(男の声)首なしライダー!
(女の声)うそ!?

(SFX)ブオォーー!

(トム)昼間っから オカルトかよ。
(静雄)頑張るなぁ。

(サイモン)「時に 街に飲まれ 姿を消す者もいる」
「そんな誰かを 必死に 捜す者も…」

(誠二)≪会える。 必ず見つかる。
オレの愛が 彼女を 呼び寄せてみせる≫

(杏里)あっ…。
張間さん?
はぁ… はぁはぁはぁ…。
張間さん! ふふっ。
あっ…。 あっ。 あっ… うっ…
ひ… 人違いでした!
失礼しました!

(サイモン)「そして
街は 危険で あふれている」

(杏里)はぁはぁはぁ…。
・コツコツ…(足音)
・(陽子)ちょっと。

「ここにも…」

(正臣)
ねえ とりあえず お茶しない?
はぁ~。

(サイモン)「 そこにも…」

「変化を 求めていたはずだった」

ふぅ~。
・あはははっ!
マジかよ! あははっ! はははっ!

「新しい街で 何かが変わるような 何かが
起こるような気がしていた」
「だが 自分を待っていたのは 一見 きらびやかな街の陰に潜む 深い闇」
「足が すくむ」
「本当に 自分は この街で生きていけるか… おじけづく」

(正臣)お前の気持ちは 分かる。
(帝人)えっ?

(正臣)電車に乗れば 痴漢扱い
街を歩けば 怪しげな勧誘
家に帰れば ご近所トラブル!
おまけに ダラーズ 首なしライダー。
それが 東京コンクリートジャングル!
だが! 乗り越えろ!
立派な池袋人になると 誓ったのなら
この試練を 乗り越えてみせるのだ 帝人!
竜ヶ峰… 帝人!!

(帝人)うっ…。

(正臣)ふっ! まっ オレが ついてっから
心配すんなって。

(帝人)ふっ… 紀田君…。

(正臣)それから ナンパのときは 明るく笑顔。 笑顔だ。

(帝人)でも 社会人を ナンパするのは さすがに 無理だと思うけど。

(正臣)何 言ってんの?
話しかけるの自体が目的だからいいんだよ。

(帝人)あっ…。

(晴子)あんたさ
張間美香が いなくなったのに
でかい顔してるみたいじゃない?

(陽子)クラス委員に なったんだって?

(正臣)わっ いじめ! しかも ものすごくベタな。

(帝人)ここまで コテコテだと
さすがに 怖くないかも。

・(秋絵)
陽子の彼氏 ダラーズなんだよ。
・(陽子)ヒロシ!
(帝人)あっ…。

(ヒロシ)YO ユー! オレの ダラーズブラザー 呼んであるから ワックワックしよ~ぜ ナ~ミン!

(サイモン)「この手の輩が やることは 万国共通である>

(正臣)かぁ~! ここまで ベタだと すがすがしいね。

(帝人・心の声)≪やっぱり 助けるべきだよな≫
≪でも どうやって?≫

(帝人)君たち やめたまえ!
(ヒロシ)ひゃっは~!

(帝人・心の声)≪ダメだ やられる。 じゃあ…≫

(帝人)やあ 園原さん 偶然だね。 じゃあ。
(杏里)ああ… 格好いい。

(帝人・心の声)≪これだ これしかない≫

・(臨也)いじめ?
(帝人) あっ…。
(臨也)やめさせに行くつもりなんだ。

(サイモン)「そして この街では 想像を超える出来事が 度々 起きる」

(臨也)ふっ。
(帝人)あっ あの… えっ? えっ?  えっ? なっ 何? えっ? あっ…。
(5人)ん?
(帝人)ちょっ… ちょっと待って。 うわっ! とっとっとっと… と?
(陽子)何?
(帝人)え… えっと…。
(臨也)いじめ 格好悪い。
(6人)ん?

(臨也)実に よくない。
(晴子)おっさんには 関係ねぇだろ。

(臨也)ああ。 君たちが ここで 殴られようが のたれ死のうが 関係ない。
オレが 君たちを殴っても 君たちが まだ23歳のオレを おっさんと呼ぼうが 君たちと オレの無関係は 永遠だ。

(陽子)はあ? 人間って希薄だよね。 まあ オレに 女の子を傷つける趣味はないけど。
(SFX)シュッ!
(陽子)えっ? あっ…。
(晴子)あぁ…。
(臨也)だから 女の子の携帯を 踏みつぶすことを 趣味に…するよ。
(3人)あっ…。

(臨也)ははははっ! ふははっ! あはははっ! はははっ! ははははっ!
(秋絵)うっ… ちょっ…。

(臨也)あはははっ! あはははっ!

(秋絵)何 こいつ。
(臨也)あはははっ! ははっ…。 飽きちゃった。
携帯を 踏みつぶす趣味は もう やめよう。

(秋絵・晴子)ひぃ~…。
(陽子)ヒ… ヒロシ~!

(ヒロシ)YO YO YO! ヘイ メ~ン!
(臨也)暴力? おお~ 怖い 怖い!
(ヒロシ)てっ てめぇ!
(SFX)シュッ!
(臨也)おっと~。 降参~!
ヒューー(風の音)
(ヒロシ)ああっ!? うわぁ~~!
(晴子・陽子・秋絵)い… いやぁ~!

(ヒロシ)ああっ 待て! 待ってくれ~! くっ! ううっ!
・覚えてろよ~!

(臨也)ふふふふっ…。 妖怪かまいたち 参上。



(臨也)いやぁ~ 本当に偉いよね
いじめられてる子を助けようとするなんて。

(杏里)えっ?
(帝人)あっ… へへっ。

(臨也)久しぶりだね 紀田正臣君。
(正臣)ああ… どうも。
(臨也)その制服 来良学園だね。 入学おめでとう。
(正臣)ええ お陰さまで。
珍しいっすね 臨也さんが 池袋にいるなんて。

(帝人・心の声)≪この人が 敵に回しちゃいけない 折原臨也?≫

(帝人) あっ…。
(正臣) ああ こいつは オレの ただの友達です。
(臨也)ふ~ん オレは 折原臨也。 よろしく。
(帝人) あっ りゅ… 竜ヶ峰帝人です。
(臨也)ははっ エアコンみたいな名前だね。



(帝人)あっ はあ…。
(正臣)それで なんで 池袋に?

(臨也)ちょっと 人に会いにね。
(帝人)えっ…。
(臨也)もう会えた。
(帝人)えっ?

(SFX)ガシャーン!
(臨也)うわっ!

(帝人・心の声)≪うそ… あれ コンビニのゴミ箱?≫
≪今 飛んできた? なんで?≫
(正臣)やべぇ~…。
(臨也)うっ…。
(静雄)い~ざ~や~く~ん。

(帝人・心の声)≪バーテンさん?≫

(静雄)池袋には 二度と来るなって 言わなかったっけか?
い~ざ~や~君よ~!
(臨也)シズちゃん…。 君が働いてるのは 西口じゃなかったっけ?
(静雄)とっくに クビさ。
それに その呼び方は やめろって言ってんだろ?
オレには 平和島静雄って名前があるってよ。

(帝人・心の声)≪平和島静雄?≫
≪またまた 敵に回しちゃいけない人≫

(臨也)やだなぁ シズちゃん。
君に 罪を なすりつけたこと まだ 怒ってるのかな?
(静雄)怒ってないぞ。 ただ ぶん殴りたいだけさ。
(臨也) シズちゃんの暴力ってさ
理屈も言葉も 通じないんだから
苦手だよ。 困ったなぁ~。見逃してよ。

(杏里)あぁ…。
あっ。

(ヒロシ)いた! あいつだ!
(ヒロシ)てめぇ
よくも 恥かかせてくれたな!
ダラーズを なめると
どうなるか… ああっ?
ってか バーテン服?
(ヒロシ)うそ!? いや
さっきは いなかった。
へ… 平和島静雄!?

なんだ てめぇら!?
(5人)うっ…。

(サイモン)「恐怖を前に 人は
冷静な判断力を 失ってしまう」

うわぁ~~!!
ガン!

(2人)はっ!
(一同)あぁ…。

(静雄)うっ うぅ…。 ううぅ~!

(静雄)お前 今 頭 狙ったな?
打ち所が悪けりゃ 死んじまうって
分かってるよなぁ?
分かってて やったってことは
殺す気だったってことだよなぁ?
じゃあ
何をされても 文句は ねぇよなぁ?
バキッ!

(一同)ああっ!

(サイモン)圧倒的な力を持つ者は
人に 本能的な恐怖を 抱かせる」

「暴力が 服を着ているような
暴力だけで 生きているような
いや
彼そのものが暴力… そんな男」

(静雄)ううっ! くっ!
バキッ!

ドカッ! ドカッ! ゴン!
うぅ…。


バキッ! ドカッ! バキッ!
ひぃ~!
あっ! バカ 逃げるな! 相手は…。

ドカッ!
(ヒロシ)うぎゃ~!!

じゃ お疲れ~。
ちっ!
くっ! うおぉ~~。
バコッ!

(静雄)逃がさねぇ。 お~らぁ~!!
(サイモン)とう~!
ガシャーン!

≪なんで? どうして 上から?≫

(サイモン)
「つっこみ所が 間違っているが
念のため答えると ビルの最上階に住む
お得意さんのところに 出前に来ていたのだ」

(静雄)サイモン てめぇ…。
(サイモン)静雄 ケンカ よくないネ~。

(静雄)
うるせぇ! 邪魔すんな!
おお~!!
ガッ!
あぁ…。
あっ。

おい 帝人 今のうちに…。
くっ!

(杏里)えっ? あっ!
えっ? うそ! 帝人~!

(帝人)
はぁはぁ… はぁ… はぁ…。
えっ? あっ 待って… ちょっと
うっ… 息… 苦しい…。
はぁはぁ はぁはぁ…
はぁ~。
ん? ああっ ご… ごめん。

(サイモン)「街が
贈り物をくれることもある」
「とても小さな… だが 大きな奇跡を」

「望んでいた冒険」
「新たな物語が始まる可能性」
「 そして…」

あ あの…。
ありがとうございました。

えっ?
失礼します。

えっ? ああっ!

「何も始まらないこともある」

(誠二)あっ。
(誠二)あっ…。 見つけた オレの愛。


・ブオォーー!
あっ。

また ダラーズが やったって。
知ってる~。 平和島静雄って人と
真っ昼間から 大乱闘でしょ。
ダラーズが ケンカ売ったらしいぜ。

静雄とダラーズの 抗争勃発。

(静雄)ふぅ~。
臨也が 池袋に来ててさ
今度こそ 息の根を
止めてやろうと思ったら サイモンに 邪魔された。

しかし あいつ…
何しに来やがったんだ?

(サイモン)「この街は 異邦人で あふれている」
「何かを探し 何かを求め この街に やってくる」
「何かを変えようと この街に」

イラッシャ~イ イラッシャ~イ!

「かくいう私も…」

(サイモン)スシ食いネェ~!

<次回予告>
(新羅)
僕の話を聞いてくれ。
他に類のない
僕と彼女の話を
どうか 最後まで聞いてほしい。
きっと あなたは 戦戦慄慄
心神喪失になるだろう。
(サイモン)「