みくる:
あたしは何をしたら?

ハルヒ:
あぁ、みくるちゃんはいいのよ。

みくる:
ふぇ・・・?

ハルヒ:
帰っちゃっていいわよ。今日はもう用済みだから。

みくる:
あぁ...

キョン:
どうやら、本日のハルヒ的活動は、これで打ち止めらしい。
敏腕ネゴシエーターでも、左側によりそうな手腕でこれだけのものを入手。
しかも掛かった費用は無料、つまりタダだ。
昔の人はよく言ったものだ、タダより怖いものはない。
問題はハルヒが、それを全然怖がっていないことだった。
というか、こいつの怖がりそうなものがあったら、是非俺までご連絡頂きたい。

(オープニング曲)

谷口:
なんだよそりゃ。
良い子たちへのプレゼントか?

キョン:
んなわきゃ(=そんな訳)ないだろう。
こんなもん。

谷口:
おぉ?
へぇ、モデルガンか。
お前こんな趣味あったっけ?

キョン:
俺じゃない、ハルヒの趣味だ。

谷口:
ふーん、涼宮ね。
ま、大変だよな、お前も。

キョン:あぁ?
谷口:そういえばよ。
キョン:ん、何だ?
谷口:いやぁ、もうすぐ文化祭じゃねえか。お前ら、今度は何やってくれんだよ?
キョン:何故俺に聞く?
谷口:涼宮に聞いてマトモな答えが帰ってくるとは思えん。
長門は聞いても何も言わねえし、朝比奈さんは近寄りがたいし、
もう一人の男は、なんだか気持ち悪い。だから、お前に聞いてんのさ。
キョン:俺は渉外担当か。単なるお人好しなのか?
谷口:少なくとも後者ではあるだろ。
キョン:えぇ?
谷口:お前って、そっちに歩いてけば崖になると分かってんのに、
一緒になって歩いているような、付き合いの良すぎるヤツに見えるけどね。
キョン:心外だ。知っててももうお前には教えん。
谷口:おいー。
キョン(ナレーション):ハルヒ的獣道の行き着く先に、碌でもないものが待ち受けている
のだろうなとは、そりゃ俺だって分かっている。だが一緒に歩いているのは、ハルヒと
俺だけじゃなく、分かっているだけで、他に最低三人はいるのだ。そのうち二人は
放っておいても大丈夫だろうが、朝比奈さんが危なっかしい。未来人とも思えないくらい、
自分の身に起こる何かを全然予測できていないのだ。俺が守ってやらにゃ。
と思うのも、当然というものだ。うん。

(キョン:ドアをノックする音)
みくる:キャアア~アァ~
キョン:おっ?
ハルヒ:ほーら、早く脱ぐの!手伝ってあげるから!
みくる:さ、触んなくていいから・・・
ハルヒ:コラッ!
みくる:わっ、ワアアア~~~!はっ、はうう~う~
(キョン:ドアをノックする音)
ハルヒ:どうぞー!
キョン:うわー、ギャッ、ガッ
みくる:はぁ・・・?
ハルヒ:どう?
キョン(ナレーション):どうも何も異様に似合ってまーす!カエアン製(註1)かと思いましたね。
(註1:バリントン・J・ベイリーの小説「カエアンの聖衣」に絡めたものだろうか。
Perhaps it refers to the novel "The Garments of Caean" written by Barrington J. Bayley.)
古泉:やあ、どうも。おや失礼。ほう、これは!よくお似合いですよー。
キョン(ナレーション):そんなもん見りゃ判る!分からないのは、なんで喫茶店でもないのに、
ウエイトレスがこの部室にいるかって事だ。
ハルヒ:それはねえ、みくるちゃんには、このコスチュームで映画に出てもらうからよ!
キョン:ハァ?いつものメイド服じゃあ不都合なのか?
ハルヒ:モチ(=もちろん)よ。メイドってのは、どっかの屋敷にいて、個人的奉仕活動をするのが
仕事よ。ウエイトレスは違うわ。どっかの店で、不特定多数にサービスするのが目的なの。
キョン:どのみち朝比奈さんは、そんなことするためにそれを着てる訳じゃないだろうが。
ハルヒ:細かいことは気にしないでいいの!こういうのは気分の問題なのねー。
アタシは気分いいわー。
キョン(ナレーション):お前は良くても朝比奈さんはどうなんだよ!
みくる:あのー?こっこれ、あたしにはちょっと小さいような・・・。だ、だから、あの・・・
ハルヒ:大丈夫!これぐらいが丁度いいのよ!ジャストフィット(=just fit)って感じだわー!
キョン(ナレーション):駄目だ。一刀両断だ!