唯: うんしょ…もうちょっと。
憂: おッ、お姉ちゃん、大丈夫!?
唯: うん、大丈夫…。できた~。今年もサンタさん来てくれるかなあ。私、宿題忘れたり、給食残したり、あんまりいい子にしてなかったから来てくれないかも。プレゼントもらえますように!
憂: 大丈夫だよ、お姉ちゃん。サンタさん、ちゃんとプレゼントくれるよ。
唯: 憂もお願いしといた方がいいよ。
憂: 今年はホワイト・クリスマスになりますように。
唯: ほわいと・くりすます?
憂: 雪が降って、真っ白になったクリスマスのことなんだって。
唯: ふ~ん・・・

唯: 憂、憂! 早く早く!
憂: お姉ちゃん、待って。
唯: ジャジャーン!
憂: わあ~!
唯: ホワイト・クリスマスだよ。
憂: お姉ちゃん、これ。
唯: エヘヘ。クッションの中身。
憂: うわッ。
その日、お姉ちゃんはたくさんしかられました。

唯: 憂、どうかした?
憂: ううん。今年も楽しいクリスマスになるといいな。

OP

憂: 寒くなったね~。
唯: あれッ、マフラーしないの?
憂: うん。実は去年洗って干しといたら、飛ばされちゃったみたいで。お姉ちゃん。
唯: あったかあったか。
憂: 手袋、片方は?
唯: なくしちゃったみたい。あったかあったか。

律: みんな~、クリスマス会のチラシを作ったよ~。
澪: あれッ、クリスマス会ってやることになってたの?
律: 誰にも言ってないけどね。
澪: 言えよ。日時12月24日、場所ムギの家、会費1000円。
紬: あの、その日はウチ都合悪いの。
律: あッ、やっぱりダメだった?
紬: ウチは常に何かしらの予定がつまっていて、1ヵ月前に予約とらないといけないの。本当にごめんね。
澪: そッ、そうなんだ。
律唯: どんなウチ!?
紬: りっちゃんのおウチはどう?
澪: あー、ダメダメ律の家は汚くって足の踏み場もないから。
律: 何だとーッ。澪の部屋なんか服が脱ぎ散らかってるくせに~、パンツとか。
澪: まッ、真顔でデタラメ言うな!
律: 証拠は写真にバッチリ。
澪: ウソつけ~。
律: ウソじゃないも~ん。
澪: パッ、パンが2つでパン…
律: 他にも・・・
澪: ひえ~ッ。やめろ~やめてくれ~。
紬: ゆッ、唯ちゃんのおウチは?
唯: 別にいいよ。
律: やった~。
澪: でもクリスマスに大人数で押しかけて大丈夫なのか?
唯: うん、その日はお父さんもお母さんもいないから。
律: そういえば前行ったときもいなかったな。
唯: よく2人で旅行するんだ。クリスマスはドイツ行くんだって。

平沢夫妻: アハハハ…イエーイ!

律澪: ラブラブ夫婦。
紬: 何か用意するものある?
唯: 料理は任して。
律: 大丈夫かあ?
唯: うん、大丈夫。憂が作ってくれるから。
澪: デキた妹でよかったな。
律: あッ、そうだ。あれやろうよ、プレゼント交換!
唯: やろうやろう。
紬: やろうやろう。
律: 澪、ヘンなもの持ってくるなよ。
澪: それはお前だろう。小学校のときだって…
唯: ベタやなあ。
律: お前がツッコムな!
唯: ベタ子さん。
紬: 楽しみだわ~、クリスマス会。

律: 和さんも軽音部のクリスマス会に参加しない?
和: え? 私、部外者だけどいいの?
律: 全然いいよ~。私達友達だし。人数増えた方が使えるお金増えるし。
澪: それをどうする気だ?
唯: 和ちゃんこれる?
和: うん。
唯: わ~い。

唯: ということで、お料理よろしくね。もちろん私も手伝うよ。
憂: 任せて! でもお姉ちゃんがケガしたら大変! お姉ちゃんは飾りつけとかお願い。
唯: ガッテンです。
憂: でもクリスマス会って何やるの?
唯: ケーキ食べて~、プレゼント交換して~、あ、一人一芸披露するんだよ~。
憂: えッ。一芸って何をすれば…
唯: あれッ? マジメに考えてる?
憂: でも何か考えておくね。
唯: あッ、うん。
憂: それとプレゼントも用意しなきゃ。
唯: そうだ。私も買いに行かなきゃ。

唯: 何がいいかな~。あッ、これカワイイ~。和ちゃん、私これにする。
和: フツー自分に当たったらやり直しだよ。
唯: じゃあ、これでいいや。
和: おい。

澪: 律、決まった?
律: これは~?
澪: ぜッ、絶対ダメ。
律: じゃ、これは? これなんか…あいたー!
澪: どうしてそんなものばっかりなんだ!

唯: やっと決まった~。
和: あッ。
律: なんだ~、唯達もプレゼント買いに来てたんだ。
唯: 何買ったの?
澪: それを言ったら楽しみがなくなるだろ。
唯: ああ、そっか。
律: そうだ。ジャジャーン! これから抽選に行くんだ~
唯: あッ、私達もだよ。

律: ヤッ!っと。またティッシュか。
福引: 出ました、1等賞!
紬: わあ~
福引: はい、おめでとうございます。
唯: ムッ、ムギちゃん?
紬: みんなもお買い物?
律: 当たったの?
紬: うん、ハワイ旅行だって。
澪: 何て強運なんだーッ。
紬: でも辞退したの。
唯: 何で~?
紬: こっちが欲しくてかえてもらっちゃった。クリスマスにみんなでやりましょう。
4: うッ、うん。

憂: 何作ろうかな~。そして何の芸をやろう。

唯: うわッ!
憂: お姉ちゃん、どうしたの?
唯: あッ、憂。
憂: 掃除してたんじゃなかったの?
唯: つい…。お? おいしそ~うわあ~
憂: お姉ちゃん、ダメだよ。
唯: つまみ食いなんてしないよ。しないってば。
憂: だッ、だるまさんがころんだ状態!? もうお姉ちゃん遊ばないで。まだ全然飾りつけてないし、急いでね。
唯: うん。
憂: 今から作る気だあ。

3: おジャマしま~す。
憂: どうぞ。
律: ヤッホー、唯来たぞ~
唯: お~い、みんな上がって~
律: 何してんの?
唯: やり出したら止まらなくなっちゃって。
律: 小学生かよ。
憂: あッ、コートもらいます。
律: あッ、ありがとね。
澪: 働き者の妹と遊び人の姉。
律: 不幸なドラマが始まりそうな設定だな。

律: うわ~、料理スゲ~!
紬: 憂ちゃんが作ってくれたの?
唯: 失礼な。私も作ったよ。このケーキ!
律: うわッ、スゲ~
唯: …の上にイチゴをのせました。
律: 私の言った「スゲ~」を返せッ!
唯: ダメ?
憂: あッ、あの、お姉ちゃんいろいろすごく頑張ってくれて。掃除しようとしてくれたり、飾りつけようとしてくれたり、それからえっと…
澪: 一生懸命かばってる。
律: 分かった。ごめんね。
唯: じゃあ和ちゃん遅れるっていうから、先にカンパイしようか~
憂: うん。
澪: ノーテンキな姉とけなげな妹。
律: これはこれでいいコンビなのかもね。

6: カンパ~イ!
律: いや~、今年も終わっちゃうねえ。
さわ子: や~ねえ、オヤジくさい。
律: わあ~ッ、さわちゃん!?
さわ子: これ、おいしいわ~。おかわりもらえる?
4: いつの間に?
律: まさかロープをよじのぼり、
澪: 窓から侵入して、
唯: 忍び込んできた?
さわ子: ちょっと~、人を何だと思ってるの~? まったく顧問を忘れるなんてどういうこと?
律: いや~、忘れてたわけじゃないんですけど。
唯: 先生は彼氏と予定があると思って呼びませんでした。
さわ子: そんなことを言うのはこの口か~ッ!
律: 天然はスゴイ。
澪紬: うん。
さわ子: 罰として唯ちゃんはこれに着替えなさい。
唯: 何でそんなもの持ってるんですかあ? ジャーン!
さわ子: ダメね。唯ちゃんは恥じらいが足りないわ。ここはやっぱり・・・
澪: ひッ…
さわ子: こ~ら、逃げな~い。
澪: ひえ~!
さわ子: 待ちなさ~い!
和: こんにちは~
さわ子: てこずらせないでよ~
澪: ひえ~。ヒャッ!
和: ごめんなさい。間違えました。
澪: 間違えてないよ! 助けて!

澪: モウオヨメニイケナイ・・・
憂: 高校生って何だかスゴイ。
律: 気を取り直して、プレゼント交換でもするか~
唯: オーッ!
憂: 高校生って切り替えが早い!?
和: あ、でも先生は?
さわ子: 私も持ってきてるわよ。
他: おお~
さわ子: 本当は今日、彼氏に渡すつもりのプレゼントだったんだけど。
他: 重たい。
さわ子: それじゃ~、始めるわよーッ! 歌が終わったところでプレゼント。はい。
~ジングルベ~ル、ほいッ ~ジングルベ~ル、イエーイ
~鈴が鳴る ~今日は楽しいクリスマス、イエーッ
~ジングルベ~ル、 ~ジングルベ~ル、ウオーッ
~鈴が鳴る ~今日は楽しいクリスマス、イエーッ
律: 何かヤケクソ。
唯: もっと楽しいものじゃないの、プレゼント交換って!?
澪: モウオヨメニイケナイ・・・
憂: 何か目が回りそう。
紬: 今年のクリスマスは今までで一番盛り上がってるかも。
さわ子: ストップー!
律: あッ。これ私が買ったやつだ。
さわ子: じゃあ、交換交換。
澪: えッ、さわ子先生。
さわ子: あッ。何かすごくステキな物のような気がするわ~。さあ何かな~。最高のクリスマスだわ~ッ!!
律: うわ~、先生が壊れたあ!
紬: 気を確かに。
さわ子: メリー・クリスマース! メリー・クリスマース!
律: ごめんなさい、もうしません。
唯: きっといいこともありますよ~

澪: ああ~、それ私が買ったやつ。
和: あッ、それ私。
唯: 和ちゃん、お歳暮じゃないんだから。ああッ、いいなあ、おいしそ~う。
さわ子: はいはい、それが私のね~
唯: まさか、これを彼氏にあげるつもりだったんですか?
さわ子: そうよ、悪かったわねえ!
澪: 天然ってコワイ。
紬: あとプレゼント開けてないのは、唯ちゃんと憂ちゃんだけよね。
さわ子: 早く開けなさいよ。
唯憂: はッ、はい。
憂: お姉ちゃん、片っぽなくしたって言ってたから。
唯: 憂、マフラーなくしたって言ってたから。
澪: お互いのプレゼントが当たってなかったら、どうする気だったんだ?
紬: よかった~
唯: ありがとう、憂。
憂: うん。ありがとう、お姉ちゃん。これがあれば冬もあったかいかも~
律: よ~し、じゃあ次は、1人ずつ芸でもするかあ。
澪: いい話系の流れだったのに。
律: 澪が一番にやるかあ?
和: 完全にオヤジだわ。
律: じゃ、唯。
唯: 私!?
憂: はい! 私やります。
唯: えッ、憂?

憂: こんにちは~。メリー・クリスマース。みんな楽しんでますかあ? すみません、こんなことしか。
紬: 準備してたの?
憂: はい、お姉ちゃんに一人一芸って言われてたので。
唯: えッ、本気にしたの!?
憂: 違うの?
唯: ごめん、憂。
憂: いいよ。気にしないで。
唯: じゃあ私も。エアギター!
律: あッ。じゃあエアドラム。

澪: うう…
唯: 澪ちゃん、頑張ったね。

紬: モノマネしま~す。
律: なッ、何?
紬: マンボウのマネでした~

さわ子: ヨッシャー! 次いくわよ~! モミジ~
澪: キレイで優しいさわ子先生はどこに…

全員: おジャマしました~
唯: 寒いねえ、憂。
憂: あッ、雪。
唯: あッ、ホントだあ。ホワイト・クリスマスだね。
憂: お姉ちゃん、私にホワイト・クリスマス、プレゼントしてくれたことあったよね。
唯: え? う~ん?

憂: 今日はホントに楽しかったな。
唯: 憂。入るよ。
憂: お姉ちゃん?
唯: 一緒に寝てもいい?
憂: うんッ。
唯: 今日はこれして寝るんだあ。あったかいから。
憂: 私もマフラーして寝ようかなあ。あったかいから。

憂: お姉ちゃん、寒いよお。

憂: お姉ちゃん、ホコリ落ちるよ。
TV: もう終わりにしましょう。愛がなくなったわけじゃない・・・

憂: お姉ちゃん、年越しソバ。
唯: わ~い。
TV: まもなくカウントダウンが始まろうとしています。えー、ご覧のとおりですね、後ろから・・・

憂: おもち、2つでいいよね?
唯: うん。
TV: あけましておめでとうございます。~富士山が見える、ここ、山中湖インターチェンジから・・・

憂: みかんむけたよ。
唯: あ~ん。
TV: 何でやねん。~かと思うと、やってられんわ・・・

唯: 年末年始はこんなでした~
律: 憂ちゃんくれ!
紬: 相変わらずいい姉妹(きょうだい)ねえ。
律: それだけ食っちゃ寝してたら太っちゃうんじゃないか?
唯: 私、いくら食べても体重増えないんだ。
澪: そんなわけ…
紬: ないでしょッ!
唯: ムッ、ムギちゃんまで。
澪: ところでムギ何キロ太った?
紬: …キロ。
澪: 私は…キロ。
律: 唯、とりあえず謝っとけ。
唯: ごめんなさい。澪ちゃん、晴れ着気合い入ってるね。
澪: 律が昨日「着ていくの?」って聞くから。
律: 聞いただけ。
澪: なッ、何~ッ!
唯: 今年も澪ちゃんのポジションは変わらずかあ。
澪: 着替えに帰る!
唯: そのままでいいじゃん。カワイイよ。
澪: そ…そう?
唯: そうだよ~
紬: 今年もいいものを見せてもらいました。
律: ムギも相変わらずだなあ。
さわ子: チッ。
紬: さわ子先生!?
律: さわ子先生も相変わらずで。
女: ほら見て。
さわ子: ケッ。

律: みんな、何をお願いしたの?
紬: 私は家内安全を。
澪: 体重減りますように。
唯: おいしいものをたくさん食べられますように。
律: みんな、軽音部のこと祈ろうぜ。
澪: 演奏がうまくなりますように。
紬: みんなと楽しく過ごせますように。
唯: ムギちゃんの持ってくるケーキをもっとたくさん食べられますようにッ。・・・ギターがうまくなりますように。
律: よーし!
唯: 帰りに何か食べてく?
紬: 食べ物の話はしないで~
澪: 唯はホントに太らないのか?

【予告】
澪: 軽音部で~す。
律: 寂しくなったらいつでも遊びに来ていいんだよ。
澪: 私は小学生か!
唯: いらっしゃいませ。
律: さあ入って入って歓迎するよ~
憂: いやあの…その前に今のは。
さわ子: あなた達・・・
紬: とにかく明日、ライブで4曲やるから聞きに来て。
澪: 寂しい。