キョンぼやき
女子と肩を並べて下校する、なんてのは・・・・・・実に学生青春ドラマ的で、オレだってそういう生活を夢に見なかったかって言うと嘘になる。
オレは現在その夢を実現させているわけなのだが、ちいっとも楽しくないのはどうしたことだろう。

ハルヒ
あぁあっちね、何か言った?

キョン
いや、なにも。

ハルヒ
んっ

キョン
はぁっ。

キョンぼやき
・・・・・・そろそろ長門の住んでるマンションだ。

OP

ハルヒ
朝倉はここの505号室に住んでたみたい

キョン
なるほどね

ハルヒ
なにがなるほどよ

キョン
いや、なんでも

キョン
それよりどやって入るつもりだ?
おまえあれのナンバーしってんのか?

ハルヒ
しらない。こういうときは持久戦ね?
はっ
うぉっ

キョン
なんとっ

ハルヒ
んっ早く来なさいよ

ハルヒ:
とにかく絶対おかしいわ!
いきなりカナダへ転校。
その上、誰も引っ越し先を知らないなんて。

キョン:
それは、さっき聞いた。

ハルヒ:
おかしなことがまだあるのよね。
朝倉って、この市内の中学から北高に来たんじゃないらしいのよ。

キョン:
そりゃまあそうだろうな。

ハルヒ:
調べてみたらどこか市外の中学から越境入学したわけ。
絶対おかしいでしょ。
別に北高は有名進学校でもなんでもない、ただのありふれた県立校よ。
なんでわざわざそんなことするわけ?

キョン:
知らん

ハルヒ:
でも住居はこんなに学校の近くにある。
しかも分譲よ、このマンション。賃貸じゃないのよ。
立地もいいし、たかいのよ、ここ。
市外の中学へここから通っていたの?

キョン:
だから、知らん

ハルヒ
朝倉がいつからここに住んでたか調べる必要があるわね

キョン
もう空き部屋なんだ、開くはず無いだろ

キョンぼやき
我ながら時間の無駄なことをしてると思う

ハルヒ
ふぁぁ

ハルヒ
管理室に行きましょ

キョン
鍵貸してくれるとは思えないけどな

ハルヒ
そうじゃなくて朝倉がいつからここに住んでるのか聞くためよ

キョン:
あきらめて帰ろうぜ。そんなん解ったところでどうしようもないだろ。

ハルヒ:
ダメ!

ハルヒ
あたしたちここに住んでた朝倉涼子さんの友達なんですけど、彼女ったら急に引っ越しちゃって連絡先とか分かんなくて困ってるんです
はっ
どこに引っ越すとか聞いてませんか?
それから、いつから朝倉さんがここに入っていたのか教えてほしいんです。

キョンぼやき
こういう常識的な口の利き方もできるのか

管理人
はぁ?

ハルヒ
朝倉涼子さんの引っ越し先と、いつからここに住んでたか教えてほしいんです?

管理人
あぁ505号室の朝倉さんね
引っ越し屋が来た様子もないのに部屋が空っぽになって、も度肝抜かれたわ、抜かれちゃったの。

ハルヒ:
引っ越し屋が来てない・・・

管理人:
転居先は聞いとらんなー。
後から荷物やなんか届いたら送らにゃーならんのに、困っとるんだわ。

ハルヒ:
いつぐらいからここに住んでたんですか?

管理人
三年ほど前だったかな
ふっ。めんこいお嬢さんがわしんとこに和菓子のおりづめ持ってきたから覚えとる

ハルヒ
ご両親は
お父さんとお母さんがどういう仕事してたかわかりますか?

管理人
さぁて、そういえばお嬢さんの方はたびたび目にしたが、両親さんとはついぞ挨拶したこと無いの


ハルヒ
でも、このマンションって高いでしょ?
子供をひとり暮らしさせるためにわざわざローンを組んで買うとは思えないんですけど

管理人
いやいや、ローンでなくて一括ニコニコ現金払いじゃった
えれぇ金持ちじゃと思ったもんじゃ

キョンぼやき
うまく聞き出すモンだ探偵にでもなればいい

管理人
せめて一言別れ言いたかったのに残念なことだ。
あ、ところで、あ、あんたもなかなかめんこい顔してるの。

ハルヒ
ご丁寧にありがとうございました。

管理人
少年、その娘さんはいまにきっと美人になるべぇ取り逃がすんでないよ。

ハルヒ:
あら!

キョン:
んー! こいつも飯は食うんだな。

ハルヒ:
ひょっとしてあんたもこのマンションなの? 奇遇ねえ。

キョン:
どう考えても奇遇じゃないだろ。

ハルヒ:
だったら朝倉のこと、何か聞いてない?
転校したの知ってるでしょ?

ハルヒ:
そう。もし何か解ったら教えてよね。いい?
眼鏡どうしたの?

キョン:
俺を見られても困るんだな。

ハルヒ:
うん

長門:
気をつけて

キョン:
今度は何に気をつけりゃいいんだ。

ハルヒ:
行くわよ!

キョン:
これからどこに行くつもりなんだ?

ハルヒ:
別に

キョン:
No plan.

キョン:
俺、もう帰っていいか?

ハルヒ:
あんたさ、自分がこの地球でどれほどちっぽけな存在なのか自覚したことある?

キョン:
何を言い出すんだ。

ハルヒ:
あたしはある。忘れもしない。
小学生の、六年生の時。
家族みんなで野球を見に行ったのよ球場まで。
あたしは野球なんか興味なかったけど。
着いて驚いた。
見渡す限り人だらけなのよ。
野球場の向こうにいる米粒みたいな人間がびっしり蠢いているの。
日本の人間が残らずこの空間に集まっているんじゃないのかと思った。
でね、親父に聞いてみたのよ。
ここにはいったいどれだけの人がいるんだって。
満員だから五万人くらいだろうって親父は答えた。
試合が終わって駅まで行く道にも人が溢れていたわ。
それを見て、わたしは愕然としたの。
こんなにいっぱいの人間がいるように見えて、実はこんなの日本全体で言えばほんの一部に過ぎないんだって。
家に帰って電卓で計算してみたの。
日本の人口が一億数千万ってのは社会の時間に習っていたから、それを五万で割ってみると、たった二千分の一。
あたしはまた愕然とした。
あたしなんてあの球場にいた人混みの中のたった一人でしかなくて、あれだけたくさんに思えた球場の人たちも実は一つかみでしかないんだってね。
それまであたしは自分がどこか特別な人間のように思ってた。
家族といるのも楽しかったし、なによりも自分の通う学校の自分のクラスは世界のどこよりも面白い人間が集まっていると思っていたのよ。
でも、そうじゃないんだって、その時気付いた。
あたしが世界で一番楽しいと思っているクラスの出来事も、こんなの日本のどこの学校でもありふれたものでしかないんだ。
日本全国のすべての人間から見たら普通の出来事でしかない。
そう気付いたとき、あたしは急にあたしの周りの世界が色あせたみたいに感じた。
夜、歯を磨いて寝るのも、朝起きて朝ご飯を食べるのも、どこにでもある、みんながみんなやっている普通の日常なんだと思うと、途端に何もかもがつまらなくなった。
そして、世の中にこれだけの人がいたら、その中にはちっとも普通じゃなく面白い人生を送っている人もいるんだ、そうに違いないと思ったの。
それがあたしじゃないのは何故?
小学校を卒業するまで、あたしはずっとそんなことを考えてた。
考えていたら思いついたわ。
面白いことは待っててもやってこないんだってね。
中学に入ったら、あたしは自分を変えてやろうと思った。
待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えようと思ったの。
実際あたしなりにそうしたつもり。
でも、結局は何もなし。
そうやって、あたしはいつの間にか高校生になってた。
少しは何かが変わるかと思ってた。

キョン:
電車のおかげで俺は、ここでツッコムべきなのか何か哲学的な引用でもしてごまかしたほうがいいのか、考える時間を得た。
そうか。
こんなことくらいしか言えない自分がちょっと憂鬱だ。

ハルヒ:
帰る

キョン:
うっ。
俺もどっちかと言えばそっちから帰ったほうが早く帰れるんだが。
しかしハルヒの背中は無言で「ついてくんな!」と言っているような気がして、俺はただひたすらに、ハルヒの背中が見えなくなるまで、その場に立ちつくしていた。
何やってるんだろうね。

小泉:
こんにちは!
いつぞやの約束を果たそうかと思いまして。
帰りを待たせてもらいました。

キョン:
俺がどこに行ってたのか知ってるみたいな話し方だな?

小泉:
少しばかりお時間を頂いても、よろしいでしょうか?

キョン:
涼宮がらみで?

小泉:
涼宮さんがらみで。

キョン:
えらくいいタイミングで、タクシーが来たもんだな。

小泉:
この間、超能力者ならその証拠を見せてみろとおっしゃったでしょう?
ちょうどいい機会が到来したもんですから、お付き合い願おうと思いまして。

キョン:
わざわざ遠出する必要があるのか?

小泉:
僕が超能力者的な力を発揮するには、とある場所、とある条件下でないと。
今日これから向かう場所が、いい具合に条件を満たしているというわけです。

キョン:
まだハルヒが神様だとか思ってんのか?

小泉:
人間原理という言葉をご存知ですか?

キョン:
ご存知でないな。

小泉:
煎じ詰めて言えば「宇宙があるべき姿をしているのは、人間が観測することによって初めてそうであることを知ったからだ」という理論です。

キョン:
ちっとも解らん。

小泉:
我観測す。ゆれに宇宙あり。
とでも言い換えましょうか。
要するに、この世に人間なる知的生命体がいて物理法則や定数を発見し、宇宙はこのようにして成っていると観測出来て初めて宇宙そのものの存在が知られたわけです。
ならば宇宙を観測する人類がもし地球でここまで進化することがなかったら、観測するものがいない以上、宇宙はその存在を誰にも知られることがない。
つまりあってもなくても同じことになってしまう。
人類がいるからこそ宇宙は存在を知られている。という人間本位な理屈のことです。

キョン:
そんなバカな話があるか。人類がいようがいまいが、宇宙は宇宙だろ。

小泉:
その通りです。
だから人間原理とは思索的な理論にすぎない。
しかし面白い事実がここから浮上します。
なぜ宇宙は、こうも人類の生存に適した形で創造されたのか。
重力定数が、あるいは粒子の質量比がわずかでも違っていたなら、宇宙がこのような世界になることはなかったでしょう。

キョン:
何か科学かぶれした変な宗教のパンフレットにありそうな文句だな。

小泉:
何も、僕は全知全能たる絶対神が人間の造物主である、などと信仰しているわけではありません。
ただし疑ってはいます。

キョン:
何をだ?

小泉:
僕たちは、崖っぷちで爪先立ちしている道化師のごとき存在なのではないかとね。

小泉:
冗談です

キョン:
お前の言ってることは何一つとして理解出来ん。

小泉:
人間原理を引き合いに出したのは、ものの例えですよ。
涼宮さんの話がまだです。

キョン:
だから、どうしてお前も長門も朝比奈さんもハルヒがそんなに好きなんだ。

小泉:
魅力的な人だとは思えますが。
それは置いときましょう。
覚えていますか? 
世界は涼宮さんによって作られたのかもしれないと、僕が言ったこと。

キョン:
いまいましいことに記憶には残っているようだな。

小泉:
彼女には願望を実現する能力がある。

キョン:
そんなことを大真面目に断言するな。

小泉:
涼宮さんは宇宙人がいるに違いない、そうであって欲しいと願った。
だから長門有希がいる。
同様に未来人もいて欲しいと思った。
だから朝比奈みくるがここにいる。
そして僕も、彼女に願われたからというただそれだけの理由でここにいるんですよ。

キョン:
だーかーら、なんで解るんだよ!

小泉:
三年前のことです。

キョン:
三年前ことはもういい。
聞き飽きた。

小泉:
ある日、突然僕は自分にある能力とどう使うべきかを何故か知っていた。
僕と同じ力を持つ人間が僕と同様に力に目覚めたこともね。
ついでにそれが涼宮ハルヒによってもたらされたことも。
なぜかは説明出来ません。
解ってしまうんだから仕方がないとしか。

キョン:
一億万歩譲ったとして、ハルヒにそんなことが出来るとは思えん。

小泉:
我々だって信じられなかった。
一人の少女によって世界が変化、いや、ひょっとしたら創造されたのかもしれない、なんてことをね。
しかもその少女はこの世界を自分にとって面白くないものだと思い込んでいる。
これはちょっとした恐怖ですよ。

キョン:
なぜだ?

小泉:
言ったでしょう。
世界を自由に創造出来るのなら、今までの世界をなかったことにして、望む世界を一から作り直せばいい。
そうなると文字通り世界の終わりが訪れます。
もっとも僕たちがそれを知るすべはないでしょうが。
むしろ我々が唯一無二だと思っているこの世界も、実は何度も作り直された結果なのかもしれません。

キョン:
だったらハルヒに自分の正体を明かしたらいい。
超能力者が実在すると知ったら、喜ぶぞ、あいつ。
世界をどうにかしようとは思わないかもしれん。

小泉:
それはそれで困るんですよ。
涼宮さんが超能力なんて日常に存在するのが当たり前だと思ったなら、世界は本当にそのようになります。
物理法則がすべてねじ曲がってしまいます。
宇宙全体がメチャクチャになりますよ。

キョン:
ハルヒが望んで、お前たちがいるなら、なぜハルヒ自身はそれに気付いていないんだ。
おかしいだろう。

小泉:
宇宙人や未来人や超能力者が存在して欲しいという願望と、そんなものがいるはずないという常識論が、涼宮さんの中では、せめぎ合っているのですよ。
彼女の言動は確かにエキセントリックです。
しかし、その実、涼宮さんはまともな思考形態を持つ一般的な人種なんです。
中学時代は砂嵐のようだった精神も、ここ数ヶ月は割に落ち着いて、僕としてはこのまま落ち着いて欲しかったんですけどね、ここに来てまた、トルネードを発生させている。

キョン:
どういうわけだ?

小泉:
あなたのせいですよ。

キョン:
俺がどうしたって?

小泉:
怪しげなクラブを作るように吹き込んだのはあなたです。
あなたとの会話によって彼女は奇妙な人間ばかりを集めたクラブを作る気になったのだから、責任はあなたに帰結します。
その結果、涼宮ハルヒに関心を抱く三つの勢力の末端が一堂に会することになってしまった。

キョン:
濡れ衣だ

小泉:
まあ、それだけが理由ではないのですが・・・

小泉:
ここまでお連れして言うのも何ですが、今ならまだ引き返せますよ。

キョン:
いまさらだな

小泉:
しばし目を閉じていただけませんか。
ほんの数秒ですみます。

キョン:
何の真似だ、気持ち悪い!

小泉:
もうけっこうです。
次元断層の隙間、我々の世界とは隔絶された、閉鎖空間です。
ちょうどこの横断歩道の真ん中が、この閉鎖空間の壁でしてね。
半径はおよそ五キロメートル。
通常、物理的な手段では出入り出来ません。
僕の持つ力の一つが、この空間に侵入することですよ。
地上に発生したドーム状の空間を想像して下さい。
ここはその内部です。
今この時でも、外部では何ら変わらない日常が広がっていますよ。
普通の人がここに迷い込むことは・・・、まあ滅多にありません。
閉鎖空間はまったくのランダムに発生します。
一日おきに現れることもあれば、何ヶ月も音沙汰なしのこともある。
ただ一つ明らかなのは、涼宮さんの精神が不安定になると、この空間が生まれるってことです。
閉鎖空間の現出を僕は探知することが出来、そこに入ることもできる。
さらに僕の能力は、それだけではありません。
言うなれば、僕には涼宮さんの理性を反映した能力が与えられているのです。
この世界が涼宮さんの精神に生まれたニキビだとしたら、僕はニキビ治療薬なんですよ。

キョン:
お前の比喩は解りにくい。

小泉:
よく言われます。
しかしあなたもたいしたものだ。
この状況を見て、ほとんど驚いていませんね。

キョン:
すでに色々あったからな。

小泉:
始まったようです。
後ろを見て下さい。

キョン:
うわっ!

小泉:
涼宮さんのイライラが、限界に達するとあの巨人が出てくるようです。
ああやって周りをぶち壊すことでストレスを発散させているんでしょう。
現実世界で暴れさせるわけにもいかないから、こうして閉鎖空間を生み出し、その内部のみで破壊行動をする。
なかなか理性的じゃないですか。
物理的には自分の重さで立つことも出来ないはずなんですがね。
いかなる理屈もあれには通用しません。
たとえ軍隊を動員したとしても、あれを止めることは不可能でしょう。

キョン:
じゃ、あれは暴れっぱなしなのか?

小泉:
見てください。
僕の同志ですよ。
僕と同じように涼宮さんに力を与えられた、巨人を狩る者です。
さて、僕も参加しなければ。

キョン:
デタラメだな、もう。

小泉:
お待たせしました。
最後に、もう一つ面白いものが観れますよ。

キョン:
これ以上何があるんだ?

小泉:
あの怪物の消滅に伴い、閉鎖空間も消滅します。
ちょっとしたスペクタクルですよ。

小泉:
解っていただけましたか?

キョン:
いいや

小泉:
あの青い怪物を我々は、神の人“神人”と呼んでいます。
神人は、涼宮さんの精神活動と連動している。
そして我々もそうなんです。
閉鎖空間が生まれ、神人が生まれるときに限り、僕は異能の力を発揮出来る。
それも閉鎖空間の中でしか使えない力です。
例えば今、僕には何の力もありません。
なぜ我々にだけ、こんな力が備わったのか?
多分、誰でもよかったのですよ。
たまたま選ばれただけなんです。
神人の活動を放置しておくわけには行きません。
なぜなら、神人が破壊すればするほど、閉鎖空間も拡大していくからです。
さっきの空間は、あれでもまだ小規模なものなのです。
放っておけばどんどん広がっていって、そのうち全世界を覆い尽くすでしょう。
そうなれば最後、あちらの灰色の空間が、我々のこの世界と入れ替わってしまうのですよ。

キョン:
なぜそんなことが解る?

小泉:
解ってしまうのだからしょうがありません。
僕たち機関に所属している人間はすべてそうです。
僕たちが何とかしなければ、確実に世界は崩壊するのです。
困ったものです。
涼宮さんの動向には注意しておいて下さい。
ここしばらく安定していた彼女の精神が、活性化の兆しを見せています。
今日のあれも、久しぶりのことなんですよ。

キョン:
俺が注意しててもどうこうなるもんでもないんじゃないのか?

小泉:
さあ、それはどうでしょうか?
僕としてはあなたにすべてのゲタを預けてしまってもいいと思っているんですがね。
我々の中でも色々と思惑が錯綜しておりまして。

キョン:
古泉はハルヒの動向に注意しろという。
長門も何だか知らないが、気をつけろと言っていた。
それでも俺は、今すぐ何かが起きるのだろうとは思っていなかった。
もし俺に予知能力があって、翌日、あんな途方もない事態が到来することが分かっていたとしたら、とても呑気にしてはいられなかっただろうが・・・