Haruhi(Japanese)>07. 涼宮ハルヒの退屈

みくる:
お茶です。どうぞ。

キョン:
ああ、どうも。
ああ、おいしいですよ。

みくる:
どうぞ。

古泉:
ありがとうございます、朝比奈さん。

キョン:
5月にハルヒがSOS団を立ち上げて、早くも今は6月だ。
実はこの間に俺は
世界がこむら返りを起こしたような事件に巻き込まれたりしたのだが、
まあそれはそれとして、今回はこんな話である。

ハルヒ:
みんな、野球大会に出るわよ!

キョン:
あれから今日まで、特にこれといったことも起こらず、
つかの間の平和と退屈をのどかに楽しんでいたのだが、
それはまさしくつかの間に過ぎなかったらしい。なぜなら…
こいつがこんないい顔で笑い出すと、
なぜか俺が疲れるからくりになっているからである。


何に出るんだって?

ハルヒ:
これ。

キョン:
第9回市内アマチュア野球大会…。
で、誰が出るんだって?この草野球大会とやらに。

ハルヒ:
あたしたちに決まってるじゃない。

キョン:
その"あたしたち"、というのは、俺たちも入ってるのか?

ハルヒ:
あと4人、メンツをそろえる必要があるわね。

キョン:
例によって、自分の都合の悪い話が耳に届かないやつである。
お前、野球のルール知ってるのか?

ハルヒ:
知ってるわよそれくらい。
野球部に仮入部したこともあるから、一通りこなしたわ。
てんで面白くなかったからすぐ帰ったけど。

キョン:
その面白くなかった野球の大会にどうして参加しないといかんのか?

ハルヒ:
我々の存在を天下に知らしめるチャンスだわ。
この大会で優勝したら、
SOS団の名前が一人歩きしていくきっかけになるかも知れないじゃない。
いい機会よ!
ね、ナイスアイディアでしょ、みくるちゃん。

ハルヒ:
ね、いいでしょ、野球。
言っとくけど、狙うは優勝よ。一敗も許されないわ。
私は負けることが大っ嫌いだから。
いいわねっ?

古泉:
いいんじゃないんですか。

キョン:
そんなにさわやかに賛成すんな。
たまには、反論のひとつでもしてやれよ。

古泉:
宇宙人やUMAを探して歩き回るより、
よほど健康的だと思いますが。

キョン:
あー。で、その試合とやらはいつなんだ。

ハルヒ:
今週の日曜。

キョン:
明後日じゃねえか。
いくらなんでも急すぎんだろ。

ハルヒ:
でも、申し込んじゃったし…。
あ、安心して。
チーム名はSOS団にしといたから。
その辺抜かりはないわ。

キョン:
他の4人のメンツはどこからかき集めるつもりだ?

ハルヒ:
そこらを歩いてる暇そうなのを捕まえればいいじゃない。

キョン:
これを本気で言ってんだからな。
分かった。お前はじっとしてろ。
取りあえず、谷口と国木田なら暇そうだが…

ハルヒ:
それでいいわ。

キョン:
クラスメイトをそれ呼ばわりするハルヒであった。
と、あと二人か。

みくる:
あの、私のお友達でよろしければ…

ハルヒ:
じゃあそれ。

キョン:
誰でもいいらしい。
ん、待て。
朝比奈さんの友達?
ちょっと気になるぞ。
いつ、どこの友達だ?

みくる:
大丈夫です。
この時間…、クラスで知り合ったお友達ですから。

古泉:
では僕も。
実は、我々に興味を抱いている知り合いに心当たりが…

キョン:
俺が、何とかする。

ハルヒ:
そうと決まれば早速特訓ね、特訓!

キョン:
特訓だと?今からか?

ハルヒ:
そうよ。

キョン:
どこで?

ハルヒ:
あそこで!