Code Geass(Japanese)>03. The False Classmate
皇暦(こうれき)2010年8月10日(にせんじゅうねん・はちがつ・とおか)、神聖ブリタニア帝国は、日本に宣戦布告した。
ブリタニアの最新兵器『ナイトメアフレーム』の前に、一月(ひとつき)ともたずに敗れ去った日本は、自由と伝統、権利と誇り、そして名前を奪われた。
『イレブン』―― その数字が、新しい日本人の名前だった・・・。
兵士1:
どういうことだイレブンを逃がせとは!?回収すべきガスもまだ残っているのだろう!!
兵士2:
しかし…クロヴィス殿下の指示ですから。
兵士1:
バトレー将軍は?参謀府の意見を聞きたい。
兵士2:
将軍達は席を外された様で。
兵士1:
では、コンダクトフロアには殿下のみだと…!?
クロヴィス:
嬉しいよ、ルルーシュ。
日本占領の時に死んだと聞いてたから…
いやぁよかった…生きていて…
どうだい?私と本国に…
ルルーシュ:
また、外交の道具とする気か?
お前は、何故(なにゆえ)俺達が道具となったか忘れたようだな。
そう…母さんが殺されたからだ!
母の身分は騎士候だったが、出(で)は庶民だ。
他の皇女(こうじょ)達にとってはさぞや目障りな存在だったんだろうな。
しかし…だからといってテロリストの仕業に見せかけてまで…母さんを殺したな…!
クロヴィス:
私じゃない!私じゃないぞ!
ルルーシュ:
なら、知っていることを話せ。
俺の前では、誰も嘘はつけない。
誰だ…!?殺したのは…!!
クロヴィス:
第二王子シュナイゼルと、第二皇女コーネリア…
彼らが知っている…
ルルーシュ:
あいつらが首謀者か…!?
そこまでは知らないか…
クロヴィス:
本当に私じゃない!
やってない!やらせてもいない!
ルルーシュ:
わかったよ。
しかし…
クロヴィス:
や、やめろ…!
腹違いとはいえ、実(じつ)の兄だぞー!
ルルーシュ:
奇麗事で、世界は変えられないから…
会長:
こーら、ルルーシュ!
今、寝てたでしょー!手が止まってた!
ルルーシュ:
だからって、叩かないでくださいよ!
リヴァル:
俺を置き去りにした罰だって!
シャーリー:
そうそう、何やってたのよ?昨日。
ルルーシュ:
ああ、いや…
会長:
はいはいはい!話を脱線させないの!
今は部活の予算審査、とっとと済ませないと!どこも予算が下りないでしょー?
女:
そんなことになったら…
リヴァル:
馬術部なんかマジ怒り[いかり]。またここに突入してきたりして!
会長:
リヴァル!あんたも一応生徒会メンバーなんだから!
シャーリー:
せめて、もう一日早く思い出してくれていればよかったんですよ!
リヴァル:
もう一日遅くが正解。諦めがつく。
ルルーシュ:
いい考えだ。今からでも…
会長:
がーーっつ!!
リヴァル:
また、ガッツの魔法ですかぁ!?
会長:
はぁ~い、あなた方は頑張りたくなりま~す!
ルルーシュ:
かかりませんよ。そんないんちき魔法じゃ。
シャーリー:
会長!私、かかったことにしま~す。
会長:
うん、肉体派は素直で宜しい。
シャーリー:
鍛えてるって言ってくれないと!
会長:
そうじゃなくてさぁ~。
シャーリー:
?
会長:
立派じゃん!
会長:
この間女子寮のバスルームで確かめた。
トップとアンダーのバランスがいいよね~。
リヴァル:
ほほ~。
シャーリー:
な…何言ってるんですか!?変態!!
シャーリー:
もう!会長って中身は絶対おじさんだよね!
自分で話をそらしていくし…
女:
ミレーちゃんは昔からああなんで…
リヴァル:
(笑い)
まあ、予算表間に合ったんだし、いいじゃないの!
男:
毒ガステロだって!
男:
怖いよなあ!
シンジュクなんて30分と離れてないのに!
女:
あたし見た!シンジュクの方で煙が上がってるの!
あれ毒ガスだったんだー…
男:
シンジュクの様子、他に出てない!?
シャーリー:
シンジュク…?
ルルーシュ:
昨日、この件で電話したんだよ。
知り合いからリアルタイムで聞いてて…
男:
おい!画像アップされてっぞ!イレブンの死体が!
女:
いやー!見せないで!
ルルーシュ:
おかしい…
何故あの情報を隠す…?
ルルーシュ:
クロヴィスの死を隠すということは、混乱を防ぐ為か…
しかし…それをやるということは、発表するとき…
ふん!我ながら細い神経だな!
ジェレミア:
ぬるいな…文官出のやることは…
ヴィレッタ:
バトレー将軍ですか?
ジェレミア:
犯人はあれだけの警備を二度も突破している…
こんな型通りの検問では…
ヴィレッタ:
ジェレミア辺境伯(へんきょうはく)、クロヴィス殿下亡き今、我々純潔派が…
ジェレミア:
指示は私が出す。内部をまとめるまで待て。
女子生徒:
カレン、久しぶり~
体いいの?
ソフィちゃん、心配してたよ。
もう大丈夫なの?
カレン:
うん、あんまり無理はできないけどね。
ルルーシュ:
そうか…引っ掛かった訳だ…
カレン:
だって、あんまり休むと皆についていけなくなっちゃうし…
リヴァル:
ルルーシュ君、な~に見てるのかな~?
ひょっとして惚れちゃった~?
ルルーシュ:
珍しいだけだよ。
彼女、始業式以来、来て無かったよな…?
リヴァル:
カレン・シュタットフェルト。
なんか~体が弱いらしくてさあ~
前の学年でもたまにしかねえ…
でも成績は抜群に優秀。
シュタットフェルト家の御令嬢だから、金はあるし、性格も穏やか!
いやぁ~お目が高い!
ルルーシュ:
違うって。
リヴァル:
隠さない隠さない。
まあ~ちょっと箱入りすぎるけどね~
女子生徒:
きゃああああ
蜂よ!蜂が!
カレンさん、逃げて!
きゃああああ
早く逃げて!
カレン:
こんなところに蜂だなんて…
蜂の巣でもあるのかしら…?
あ~イライラする!
病弱なんて設定にしなきゃよかった!
やばっ…見られた…
ルルーシュ:
やはりあの時の女だ…
カレン:
な…なにか用かしら…
ルルーシュ:
質問に答えろ。
カレン:
はい。
ルルーシュ:
昨日、シンジュクでグラスゴーに乗っていたな。
カレン:
はい。
ルルーシュ:
どうしてテロを?
カレン:
わたしは日本人だから。
ブリタニアの血も半分入ってるけど。
ルルーシュ:
ハーフ!?
しかし、何故そこまで…
カレン:
えっと…私に何か…
ルルーシュ:
いや、もう用は済んだ。
そうだ…念の為…
シンジュクのことは何も言うな。
カレン:
えっ?シンジュクってどういうこと?
どうしてそんなこというの?
ルルーシュ:
教室に戻れ。
カレン:
あなたが質問に答えてくれたらね!
ルルーシュ:
きかない?どういうことだ!?これは!?
シャーリー:
ルルー!
カレンさ~ん!
次、理科準備室だよ!
急がないと!
ルルーシュ:
やっべ!
実験器具出さなくっちゃ!
しくじった…!?
しかし…
どうしましょう…今日も遅いかも…
待ちます。夕食は一緒にって言ってたから。
ほーら、できましたよ。
鳥?
はい。鶴(つる)です。
すごーい。日本人って器用なのね。
ナナリー様?
ごめん、遅れちゃって…
お帰りなさい、お兄(にい)様。
お帰りなさいませ。
ただいま、ナナリー、さよこさん。
諸君も知っての通り、計画は全て失敗した。
故にこの研究所を破棄する。
えっ!?しかし…
ナリタに場所を用意した。全て移す。
記憶がないとはいえ、私や参謀達がクロヴィス殿下の元を離れたのは事実だ。
私は本国に戻され、責任を問われるだろう。
その際、皇帝陛下に秘密でこの実験を進めていたことが知られると…
わかりました。早急(さっきゅう)に準備を進めます。
ナナリー:
さっきさよこさんに折り紙を教えてもらったんです。
一枚の紙を何度も折ると、鳥や船とかいろんな物になるんですって。
ルルーシュ:
あぁ、そんなに急いで話さなくても大丈夫だよ。
俺はどこにも行かないから。
ナナリー:
ありがとう、お兄様。
ルルーシュ:
どういたしまして。
ナナリー:
よかった。
お兄様、昨日の夜何か怖かったから…
ルルーシュ:
そうかい。ごめん。ちょっと考え事があってさ。
ナナリー:
ねえ、この鶴を一〇〇〇羽(ば)折るとね、願いが叶うんですって。
もしお兄様に叶えたい事があるのなら…
ルルーシュ:
いやー、俺は…
ナナリーは、何かないのかい?
ナナリー:
やさしい世界でありますように。
ルルーシュ:
お前の目が見えるようになる頃にはきっとそうなってるよ。
ナナリー:
ほんとうに?
ルルーシュ:
約束する。
そうだ、俺達には選択できる未来が限られている。
ここで匿われているといっても、アッシュフォード家がいつまで後ろ盾になってくれるか
素性がばれたら、シャーリーやリヴァル達だって離れるだろうし…
行く末は政治の道具か陰謀の餌食だ。
作らねば…ナナリーだけでも幸せに過ごせる世界を…!
ナナリー:
この前、教えてもらったの。日本の約束の仕方。
嘘ついたら針千本のーます。指切った!
ルルーシュ:
怖いな…千本も針を飲まなくちゃいけないのか…
ナナリー:
そう、だから、嘘ついたらいけないんですよ。
ルルーシュ:
大丈夫。俺は嘘をつかないよ。
…お前にだけは…
ルルーシュ:
これだけが俺の武器だ…
知らなくては…使い方を…
先生:
ルルーシュ!
もうすぐ授業が始まるぞ!
ルルーシュ:
あ、はい!
先生、今度の論述試験の問題、教えてくださいよ。
先生:
エディンバラの屈辱と新大陸への遷都、北南(ほくなん)戦争についてだ。
ルルーシュ:
この力…無くなったわけではないのか…
先生:
うっ!?
ルルーシュ:
先生、今度の論述試験の問題、教えてくださいよ!
先生:
冗談言ってないで、真面目に勉強しろ!
お前は、やればできるんだからな!
ルルーシュ:
は~い!
やはりな…
同じ人間には一度しか効かないってわけか…
扇:
どうだい、久しぶりの学校は?
カレン:
窮屈。
昨日なんて歴史の授業だし…
ねえ、そっちに戻ったほうが…
扇:
今は軍の警戒が厳しい。
しばらくはそこで熱り(ほとぼり)を冷ますんだ。
カレン:
でも、あの声のことだって…
扇:
声だけじゃ探しようが無いよ…
それに、カレンが学生やってるほうがナオトも喜ぶ。
シンジュクのことはしばらく忘れろ。
また連絡する。
カレン:
シンジュク…分かってるけど…
はっ!
ルルーシュ:
シンジュクのことは何も言うな。
カレン:
まさか…あの時の声…
ルルーシュ:
ひとつは貴族教育です。
統治する人間を特定し、集中的に教育、訓練することで優れた統治者を育てる。
ふたつめはスピードです。
選りすぐられた…
カレン:
似てる…か?
いや、声の記憶なんて当てにならないけど…
教師:
はい、よろしい。
偉大なるエリザベス一世のお子であるヘンリー九世の即位によって…
ルルーシュ:
与えたのはシンジュクという情報だけだ。
しかし…
カレン:
もし私の正体を知られていたら…
ルルーシュ:
早いうちに…
カレン:
処理しなければ…
バトレー
研究所は…?
ブリタニア兵:
昨晩のうちにはナリタに
バトレー
そうか
申し訳ありません殿下…
女子生徒:
ハーブティーの専門店なの。
すっごく素敵なとこ。
カレンさんもおいでよ。
シャーリー:
ねぇルル、このあとさあ…
ルルーシュ:
悪い、また今度な。
女子生徒:
ああやっぱり~?
カレンさん自宅通いなんだ~。
門限とかあるの~?
ルルーシュ:
ちょっと付き合ってくれないか。
話したいことがある。
女子生徒:
えぇ?!
カレン:
ええ。誘ってくれると思ってた。
女子生徒:
はあ?!
ジェレミア:
お分かりですか?
私達の決意を。
バトレー:
だから私は!
ジェレミア:
覚えていない?
まだそんなつまらぬ言い訳を!
バトレー:
他の者にも聞け!
証言なら…!
ジェレミア:
我が身大事か…みぐるしい!
あなたがこれ以上殿下のお側にいるのは許されない!
カレン:
学校内にこんな場所があったなんて…
ルルーシュ:
生徒会専用のクラブハウスだ。
舞踏会なんかも出来るように広めに作ってある。
カレン:
ここなら邪魔は入らない。
ルルーシュ:
そういうことだ。
シャーリー:
あったー!
あったあった!
ほら、これでしょ?
ニーナ:
あー、それです!
実験データ。
リヴァル:
やれやれ、腰いてえ!
ミレイ:
そっち見つかったぁ?
こっちもできたからはじめよっかぁ?
リヴァル:
うおおすげえええ
シャーリー:
さっすがミレイさん!
ミレイ:
ふっふふー。
もっと褒めるがよいー。
ルルーシュ:
あの、何ですか、これ?
ミレイ:
知ってて連れて来てくれたんじゃなかったのぉ?
カレンさん、生徒会に入れるから。
カレン:
はっ?
ミレイ:
お爺ちゃんに頼まれちゃってさあ。
ルルーシュ:
理事長に?
ミレイ:
うん、体のこともあるから、普通に部活は難しいだろうって。
あっ、あたし、生徒会長のミレー、宜しくね。
カレン:
あっ、宜しくお願いします。
リヴァル:
俺、リヴァル。
書記ね。
わからないことがあったらなんでも聞いて。
シャーリー:
シャーリーです。
水泳部と掛け持ちだけどよろしく!
ニーナ:
私…ニーナです…
カレン:
あっ、いえ…こちらこそ…
ナナリー:
あの、シャーリーさんすみません、これテーブルに…
シャーリー:
ああ、ありがとうナナちゃん!
ルルーシュ:
ナナリー、お前まで…
ミレイ:
ルルーシュの妹よ。
ナナリー:
私は中等部なので生徒会じゃないんですけど…
リヴァル:
いいでしょ。
準会員ということで。
ナナリー:
うん!
カレンさん、宜しくお願いします!
カレン:
宜しく、こちらこそ。
リヴァル:
さて、まずは乾杯といきますかあ!
シャーリー:
シャンパン!?
ニーナ:
生徒会自ら、これはまずいんじゃあ…
リヴァル:
まあまあ、かたい事言わないでえ。
シャーリー:
だめに決まってるでしょぉ!?
ナナリー:
何ですかぁ?
ミレイ:
ナナリーはこっちねー。
リヴァル:
ルルーシュ、パス!
シャーリー:
ルルも簡単に受け取らないの!
ナナリー:
どうかしましたぁ?
ミレイ:
着替えはぁ?
シャーリー:
咲世子(さよこ)さんが。
カレン:
これだからブリタニアは…まったく…
あっ!?
ルルーシュ:
ルルーシュだ。着替え持ってきたんだけど。
カレン:
大丈夫、カーテン引いてるから。
ルルーシュ:
ああ、悪いな。
にぎやか過ぎる連中で。
カレン:
ううん。
たまにはこうゆう無邪気な楽しさも悪くないわ。
ルルーシュ:
着替え、とりあえず俺のでいいか?
カレン:
気にしない。そういうのは。
早いのね。
男子寮まで行ってきたんでしょ?
ルルーシュ:
俺、ここに住んでるから。
カレン:
え?
ルルーシュ:
寮で暮らすのは妹には難しくてさ。
理事長の好意でここに住まわせてもらってる。
カレン:
そう。
ルルーシュ:
それじゃ。
カレン:
待って。
取ってくれる?そこのポーチ。
ルルーシュ:
ああ。
ルルーシュ:
思ったより活発なんだな…
カレン:
あの日、シンジュクにいたの?
ルルーシュ:
何のことだ?
カレン:
とぼけないで!
何故シンジュクって言ったの?
ルルーシュ:
シンジュクだと何か都合が悪いのか?
カレン:
質問に質問で答えないで。
答えはYESかNO。
それ以外は聞きたくない。
ルルーシュ:
出ないと、誰か来ちゃうけど
いいかな?
はい、アッシュフォード学園生徒会。
えっ?いや俺は…
はあ…
君宛だ。
出れば分かるってさ。
カレン:
もしもし。
電話:
無事だったようだな、Q1。
カレン:
違った?
電話:
明後日の16時。
旧東京タワーの展望室に一人で来い。
カレン:
お前は誰だ!?
停戦命令を出させたのは!?
おい!切るな!!
ルルーシュ:
何だ?
停戦命令って。
随分物騒なお友達だな。
カレン:
あっ、今のはその…
ルルーシュ:
当てようか?
ゲームの話だろ?
ネットとかさ?
カレン:
ええ。そうなの。
あたし家に篭りがちだったから…
ルルーシュ:
だから忠告したんだよ。
シンジュクのことは言わないほうがいいって。
いるんだ。君みたいな人にわざと画像とか見せたがる奴らがさ。
ところで、見えてるんだけど…。
カレン:
えっ?
あわあああああああ
ルルーシュ:
あの…誰にも言わないから…
じゃ、後で。
カレン:
違ったんだ…
生徒会(せいとかい)っていっても、大して仕事はないんだ。
たまに書類仕事があるくらいで、あとはイベントの企画。
イベントって、文化祭とか?
男女逆転祭(まつり)とか、絶対無言パーティとか、水着で授業とか。
な~に~それ?
会長の趣味。
そのうち付き合わされるから、覚悟しとけよ。
お兄(にい)様、大変!
なんだい?
クロヴィス殿下が亡くなったのよ。
殺されたんだってさー。
ええ!?
クロヴィス殿下は薨御(こうぎょ)された。
イレブンとの戦いの中で平和と正義のために殉死されたのだ。
我々は悲しみを押して、その遺志を継がなければならない!
たった今、新しい情報が入りました。
実行犯と見られる男が拘束されました。
発表によりますと、逮捕されたのは名誉ブリタニア人です。
まさか!?
枢木(くるるぎ)スザク一等兵。
容疑者は、元イレブン、名誉ブリタニア人の枢木(くるるぎ)スザクです!
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ブリタニアの最新兵器『ナイトメアフレーム』の前に、一月(ひとつき)ともたずに敗れ去った日本は、自由と伝統、権利と誇り、そして名前を奪われた。
『イレブン』―― その数字が、新しい日本人の名前だった・・・。
兵士1:
どういうことだイレブンを逃がせとは!?回収すべきガスもまだ残っているのだろう!!
兵士2:
しかし…クロヴィス殿下の指示ですから。
兵士1:
バトレー将軍は?参謀府の意見を聞きたい。
兵士2:
将軍達は席を外された様で。
兵士1:
では、コンダクトフロアには殿下のみだと…!?
クロヴィス:
嬉しいよ、ルルーシュ。
日本占領の時に死んだと聞いてたから…
いやぁよかった…生きていて…
どうだい?私と本国に…
ルルーシュ:
また、外交の道具とする気か?
お前は、何故(なにゆえ)俺達が道具となったか忘れたようだな。
そう…母さんが殺されたからだ!
母の身分は騎士候だったが、出(で)は庶民だ。
他の皇女(こうじょ)達にとってはさぞや目障りな存在だったんだろうな。
しかし…だからといってテロリストの仕業に見せかけてまで…母さんを殺したな…!
クロヴィス:
私じゃない!私じゃないぞ!
ルルーシュ:
なら、知っていることを話せ。
俺の前では、誰も嘘はつけない。
誰だ…!?殺したのは…!!
クロヴィス:
第二王子シュナイゼルと、第二皇女コーネリア…
彼らが知っている…
ルルーシュ:
あいつらが首謀者か…!?
そこまでは知らないか…
クロヴィス:
本当に私じゃない!
やってない!やらせてもいない!
ルルーシュ:
わかったよ。
しかし…
クロヴィス:
や、やめろ…!
腹違いとはいえ、実(じつ)の兄だぞー!
ルルーシュ:
奇麗事で、世界は変えられないから…
会長:
こーら、ルルーシュ!
今、寝てたでしょー!手が止まってた!
ルルーシュ:
だからって、叩かないでくださいよ!
リヴァル:
俺を置き去りにした罰だって!
シャーリー:
そうそう、何やってたのよ?昨日。
ルルーシュ:
ああ、いや…
会長:
はいはいはい!話を脱線させないの!
今は部活の予算審査、とっとと済ませないと!どこも予算が下りないでしょー?
女:
そんなことになったら…
リヴァル:
馬術部なんかマジ怒り[いかり]。またここに突入してきたりして!
会長:
リヴァル!あんたも一応生徒会メンバーなんだから!
シャーリー:
せめて、もう一日早く思い出してくれていればよかったんですよ!
リヴァル:
もう一日遅くが正解。諦めがつく。
ルルーシュ:
いい考えだ。今からでも…
会長:
がーーっつ!!
リヴァル:
また、ガッツの魔法ですかぁ!?
会長:
はぁ~い、あなた方は頑張りたくなりま~す!
ルルーシュ:
かかりませんよ。そんないんちき魔法じゃ。
シャーリー:
会長!私、かかったことにしま~す。
会長:
うん、肉体派は素直で宜しい。
シャーリー:
鍛えてるって言ってくれないと!
会長:
そうじゃなくてさぁ~。
シャーリー:
?
会長:
立派じゃん!
会長:
この間女子寮のバスルームで確かめた。
トップとアンダーのバランスがいいよね~。
リヴァル:
ほほ~。
シャーリー:
な…何言ってるんですか!?変態!!
シャーリー:
もう!会長って中身は絶対おじさんだよね!
自分で話をそらしていくし…
女:
ミレーちゃんは昔からああなんで…
リヴァル:
(笑い)
まあ、予算表間に合ったんだし、いいじゃないの!
男:
毒ガステロだって!
男:
怖いよなあ!
シンジュクなんて30分と離れてないのに!
女:
あたし見た!シンジュクの方で煙が上がってるの!
あれ毒ガスだったんだー…
男:
シンジュクの様子、他に出てない!?
シャーリー:
シンジュク…?
ルルーシュ:
昨日、この件で電話したんだよ。
知り合いからリアルタイムで聞いてて…
男:
おい!画像アップされてっぞ!イレブンの死体が!
女:
いやー!見せないで!
ルルーシュ:
おかしい…
何故あの情報を隠す…?
ルルーシュ:
クロヴィスの死を隠すということは、混乱を防ぐ為か…
しかし…それをやるということは、発表するとき…
ふん!我ながら細い神経だな!
ジェレミア:
ぬるいな…文官出のやることは…
ヴィレッタ:
バトレー将軍ですか?
ジェレミア:
犯人はあれだけの警備を二度も突破している…
こんな型通りの検問では…
ヴィレッタ:
ジェレミア辺境伯(へんきょうはく)、クロヴィス殿下亡き今、我々純潔派が…
ジェレミア:
指示は私が出す。内部をまとめるまで待て。
女子生徒:
カレン、久しぶり~
体いいの?
ソフィちゃん、心配してたよ。
もう大丈夫なの?
カレン:
うん、あんまり無理はできないけどね。
ルルーシュ:
そうか…引っ掛かった訳だ…
カレン:
だって、あんまり休むと皆についていけなくなっちゃうし…
リヴァル:
ルルーシュ君、な~に見てるのかな~?
ひょっとして惚れちゃった~?
ルルーシュ:
珍しいだけだよ。
彼女、始業式以来、来て無かったよな…?
リヴァル:
カレン・シュタットフェルト。
なんか~体が弱いらしくてさあ~
前の学年でもたまにしかねえ…
でも成績は抜群に優秀。
シュタットフェルト家の御令嬢だから、金はあるし、性格も穏やか!
いやぁ~お目が高い!
ルルーシュ:
違うって。
リヴァル:
隠さない隠さない。
まあ~ちょっと箱入りすぎるけどね~
女子生徒:
きゃああああ
蜂よ!蜂が!
カレンさん、逃げて!
きゃああああ
早く逃げて!
カレン:
こんなところに蜂だなんて…
蜂の巣でもあるのかしら…?
あ~イライラする!
病弱なんて設定にしなきゃよかった!
やばっ…見られた…
ルルーシュ:
やはりあの時の女だ…
カレン:
な…なにか用かしら…
ルルーシュ:
質問に答えろ。
カレン:
はい。
ルルーシュ:
昨日、シンジュクでグラスゴーに乗っていたな。
カレン:
はい。
ルルーシュ:
どうしてテロを?
カレン:
わたしは日本人だから。
ブリタニアの血も半分入ってるけど。
ルルーシュ:
ハーフ!?
しかし、何故そこまで…
カレン:
えっと…私に何か…
ルルーシュ:
いや、もう用は済んだ。
そうだ…念の為…
シンジュクのことは何も言うな。
カレン:
えっ?シンジュクってどういうこと?
どうしてそんなこというの?
ルルーシュ:
教室に戻れ。
カレン:
あなたが質問に答えてくれたらね!
ルルーシュ:
きかない?どういうことだ!?これは!?
シャーリー:
ルルー!
カレンさ~ん!
次、理科準備室だよ!
急がないと!
ルルーシュ:
やっべ!
実験器具出さなくっちゃ!
しくじった…!?
しかし…
どうしましょう…今日も遅いかも…
待ちます。夕食は一緒にって言ってたから。
ほーら、できましたよ。
鳥?
はい。鶴(つる)です。
すごーい。日本人って器用なのね。
ナナリー様?
ごめん、遅れちゃって…
お帰りなさい、お兄(にい)様。
お帰りなさいませ。
ただいま、ナナリー、さよこさん。
諸君も知っての通り、計画は全て失敗した。
故にこの研究所を破棄する。
えっ!?しかし…
ナリタに場所を用意した。全て移す。
記憶がないとはいえ、私や参謀達がクロヴィス殿下の元を離れたのは事実だ。
私は本国に戻され、責任を問われるだろう。
その際、皇帝陛下に秘密でこの実験を進めていたことが知られると…
わかりました。早急(さっきゅう)に準備を進めます。
ナナリー:
さっきさよこさんに折り紙を教えてもらったんです。
一枚の紙を何度も折ると、鳥や船とかいろんな物になるんですって。
ルルーシュ:
あぁ、そんなに急いで話さなくても大丈夫だよ。
俺はどこにも行かないから。
ナナリー:
ありがとう、お兄様。
ルルーシュ:
どういたしまして。
ナナリー:
よかった。
お兄様、昨日の夜何か怖かったから…
ルルーシュ:
そうかい。ごめん。ちょっと考え事があってさ。
ナナリー:
ねえ、この鶴を一〇〇〇羽(ば)折るとね、願いが叶うんですって。
もしお兄様に叶えたい事があるのなら…
ルルーシュ:
いやー、俺は…
ナナリーは、何かないのかい?
ナナリー:
やさしい世界でありますように。
ルルーシュ:
お前の目が見えるようになる頃にはきっとそうなってるよ。
ナナリー:
ほんとうに?
ルルーシュ:
約束する。
そうだ、俺達には選択できる未来が限られている。
ここで匿われているといっても、アッシュフォード家がいつまで後ろ盾になってくれるか
素性がばれたら、シャーリーやリヴァル達だって離れるだろうし…
行く末は政治の道具か陰謀の餌食だ。
作らねば…ナナリーだけでも幸せに過ごせる世界を…!
ナナリー:
この前、教えてもらったの。日本の約束の仕方。
嘘ついたら針千本のーます。指切った!
ルルーシュ:
怖いな…千本も針を飲まなくちゃいけないのか…
ナナリー:
そう、だから、嘘ついたらいけないんですよ。
ルルーシュ:
大丈夫。俺は嘘をつかないよ。
…お前にだけは…
ルルーシュ:
これだけが俺の武器だ…
知らなくては…使い方を…
先生:
ルルーシュ!
もうすぐ授業が始まるぞ!
ルルーシュ:
あ、はい!
先生、今度の論述試験の問題、教えてくださいよ。
先生:
エディンバラの屈辱と新大陸への遷都、北南(ほくなん)戦争についてだ。
ルルーシュ:
この力…無くなったわけではないのか…
先生:
うっ!?
ルルーシュ:
先生、今度の論述試験の問題、教えてくださいよ!
先生:
冗談言ってないで、真面目に勉強しろ!
お前は、やればできるんだからな!
ルルーシュ:
は~い!
やはりな…
同じ人間には一度しか効かないってわけか…
扇:
どうだい、久しぶりの学校は?
カレン:
窮屈。
昨日なんて歴史の授業だし…
ねえ、そっちに戻ったほうが…
扇:
今は軍の警戒が厳しい。
しばらくはそこで熱り(ほとぼり)を冷ますんだ。
カレン:
でも、あの声のことだって…
扇:
声だけじゃ探しようが無いよ…
それに、カレンが学生やってるほうがナオトも喜ぶ。
シンジュクのことはしばらく忘れろ。
また連絡する。
カレン:
シンジュク…分かってるけど…
はっ!
ルルーシュ:
シンジュクのことは何も言うな。
カレン:
まさか…あの時の声…
ルルーシュ:
ひとつは貴族教育です。
統治する人間を特定し、集中的に教育、訓練することで優れた統治者を育てる。
ふたつめはスピードです。
選りすぐられた…
カレン:
似てる…か?
いや、声の記憶なんて当てにならないけど…
教師:
はい、よろしい。
偉大なるエリザベス一世のお子であるヘンリー九世の即位によって…
ルルーシュ:
与えたのはシンジュクという情報だけだ。
しかし…
カレン:
もし私の正体を知られていたら…
ルルーシュ:
早いうちに…
カレン:
処理しなければ…
バトレー
研究所は…?
ブリタニア兵:
昨晩のうちにはナリタに
バトレー
そうか
申し訳ありません殿下…
女子生徒:
ハーブティーの専門店なの。
すっごく素敵なとこ。
カレンさんもおいでよ。
シャーリー:
ねぇルル、このあとさあ…
ルルーシュ:
悪い、また今度な。
女子生徒:
ああやっぱり~?
カレンさん自宅通いなんだ~。
門限とかあるの~?
ルルーシュ:
ちょっと付き合ってくれないか。
話したいことがある。
女子生徒:
えぇ?!
カレン:
ええ。誘ってくれると思ってた。
女子生徒:
はあ?!
ジェレミア:
お分かりですか?
私達の決意を。
バトレー:
だから私は!
ジェレミア:
覚えていない?
まだそんなつまらぬ言い訳を!
バトレー:
他の者にも聞け!
証言なら…!
ジェレミア:
我が身大事か…みぐるしい!
あなたがこれ以上殿下のお側にいるのは許されない!
カレン:
学校内にこんな場所があったなんて…
ルルーシュ:
生徒会専用のクラブハウスだ。
舞踏会なんかも出来るように広めに作ってある。
カレン:
ここなら邪魔は入らない。
ルルーシュ:
そういうことだ。
シャーリー:
あったー!
あったあった!
ほら、これでしょ?
ニーナ:
あー、それです!
実験データ。
リヴァル:
やれやれ、腰いてえ!
ミレイ:
そっち見つかったぁ?
こっちもできたからはじめよっかぁ?
リヴァル:
うおおすげえええ
シャーリー:
さっすがミレイさん!
ミレイ:
ふっふふー。
もっと褒めるがよいー。
ルルーシュ:
あの、何ですか、これ?
ミレイ:
知ってて連れて来てくれたんじゃなかったのぉ?
カレンさん、生徒会に入れるから。
カレン:
はっ?
ミレイ:
お爺ちゃんに頼まれちゃってさあ。
ルルーシュ:
理事長に?
ミレイ:
うん、体のこともあるから、普通に部活は難しいだろうって。
あっ、あたし、生徒会長のミレー、宜しくね。
カレン:
あっ、宜しくお願いします。
リヴァル:
俺、リヴァル。
書記ね。
わからないことがあったらなんでも聞いて。
シャーリー:
シャーリーです。
水泳部と掛け持ちだけどよろしく!
ニーナ:
私…ニーナです…
カレン:
あっ、いえ…こちらこそ…
ナナリー:
あの、シャーリーさんすみません、これテーブルに…
シャーリー:
ああ、ありがとうナナちゃん!
ルルーシュ:
ナナリー、お前まで…
ミレイ:
ルルーシュの妹よ。
ナナリー:
私は中等部なので生徒会じゃないんですけど…
リヴァル:
いいでしょ。
準会員ということで。
ナナリー:
うん!
カレンさん、宜しくお願いします!
カレン:
宜しく、こちらこそ。
リヴァル:
さて、まずは乾杯といきますかあ!
シャーリー:
シャンパン!?
ニーナ:
生徒会自ら、これはまずいんじゃあ…
リヴァル:
まあまあ、かたい事言わないでえ。
シャーリー:
だめに決まってるでしょぉ!?
ナナリー:
何ですかぁ?
ミレイ:
ナナリーはこっちねー。
リヴァル:
ルルーシュ、パス!
シャーリー:
ルルも簡単に受け取らないの!
ナナリー:
どうかしましたぁ?
ミレイ:
着替えはぁ?
シャーリー:
咲世子(さよこ)さんが。
カレン:
これだからブリタニアは…まったく…
あっ!?
ルルーシュ:
ルルーシュだ。着替え持ってきたんだけど。
カレン:
大丈夫、カーテン引いてるから。
ルルーシュ:
ああ、悪いな。
にぎやか過ぎる連中で。
カレン:
ううん。
たまにはこうゆう無邪気な楽しさも悪くないわ。
ルルーシュ:
着替え、とりあえず俺のでいいか?
カレン:
気にしない。そういうのは。
早いのね。
男子寮まで行ってきたんでしょ?
ルルーシュ:
俺、ここに住んでるから。
カレン:
え?
ルルーシュ:
寮で暮らすのは妹には難しくてさ。
理事長の好意でここに住まわせてもらってる。
カレン:
そう。
ルルーシュ:
それじゃ。
カレン:
待って。
取ってくれる?そこのポーチ。
ルルーシュ:
ああ。
ルルーシュ:
思ったより活発なんだな…
カレン:
あの日、シンジュクにいたの?
ルルーシュ:
何のことだ?
カレン:
とぼけないで!
何故シンジュクって言ったの?
ルルーシュ:
シンジュクだと何か都合が悪いのか?
カレン:
質問に質問で答えないで。
答えはYESかNO。
それ以外は聞きたくない。
ルルーシュ:
出ないと、誰か来ちゃうけど
いいかな?
はい、アッシュフォード学園生徒会。
えっ?いや俺は…
はあ…
君宛だ。
出れば分かるってさ。
カレン:
もしもし。
電話:
無事だったようだな、Q1。
カレン:
違った?
電話:
明後日の16時。
旧東京タワーの展望室に一人で来い。
カレン:
お前は誰だ!?
停戦命令を出させたのは!?
おい!切るな!!
ルルーシュ:
何だ?
停戦命令って。
随分物騒なお友達だな。
カレン:
あっ、今のはその…
ルルーシュ:
当てようか?
ゲームの話だろ?
ネットとかさ?
カレン:
ええ。そうなの。
あたし家に篭りがちだったから…
ルルーシュ:
だから忠告したんだよ。
シンジュクのことは言わないほうがいいって。
いるんだ。君みたいな人にわざと画像とか見せたがる奴らがさ。
ところで、見えてるんだけど…。
カレン:
えっ?
あわあああああああ
ルルーシュ:
あの…誰にも言わないから…
じゃ、後で。
カレン:
違ったんだ…
生徒会(せいとかい)っていっても、大して仕事はないんだ。
たまに書類仕事があるくらいで、あとはイベントの企画。
イベントって、文化祭とか?
男女逆転祭(まつり)とか、絶対無言パーティとか、水着で授業とか。
な~に~それ?
会長の趣味。
そのうち付き合わされるから、覚悟しとけよ。
お兄(にい)様、大変!
なんだい?
クロヴィス殿下が亡くなったのよ。
殺されたんだってさー。
ええ!?
クロヴィス殿下は薨御(こうぎょ)された。
イレブンとの戦いの中で平和と正義のために殉死されたのだ。
我々は悲しみを押して、その遺志を継がなければならない!
たった今、新しい情報が入りました。
実行犯と見られる男が拘束されました。
発表によりますと、逮捕されたのは名誉ブリタニア人です。
まさか!?
枢木(くるるぎ)スザク一等兵。
容疑者は、元イレブン、名誉ブリタニア人の枢木(くるるぎ)スザクです!