指揮官:
砲撃開始!

兵士:
グロースター?セルファムにいるはずでは?

ダールトン:
でかいだけのナイトメアもどきが!

ギルフォード:
さっさと降伏すればよかったものを。

指揮官:
なに?コーネリア。まさか、一機で?

コーネリア:
これでおちたな、エリア18の成立か。

ダールトン:
姫様、次の行動計画ですが…

コーネリア:
すまぬ、愚弟の後始末につきあわせて。

ダールトン:
いえ。我ら、姫様のおられるところが国でございますれば。

コーネリア:
エリア11は一筋縄ではいかんぞ。

ダールトン:
承知しております。

コーネリア:
あぶりだしてやる、ゼロ。クロヴィスの仇。

ルルーシュ:
ただいま。

C.C.:
おかえり。ルルーシュ。

ナナリー:
おかえりなさい。お兄様。

C.C.:
その様子だと、食事は外ですませてきたな。

ナナリー:
心配しました。ゼロという人の騒ぎにまきこまれたんじゃないかって。
電話したんですけど、つながらなくて。
お兄様、せっかくC.C.(シーツー)さんがこられたのに。

ルルーシュ:
C.C.?

ナナリー:
かわったお友達ですのね。イニシャルだけだなんて。

ルルーシュ:
ああ。

ナナリー:
ひょっとして、お兄様の恋人?

C.C.:
将来を約束した関係だ。なっ?

ナナリー:
将来って…結婚?

ルルーシュ:
違う。違うって。そういうのじゃなくて…だから、その…彼女は冗談が…

C.C.:
嫌いだ。

ナナリー:
そうですか。お兄様が…
意外と早いんですね。でも、人それぞれって言うし、おかしくはないのかしら…

ルルーシュ:
ああ、なにやってんだよ、C.C. 濡れちゃってるよ。
ほら、洗面所行かないと。着替えもだしてやるから。
ナナリー、すぐに片付けるから動くなよ。それと、さっきのは嘘だから。嘘。冗談。

ルルーシュ:
誰だ、お前は?

C.C.:
言ってただろ。C.C.と。

ルルーシュ:
そうじゃなくて、お前は…

C.C.:
死んだはず、か?
気に入ったか、私が与えた力は?

ルルーシュ:
やはり、お前が…

C.C.:
不満か?

ルルーシュ:
いや、感謝してるよ。俺のスケジュールを大幅に前倒ししてくれたんだからな。

C.C.:
スケジュール?

ルルーシュ:
ブリタニアをぶっ壊す予定表さ。
動き出せるのはもう少し先になると思っていた。

C.C.:
壊せると思うのか、その力だけで?

ルルーシュ:
これがなくても、やるつもりだった。

C.C.:
見込み通り、面白い男のようだ。

ルルーシュ:
お前、これからどうする?軍に追われているんだろ?

C.C.:
軍と言っても、極一部だけ。なら、普通に隠れているだけで十分だ。ここで我慢してやるよ。

ルルーシュ:
おい、泊まるつもりか?

C.C.:
男は床で寝ろ。

ルルーシュ:
そういうことじゃなく。

C.C.:
私がつかまったらお前も困るだろう?

ルルーシュ:
一緒のほうが危険だ。

C.C.:
野宿したら補導される。

ルルーシュ:
お前の都合じゃなく、こちらの都合を…

C.C.:
しつこいのは嫌いだ。

ルルーシュ:
緊張感の無い奴だ。そもそも、どうやって助かった?
バックボーンは?それに、お前があの時言っていた契約って…

C.C.:
おやすみ、ルルーシュ。

セシル:
福島、高知、広島。これで七件目ですね、あのゼロが現れてから。

ロイド:
ゼロに続けって、他のグループががんばっちゃってるみたいだね。

セシル:
ジェレミア代理執政官は、例のオレンジ疑惑で統率力を失っているし。

ロイド:
器じゃなかったんだよ。おかげで警察や行政との連携もボロボロ。こっちもいい迷惑だ。

草壁:
力を貸してくれ、藤堂。ゼロによって、ブリタニアは混乱している。今こそ我々「日本解放戦線」が立ち上がるときだ。

藤堂:
あせるな。キョウトが紅蓮弐式をゼロに与えるというのは確定情報ではない。
ゼロにこだわりすぎると、足元をすくわれるぞ。

C.C.:
なあ、結局オレンジとは何だったのだ?

C.C.:
何だ?

ルルーシュ:
人の質問には一切答えないくせに、俺には質問するんだな。

C.C.:
答えたくなければ答えなければいい。私のようにな。

ルルーシュ:
でまかせだよ、オレンジなんて。
ただ、同志とか言いたがる連中ほど、疑惑という棘で簡単に分裂するものだからな。

C.C.:
世界中がお前を探している。お前のために世界が動いている。
ルルーシュ、お前はこれがみたかったのか?

ルルーシュ:
いや。この騒ぎは手段にすぎないよ。
世界はもっと大きな混乱に叩き込まれる。

男:
枢木スザク一等兵。第11方面軍域。
重要107(ひと まる なな)号。クロヴィス殿下殺害容疑については、証拠不十分につき釈放とする。

スザク:
どうして、いきなり。

ユーフェミア:
どいてくださーい!危なーい!

スザク:
あの、怪我とかしていませんか?

ユーフェミア:
ごめんなさい。下に人がいるとは思わなくて。

スザク:
ああ、いえ。僕も、上から女の人が落ちてくるとは思いませんでしたから。

ユーフェミア:
あら?

スザク:
どうかしました?

ユーフェミア:
はい、どうかしたんです。

スザク:
え?

ユーフェミア:
私、実は悪い人に追われていて、だから助けてくださいませんか?


キューエル:
コーネリア殿下のご着任を、あのオレンジに仕切らせるわけにはいかん。
このままでは、我ら純潔派の忠誠が疑われる。

男:
本当なのでしょうか?ジェレミア卿が賄賂などど…

キューエル:
では、オレンジとは何だ?
いずれにせよ、ジェレミア卿に後ろめたいことがあるのは事実だ。
何も覚えていないなどと、バトレーと同じ言い訳を。

ヴィレッタ:
ジェレミア卿も記憶が混乱している。シンジュクでサザーランドを奪われた者達も同じ。そして…


ユーフェミア:
自己紹介がまだでしたね。私は…ユフィ。

スザク:
ユフィ。

ユーフェミア:
はい。

スザク:
僕は…

ユーフェミア:
駄目ですよ。あなたは有名人なんですから。
枢木玄武首相の息子さん。枢木スザク一等兵。

スザク:
嘘なんでしょ、悪い人に追われてるって?

ユーフェミア:
ニャー。ニャーニャー。
怪我しちゃったのかニャ?(怪我しちゃったのかな?)
ニャーニャーニャー。
ニャーニャー。

スザク:
うっ。

ユーフェミア:
あら。

ロイド:
遅れちゃったなぁ。待ってくれてるといいけど。

セシル:
でも、本当に釈放なんですか?

ロイド:
証拠不十分でね。まあ、ゼロの件ではたっぷりと取り調べられたみたいだけど。
あ…あれ?何で?

セシル:
はぁ?

ユーフェミア:
猫、苦手なんですか?

スザク:
僕は好きなんですけど。片思いばっかりなんです。

ユーフェミア:
片思いって優しい人がするんですよ。あ…
いっちゃいましたね。

スザク:
ユフィ。さっきはどうしてあんな嘘を?

ユーフェミア:
私のこと気になりますか?

スザク:
え?あ…はい。

ユーフェミア:
じゃあ、もう少し私に付き合ってくださいな。

ユーフェミア:
こうしていると、ブリタニアにいるのと変わらないですね。

スザク:
ユフィは本国から?

ユーフェミア:
はい。学生でした、先週までは。

スザク:
先週までって…じゃあ今は?学生って、高校生?観光ならいつだってできるでしょ?

ユーフェミア:
質問攻めですね。

スザク:
すみません。

ユーフェミア:
あ、そんなつもりじゃ。その、今日が最後の休日で、だから見ておきたかったんです、エリア11を。
どんなところなのかなって。

スザク:
だったら、僕じゃなくって…

ユーフェミア:
いえ。よかったです、あなたで。

スザク:
そうですか。

ユーフェミア:
スザクさん。もう一箇所だけ案内していただけますか?

スザク:
なんなりとお申し付けください。お姫様。

ユーフェミア:
では、シンジュクに。
わたしにシンジュクを見せてください。枢木スザクさん。

カレン:
ルルーシュくん。今、いい?

ルルーシュ:
ん、何?

カレン:
この前の電話のことなんだけど。

ルルーシュ:
電話?

カレン:
その…ほら、バスルームで。

ルルーシュ:
ああ。

カレン:
着信履歴ってわからない?
ちょっと連絡を取りたくて。

ルルーシュ:
学校のだからな。俺のほうでは…

カレン:
そう。そうよね、やっぱり。

ルルーシュ:
あの女。

カレン:
何?どうかした?

シャーリー:
嘘…

カレン:
ねえ。

ルルーシュ:
ん?

カレン:
これは何?

ルルーシュ:
ああ…何だろ?

バトレー:
こんなかたちで本国に戻るとは。かかわらねばよかった、あんな女。

ルルーシュ:
馬鹿かお前は。ふらふら出歩くな。

C.C.:
いいだろ、学校の中くらい。堅いこというな。

ルルーシュ:
駄目だ。お前はここでは部外者なんだぞ。

C.C.:
私はどこでもそうだ。ん…何だあいつは?

ルルーシュ:
ああ、今日もやっているのか。

C.C.:
今日も?

ルルーシュ:
彼女には、毎日ここの壁に印をつけるようギアスをかけた。

C.C.:
ギアス?

ルルーシュ:
この力のことだ。契約の時にそう聞こえたが?

C.C.:
持続時間のテストか?

ルルーシュ:
武器のスペックは理解するべきだろ?お前もわがままが過ぎると…

C.C.:
効くかな、私に?
安心しろ。お前と私は共犯者だ。私たちの不利になるようなことはしない。


スザク:
シンジュクゲットーは、もうおしまいです。やっと人が戻り始めていたんですが…

ブリタニア人:
あーあ、やっぱイレブン相手じゃRGは使ってないな。

おい、こっち。ヒューマー弾の跡だ。

ばっちり撮っといて。

わかってるよ。

次、俺だ。

俺も。


ジェレミア:
本当なのだな、ゼロの情報は?

ブリタニア兵:
はい、キューエル卿からの連絡です。

ジェレミア:
よし。非常線をシンジュクゲットー第4区域に張れ。

ブリタニア兵:
了解しました。代行。
キューエル卿、後は頼みますよ。

ヴィレッタ:
ジェレミア卿に連絡を取ってもらいたかったが、それどころではないようだな。


玉城:
出てけよ、ブリタニアの豚ども!

スザク:
ここにいて。

ブリタニア人:
な…なんだよ、イレブンのくせに。

玉城:
日本人だ。イレブンなんていうな!

ブリタニア人:
何言ってんだ。お前らうちに負けたんだろ?敗戦国の犬が!

玉城:
このブリキ野郎!(See Note 1)

スザク:
やめてください、暴力は。

玉城:
邪魔すんなよ!

[???]:
こいつ…

玉城:
お前、枢木スザクか?

吉田(?):
クロヴィスをやった枢木?

南(?):
馬鹿。やったのはゼロだろ。

玉城:
けっ。こいつはただの奴隷だよ。何が名誉ブリタニア人だ。嬉しそうに。
プライドも仲間も魂も売って、それでも日本人か!

スザク:
違う。僕は…

玉城:
違わねえんだよ!このブリタニアの犬が

スザク:
やめてください。自分は訓練を受けた人間です。これ以上、同じ仲間で…

玉城:
何が仲間だ。

南:
おい、もういいだろ。

玉城:
ちっ、この裏切り者が。

ユーフェミア:
スザク。大丈夫ですか?

スザク:
ええ。

ブリタニア人:
大丈夫じゃないよ。僕のPrime-GとLX-4が…

おそいんだよ。ったく、名誉のくせに。

何で逃がしたんだ。やっちまえよ。
どうせ何人もイレブンを殺してきたんだろ?誰がお前を養ってると思ってんだよ。

ユーフェミア:
これ以上、この方を侮辱することは許しません。

ルルーシュ:
ギアスを使うには相手の目を直接みる必要がある。
眼鏡ていどの透過率なら問題は無い。
有効距離は270メートルほど。
また、ギアスをかけた前後および発動中には記憶の欠落が見られる。
これは、ギアスが大脳に介入したために生じたダメージと思われる。光情報だとすれば反射も可能。

C.C.:
これだけの短期間に、よく調べたものだ。

ルルーシュ:
相手は世界の3分の1以上を占める帝国だ。慎重すぎるってことはない。

C.C.:
イレブンならともかく、お前はブリタニア人だろう?
ギアスひとつで戦うには、あまりに大きく、強い相手だ。

ルルーシュ:
強ければいいのか?

スザク:
弱いことは、いけないことなんだろうか?
あの頃…十歳の僕らには世界はとても悲しいものに見えた。

ルルーシュ & スザク:
飢餓、病気、汚職、腐敗、差別、戦争とテロリズム、繰り返される憎しみの連鎖。

ルルーシュ:
愚かないたちごっこだ。

スザク:
誰かがこの連鎖を断ち切らなくてはならない。

C.C.:
理想だな。

スザク:
もちろん、そうしたものが全てなくせるなんて思わない。

ルルーシュ:
俺はそこまで傲慢じゃない。だから…

スザク:
大切な人を失わなくてすむ…せめて、戦争のない世界に。

C.C.:
そんな都合のいい世界…

ユーフェミア:
どうすれば?

ルルーシュ:
簡単だ。誰かが勝てば戦いは終わる。

C.C.:
誰か?

スザク:
僕にはまだわからない。でも、目指すことをやめたら、父さんは無駄死にになってしまう。

ユーフェミア:
枢木首相の?

スザク:
あの戦争で、父さんは死ななければならなかった。


キューエル:
ジェレミア。クロヴィス殿下殺害犯を取り逃がした責。その身であがなってもらうぞ。

ジェレミア:
卑怯な。キューエル。ゼロ発見とは偽りか。

キューエル:
コーネリア殿下がご着任あそばす前に、身内の恥はすすがねばならん。
ジェレミア、これが粛清だ。

セシル:
スザクくん。

スザク:
セシルさん。

セシル:
ここは危険よ。乗って。

ロイド:
純潔派の内ゲバなんだよ。とっとと逃げよ。
ああ、それと。釈放残念でした。またつきあってもらうよ。

スザク:
待ってください。ランスロットの戦闘データをとるチャンスではないでしょうか?

セシル:
え?

ロイド:
おほぅ。

ユーフェミア:
スザク。

スザク:
ごめん、ユフィ。ここでお別れだ。僕は行かなきゃならない。
ランスロットなら止められるはずだから。だから…

ジェレミア:
くそ、四人がかりとは。卑怯者!

キューエル:
案ずるな、ジェレミア。戦死扱いにしてやる。家の名前に傷はつかん。

ジェレミア:
本気なのか?本気でこの私を…。キューエル!

キューエル:
だまれ、オレンジ。
我らは何のために存在している?皇室のためであろう。
オールハイルブリタニア!

スザク:
やめてください、同じブリタニア軍同志で。

ジェレミア:
あれは、名誉ブリタニア人の…
嚮導兵器、ランスロット。

キューエル:
特派が何用だ?(See Note 2)
介入するなら誰であろうと討つ。

スザク:
駄目です。意味の無い戦いを見過ごすわけにはいきません。

キューエル:
MVS? 実用化されていたのか。だが…今さら引けん!

スザク:
仲間同士で。

ジェレミア:
私を助ける? 枢木スザクが?

キューエル:
ならばオレンジだけでも。

ヴィレッタ:
ジェレミア卿!

ジェレミア:
ヴィレッタか?すまん。

スザク:
まだやるつもりですか?

キューエル:
皆、下がれ。

ヴィレッタ(?):
キューエル。

スザク:
わかっていただけましたか。

キューエル:
ケイオス爆雷を使う。

スザク:
え?

ユーフェミア:
おやめなさい!

ジェレミア:
何?

ヴィレッタ:
あの名誉ブリタニア人。身を挺して…

ユーフェミア:
双方とも、剣をおさめなさい。
我が名において命じさせていただきます。

ジェレミア:
ま…まさか。

ユーフェミア:
わたくしはブリタニア第三皇女、ユーフェミア=リ=ブリタニアです。 

スザク:
ユフィ。

ユーフェミア:
この場は私が預かります。下がりなさい。

ジェレミア:
やはり、皇女殿下。

セシル:
知ってました、ロイドさん?

ロイド:
うん。学生だからって、表には出てなかった人だけどね。

キューエル:
ま…真(まこと)に、真に申し訳ございません。

スザク:
皇女殿下。

ユーフェミア:
え?

スザク:
知らぬこととはいえ、失礼いたしました。

ユーフェミア:
スザク。あなたが父を失ったように、私も、兄、クロヴィスを失いました。
これ以上、みんなが大切な人を失わなくてすむよう、力を貸していただけますか?

スザク:
は、もったいなきお言葉。

コーネリア:
聞いたぞ、ユーフェミア。あまり無茶はするな。

ユーフェミア:
申し訳ありません。お姉さま。しかし…

コーネリア:
ここでは総督と呼べ。ユーフェミア副総督。
実の兄弟であればこそ、けじめが必要だ。

ユーフェミア:
はい、わかりました。

コーネリア:
ん。…で、そちの話だが。

臣下:
は。聖庁にて、皇女殿下の歓迎の準備が整っておりますので…

コーネリア:
抜けている。呆けている。堕落している。
ゼロはどうした。帝国臣民の敵をつかまえろ。ゼロを!

スザク:
本日付けをもちまして、このアッシュフォード学園に入学することになりました、枢木スザクです。よろしくおねがいします。



Note 1:ブリキ野郎 = イレブンがブリタニア人に使う蔑称。
ブリタニアの鬼畜野郎(ちくやろう) の略。 (鬼畜野郎 : cruel and heartless dude)
また、ナイトメアフレームを"ブリキのおもちゃ(tinplate toy)"に見立てて、ブリキに乗っている野郎 という意味もある。

Note2:特派(とくは) = スザクが属する「特別派遣嚮導技術部(とくべつけんきょうどうぎじゅつぶ」の略