Best Student Council (Japanese)>01. 拝啓、ミスター・ポピット

第1話「拝啓、ミスター・ポピット」


ナレーション:
私立宮神(みやがみ)学園には、
教職者よりも権限のある美しき乙女たちがいる。
宮神学園極大権限保有最上級生徒会。
略して・・・

極上生徒会全員:
極上生徒会!

[オープニングテーマ]

りの:
拝啓、ミスター・ポピット。
お母さんを病気で亡くしてから、もうすぐ一年。
まさかこのようなお手紙を頂けるとは、思ってもみませんでした。
ペンフレンドであるあなたに、まさか宮神学園の編入手続きをしてもらえるなんて。
今だからこそ書きますが、実は貯金が尽きかけていたのです。
だから、失礼を承知しながら、あなたの好意に甘えさせてください。
わたし、宮神学園へ転入します!
ありがとう、ミスター・ポピット。
あそこに宮神学園があるんだ!
いったい、どんな学校なのかなー。

プッチャン:
なーんだよ、裏があると思わねーか、りの。

りの:
プッチャン、裏があるって、何が?

プッチャン:
普通、ペンフレンドが転入の世話なんかするか?
しかもアパートの手配まで!
おまえ、絶対だまされてるね。

りの:
ミスター・ポピットのこと、悪く言わないで!
あの人はいい人だよ!

プッチャン:
はー!
信じたがりやの女ってのは、始末に負えねえなあ!

りの:
もう!ひどいよ、プッチャン!

プッチャン:
忠告してやってんだろ。

りの:
でも、ひどい、ひどい!

プッチャン:
なあ、りの、ひとの話聞けよ!

車掌:
この電車は、まもなく宮神学園前に着きます。

りの:
プッチャンのいじわる、いじわる!



りの:
大きい!広い!
山もある、海もある!
すごーい!へへ。
蘭堂(らんどう)りの。
今日からお世話になっちゃいます!

プッチャン:
誰に言ってんだ?

りの:
さあ、プッチャン、アパートに行こう?

プッチャン:
本当にあるのかよ?

りの:
あるに決まってるじゃない!
ミスター・ポピットが紹介してくれたんだもの。



りの:
アパートが・・・無い。

プッチャン:
つーか、完全に燃え尽きてるな。

りの:
これからどうしよう?

プッチャン:
俺が知るかよ。



りの:
お願いします!
今日から住むはずのアパートが全焼して、
お財布の中身は底冷えするほど寒いし、
先に送っておいた荷物は、アパートとともに燃えちゃうし!
このままじゃ、路頭に迷うというか、野宿して生活していくしかないけど、
そんなことはしたくないから、格安のアパートを紹介して下さい!
できれば家賃は2000円ぐらいが支払える限界です!
どうかよろしく。

不動産屋:
おとといおいで

りの:
やっぱり・・・



りの:
どうしよう、わたし・・・

プッチャン:
りの、そのミスター・ポピットってヤツと連絡が出来ねえのか?

りの:
ミスター・ポピットはペンフレンドだもの。
手紙の宛先しかわかんないよ。

プッチャン:
電話番号もわかんねえのか?

りの:
実は写真も見たことなかったりして・・・

プッチャン:
おいおい、素性もわかねえヤツ信じて、ここまで来たのかよ?!

りの:
だって、他に頼れる人もいなかったんだもん。
お母さんが死んでから、わたしの側にいたのはプッチャンだけだって、わかってるクセに!

プッチャン:
ったく、しょうがねえな!
りの、学校に行け。
事情話せば一晩(ひとばん)くらい泊めてくれるだろ。

りの:
そっか!宮神学園!すごい!
ありがとう、プッチャン!

プッチャン:
いいから、その宮神学園ってのはどこにあるんだ?

りの:
ええと、宮神学園の場所は・・・あれ・・・かな。

プッチャン:
着くのは夜だな。



奏(かなで):
はい、奏です。
何か御用かしら?

聖奈(せいな):
はーい、会長!
目標と思われる人物を発見しちゃいました!
さて、これからどうすればいいでしょう?

奏:
その件(けん)は遊撃に一任しましょう。
副会長に報告してもらえるかしら?

聖奈:
やっぱり!
そう言うだろうと思ったので、そうしちゃいました。

奏:
フッ、ありがとう、聖奈さん。
それより、例の件は?

聖奈:
はい・・・その件は、実は大変なことになっちゃってまーす。

奏:
大変?