栄子「よし! あ、イカ娘、店のほう頼むぞ。昼には戻るけど」

イカ娘「コスプレなんかしてどこ行くでゲソ?」

栄子「コスプレじゃねーよ! 今日は学校の登校日だから、この服着てるだけだ」

イカ娘「学校? 私も行くでゲソ!」

栄子「はあ? 駄目に決まってんだろ。学校でそんな触手なんか使われたらどんなことになるか。それこそ渚ちゃんどころじゃ・・・はっ」

イカ娘「人間どもが恐怖し、逃げ惑うでゲソね」

栄子「とにかく、お前は私がいない分までしっかり働いてろ」

イカ娘「ええーっ、栄子だけ楽しむなんてずるいでゲソ! ・・・いっ」

千鶴「今日も頑張りましょうね」

栄子「行ってきまーす!」

千鶴「行ってらっしゃーい!」

イカ娘「うう・・・」


早苗「で、結局置いてきたの? イカちゃん」

栄子「当たり前だろ? こんなところでまで面倒見切れんて」

早苗「あーあ、せっかくイカちゃん用のセーラー服持ってきたのに」

栄子「何しに学校来てんだよ」

女子生徒「おはよう、久しぶり!」

栄子「おはよう! 久しぶりにみんなと会えるってのに、あんなやつにぶち壊されて・・・ぶーっ! あんにゃろう!」

早苗「どうしたの?」

栄子「仕方ない、後回しだ」


イカ娘(あ、よく見るとみんな同じ服来てるでゲソ。もしやここは軍事基地じゃなイカ? 千鶴の目をごまかして、偵察に来た甲斐があったでゲソ)

女子生徒「ええ!? 何?」


イカ娘「ここは・・・怪しい実験道具がいっぱい。あっ。きっとここで化学兵器を開発しているのでゲソね。あっ、ごめんでゲ・・・うえええっ!! じ、人体実験までしているとは、恐ろしいところでゲソ」

イカ娘「ハッキング・ルームでゲソ」

イカ娘「ここで戦闘食を作るでゲソね」

イカ娘「トレーニング・ルームでゲソ」

イカ娘「作戦会議室でゲソ」

イカ娘「厳重な管理・・・武器庫でゲソ」

イカ娘「戦場での負傷者を手当てする場所でゲソ」


イカ娘(思った以上に充実した施設じゃなイカ。人間どもめ、油断できないでゲソ)
  「あ、ここは・・・。おおーっ、この部屋だけ妙にきれいで広いでゲソ! 勝利の証しでゲソ! 敵の首をこれに盛るでゲソ!
  今日から私がここの支配者でゲソ! 私に楯突くやつは死刑でゲソ! ・・・あっ」

校長「誰かね、君は?」

イカ娘「お、お前こそ誰でゲソ!」

校長「誰といわれても私は・・・」

イカ娘「この部屋に来たということは、おぬしがここの支配者でゲソね?」

校長「まあ、そういうことになるかな」

イカ娘「ということは、こやつを倒せば私がここで一番になるってことじゃなイカ!」

校長「これこれ、勝手に入ってはいけませんよ」

イカ娘「まったく問題ないでゲソ」

校長「え?」

イカ娘「今日からここは私のものになるのでゲソからね!」

校長「はあ・・・」


教師「では、本日はこれで終了。次の登校日は・・・」

イカ娘「愚かなる人間どもよ、ここは私が征服したでゲソ!」

早苗「イカちゃーん」

栄子「あいつ・・・」


イカ娘「これからは私がここを支配するでゲソ。もし逆らえば、元いた支配者の命はないでゲソ」

校長「ああ、これは困った」


イカ娘「お前たちは優秀な戦士として各地に散らばり、私のために地上を征服するでゲソ!」


早苗「イカちゃんが高校の支配者」

栄子「おい・・・」

早苗「そして私が親衛隊!」

栄子「おい!!」


イカ娘「私が地上をすべて征服した暁には・・・、暁には、すべてを支配して・・・支配したり、侵略したり、征服したりして・・・。はっ、毎日エビを好きなだけ食べるでゲソ!」

校長「へっ? エビ?」

イカ娘「そうでゲソ。てんぷら、フライにお刺身。おぬしも私に従うのなら、少しくらいエビを食べさせてやってもいいでゲソ」

校長「いやあ、私はエビアレルギーなので、甲殻類は食べられないんだが」

イカ娘「うわああっ! エビを食べないとは、おぬし、何が楽しみで生きておるのでゲソ!」


校長「んんん~ん」

イカ娘「ええい、逆らうなでゲソ!」

校長「んんん~んんん」


イカ娘「さあ、口を開け。私のエビが食べられなイカ?」

校長「んーんんん!」

栄子「いい加減にせい! まったく、もう。
  どうも失礼しました」

校長「最近の学生はわからん」


イカ娘「勉強するところなら、最初にそう言ってくれればいいじゃなイカ」

栄子「お前が勝手に暴走しただけだろ」

イカ娘「栄子! 私も学校、通ってみたいでゲソ!」

栄子「ああ、お前はまず小学校からだな」