デジモンアドベンチャー 第2話 「爆裂進化!グレイモン」
ナレーター: 子供会のキャンプに参加していた七人は、謎の器械に導かれるようにして、
デジタルモンスター・デジモンが住む
ファイル島と言う島に辿り着いていた。
だが着いてすぐ凶悪なデジモン・クワガー
モンの襲撃を受けてしまった。
絶体絶命のその時、七人と行動を共にして
いた小さなデジモンたちが進化した。
しかし一度は倒されたかのように見えたクワガー
モンが子共たちを再びピンチに落とし入れた。
タイトル:
「爆裂進化!グレイモン」
ピヨモン: 空!
テントモン:
光子朗!
パタモン: タケル!
ゴマモン: マーチングフィシーズ!
太一: たっ…助かった。
ヤマト: おい、あれ!
ゴマモン: 急げ!!
ヤマト: やっと本当に助かったみたいだな。
丈: 何だったんだ、さっきの魚は…
ゴマモン: あれはね、マーチングフィシーズさ。
丈: えゝ?
ゴマモン: おいら、魚を自由に操ることが出来るんだ。
丈: そうか。お前のお蔭だったのか。
ありがとう、プカモン…
…じゃなくて。 えゝと、その…
ゴマモン: ゴマモンだよ。
丈: ゴマモン?
タケル: どうなちゃったの、トコモンは。
パタモン: 今はパタモンだよ。
アグモン:
僕達、進化したんだ。
太一: 進化?何だ、進化って。
光子郎: 普通はある生物の種全体がより高度な種に変化することですけど…
テントモン: そうですがな。その進化。
わいはモチモンからテントモンに…
ピヨモン: あたしはピョコモンからピヨモンに…
ガブモン: 俺はツノモンからガブモンに…
パルモン:
あたしはタネモンからパルモンに…
アグモン: そして僕はコロモンからアグモンになったんだ。
太一: ふーん。兎に角、前より強くなったみたいだな。
その進化してもデジタルモンスターなのか。
アグモン: そうだよ。太一と会えて良かったよ。
太一: あっ、何で。
アグモン: 僕は自分だけだと進化できなかったんだ。
きっと太一と会ったお蔭で進化出来たんだよ。
空: えゝ?じゃ ピヨモンも?
ピヨモン: そう。
光子郎:
皆、そうなのかな。
テントモン: そうですがな。
パルモン: ミミのお蔭よ。
ミミ: お蔭って言われてもね。
タケル: もうもっとに戻らないの。
パタモン: ふーん…多分。
丈:
何だかよく分からないなあ。
ゴマモン: おいら達にもよく分からないんだよ。
ヤマト: それより、これからどうする。
丈: 元の場所に戻ろう。
大人達が助けに来るのを待つんだ。
太一: 戻るって言ってもなあ。
空: 随分流されちゃったし。
ヤマト:
崖の上まで戻るのは簡単じゃなさそうだぜ。
丈:
じゃどうしたらいいんだ。
どこか道を探して…
ヤマト: 大体ここはどこなんだ。どう考えて見てもキャンプ場の近くじゃないぜ。
光子郎: そうですね。植物がまるで亜熱帯みたいだ。
テントモン: ほんまや!
光子郎:
えっ、分かるの。
テントモン: いんや…
丈: 降りて来たんだから戻る道もある筈だ。
空:
そうね。兎に角、戻って見ればどう
してこんな所に来たのか、
何か手がかりがあるかも。
ミミ: えゝ?!でもさっきみたいなのが他にもいるんじゃない?
パルモン:
いるわよ。
ミミ:
ほら…
ヤマト:
危険は冒したくないなあ。
太一:
他の人間は?
アグモン: 人間?太一みたいな。
太一:
うん。
アグモン: 見たことないよ。ここはデジモンしか居ないんだ。
太一: デジモンしか居ないと言っても…お前等、結構色んな格好してるよなあ。
空: 確か…ファイル島って言ってたわよね。
ヤマト:
本当に島なのか。
光子郎: 聞いたことのない名前ですよね。
丈:
日本じゃないのか。
太一: 兎に角、行こうぜ。ここでじっとしててもしょうがないよ。
ヤマト: おい、どこに行く気だ!
太一: さっき、海が見えたんだよ。
ヤマト: 海?
太一:
そう。
なあ、行ってみようぜ。
ヤマト: 行ってみるか。
空: えゝ。
丈: こういう時は出来るだけじっとして大人の助けが来るのを待つんだ。
その為にも本当は元いた処にも…
ゴマモン: 丈!
早くおいでよ!
丈:おい!
空:
見たこともない木ね。
光子郎: 亜熱帯かと思ったけどどう
やらそれも違うようです。
丈: やっぱり日本じゃないのかな。
どうも妙だ。
ヤマト: 大体 このデジタルモンスター
ってもんからして妙だぜ。
ガブモン: えゝ?
光子郎: デジタルモンスター…電子的なモンスター…
テントモン: 普通はデジモンで宜しいで。
光子郎: デジタルって言うような電子的な感じしないな。
テントモン:
えゝ?電気でっか ほれ!
光子郎:
あっ、止めろよ!
タケル: パタモンってさっき飛んでたよね。
パタモン: 飛べるよ。ほら!
タケル: はゝ!凄い。でも歩いて方が早くない?
ピヨモン: あたしの方が早いわよ。ほら!
空: どっちも変わらないわよ。
ピヨモン: えゝ!
ミミ: パルモンって なんだか植物みたいよね。
パルモン: そうよ。光合成も出来るのよ。
ミミ: 凄い!遣ってやって!
パルモン: ミミ、光合成って分かってる?
ミミ: えっ、良く知らないわ。
どんな事なの。
パルモン:
あたしも良く知らないんだけど…
太一: ここにはデジモンしか居ないって言ってたよな。
アグモン:
しうだよ。
太一:
さっきのクワガーモンもデジモンなのか。
アグモン:
そう。
光子郎: あんなでっかいのが居る
なんて他にも居るのかな。
テントモン:
ここにはデジモンしか居てませんて。
ガブモン:
ふん?海の匂いがして来た。
ゴマモン: 見えたよ!海でい!
太一: あゝ?
空: こんな所で電話の音?
アグモン: どうした、太一。
太一:
止まった。
空:
こんな所で電話ボックスなんて…
光子郎: 不合理です。
ヤマト:
でもこれはいつも見る電話ボックスだな、普通の。
ミミ: あたしんちの傍にもあるわ。
丈:
ということは、ここは…
ここはまだ日本なんだ!
ゴマモン:
「二ホン」?丈。何だ、それ。
丈:
やっぱり違うかも。
太一: 光子朗、十円貸てくれよ。
光子郎:
えっ、何するんですか。
太一: 決まってんだろう。電話掛けるんだよ、家に。
光子郎: あゝ。
それなら、テレカ有りますわ。
タケル:
あっ、僕もママに!
ミミ: あたしも!
光子郎:
それでは僕も。
ヤマト:
おいタケル!
空:
私も。
丈: 空君まで!
太一: もしもし。俺だけど。
太一の電話: 午前三十五時八十一分九十秒をお知らせします。
太一:
何だ、これは。
ミミの電話: 明日の天気は晴れ 時々アイスクリーム所による…
ミミ: あれ?間違えちゃったのかな。
ヤマトとタケルの電話: お掛けになった電話番号は気の所為です。
もう一度掛け直しても無駄です。
タケル: 変だよ、お兄ちゃん。
ヤマト: 家に掛けてみる。
光子郎: 何だ この電話。
テントモン:
そっちはどないな按配や。
ピヨモン: 何か駄目みたい。
空の電話: 現在、電波超音波、全て届かない所に降ります。
太一: どうだ。
空: だめ。
太一: やっぱり…何なんだよ、この電話。
[アイキャッチ]
丈:
これならどうだ。
電話: 午前九十時九十九分百秒をお知らせします。
丈: じゃ次は。
光子郎: 結構しつこい性格してるんですね。
太一: 丈らしいよ。
ヤマト:
どこに掛けても聞こえて来るのは出鱈目な情報計りか。
太一: もう諦めて移動しようぜ。
ヤマト:
ちょっと待て!こっちから掛けなくても向こうから掛かってくる可能性が有るんじゃないか。さっきみたいに。
太一:
ここでじっとしてても時間の無駄だよ。
ヤマト: 暫く様子を見たらどうだと言っているんだ。
みんな疲れてるんだぞ!
光子郎: お中も減って来ましたね。
太一: そうだな。お昼も未だだったもんな。良し。休憩だ!休憩!
空: 誰か食べる物 持ってる?あたしが持ってるのはこの…
あれ?これって…あの時空から降って来た。
太一: あっ、それ?俺も持った侭だ。
ミミ: あたしのバッグにも付いてる。
タケル: 僕も持ってるよ。
ヤマト:
皆持った侭だったのか。
光子郎: どうやらこれは何か。
所で誰か食べ物って話でしたよね。
空: あ
たしが持ってるのは旅行用の救急セット、絆創膏と消毒薬。
それに針と糸位よ。
光子郎: 僕はこのノートパソコンとデジカメ 携帯電話。
でもここに来てからどれも使えなくなってるんです。
未だバッテリー残ってた筈なのに
太一:
良く持ってくるよな こんなのサマーキャンプに。
光子郎:
太一さんは?
太一:
えっ、俺?えゝと…
これだけ、単眼鏡。
ヤマト:
俺も食べ物は持ってないなあ。
タケル: 僕持ってるよ。
ヤマト: えっ?
タケル:
ほら。
ミミ: うわあ、お菓子!美味しそうね。
あなた、家の子共会の子じゃなかったわよね。
タケル:
うん。夏休みだからお兄ちゃんの所に遊びに来たんだ。
ねえ お兄ちゃん
ヤマト: あゝ。
太一: ヤマトがお兄ちゃんだってさ。
光子郎:
従兄ですかね。
空: ミミちゃんは何持ってるの。そのバッグ大きいけど。
ミミ: これ?これはねえ。
これでしょう。固形燃料でしょう。釣糸セット、コンパス、懐中電灯。それから…
ヤマト:
結構本格的なサバイバル用品だなあ。
ミミ: 拙宅キャンプに行くんだからパパの道具借りて来たの。内緒で。
太一: 普通は持ってこないぞ こんなの。
ヤマト: だが、これからは役に立つかも知れないな。
空:
そうね。この先どうなるか分からないし。
太一: そうか。それもそうだな。
所で丈はまだ電話してるけど食い物なんか持ってきてなっ―
あ?あれ…非常食だ!
光子郎: えゝ?
本当だ!
太一:
おい、丈!非常食持ってるじゃないか!
丈: えっ?何で僕がそんな物持たなきゃ行けないんだよ!
光子郎: だってそのバッグ…
丈: バッグ?あゝそうだ!これをミミ君に届けに行く所だったんだ!
パルモン: ミミだって。
ミミ: あたし?
丈: ミミ君。君は非常食当番だったろう。ちゃんと管理して置かなくちゃ駄目じゃないか!
ミミ: えゝ?だって重たいし…
丈:
そういう我が儘言ってちゃ…
太一:
まあまあ。食べ物があるって分かっただけでも目付け物だ。昼飯にしようぜ。
空: そうそう。
丈:
非常食は一班に就き三日分支給されている。
僕の班は六人だったから6×3×3で…
光子郎:
五十四食ですね。
丈: そうだ。それを七人で分けて食べると…
光子郎: 二日半ですね。
丈:
そうだ…
空: でもデジモン達の分が有るから実際にはその半分、一日一寸よ?
丈: そうか…
ガブモン: 俺達は良いよ。自分の食べる分は自分で探すから。
テントモン: うち等は勘定に入れんでいいわ。
空: 本当にいいの。
ピヨモン: うん、大丈夫。
今までずっとそうだったんだから。
丈: そうして貰えると助かるよ。じゃこの非常食は人間の分と言うことで。
太一: どうだ。上手いか、アグモン。
アグモン: うん。
丈: だからそれは人間用!
太一: いいじゃないか、けちだなあ!
丈: だめ!
ゴマモン: あっ?
空: どうしたの、ピヨモン?
ピヨモン: 来る。
太一: 何だ!
テントモン: シェルモンや!
光子郎: シェルモン?
テントモン: この辺はあいつの縄張りやったんか!
ナレーター: シェルモン。こいつは兇暴で攻撃的な成熟期のデジモンだ。
丈: 皆 こっちへ!
ゴマモン: 丈!
アグモン: 行くぞ、皆!
ピヨモン: うん!
太一: 頼んだぞ、アグモン!
アグモン: ベビーフレイム!
ガブモン: シーファイヤー…あい…
ピヨモン: マジカルファイヤー…
テントモン: プチサンダー…
光子郎: どうしたんです!
ヤマト: 技が全然出てない!
太一: アグモン!
アグモン: 糞!
パタモン:
エアーショッ―
パルモン:
ポイズンアイビー!
アグモン: ベビーフレイム!
太一:
いいぞ、アグモン!
光子郎:
復アグモンだけが。
テントモン: 済みまへん。腹減って…
光子郎: えぅ?
ヤマト: ガブモン。
ガブモン: 力が出ない…
空: そうか。アグモンはさっきご飯食べたから。
光子郎:
成程!
ヤマト:
じゃ他のデジモンに戦う力はないのか!
太一: アグモン!俺だけで何とかするぞ!
アグモン: 分かった、太一!
太一: ほら!こっちだ シェルモン!
空: 太一!
アグモン: ベビーフレイム!
太一:
(聞き難い)
ぞ!
アグモン: 太一!
太一: 糞!この侭じゃ皆が…
何とかならないのか!
アグモン:
太一!
太一: アグモン!
アグモン: 太一!
太一: なっ…何だ…
アグモン:アグモン進化!
グレイモン!
太一: また進化?グレイモンだって。
頑張れ グレイモン!
グレイモン: メガフレイム!
太一: アグモン!
戻ったんだ。
大丈夫、アグモン?
アグモン:
太一…
腹減った…
丈: もしもし。もしもし。
太一: ここにいる理由はなくなったな。
ヤマト: あゝ。
空: さあ、どんどん食べてね。
光子郎: シェルモンも完全に倒した訳ではありません。
復襲ってくる前にここから離れた方が いいと思います。
ヤマト:
確かにな。
丈:
だったらやっぱりあの森に戻ろうよ。
僕等が最初に遣って来た森だよ。
あそこで助すけを待とう。
空: 前にも言ったけどあたし達は崖から落ちて川を下ったのよ。
そう簡単には戻れないわ。
ミミ:
クワガーモンは嫌!
光子郎:
ここに電話があったってことは誰かが設置した人間がいる筈です。
その人間を探した方が良いかも知れません。
丈: 成程。
空:
あたしもその意見に賛成。
太一: 良し、それで行こう。
アグモン: 僕は太一の行く所だったらどこでも行くよ。
太一: ありがとう、アグモン。
ヤマト: じゃ、それで決まりだな。
丈: じゃ皆自分の荷物を確認してくれ!
太一: よし、出発だ!
皆: おゝ!
ナレーター: こうして七人と七匹は歩き始めた。
誰も知らない冒険の世界に。
次回予告:
「弟のタケルだけは絶対に守らな
ければ」思い詰めるヤマト。
そんな彼を湖に潜む凶暴なデジモンが襲う。
タケルを守る為に自を犠牲に
しようとしたその時、
青い炎を纏った巨大な狼が疾走する!
次回 「デジモンアドベンチャー」
「青き狼!ガルルモン」
今、冒険が進化する…
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だが着いてすぐ凶悪なデジモン・クワガーモンの襲撃を受けてしまった。
絶体絶命のその時、七人と行動を共にしていた小さなデジモンたちが進化した。
しかし一度は倒されたかのように見えたクワガーモンが子共たちを再びピンチに落とし入れた。
タイトル: 「爆裂進化!グレイモン」
ピヨモン: 空!
テントモン: 光子朗!
パタモン: タケル!
ゴマモン: マーチングフィシーズ!
太一: たっ…助かった。
ヤマト: おい、あれ!
ゴマモン: 急げ!!
ヤマト: やっと本当に助かったみたいだな。
丈: 何だったんだ、さっきの魚は…
ゴマモン: あれはね、マーチングフィシーズさ。
丈: えゝ?
ゴマモン: おいら、魚を自由に操ることが出来るんだ。
丈: そうか。お前のお蔭だったのか。ありがとう、プカモン…
…じゃなくて。 えゝと、その…
ゴマモン: ゴマモンだよ。
丈: ゴマモン?
タケル: どうなちゃったの、トコモンは。
パタモン: 今はパタモンだよ。
アグモン: 僕達、進化したんだ。
太一: 進化?何だ、進化って。
光子郎: 普通はある生物の種全体がより高度な種に変化することですけど…
テントモン: そうですがな。その進化。わいはモチモンからテントモンに…
ピヨモン: あたしはピョコモンからピヨモンに…
ガブモン: 俺はツノモンからガブモンに…
パルモン: あたしはタネモンからパルモンに…
アグモン: そして僕はコロモンからアグモンになったんだ。
太一: ふーん。兎に角、前より強くなったみたいだな。
その進化してもデジタルモンスターなのか。
アグモン: そうだよ。太一と会えて良かったよ。
太一: あっ、何で。
アグモン: 僕は自分だけだと進化できなかったんだ。
きっと太一と会ったお蔭で進化出来たんだよ。
空: えゝ?じゃ ピヨモンも?
ピヨモン: そう。
光子郎: 皆、そうなのかな。
テントモン: そうですがな。
パルモン: ミミのお蔭よ。
ミミ: お蔭って言われてもね。
タケル: もうもっとに戻らないの。
パタモン: ふーん…多分。
丈: 何だかよく分からないなあ。
ゴマモン: おいら達にもよく分からないんだよ。
ヤマト: それより、これからどうする。
丈: 元の場所に戻ろう。大人達が助けに来るのを待つんだ。
太一: 戻るって言ってもなあ。
空: 随分流されちゃったし。
ヤマト: 崖の上まで戻るのは簡単じゃなさそうだぜ。
丈: じゃどうしたらいいんだ。
どこか道を探して…
ヤマト: 大体ここはどこなんだ。どう考えて見てもキャンプ場の近くじゃないぜ。
光子郎: そうですね。植物がまるで亜熱帯みたいだ。
テントモン: ほんまや!
光子郎: えっ、分かるの。
テントモン: いんや…
丈: 降りて来たんだから戻る道もある筈だ。
空: そうね。兎に角、戻って見ればどうしてこんな所に来たのか、何か手がかりがあるかも。
ミミ: えゝ?!でもさっきみたいなのが他にもいるんじゃない?
パルモン: いるわよ。
ミミ: ほら…
ヤマト: 危険は冒したくないなあ。
太一: 他の人間は?
アグモン: 人間?太一みたいな。
太一: うん。
アグモン: 見たことないよ。ここはデジモンしか居ないんだ。
太一: デジモンしか居ないと言っても…お前等、結構色んな格好してるよなあ。
空: 確か…ファイル島って言ってたわよね。
ヤマト: 本当に島なのか。
光子郎: 聞いたことのない名前ですよね。
丈: 日本じゃないのか。
太一: 兎に角、行こうぜ。ここでじっとしててもしょうがないよ。
ヤマト: おい、どこに行く気だ!
太一: さっき、海が見えたんだよ。
ヤマト: 海?
太一: そう。なあ、行ってみようぜ。
ヤマト: 行ってみるか。
空: えゝ。
丈: こういう時は出来るだけじっとして大人の助けが来るのを待つんだ。
その為にも本当は元いた処にも…
ゴマモン: 丈!早くおいでよ!
丈:おい!
空: 見たこともない木ね。
光子郎: 亜熱帯かと思ったけどどうやらそれも違うようです。
丈: やっぱり日本じゃないのかな。どうも妙だ。
ヤマト: 大体 このデジタルモンスターってもんからして妙だぜ。
ガブモン: えゝ?
光子郎: デジタルモンスター…電子的なモンスター…
テントモン: 普通はデジモンで宜しいで。
光子郎: デジタルって言うような電子的な感じしないな。
テントモン: えゝ?電気でっか ほれ!
光子郎: あっ、止めろよ!
タケル: パタモンってさっき飛んでたよね。
パタモン: 飛べるよ。ほら!
タケル: はゝ!凄い。でも歩いて方が早くない?
ピヨモン: あたしの方が早いわよ。ほら!
空: どっちも変わらないわよ。
ピヨモン: えゝ!
ミミ: パルモンって なんだか植物みたいよね。
パルモン: そうよ。光合成も出来るのよ。
ミミ: 凄い!遣ってやって!
パルモン: ミミ、光合成って分かってる?
ミミ: えっ、良く知らないわ。どんな事なの。
パルモン: あたしも良く知らないんだけど…
太一: ここにはデジモンしか居ないって言ってたよな。
アグモン: しうだよ。
太一: さっきのクワガーモンもデジモンなのか。
アグモン: そう。
光子郎: あんなでっかいのが居るなんて他にも居るのかな。
テントモン: ここにはデジモンしか居てませんて。
ガブモン:ふん?海の匂いがして来た。
ゴマモン: 見えたよ!海でい!
太一: あゝ?
空: こんな所で電話の音?
アグモン: どうした、太一。
太一: 止まった。
空: こんな所で電話ボックスなんて…
光子郎: 不合理です。
ヤマト: でもこれはいつも見る電話ボックスだな、普通の。
ミミ: あたしんちの傍にもあるわ。
丈: ということは、ここは…ここはまだ日本なんだ!
ゴマモン: 「二ホン」?丈。何だ、それ。
丈: やっぱり違うかも。
太一: 光子朗、十円貸てくれよ。
光子郎: えっ、何するんですか。
太一: 決まってんだろう。電話掛けるんだよ、家に。
光子郎: あゝ。それなら、テレカ有りますわ。
タケル: あっ、僕もママに!
ミミ: あたしも!
光子郎: それでは僕も。
ヤマト: おいタケル!
空: 私も。
丈: 空君まで!
太一: もしもし。俺だけど。
太一の電話: 午前三十五時八十一分九十秒をお知らせします。
太一: 何だ、これは。
ミミの電話: 明日の天気は晴れ 時々アイスクリーム所による…
ミミ: あれ?間違えちゃったのかな。
ヤマトとタケルの電話: お掛けになった電話番号は気の所為です。もう一度掛け直しても無駄です。
タケル: 変だよ、お兄ちゃん。
ヤマト: 家に掛けてみる。
光子郎: 何だ この電話。
テントモン: そっちはどないな按配や。
ピヨモン: 何か駄目みたい。
空の電話: 現在、電波超音波、全て届かない所に降ります。
太一: どうだ。
空: だめ。
太一: やっぱり…何なんだよ、この電話。
[アイキャッチ]
丈: これならどうだ。
電話: 午前九十時九十九分百秒をお知らせします。
丈: じゃ次は。
光子郎: 結構しつこい性格してるんですね。
太一: 丈らしいよ。
ヤマト: どこに掛けても聞こえて来るのは出鱈目な情報計りか。
太一: もう諦めて移動しようぜ。
ヤマト: ちょっと待て!こっちから掛けなくても向こうから掛かってくる可能性が有るんじゃないか。さっきみたいに。
太一: ここでじっとしてても時間の無駄だよ。
ヤマト: 暫く様子を見たらどうだと言っているんだ。
みんな疲れてるんだぞ!
光子郎: お中も減って来ましたね。
太一: そうだな。お昼も未だだったもんな。良し。休憩だ!休憩!
空: 誰か食べる物 持ってる?あたしが持ってるのはこの…
あれ?これって…あの時空から降って来た。
太一: あっ、それ?俺も持った侭だ。
ミミ: あたしのバッグにも付いてる。
タケル: 僕も持ってるよ。
ヤマト: 皆持った侭だったのか。
光子郎: どうやらこれは何か。
所で誰か食べ物って話でしたよね。
空: あたしが持ってるのは旅行用の救急セット、絆創膏と消毒薬。
それに針と糸位よ。
光子郎: 僕はこのノートパソコンとデジカメ 携帯電話。
でもここに来てからどれも使えなくなってるんです。
未だバッテリー残ってた筈なのに
太一: 良く持ってくるよな こんなのサマーキャンプに。
光子郎: 太一さんは?
太一: えっ、俺?えゝと…
これだけ、単眼鏡。
ヤマト: 俺も食べ物は持ってないなあ。
タケル: 僕持ってるよ。
ヤマト: えっ?
タケル: ほら。
ミミ: うわあ、お菓子!美味しそうね。
あなた、家の子共会の子じゃなかったわよね。
タケル: うん。夏休みだからお兄ちゃんの所に遊びに来たんだ。
ねえ お兄ちゃん
ヤマト: あゝ。
太一: ヤマトがお兄ちゃんだってさ。
光子郎: 従兄ですかね。
空: ミミちゃんは何持ってるの。そのバッグ大きいけど。
ミミ: これ?これはねえ。
これでしょう。固形燃料でしょう。釣糸セット、コンパス、懐中電灯。それから…
ヤマト: 結構本格的なサバイバル用品だなあ。
ミミ: 拙宅キャンプに行くんだからパパの道具借りて来たの。内緒で。
太一: 普通は持ってこないぞ こんなの。
ヤマト: だが、これからは役に立つかも知れないな。
空: そうね。この先どうなるか分からないし。
太一: そうか。それもそうだな。
所で丈はまだ電話してるけど食い物なんか持ってきてなっ―
あ?あれ…非常食だ!
光子郎: えゝ?本当だ!
太一: おい、丈!非常食持ってるじゃないか!
丈: えっ?何で僕がそんな物持たなきゃ行けないんだよ!
光子郎: だってそのバッグ…
丈: バッグ?あゝそうだ!これをミミ君に届けに行く所だったんだ!
パルモン: ミミだって。
ミミ: あたし?
丈: ミミ君。君は非常食当番だったろう。ちゃんと管理して置かなくちゃ駄目じゃないか!
ミミ: えゝ?だって重たいし…
丈: そういう我が儘言ってちゃ…
太一:まあまあ。食べ物があるって分かっただけでも目付け物だ。昼飯にしようぜ。
空: そうそう。
丈: 非常食は一班に就き三日分支給されている。
僕の班は六人だったから6×3×3で…
光子郎: 五十四食ですね。
丈: そうだ。それを七人で分けて食べると…
光子郎: 二日半ですね。
丈: そうだ…
空: でもデジモン達の分が有るから実際にはその半分、一日一寸よ?
丈: そうか…
ガブモン: 俺達は良いよ。自分の食べる分は自分で探すから。
テントモン: うち等は勘定に入れんでいいわ。
空: 本当にいいの。
ピヨモン: うん、大丈夫。今までずっとそうだったんだから。
丈: そうして貰えると助かるよ。じゃこの非常食は人間の分と言うことで。
太一: どうだ。上手いか、アグモン。
アグモン: うん。
丈: だからそれは人間用!
太一: いいじゃないか、けちだなあ!
丈: だめ!
ゴマモン: あっ?
空: どうしたの、ピヨモン?
ピヨモン: 来る。
太一: 何だ!
テントモン: シェルモンや!
光子郎: シェルモン?
テントモン: この辺はあいつの縄張りやったんか!
ナレーター: シェルモン。こいつは兇暴で攻撃的な成熟期のデジモンだ。
丈: 皆 こっちへ!
ゴマモン: 丈!
アグモン: 行くぞ、皆!
ピヨモン: うん!
太一: 頼んだぞ、アグモン!
アグモン: ベビーフレイム!
ガブモン: シーファイヤー…あい…
ピヨモン: マジカルファイヤー…
テントモン: プチサンダー…
光子郎: どうしたんです!
ヤマト: 技が全然出てない!
太一: アグモン!
アグモン: 糞!
パタモン: エアーショッ―
パルモン: ポイズンアイビー!
アグモン: ベビーフレイム!
太一: いいぞ、アグモン!
光子郎: 復アグモンだけが。
テントモン: 済みまへん。腹減って…
光子郎: えぅ?
ヤマト: ガブモン。
ガブモン: 力が出ない…
空: そうか。アグモンはさっきご飯食べたから。
光子郎: 成程!
ヤマト: じゃ他のデジモンに戦う力はないのか!
太一: アグモン!俺だけで何とかするぞ!
アグモン: 分かった、太一!
太一: ほら!こっちだ シェルモン!
空: 太一!
アグモン: ベビーフレイム!
太一:(聞き難い) ぞ!
アグモン: 太一!
太一: 糞!この侭じゃ皆が…何とかならないのか!
アグモン:太一!
太一: アグモン!
アグモン: 太一!
太一: なっ…何だ…
アグモン:アグモン進化!
グレイモン!
太一: また進化?グレイモンだって。
頑張れ グレイモン!
グレイモン: メガフレイム!
太一: アグモン!戻ったんだ。
大丈夫、アグモン?
アグモン: 太一…腹減った…
丈: もしもし。もしもし。
太一: ここにいる理由はなくなったな。
ヤマト: あゝ。
空: さあ、どんどん食べてね。
光子郎: シェルモンも完全に倒した訳ではありません。
復襲ってくる前にここから離れた方が いいと思います。
ヤマト: 確かにな。
丈: だったらやっぱりあの森に戻ろうよ。
僕等が最初に遣って来た森だよ。
あそこで助すけを待とう。
空: 前にも言ったけどあたし達は崖から落ちて川を下ったのよ。
そう簡単には戻れないわ。
ミミ: クワガーモンは嫌!
光子郎: ここに電話があったってことは誰かが設置した人間がいる筈です。
その人間を探した方が良いかも知れません。
丈: 成程。
空: あたしもその意見に賛成。
太一: 良し、それで行こう。
アグモン: 僕は太一の行く所だったらどこでも行くよ。
太一: ありがとう、アグモン。
ヤマト: じゃ、それで決まりだな。
丈: じゃ皆自分の荷物を確認してくれ!
太一: よし、出発だ!
皆: おゝ!
ナレーター: こうして七人と七匹は歩き始めた。
誰も知らない冒険の世界に。
次回予告:
「弟のタケルだけは絶対に守らなければ」思い詰めるヤマト。
そんな彼を湖に潜む凶暴なデジモンが襲う。
タケルを守る為に自を犠牲にしようとしたその時、
青い炎を纏った巨大な狼が疾走する!
次回 「デジモンアドベンチャー」
「青き狼!ガルルモン」
今、冒険が進化する…