コーネリア:
そうか… ゼロの正体はお前だったのか
ブリタニア皇族に対する恨み…
ダールトンの分析は当たっていたな
ナナリーのためにこんなことを?


ルルーシュ:
そうです
私は今の世界を破壊し、新しい時代を創る


コーネリア:
そんな世迷言のために殺したのか!
クロヴィスを…ユフィまで!


ルルーシュ:
姉上こそ、私の母・閃光のマリアンヌに憧れていたくせに

コーネリア:
どうやら、これ以上の会話に意味はないようだな

ルルーシュ:
そうですね
ならば――
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが問いに答えよ


コーネリア:
ああ

ルルーシュ:
私の母を殺したのは姉上ですか

コーネリア:
違う

ルルーシュ:
では誰が?

コーネリア:
分からない

ルルーシュ:
あのときの警護担当は姉上でしたね

コーネリア:
ああ

ルルーシュ:
なぜ警護隊を引き上げたのですか

コーネリア:
頼まれたから

ルルーシュ:
誰に!

コーネリア:
マリアンヌ様

ルルーシュ:
母さんに?
まさか、そんな――
ということは…
母さんはあの日、襲撃があることを知っていた?
いや、ありえない
なら俺たちを逃がしているはず!
何があった、あの日!
誰なんだ! 母さんを殺した奴は!
知らないのか
なら、真実を知っている奴は誰だ!
調べていたんだろう、あの日のことを!


コーネリア:
皇帝陛下に命じられて、シュナイゼル兄様が遺体を運び出した

ルルーシュ:
遺体って母さんの?
じゃあ、あの棺の中は――


C.C.:
おい、戻ってこい!

ルルーシュ:
分かっている!
そろそろ政庁の守備隊が――


C.C.:
違う!
お前の妹が攫われた!

ルルーシュ:
冗談を聞いている暇はない
今はコーネリアを人質として本陣に――


C.C:
私には分かる!
お前が生きる目的なのだろう?
神根島に向かっている


ジェレミア:
オール・ハイル・ブリターニア!
おや、あなた様は…ゼロ?
何たる
僥倖
宿命! 数奇!


ルルーシュ:
まさか、オレンジか!

ジェレミア:
おっ、おーー お願いです!
死んでいただけますか?


ルルーシュ:
コーネリアを!

C.C.:
分かっている!

ジェレミア:
ゼロ、私は…
帝国臣民の敵を排除せよ!
そう、ならばこそ
オール・ハイル・ブリタニア~!


バトレー:
このような失態、我が君に何と報告すれば!

研究員:
情念だけが暴走しています
さすがに行動予測までは…


バトレー:
せめて会話が可能な状態であればよかったのだが

ルルーシュ:
邪魔をするな!

ジェレミア:
ゼロ―――!


無線:
現在、[  ]エリアを通過――

セシル:
どうしてスザク君を止めたんですか?

ロイド:
軍属として当たり前でしょ?

セシル:
死なせたくなかったんですね

ロイド:
まさか
君も知っているくせに
人間はとても壊れやすいって
その肉体も、心も、互いの関係も


セシル:
だからといって思い通りになる人や世界なんて…

ロイド:
でも、僕はそういうパーツが欲しいんだ
枢木少佐がダメなら次のデバイサーを探すだけさ


ラクシャータ:
気をつけなさいよ
ナイトメアはフィールドの中だと停まっちゃうんだから


黒の騎士団:
分かっています

C.C.:
器用だな

ルルーシュ:
扇か
私だ


南:
ゼロ! よかった!

ルルーシュ:
南?
扇はどうした?


南:
撃たれたんだ!
手当してるが意識がない
それと、犯人はまだ――


ルルーシュ:
わかった
ならお前でいい
車椅子の少女はどうした?


南:
いや、それより扇が――

ルルーシュ:
代わりなら後で手配する!
今は車椅子の少女が先だ!


南:
代わりって?

ルルーシュ:
確認しろ! 早く!

南:
拘束していた学生たちはみんな消えたよ
扇が撃たれたどさくさに…


リヴァル:
ルルーシュか?
悪いけど今は…


ルルーシュ:
ナナリーはそこにいるか?

リヴァル:
クラブハウスにいるよ
俺たちはちょっと離れちゃってるけど


ルルーシュ:
分かった

リヴァル:
おい、そっちは今どこに――

ルルーシュ:
ナナリーには繋がらないし
咲世子も


C.C.:
ルルーシュ
私はお前の共犯者だ
お前の味方だ


ルルーシュ:
信じろと?
理由すら言わない女の戯言を


C.C.:
お前に死なれては困る
それは本当だ


ルルーシュ:
ふん、一方的な都合ばかり
3番隊、敵の飛行型だ
一斉射で撃ち落せ!


カミサキ:
了解!
敵機捕捉
てぇー!


ジェレミア:
見えた…

カミサキ:
な、何だあれは!

黒の騎士団:
カミサキ隊長!

ジェレミア:
ゼロ! ゼロよぉー!

ルルーシュ:
雑魚が!
お前の相手をしている暇はない
C.C.、トウエルブ・ストリートに出ろ


C.C.:
一方的な都合ばかり!

ジェレミア:
当たらず!
このジェレミア・ゴットバルトには!


ルルーシュ:
違うな、オレンジ君
もう当たっている


ジェレミア:
卑怯、後ろをバック

ルルーシュ:
潰れろ、古きものよ
よしっ、これでナナリーの元に


玉城:
頑丈だなー
やっぱ回転刃刀(かいてんやいばとう)がいるかー


黒の騎士団:
玉城さん、こいつらどうしますか
他の学生達と一緒に寮か体育館に


シャーリー:
ゼロを呼んで!
ゼロは絶対に私達を守るから!
でなきゃ変だもの
今までの事だって――

玉城:
うるせー
ゼロのことはこの俺がよく知ってんだよ
こんな時あいつなら迷わないってこともな


スザク:
やめろ!

玉城:
何だよ
ブリキのためなら外に出るってか?


リヴァル:
スザク…

玉城:
欲しいのはその白兜(しろかぶと)だけだ
裏切り者はここで死んでおけ

スザク:
アーサー

玉城:
このクソ猫が!
もういい!
こいつら全員始末…


ロイド:
こんばんは~!

黒の騎士団:
退け! ひとまず退くんだ!

ラクシャータ:
まさか!
あのプリン伯爵が前線に出てくるなんて


ロイド:
ラクシャータ、やっぱりいたのか

ミレイ:
今よ

玉城:
待て、てめえら!

ロイド:
どう、セシル君?
テストパーツの調子は


セシル:
いけそうですね、実用化

スザク:
戻った

セシル:
フィラーカバーを開けて
エナジーを交換するわ


スザク:
はい、でもどうしてセシルさんまで

セシル:
どうしてですか、ロイドさん?

ロイド:
取り返しに来ただけだよ
ランスロットとか、まあ色々と


セシル:
サザーランドのパーツだけど、いけそう?

スザク:
はい
適合チェッククリアです


セシル:
じゃあ、ここは私達に任せて
あなたはゼロを!


スザク:
ありがとうございます
アッシュフォード学園を、ここにいるみんなをお願いします!


ロイド:
分かってるよ
婚約者もいるしね


スザク:
ん?
ロイヤル・プライベート?


コーネリア:
く、枢木君…

スザク:
コーネリア総督?

藤堂:
しぶとい
さすがはコーネリアの精鋭


ルルーシュ:
藤堂、以降の作戦は全てお前に任せる
負傷した扇の仕事はディートハルトに仕切らせろ


藤堂:
任せる?
任せるとは一体…


ルルーシュ:
私は他にやらなければならないことがある
以降、そちらからの通信は全て切る


藤堂:
ま、待て!
この状況で他があるのか!


黒の騎士団:
七番隊、全滅!

藤堂:
何?

ミレイ:
落ちついて!
大丈夫だから順番にね!
下級生から


黒の騎士団:
ひとまずさがるんだ!
持ち出せないデータは処分しろ!
早く、早く!


コーネリア:
せ、戦況は我が軍に有利だ
いいか
私の負傷は極力伏せろ
動揺する
ギルフォードやグラストン・ナイツが
しかし、お前にだけは


スザク:
もう喋らないで下さい

コーネリア:
神根島
そこににゼロが…
それ以外は… 駄目だ
思い出せない


スザク:
ギアス

コーネリア:
お前はユーフィの騎士なのだろう
ならば行ってユフィの汚名(おめい)をすすぐのだ


スザク:
あ、はい

コーネリア:
貴公(きこう)に略式(りゃくしき)ではあるがブリタニアの騎士侯位(きしこうい)をさずける
これで名実ともにお前は騎士だ
行け、枢木スザクよ


スザク:
イエス・ヨア・ハイネス
神楽耶:
え? ゼロがいなくなったのですか?

ディートハルト:
いいえ、指揮権を現場に委ねただけで…
はい
なぜ、こんな大事なときに…


玉城:
何で扇が撃たれたんだ!
ゼロはどこにいるんだよ!


黒の騎士団:
知らないって!

黒の騎士団:
連絡は取れないのか!

ラクシャータ:
逃げる理由なんてないはずよね
でも…


朝比奈:
いくら藤堂さんでも、全体状況が分からないと…

カレン:
ゼロ… 私はどうすれば――

扇:
か、カレン

カレン:
扇さん!
大丈夫なんですか


扇:
ああ
それより、カレン
ゼロを追え
彼の…行動には…意味が…あるはず
助けるんだ
ゼロ、ナオトの夢を継ぐ者


カレン:
でも、どうやって探せば?

扇:
そろそろ見えるだろ

カレン:
あれは…ランスロット
あいつがここを離れる理由なんて――


扇:
ラクシャータが発信機を…な

カレン:
分かりました
補給部隊、接収した空輸機を私に回せ!
最優先だ!


玉城:
ちくしょーー!
せめてここだけでも!


ロイド:
学生さんたちの搭乗完了までだよ
頑張ってね


セシル:
分かっています
え?
どうしてあんなところに熱源反応が?


玉城:
ナイトメア?

ラクシャータ:
なんだい、あの年代もんは?

ミレイ:
ガニメデ
ニーナ!


ロイド:
いけない!
砲撃中止!
黒の騎士団もストップ!
一時休戦だ!
そいつを撃っちゃいけない!


ラクシャータ:
みんな! 言うとおりにおし!
撃つんじゃないよ!
ロイドをマジにするほどの代物か?


ロイド:
ニーナ、完成させたのかい?

ニーナ:
検証は不十分です
爆発させられるかは分かりません
でも私は…


ミレイ:
爆発って何言ってるの、ニーナ!

セシル:
危険よ! 下がって!

ロイド:
彼女の理論通りなら
この東京租界そのものが死滅するかも


玉城:
んなことあるはず――

ラクシャータ:
信じなさいよ!
サクラダイトまで使ってんだから


ニーナ:
ゼロはどこ?
教えて!
ユーフェミア様の仇!
ゼロはどこにいるのよぉ!


ルルーシュ:
ナナリーがいなくなったら、俺は今まで何のために!
何のための独立戦争だ?
ユフィまで犠牲にして


C.C.:
見えたぞ、神根島だ

ルルーシュ:
取り返す
誰が相手だろうと
ナナリーを!


ルルーシュ:
やはりここだろうな
何かお前に関係がある場所か


C.C.:
ここは知らない

ルルーシュ:
ふん
他にもあるということか
ナナリーを攫った奴はギアス能力者か


C.C.:
そこまでは分からない
本当だ


ルルーシュ:
信じよう
少なくとも我々の共犯関係はまだ続いているのだから


C.C.:
ありがとう

ルルーシュ:
どうした?

C.C.:
そうか、これは――

ルルーシュ:
何?

C.C.:
落ち着け
これは侵入者に対してのトラップ
作動させた奴が――


ルルーシュ:
何だ、これは?
昔に?
C.C.? いや…
しかし…


軍人:
何だ、お前は!

ルルーシュ:
やめろ
やめろー!


ルルーシュ:
C.C.、これは…お前の…

C.C.:
残っているのは魔女としての記憶だけ
そもそも自分が人間だったのかすら分かりはしない
私を憎む人も、優しくしてくれた人も
全て時の流れの中に消えていった
果てることのない時の流れの中で、私…独り


ルルーシュ:
独りじゃないだろ
俺たちは共犯者
お前が魔女ならば、俺が魔王になればいいだけだ


C.C.:
こんなときによく言う

ルルーシュ:
C.C.、無事か?

C.C.:
誰に向かって言っている?

ジェレミア:
私です!
ゼロよ! 懺悔は今!


ルルーシュ:
しつこい奴!
コーネリアに受けた破損箇所が!


C.C.:
ハドロン砲もあと一撃しか!

ジェレミア:
私の素晴らしき雪辱!
姑息孤立小癪ッ!!


C.C.:
あいつは私に任せろ
お前はナナリーを!


ルルーシュ:
しかし、もうエナジーが!

C.C.:
大丈夫だ
いや、少し不安だな
勝てよ、ルルーシュ
自らの過去に、そして行動の結果に


ルルーシュ:
C.C.、死ぬなよ

C.C.:
誰に言っている?

ルルーシュ:
ふん、そうだったな

ジェレミア:
発見!

C.C.:
心中相手としては好みじゃないが

グラストンナイツ:
守り抜け!
我らの勝利は目前だ!


千葉:
押し切れない!

朝比奈:
早くしないと、敵の援軍が――

黒の騎士団:
どうすりゃいいんだ!
井上…
何やってんだ、ゼロは!


ギルフォード:
全軍突撃!
反乱軍を一挙に粉砕する!

藤堂:
死守しろ! なんとしても!
ここを破られたら、完全に我が軍は崩壊する!


ディートハルト:
藤堂の軍事的手腕が劣っているわけではない
カリスマ、ゼロにはそれがある…
なのに、ここまで来て…まさか


神楽耶:
ゼロ様
本当に私達を、日本を見捨てたのですか?

ルルーシュ:
入口にあったトラップは時間稼ぎだろう
目的は俺か?
C.C.という線もあるか
いずれにせよ、ナナリーの無事を確認してからだな


スザク:
こちらを向け、ゆっくりと

ルルーシュ:
こんな時に!

スザク:
聞こえなかったのか? ゼロ
こちらを向くんだ、ゆっくりと


ルルーシュ:
ユーフェミアは罪なき日本人を一方的に殺した
君はそんな女――


スザク:
便利な力だな
ギアスとは
自らは陰に隠れ、責任は全て他者に擦り付ける
傲慢にして卑劣
それがお前の本質だ
カレン!
君もゼロの正体を知りたくはないか


カレン:
何をいまさら!

スザク:
君にも立ち会う権利がある

カレン:
待てっ!
なんで!?
どうして――?


スザク:
信じたくは… なかったよ

カレン:
ル、ルルーシュが…

ルルーシュ:
そうだ、俺がゼロだ。
黒の騎士団を率い、神聖ブリタニア帝国に挑み、そして世界を手に入れる男だ


カレン:
あなたは私達日本人を利用していたの?
私のことも?


ルルーシュ:
結果的に日本は解放される。
文句は無いだろ?


スザク:
早く君を逮捕すべきだったよ

ルルーシュ:
気付いていたのか?

スザク:
確信は無かった。
だから否定し続けてきた。
君を信じたかったから…
だけど君は嘘をついたね…
僕とユフィに、ナナリーに…


ルルーシュ:
ああ、そのナナリーがさらわれた!
スザク、一時休戦といかないか?
ナナリーを救うために、力を貸してほしい!
俺とお前、二人(ふたり)いれば出来ないことなんて――


スザク:
甘えるな!
その前に手を組むべきはユーフィだった!
君とユフィが力を合わせば、世界を…


ルルーシュ:
全ては過去、終わったことだ!

スザク:
過去?!

ルルーシュ:
お前も父親を殺しているだろ?
懺悔など、後でいくらでもできる!


スザク:
いいや、君(きみ)には無理だ!

ルルーシュ:
何?

スザク:
君は最後の最後に世界を裏切り、世界に裏切られた!
君の願いは叶えてはいけない!


ルルーシュ:
馬鹿め!
理想だけで世界が動くものか!
さあ、撃てるものなら撃ってみろ!
流体サクラダイトをな!
俺の心臓が止まったら爆発する!
お前達もおしまいだ!


スザク:
貴様!

ルルーシュ:
それより取引だ!
お前にギアスを教えたのは誰だ!
そいつとナナリーは――


スザク:
ここから先のことはお前には関係ない!
お前の存在が間違っていたんだ!
お前は世界から弾き出されたんだ!
ナナリーは俺が――


ルルーシュ:
スザク!

スザク:
ルルーシュ!


C.C.:
人は、人間は幸せを求める存在である…
ブリタニアの少年・ルルーシュが望んだことも、小さな幸せに過ぎなかった…
特別なことではない。
少なくとも行動の根源には、人としてごく当たり前のとてもささやかな願いしかなかった…
そんな夢を、そんな誓いを誰が否定できるのか…?
誰にそんな資格があるというのか…?
だがしかし、人は誰しもが否応なく他者と、世界と関わることによって自らを規定され、定められてしまう…
ならば個人の思惑など、世界の意志を前にしてはどうしようもなく流されてしまう、儚い存在でしかない…
罪と罰
運命と裁き
ルルーシュの前に立ちはだかったのは自らが生み出した過去であり、人が人であるがゆえの憎しみか…?
それでも今は感謝すべきであろう
そう、少なくとも…
人が幸せを求める存在であることに
一縷の望みは、ほのかなる願いは、
絶望からこそ生まれ出(い)ずる…



【おまけ】

ゼロ… バカな男だ。
逆らっても、抗っても、どうせ世界は変わらないのに

教えてやろう。大人の世界ではな 正しいことに価値はないんだ

何かある…
俺の知らないところで何かが起こっている

力のない人間は、
我慢しなくちゃいけないの?
たとえ正義がこちらにあっても

やめろ 生きてる!

無力が悪だというのなら
力は正義なのか?!

間違っていたのは俺じゃない
世界の方だ

続編制作快調!
乞う御期待!!