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Haruhi(Japanese)>06. 涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅵ
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キョン:
自称、宇宙人に作られた人造人間。
自称、時をかける少女。
自称、少年エスパー戦隊。
それぞれに、自称が取れる証拠を
律儀にも俺に見せつけてくれた。
三者三様の理由で
三人は涼宮ハルヒを中心に活動しているようだ。
100光年譲ってそれはいいことにしてみても、
さっぱり分からないことがある。
なぜ俺なのだ?
宇宙人、未来人、エスパー少年がハルヒのまわりをうようよするのは、
古泉いわく、ハルヒがそう望んだからだという。
では俺は?
何だって俺は、
こんなけったいな事に巻き込まれているんだ?
俺は100%純正の、謎の力など何もない、
普遍的な男子高校生だぞ。
これは誰の書いたシナリオなんだ?
お前か、ハルヒ?
なんてね、知ったこっちゃねーや。
なぜ俺が悩まなくてはならんのだ?
全ての原因はハルヒにあるらしい。
だとしたら、悩まなくてはならないのは
俺ではなくてハルヒの方だろう。
長門も古泉も朝比奈さんも、
本人に直接話してやればいいのだ。
その結果がどうなろうと、それはハルヒの責任であって、
俺には無関係だ。
せいぜい走り回ればいいのさ、
俺以外の人間がな。
谷口:
よっ。
キョン:
谷口、俺って普通の男子高校生だよな。
谷口:
はぁ ?どうかな。
普通の男子生徒は
教室で女を押し倒したりしねえだろ。
しかも俺様的美的ランキングA-の
長門有希と。
キョン:
俺は釈明した。
谷口が考えていると思われるストーリーは、
妄想妄想、完全フィクションである。
長門は気の毒にも
文芸部を根城にしてしまったハルヒの被害者であり、
彼女は困りあぐねたあげく、俺に相談した。
真摯な訴えに同調すること大だった俺は、
気の毒な彼女を救うべく、
ハルヒの帰った後の教室で、
共々に善後策を協議していると、
長門は持病の貧血を起こして倒れ、
とっさに俺が彼女と床との衝突を
防ごうとしたまさにその時、
闖入(ちんにゅう)してきたのがお前、谷口である。
真に真実とは、
明らかになってみれば、下らないものであることよなあ。
谷口:
ウソつけ。
キョン:
ちっ。
谷口:
そのウソ話を信じたとしても、
あの誰とも接点を持ちたがらない長門有希から
相談を持ちかけられた時点で、
もうお前は普通じゃねえよ。
キョン:
そんなに有名だったのか、長門は。
谷口:
何より、涼宮の手下でもあるしな。
お前が普通の男子生徒ってんなら、
俺なんかミジンコ並みに普通だぜ。
キョン:
なあ、谷口。
お前、超能力を使えるか?
谷口:
はあ?そっかぁ。
お前はとうとう涼宮の毒におかされてしまいつつあるんだな。
あんまり近づかないでくれ、
涼宮がうつる。
キョン:
何で着替えないんだ?お前。
ハルヒ:
暑いから。
いいのよ、どうせ部室に行ったらまた着替えるから。
この後掃除当番だし、この方が動きやすい。
キョン:
そりゃ合理的だな。
ハルヒ:
みくるちゃんの次の衣装、何がいい?
キョン:
バニー、メイドときたからな・・・次は・・・って、次があるのかよ!?
ハルヒ:
ネコミミ?ナース服?あぁ、それとも女王様がいいかしら?
キョン:
ネコミミでニャー、ナース服で・・・、それとも女・・・
ハルヒ:
間抜け面。
キョン:
お前から話を振ったんだろうが!
ハルヒ:
ほんっと・・・退屈・・・。
キョン:
なるほど、これか。
みくる:
何か分かったんですか?
キョン:
いえ・・・別に。
みくる:
ん?あれ?これ何です?
キョン:
ぐぁあ!!抜かった!!
みくる:
どうして私の名前がついてるの?何が入ってるの?見せて見せて!
キョン:
いやぁ、これはその、なんだ、なんでしょうね?きっと何でもないでしょう・・・。
みくる:
うそっぽいです!
キョン:
朝比奈さ・・・ちょっと離れて・・・
みくる:
あぁん、もう!いいでしょう?ちょっとだけ!ね、ね、おねがーい!
ハルヒ:
何やってんのあんた達。
キョンと
みくる:
・・・・・・・・・・・・・。
ハルヒ:
アンタ、メイド萌えだったの?
キョン:
何のこった・・・
ハルヒ:
着替えるから。
キョン:
好きにしたらいい。
ハルヒ:
着替えるって言ってるでしょ!?
キョン:
だから?
ハルヒ:
・・・っっ!!出てけぇっっ!!!
キョン:
なんだ、あいつ?教室でも堂々と着替えおっ始めるくせに。
ハルヒ:
手と肩は涼しいけど
ちょっと通気性が悪いわね、この衣装。
古泉:
あれ?今日は仮装パーティーの日でしたっけ?
キョン:
話をややこしくするな。
ハルヒ:
みくるちゃん。
みくる:
ひゃっ!
ハルヒ:
ここ、座って。
みくる:
ぅひぇ~、ひょぉ・・・
古泉:
ん、まるで、仲のいい姉妹ですね。
キョン:
みつあみメイドにしたいだけだろ。
キョン:
結局、普通といえば
普通の毎日だった。
やりたいことも取り立てて見当たらず
何をしていいのかも知らず。
時の流れるままのモラトリアムな生活。
当たり前の世界。平凡な日常。
あまりの何もなさに
物足りなさを感じつつも
なぁに時間ならまだまだあるさと
自分に言い聞かせて
漫然と明日を迎える繰り返し。
それでもこれはこれで非日常の香りがして
なかなか悪くなかった。
クラスメイトに殺されそうになったり
灰色の無人世界で暴れる化け物に出会ったりなんぞ
そうそうありゃしないだろうしな。
そうさ、俺はこんな時間がずーっと続けばいいと思ってたんだ。
そう思うだろ、普通。
だが思わなかったやつがいた。
決まっている、涼宮ハルヒだ。
キョンの妹:
(ED晴レ晴レユカイの鼻歌~♪)
キョン:
何してんだ?
キョンの妹:
はさみー!
明日の図工で使うの!
キョン:
いいけどなぁ、
一言ぐらい声かけろよ。
キョンの妹:
てへっ!
キョン:
確信犯か。
キョン:
ところで人が夢を見る仕組みをご存知だろうか。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類があって
周期的に繰り返され、身体(からだ)は眠っているが
脳が軽く活動しているレム睡眠時に我々は
夢を見るわけだ。
ハルヒ:
キョン!キョン!
キョン:
まだ目覚ましは鳴ってないだろ。
ハルヒ:
起きてよ。
キョン:
いやだ。
ハルヒ:
起きろってんでしょうが!
ハルヒ:
ここ、どこだかわかる?
目が覚めたと思ったら
いつの間にかこんなところに居て
隣であんたが伸びてたのよ。
どういうこと?
どうしてあたしたち学校なんかに居るの?
キョン:
閉鎖空間。
ハルヒ:
ちゃんと布団で寝てたはずなのに。
何でこんなところに居るわけ?
それに空も変。
キョン:
古泉を見なかったか?
ハルヒ:
いいえ。どうして?
キョン:
いや。なんとなくだ。
とりあえず学校を出よう。
どこかで誰かに会うかもしれない。
ハルヒ:
あんたあんまり驚かないのね。
キョン:
驚いてるさ。
特にお前がここに居ることにな。
ハルヒ:
なにこれ!
キョン:
敷地に沿ってぐるりと続いてるな。
ハルヒ:
ここから出られないって事?
キョン:
怖いならいっそ腕にすがり付いてくれよ。
そっちのほうが気分が出る。
ハルヒ:
バカ!
ハルヒ:
通じてないみたい。
キョン:
だろうとは思ったがな。
ハルヒ:
キョン。見て。
どこなのここ。気味が悪い。
キョン:
飲むか?
ハルヒ:
いらない。どうなってんのよ。
なんなのよ。さっぱりわからない。
ここはどこで、
なぜあたしはこんな場所に来てるの?
おまけにどうしてあんたと二人だけなのよ。
キョン:
知るものか。
ハルヒ:
探検してくる。
あんたはここに居て。
すぐ戻るから。
キョン:
こういうところはハルヒらしいな。
キョン:
おっ。
古泉か。
古泉:
やぁ。どうも。
キョン:
遅かったな。
もうちょっとまともな姿で登場するかと思ってたが。
古泉:
それも込みで、お話しすることがあります。
正直に言いましょう。
これは異常事態です。
普通の閉鎖空間なら
僕は難なく侵入できます。
しかし、今回はこんな不完全な形態で、
しかも仲間の力を借りてやっとなんです。
それも長くは持たないでしょう。
我々に宿った能力が今にも消えようとしているんです。
キョン:
どうなってるんだ。
ここにいるのはハルヒと俺だけなのか?
古泉:
その通り。
我々の恐れていたことが
ついに始まってしまったわけです。
とうとう涼宮さんは現実世界に愛想をつかして
新しい世界を創造することに決めたようです。
つまり世界崩壊の危機ですね。
キョン:
なんだって?
古泉:
我々の組織の上のほうは恐慌状態ですよ。
神を失ったこちらの世界が
どうなるのか誰にもわかりません。
涼宮さんが慈悲深ければ
このまま何事もなく存続する可能性もありますが
次の瞬間には無に帰する可能性もありえます。
キョン:
何だってまた。
古泉:
さぁて。
ともかく涼宮さんとあなたはこちらの世界から
完全に消えています。
そこはただの閉鎖空間じゃない。
涼宮さんが構築した
新しい時空なんです。
もしかしたら今までの閉鎖空間も
その予行演習だったのかもしれませんね。
キョン:
ははっ。
古泉:
そちらの世界は
今までの世界より
涼宮さんの望むものに近づくでしょう。
彼女が何を望んでいるのか
知りようがありませんが
さぁ、どうなるのでしょうね。
キョン:
俺がここにいるのは
どういうわけだ。
古泉:
本当に
お分かりでないんですか。
あなたは涼宮さんに選ばれたんですよ。
こちらの世界から
唯一涼宮さんが共に居たいと思ったのがあなたです。
とっくに気づいていたと思っていましたが。
そろそろ限界のようです。
このままいくと
あなた方とはもう会えそうにありませんね。
キョン:
こんな灰色の世界で
俺はハルヒと二人で暮らさないといかんのか?
古泉:
アダムとイヴですよ。
産めや増やせでいいじゃないですか。
キョン:
殴るぞ、お前。
古泉:
冗談です。
おそらくですが
そのうち見慣れた世界になると思いますよ。
ただし、こちらと全く同じではないでしょうが。
ま、そっちに僕が生まれるようなことがあれば
よろしくしてやってください。
キョン:
俺たちはもうそっちに戻れないのか。
古泉:
涼宮さんが望めば、あるいは。
可能性は薄いですがね。
僕としましては
あなたや涼宮さんともう少し付き合ってみたかったので
惜しむ気分でもあります。
あぁ、そうそう
朝比奈みくると長門有希からの
伝言を言付かっていました。
朝比奈みくるからは
謝っておいて欲しいと言われました。
ごめんなさい、私のせいです、と。
長門有希からは
パソコンの電源を入れるようにと。
それでは。
キョン:
こいつは
どういう冗談なんだ。
キョン:
見えてるとも。
どうすりゃいい。
なにをだよ。
長門!
どうしろってんだよ、長門、古泉。
ハルヒ:
キョン!なんか出た!
なにあれ?怪物?
蜃気楼じゃないわよね?
宇宙人かも!
それか古代人類が開発した超兵器が
現代によみがえったとか!
ハルヒ:
ちょっとなに?
ハルヒ:
あれさ、
襲ってくると思う?
私には邪悪なもんだとは思えないんだけど。
キョン:
わからん。
ハルヒ:
何なんだろ、ほんと。
この変な世界も、あの巨人も。
キョン:
元の世界に帰りたいと思わないか?
ハルヒ:
えっ?
キョン:
一生こんなところに居るわけにもいかないだろ。
腹が減っても飯食う場所なんかなさそうだし。
ハルヒ:
不思議なんだけどなんとかなりそうな気がするのよ。
どうしてだろ。今ちょっと楽しいな。
キョン:
SOS団はどうするんだ。
お前が作った団体だろ。
ほったらかしかよ。
ハルヒ:
いいのよ、もう。
だってほら、あたし自身が
とっても面白そうな体験をしてるんだし。
もう不思議なことを探す必要もないわ。
キョン:
俺は戻りたい。
こんな状態におかれて発見したよ。
俺はなんだかんだ言って
今までの暮らしが結構好きだったんだな。
アホの谷口や国木田も、
古泉や長門や朝比奈さんも
そこに消えちまった朝倉を含めてもいい。
ハルヒ:
なに言ってんの?
キョン:
俺は連中ともう一度会いたい。
まだ話すことがいっぱい残ってる気がするんだ。
ハルヒ:
会えるわよ、きっと。
この世界だって
いつまでも闇に包まれてるわけじゃない。
明日になったら太陽だって昇ってくるわよ。
あたしにはわかるの。
キョン:
そうじゃない。
この世界のことじゃないんだ。
元の世界の、あいつらに俺は会いたいんだよ。
ハルヒ:
意味わかんない。
あんただってつまんない世界に
うんざりしてたんじゃないの?
もっと面白いことが起きてほしいと
思ってたんじゃないの?
キョン:
思ってたとも。
あのな、ハルヒ。
俺はここ数日でかなり面白い目にあってたんだ。
お前は知らないだろうけど
世界はお前を中心に動いていたと言ってもいい。
お前が知らないだけで
世界は確実に面白い方向に進んでいたんだよ。
キョン:
長門は言った。
進化の可能性と。
朝比奈さんによると時間の歪みで
古泉にいたっては神扱いだ。
では俺にとってはどうなのか。
涼宮ハルヒの存在を俺は
どう認識しているのか。
ハルヒはハルヒであってハルヒでしかない。
なんてトートロジーで誤魔化すつもりはない。
ないが、決定的な回答を
俺は持ち合わせてなどいない。
そうだろ、教室の後ろにいるクラスメイトを指して
そいつはお前にとって何なのかと問われて
なんと答えりゃいいんだ。
いや、すまん。
これも誤魔化しだな。
俺にとってハルヒはただのクラスメイトじゃない。
もちろん進化の可能性でも、時間の歪みでも
ましてや神様でもない。あるはずがない。
ミクル:
(白雪姫って知ってます?)
ハルヒ:
何よ。
キョン:
俺、実はポニーテール萌えなんだ。
ハルヒ:
なに?
キョン:
いつだったかの
お前のポニーテールは
反則的なまでに似合っていたぞ。
ハルヒ:
はぁ?バカじゃないの?
キョン:
なんつー夢見ちまったんだ。
フロイト先生も爆笑だぜ。
いまだかつてないリアルな夢・・・か、
ここはすでに元の世界ではないとか。
ハルヒによって創造された新世界なのか。
だったとして、俺にそんなことを確かめる術はあるのか。
ん?
キョン:
よぉ!
元気か。
ハルヒ:
元気じゃないわね。
昨日悪夢を見たから。
キョン:
ほぉ。
ハルヒ:
おかげで全然寝れやしなかったのよ。
今日ほど休もうと思った日もないわね。
キョン:
そうかい。
ハルヒ。
ハルヒ:
なに?
キョン:
似合ってるぞ。
古泉:
あなたには感謝すべきなんでしょうね。
僕のアルバイトもしばらく終わりそうにありません。
まぁこの世界が昨日の晩にできたばかりという
可能性も否定できないわけですが。
とにかく、あなたと涼宮さんにまた会えて光栄です。
また放課後に。
長門:
あなたと涼宮ハルヒは
2時間30分この世から消えていた。
キョン:
お前みたいなやつはお前のほかに
どれだけ地球にいるんだ?
長門:
結構。
キョン:
また、朝倉みたいなのに
俺は襲われたりするのかな?
長門:
大丈夫。
私がさせない。
ミクル:
キョン君。
よかった。
また会えて。
もう二度とこっちに戻ってこないかと思っ・・・
キョン:
朝比奈さん。
ミクル:
はっ!
ダメ、ダメです。
こんなところ涼宮さんに見られたら
また同じ穴の二の舞です。
キョン:
意味わからないですよ。それ。
あっ、あ、そうだ。
朝比奈さん。
胸のここんとこに
星型のほくろがありますよね?
ミクル:
ん?
ひょ!
どうして知ってるんですか?
私も今まで星の形なんて気づかなかったのに!
い、いついついついつ見つけたんですかー!
ハルヒ:
なにやってんの?あんたたち。
みくるちゃん?メイド服もそろそろ飽きたでしょ?
さぁ着替えの時間よ?
ミクル:
えっ?
いやっいや。
ハルヒ:
んんあー、暴れないの!
ハルヒ:
抵抗は無駄よ。今度のはナースよナース、看護婦さん。
最近は看護師って言うんだっけ?まぁいいや。おんなじことだし!
キョン:
その後のことを少しだけ語ろう。
SOS団は、この度ようやく設立申請の書類を
生徒会に提出した。
「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」では、
却下確実なので、
「生徒社会を応援する世界作りのための奉仕団体」と
改名した。
市内の不思議探索パトロールも継続中で、
今日はその2回目だ。
どういう偶然か、
朝比奈さんも長門も古泉も急用で欠席になり、
俺は一人、ハルヒを待っている。
俺は集合時間1時間前にやって来た。
遅刻の有無に関わらず、最後にやって来た者は
罰金という定めがあるからだ。
あのしかめっ面が、参加率の低さを嘆くものなのか、
俺に遅れをとった不覚を嘆いたものなのかは分からない。
あとでゆっくり聞いてやろう。
ハルヒのおごりの喫茶店で。
その際には、俺は色々なことを話してやりたいと思う。
SOS団の今後の活動方針について、
朝比奈さんへのコスプレ衣装の希望、などなど。
しかしまあ、結局のところ、最初に話すことは決まっているのだ。
そう、まず、
宇宙人と、未来人と、超能力者について話してやろうと、
俺は思っている。
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自称、宇宙人に作られた人造人間。
自称、時をかける少女。
自称、少年エスパー戦隊。
それぞれに、自称が取れる証拠を
律儀にも俺に見せつけてくれた。
三者三様の理由で
三人は涼宮ハルヒを中心に活動しているようだ。
100光年譲ってそれはいいことにしてみても、
さっぱり分からないことがある。
なぜ俺なのだ?
宇宙人、未来人、エスパー少年がハルヒのまわりをうようよするのは、
古泉いわく、ハルヒがそう望んだからだという。
では俺は?
何だって俺は、
こんなけったいな事に巻き込まれているんだ?
俺は100%純正の、謎の力など何もない、
普遍的な男子高校生だぞ。
これは誰の書いたシナリオなんだ?
お前か、ハルヒ?
なんてね、知ったこっちゃねーや。
なぜ俺が悩まなくてはならんのだ?
全ての原因はハルヒにあるらしい。
だとしたら、悩まなくてはならないのは
俺ではなくてハルヒの方だろう。
長門も古泉も朝比奈さんも、
本人に直接話してやればいいのだ。
その結果がどうなろうと、それはハルヒの責任であって、
俺には無関係だ。
せいぜい走り回ればいいのさ、
俺以外の人間がな。
谷口:
よっ。
キョン:
谷口、俺って普通の男子高校生だよな。
谷口:
はぁ ?どうかな。
普通の男子生徒は
教室で女を押し倒したりしねえだろ。
しかも俺様的美的ランキングA-の
長門有希と。
キョン:
俺は釈明した。
谷口が考えていると思われるストーリーは、
妄想妄想、完全フィクションである。
長門は気の毒にも
文芸部を根城にしてしまったハルヒの被害者であり、
彼女は困りあぐねたあげく、俺に相談した。
真摯な訴えに同調すること大だった俺は、
気の毒な彼女を救うべく、
ハルヒの帰った後の教室で、
共々に善後策を協議していると、
長門は持病の貧血を起こして倒れ、
とっさに俺が彼女と床との衝突を
防ごうとしたまさにその時、
闖入(ちんにゅう)してきたのがお前、谷口である。
真に真実とは、
明らかになってみれば、下らないものであることよなあ。
谷口:
ウソつけ。
キョン:
ちっ。
谷口:
そのウソ話を信じたとしても、
あの誰とも接点を持ちたがらない長門有希から
相談を持ちかけられた時点で、
もうお前は普通じゃねえよ。
キョン:
そんなに有名だったのか、長門は。
谷口:
何より、涼宮の手下でもあるしな。
お前が普通の男子生徒ってんなら、
俺なんかミジンコ並みに普通だぜ。
キョン:
なあ、谷口。
お前、超能力を使えるか?
谷口:
はあ?そっかぁ。
お前はとうとう涼宮の毒におかされてしまいつつあるんだな。
あんまり近づかないでくれ、
涼宮がうつる。
キョン:
何で着替えないんだ?お前。
ハルヒ:
暑いから。
いいのよ、どうせ部室に行ったらまた着替えるから。
この後掃除当番だし、この方が動きやすい。
キョン:
そりゃ合理的だな。
ハルヒ:
みくるちゃんの次の衣装、何がいい?
キョン:
バニー、メイドときたからな・・・次は・・・って、次があるのかよ!?
ハルヒ:
ネコミミ?ナース服?あぁ、それとも女王様がいいかしら?
キョン:
ネコミミでニャー、ナース服で・・・、それとも女・・・
ハルヒ:
間抜け面。
キョン:
お前から話を振ったんだろうが!
ハルヒ:
ほんっと・・・退屈・・・。
キョン:
なるほど、これか。
みくる:
何か分かったんですか?
キョン:
いえ・・・別に。
みくる:
ん?あれ?これ何です?
キョン:
ぐぁあ!!抜かった!!
みくる:
どうして私の名前がついてるの?何が入ってるの?見せて見せて!
キョン:
いやぁ、これはその、なんだ、なんでしょうね?きっと何でもないでしょう・・・。
みくる:
うそっぽいです!
キョン:
朝比奈さ・・・ちょっと離れて・・・
みくる:
あぁん、もう!いいでしょう?ちょっとだけ!ね、ね、おねがーい!
ハルヒ:
何やってんのあんた達。
キョンとみくる:
・・・・・・・・・・・・・。
ハルヒ:
アンタ、メイド萌えだったの?
キョン:
何のこった・・・
ハルヒ:
着替えるから。
キョン:
好きにしたらいい。
ハルヒ:
着替えるって言ってるでしょ!?
キョン:
だから?
ハルヒ:
・・・っっ!!出てけぇっっ!!!
キョン:
なんだ、あいつ?教室でも堂々と着替えおっ始めるくせに。
ハルヒ:
手と肩は涼しいけど
ちょっと通気性が悪いわね、この衣装。
古泉:
あれ?今日は仮装パーティーの日でしたっけ?
キョン:
話をややこしくするな。
ハルヒ:
みくるちゃん。
みくる:
ひゃっ!
ハルヒ:
ここ、座って。
みくる:
ぅひぇ~、ひょぉ・・・
古泉:
ん、まるで、仲のいい姉妹ですね。
キョン:
みつあみメイドにしたいだけだろ。
キョン:
結局、普通といえば
普通の毎日だった。
やりたいことも取り立てて見当たらず
何をしていいのかも知らず。
時の流れるままのモラトリアムな生活。
当たり前の世界。平凡な日常。
あまりの何もなさに
物足りなさを感じつつも
なぁに時間ならまだまだあるさと
自分に言い聞かせて
漫然と明日を迎える繰り返し。
それでもこれはこれで非日常の香りがして
なかなか悪くなかった。
クラスメイトに殺されそうになったり
灰色の無人世界で暴れる化け物に出会ったりなんぞ
そうそうありゃしないだろうしな。
そうさ、俺はこんな時間がずーっと続けばいいと思ってたんだ。
そう思うだろ、普通。
だが思わなかったやつがいた。
決まっている、涼宮ハルヒだ。
キョンの妹:
(ED晴レ晴レユカイの鼻歌~♪)
キョン:
何してんだ?
キョンの妹:
はさみー!
明日の図工で使うの!
キョン:
いいけどなぁ、
一言ぐらい声かけろよ。
キョンの妹:
てへっ!
キョン:
確信犯か。
キョン:
ところで人が夢を見る仕組みをご存知だろうか。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類があって
周期的に繰り返され、身体(からだ)は眠っているが
脳が軽く活動しているレム睡眠時に我々は
夢を見るわけだ。
ハルヒ:
キョン!キョン!
キョン:
まだ目覚ましは鳴ってないだろ。
ハルヒ:
起きてよ。
キョン:
いやだ。
ハルヒ:
起きろってんでしょうが!
ハルヒ:
ここ、どこだかわかる?
目が覚めたと思ったら
いつの間にかこんなところに居て
隣であんたが伸びてたのよ。
どういうこと?
どうしてあたしたち学校なんかに居るの?
キョン:
閉鎖空間。
ハルヒ:
ちゃんと布団で寝てたはずなのに。
何でこんなところに居るわけ?
それに空も変。
キョン:
古泉を見なかったか?
ハルヒ:
いいえ。どうして?
キョン:
いや。なんとなくだ。
とりあえず学校を出よう。
どこかで誰かに会うかもしれない。
ハルヒ:
あんたあんまり驚かないのね。
キョン:
驚いてるさ。
特にお前がここに居ることにな。
ハルヒ:
なにこれ!
キョン:
敷地に沿ってぐるりと続いてるな。
ハルヒ:
ここから出られないって事?
キョン:
怖いならいっそ腕にすがり付いてくれよ。
そっちのほうが気分が出る。
ハルヒ:
バカ!
ハルヒ:
通じてないみたい。
キョン:
だろうとは思ったがな。
ハルヒ:
キョン。見て。
どこなのここ。気味が悪い。
キョン:
飲むか?
ハルヒ:
いらない。どうなってんのよ。
なんなのよ。さっぱりわからない。
ここはどこで、
なぜあたしはこんな場所に来てるの?
おまけにどうしてあんたと二人だけなのよ。
キョン:
知るものか。
ハルヒ:
探検してくる。
あんたはここに居て。
すぐ戻るから。
キョン:
こういうところはハルヒらしいな。
キョン:
おっ。
古泉か。
古泉:
やぁ。どうも。
キョン:
遅かったな。
もうちょっとまともな姿で登場するかと思ってたが。
古泉:
それも込みで、お話しすることがあります。
正直に言いましょう。
これは異常事態です。
普通の閉鎖空間なら
僕は難なく侵入できます。
しかし、今回はこんな不完全な形態で、
しかも仲間の力を借りてやっとなんです。
それも長くは持たないでしょう。
我々に宿った能力が今にも消えようとしているんです。
キョン:
どうなってるんだ。
ここにいるのはハルヒと俺だけなのか?
古泉:
その通り。
我々の恐れていたことが
ついに始まってしまったわけです。
とうとう涼宮さんは現実世界に愛想をつかして
新しい世界を創造することに決めたようです。
つまり世界崩壊の危機ですね。
キョン:
なんだって?
古泉:
我々の組織の上のほうは恐慌状態ですよ。
神を失ったこちらの世界が
どうなるのか誰にもわかりません。
涼宮さんが慈悲深ければ
このまま何事もなく存続する可能性もありますが
次の瞬間には無に帰する可能性もありえます。
キョン:
何だってまた。
古泉:
さぁて。
ともかく涼宮さんとあなたはこちらの世界から
完全に消えています。
そこはただの閉鎖空間じゃない。
涼宮さんが構築した
新しい時空なんです。
もしかしたら今までの閉鎖空間も
その予行演習だったのかもしれませんね。
キョン:
ははっ。
古泉:
そちらの世界は
今までの世界より
涼宮さんの望むものに近づくでしょう。
彼女が何を望んでいるのか
知りようがありませんが
さぁ、どうなるのでしょうね。
キョン:
俺がここにいるのは
どういうわけだ。
古泉:
本当に
お分かりでないんですか。
あなたは涼宮さんに選ばれたんですよ。
こちらの世界から
唯一涼宮さんが共に居たいと思ったのがあなたです。
とっくに気づいていたと思っていましたが。
そろそろ限界のようです。
このままいくと
あなた方とはもう会えそうにありませんね。
キョン:
こんな灰色の世界で
俺はハルヒと二人で暮らさないといかんのか?
古泉:
アダムとイヴですよ。
産めや増やせでいいじゃないですか。
キョン:
殴るぞ、お前。
古泉:
冗談です。
おそらくですが
そのうち見慣れた世界になると思いますよ。
ただし、こちらと全く同じではないでしょうが。
ま、そっちに僕が生まれるようなことがあれば
よろしくしてやってください。
キョン:
俺たちはもうそっちに戻れないのか。
古泉:
涼宮さんが望めば、あるいは。
可能性は薄いですがね。
僕としましては
あなたや涼宮さんともう少し付き合ってみたかったので
惜しむ気分でもあります。
あぁ、そうそう
朝比奈みくると長門有希からの
伝言を言付かっていました。
朝比奈みくるからは
謝っておいて欲しいと言われました。
ごめんなさい、私のせいです、と。
長門有希からは
パソコンの電源を入れるようにと。
それでは。
キョン:
こいつは
どういう冗談なんだ。
キョン:
見えてるとも。
どうすりゃいい。
なにをだよ。
長門!
どうしろってんだよ、長門、古泉。
ハルヒ:
キョン!なんか出た!
なにあれ?怪物?
蜃気楼じゃないわよね?
宇宙人かも!
それか古代人類が開発した超兵器が
現代によみがえったとか!
ハルヒ:
ちょっとなに?
ハルヒ:
あれさ、
襲ってくると思う?
私には邪悪なもんだとは思えないんだけど。
キョン:
わからん。
ハルヒ:
何なんだろ、ほんと。
この変な世界も、あの巨人も。
キョン:
元の世界に帰りたいと思わないか?
ハルヒ:
えっ?
キョン:
一生こんなところに居るわけにもいかないだろ。
腹が減っても飯食う場所なんかなさそうだし。
ハルヒ:
不思議なんだけどなんとかなりそうな気がするのよ。
どうしてだろ。今ちょっと楽しいな。
キョン:
SOS団はどうするんだ。
お前が作った団体だろ。
ほったらかしかよ。
ハルヒ:
いいのよ、もう。
だってほら、あたし自身が
とっても面白そうな体験をしてるんだし。
もう不思議なことを探す必要もないわ。
キョン:
俺は戻りたい。
こんな状態におかれて発見したよ。
俺はなんだかんだ言って
今までの暮らしが結構好きだったんだな。
アホの谷口や国木田も、
古泉や長門や朝比奈さんも
そこに消えちまった朝倉を含めてもいい。
ハルヒ:
なに言ってんの?
キョン:
俺は連中ともう一度会いたい。
まだ話すことがいっぱい残ってる気がするんだ。
ハルヒ:
会えるわよ、きっと。
この世界だって
いつまでも闇に包まれてるわけじゃない。
明日になったら太陽だって昇ってくるわよ。
あたしにはわかるの。
キョン:
そうじゃない。
この世界のことじゃないんだ。
元の世界の、あいつらに俺は会いたいんだよ。
ハルヒ:
意味わかんない。
あんただってつまんない世界に
うんざりしてたんじゃないの?
もっと面白いことが起きてほしいと
思ってたんじゃないの?
キョン:
思ってたとも。
あのな、ハルヒ。
俺はここ数日でかなり面白い目にあってたんだ。
お前は知らないだろうけど
世界はお前を中心に動いていたと言ってもいい。
お前が知らないだけで
世界は確実に面白い方向に進んでいたんだよ。
キョン:
長門は言った。
進化の可能性と。
朝比奈さんによると時間の歪みで
古泉にいたっては神扱いだ。
では俺にとってはどうなのか。
涼宮ハルヒの存在を俺は
どう認識しているのか。
ハルヒはハルヒであってハルヒでしかない。
なんてトートロジーで誤魔化すつもりはない。
ないが、決定的な回答を
俺は持ち合わせてなどいない。
そうだろ、教室の後ろにいるクラスメイトを指して
そいつはお前にとって何なのかと問われて
なんと答えりゃいいんだ。
いや、すまん。
これも誤魔化しだな。
俺にとってハルヒはただのクラスメイトじゃない。
もちろん進化の可能性でも、時間の歪みでも
ましてや神様でもない。あるはずがない。
ミクル:
(白雪姫って知ってます?)
ハルヒ:
何よ。
キョン:
俺、実はポニーテール萌えなんだ。
ハルヒ:
なに?
キョン:
いつだったかの
お前のポニーテールは
反則的なまでに似合っていたぞ。
ハルヒ:
はぁ?バカじゃないの?
キョン:
なんつー夢見ちまったんだ。
フロイト先生も爆笑だぜ。
いまだかつてないリアルな夢・・・か、
ここはすでに元の世界ではないとか。
ハルヒによって創造された新世界なのか。
だったとして、俺にそんなことを確かめる術はあるのか。
ん?
キョン:
よぉ!
元気か。
ハルヒ:
元気じゃないわね。
昨日悪夢を見たから。
キョン:
ほぉ。
ハルヒ:
おかげで全然寝れやしなかったのよ。
今日ほど休もうと思った日もないわね。
キョン:
そうかい。
ハルヒ。
ハルヒ:
なに?
キョン:
似合ってるぞ。
古泉:
あなたには感謝すべきなんでしょうね。
僕のアルバイトもしばらく終わりそうにありません。
まぁこの世界が昨日の晩にできたばかりという
可能性も否定できないわけですが。
とにかく、あなたと涼宮さんにまた会えて光栄です。
また放課後に。
長門:
あなたと涼宮ハルヒは
2時間30分この世から消えていた。
キョン:
お前みたいなやつはお前のほかに
どれだけ地球にいるんだ?
長門:
結構。
キョン:
また、朝倉みたいなのに
俺は襲われたりするのかな?
長門:
大丈夫。
私がさせない。
ミクル:
キョン君。
よかった。
また会えて。
もう二度とこっちに戻ってこないかと思っ・・・
キョン:
朝比奈さん。
ミクル:
はっ!
ダメ、ダメです。
こんなところ涼宮さんに見られたら
また同じ穴の二の舞です。
キョン:
意味わからないですよ。それ。
あっ、あ、そうだ。
朝比奈さん。
胸のここんとこに
星型のほくろがありますよね?
ミクル:
ん?
ひょ!
どうして知ってるんですか?
私も今まで星の形なんて気づかなかったのに!
い、いついついついつ見つけたんですかー!
ハルヒ:
なにやってんの?あんたたち。
みくるちゃん?メイド服もそろそろ飽きたでしょ?
さぁ着替えの時間よ?
ミクル:
えっ?
いやっいや。
ハルヒ:
んんあー、暴れないの!
ハルヒ:
抵抗は無駄よ。今度のはナースよナース、看護婦さん。
最近は看護師って言うんだっけ?まぁいいや。おんなじことだし!
キョン:
その後のことを少しだけ語ろう。
SOS団は、この度ようやく設立申請の書類を
生徒会に提出した。
「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」では、
却下確実なので、
「生徒社会を応援する世界作りのための奉仕団体」と
改名した。
市内の不思議探索パトロールも継続中で、
今日はその2回目だ。
どういう偶然か、
朝比奈さんも長門も古泉も急用で欠席になり、
俺は一人、ハルヒを待っている。
俺は集合時間1時間前にやって来た。
遅刻の有無に関わらず、最後にやって来た者は
罰金という定めがあるからだ。
あのしかめっ面が、参加率の低さを嘆くものなのか、
俺に遅れをとった不覚を嘆いたものなのかは分からない。
あとでゆっくり聞いてやろう。
ハルヒのおごりの喫茶店で。
その際には、俺は色々なことを話してやりたいと思う。
SOS団の今後の活動方針について、
朝比奈さんへのコスプレ衣装の希望、などなど。
しかしまあ、結局のところ、最初に話すことは決まっているのだ。
そう、まず、
宇宙人と、未来人と、超能力者について話してやろうと、
俺は思っている。