Eden of The East(Japanese)>07. ブラックスワン舞う
平澤 「なるほど……こいつはエデンのマスコットに似ている」
春日 「間違いないです! 大杉先輩、あれだけはずっとカバンに付けてましたから」
みっちょん 「写真は今日の昼ごろ撮られてる。『たすけて』『じょにいがり』『ころされる』『ほてる』?」
おネエ 「全部ひらがな?」
平澤 「ジョニー狩りと思しき女に声をかけられた場所も、春日と別れた場所と一致している……確かに大杉と信じるに足る理由は揃っているが……」
滝沢 「なあ、さっきから何なの? ”ジョニー狩り”って」
春日 「いま、巷をにぎわしてる都市伝説です。綺麗なお姉さんが、我々のようないたいけな童貞をホテルへ誘い込み、その際ジョニーがエレクトできなかった場合、鋭利な刃物でジョニーを剥ぎ取る……。その被害は、実に二万人に上ると言われているんです」
滝沢 「二万人? いやぁ、それってあの二万人と混同してないか?」
第7話
ブラックスワン舞う
おネエ 「でも、どうして掲示板で助けを求めるのよ? 本当に大杉なら、私たちに直接、電話かメールすればいいじゃない」
春日 「ここは大杉先輩も愛用の恋愛相談掲示板なんです。大杉さんは以前から心に大きな隙間を抱えていました……。おそらく、昨夜はその隙間に冷たい風が追い討ちをかけ、ついに怪しい女性に付いていってしまった……! その恥ずかしさと罪悪感から、直接連絡などできないっ! 僕にはわかるんです、その思いが!」
滝沢 「ふぅん。で、その大杉ってのは誰なの?」
咲 「……」
一同 「……」
滝沢 「……?」
春日 「僕が昨日の食事のあと、酩酊した大杉先輩をキチンと送り届ければ、こんなことには……」
咲 「その食事って、もしかして……」
春日 「そうです! 森美先輩と行くはずだった食事のことです!」
咲 「はぁ……」
おネエ 「おバカ!」
滝沢 「なになに、どういうこと?」
みっちょん 「あっ、新しい画像がアップされた!」
平澤 「どうやら己の姿を窓に映して撮ったらしいな。大杉のスーツかっ?!」
春日 「まぎれもなく、大杉先輩です」
みっちょん 「ねえ、ここんとこ」
おネエ 「ピアノ……かしら」
平澤 「エデンの画像検索エンジンに通してみよう!」
みっちょん 「スタンウェイのルイ15世モデル M1150。超稀少。バブル期に日本が数台購入」
平澤 「業者がわかれば、どこが買ったか突き止められるぞ! さっすがは我らがエデンシステム!」
おネエ 「最新コメント来た! 『きょうはんしゃのなまえ じゅいす』……何これ?」
滝沢 「ジュイスって……マジかよ……」
おネエ 「たっくん、どちらへ?」
滝沢 「ちょっと、心当たりの場所探してくるよ」
滝沢 「スタンウェイのルイ15世モデル M1150ってピアノで脚の部分が補正された個体を見つけてほしいんだけど」
Juiz 「受理しました。……発見しました。六本木の会員制ホテル『インソムニア』の1109号室に搬入されています」
滝沢 「その部屋を借りてるのは?」
Juiz 「……六本木花子という方が、一昨年より長期間宿泊されています」
滝沢 「偽名くさいなぁ。本名調べてよ」
滝沢 「ねえ、ジュイス」
Juiz 「はい」
滝沢 「君、ジョニー狩りって知ってる?」
Juiz 「いいえ。お調べいたしますか?」
滝沢 「……いや。いいや」
Juiz 「完了です。本名、白鳥・ダイアナ・黒羽。青山の外国人モデル事務所『モノロム』の女社長です」
滝沢 「そいつは今、どこにいる?」
Juiz 「場所を確認。港区六本木交差点付近を車で走行中です」
滝沢 「それってホテルに近くね? ジュイス、その女を足止めしてくれ」
Juiz 「どういった方法がよろしいですか?」
滝沢 「何でもいいよ。警察でも、何でも」
Juiz 「受理しました。ノブレス・オブリージュ。国家権力を笠に着てもなお、誠実な救世主たらんことを――」
黒羽 「なぁに? そんなにスピード出てたかしら?」
警官 「いや、ちょっと、免許証を見せてください」
黒羽 「え……? ナンバー9があたしに接触を試みている……なぜ? でも光栄ね」
警官 「お、おい! お……ちょっと! 待ちなさーい!」
黒羽 「ジュイス、15分ほど前に霞ヶ関から首都高に入ったバイクを探してちょうだい」
咲 「もしもし、滝沢くん?」
滝沢 「咲? 大杉の居場所、だいたいわかったよ」
咲 「ホント? 滝沢くん、大杉くん見つけたって」
平澤 「何だと?! どうやって……」
おネエ 「無事なの?」
滝沢 「六本木のホテル『インソムニア』1109号室にいると思う。これから迎えに行ってみるよ。じゃあ」
咲 「あの、滝沢くん!」
滝沢 「ん?」
咲 「ありがとう。でも、どうやって見つけたの?」
滝沢 「うおおっ! うわああああああっ! うおっああっ! うあああああああ!」
咲 「滝沢くん? どうしたの? 滝沢くん!」
咲(携帯) 「滝沢くん! 大丈夫? もしもし?! 滝沢くん!」
平澤 「大杉は、ホテルインソムニアにいると言っていたのだな?」
咲 「うん」
おネエ 「ホテルには繋がったけど、なんかゴタついて取り次いでもらえないわ」
みっちょん 「ねえ、見て」
春日 「ここから六本木に向かう道中です!」
滝沢 「これでホテルには入れねえだろ。そっちがその気なら……俺も容赦しねえぞぉ!」
支配人 「六本木様。実は先ほど、当ホテルのオーナーが変わりまして……一切の入室ができなくなっております、ああ、で、大変申し訳ありませんが、お部屋を引き払っていただかなければならないのですが……お連れ様のお返事がございません。で、私どもの方で入室してよろしいものか迷っていた次第で……」
黒羽 「それはマズイわね。……ナンバー9が15億でここを購入?」
黒羽 「まったく余計な出費ね。差額の二億はどこに消えるのかしら?」
黒羽 「ずいぶん行儀が悪いわね。時間がないの。……始めましょう」
男 「…………!」
滝沢 「開いたよ、ジュイス。最後は力技だったけど」
Juiz 「ノブレス・オブリージュ。乱暴な救世主ですこと。でも、できるだけ倹約家たらんことを」
滝沢 「いまそんな忠告は聞きたくないよ」
滝沢 「あんたがジョニーハンター? やっぱセレソンなんだ。すげー美人。タンクローリー爆破したり、ジョニーをちょん切る人殺しには見えないけど?」
黒羽 「ナンバー9、思ったより若いのね。貴方も迂闊な月曜日を演出した男には見えない」
滝沢 「……はぁ? つうか、俺、ミサイル事件にも絡んでんの?」
平澤 「ダメだ……下も身動きとれない」
おネエ 「かなりの事故みたいね。たっくん、だいじょぶかしら?」
黒羽 「どうかしら? でも貴方には一度会ってみたいと思ってたの。サポーターだったのは残念だけど」
滝沢 「ああ? 俺、サポーターじゃないよ。セレソンではあるけど。それに、俺はこいつを助けに来ただけ。友達の知り合いなんだ」
黒羽 「友達? こんな最低の男と?」
滝沢 「いや……そんな最低な男ではないはずなんだけど。なあ、大杉」
男 「…………!」
滝沢 「やめっ――」
黒羽 「仮にこの男が貴方のお友達だったとしても、このまま返すことはできないわ。私は信念を持ってジョニーをちょん切る人殺しをしているの。この携帯をもらうずーっと前から。だから、サポーターにだって邪魔はさせない」
滝沢 「サポーターじゃねえし! つうかあんた、人を殺してたのにノブレス携帯もらったの?」
黒羽 「ええ。ジュイスには下衆野郎を見つけ出す手伝いと、死体の処理を頼んでるだけだけど」
咲 「ジュイスに死体の処理って……一体なにを話してるの?」
平澤 「どうした、咲? 滝沢と繋がったのか?」
咲 「えっ? ううん。あたし、ちょっと先に行くね!」
平澤 「咲!」
春日 「森美先輩!」
滝沢 「セレソンってのは色んなのがいるんだな……火浦さんとは大違いだ。でもあんた、それでこのゲームから上がれんの?」
黒羽 「女性の敵を殺した分、これで素敵な異国の男を輸入してるんだけど、そもそも私、このゲームで上がる気はないの。所詮どんな正義の味方だって、世界の半分しか味方にはできないんですもの」
黒羽(携帯) 「だから100億使いきるまでは、私の思う正義を貫くつもりよ」
滝沢 「じゃあ、大杉返してもらうにはアンタをやっつけなきゃダメってこと?」
黒羽 「そういうことになるかしらね」
滝沢 「あんた、黒羽さんっていったっけ? そもそも、なんでジョニーちょん切るなんてこと思いついたの? ジョニーが嫌いなの?」
黒羽 「……そうね」
滝沢 「しょうがねぇ。俺、あんたも助けるよ。俺はアンタと違って、このゲーム上がりたいからさ。ホント、この国はどうかしてるよ。人殺しも容認って。俺はミスター・アウトサイドを絶対ぶん殴ってやる!……黒羽さん。男に何かひどいことされたの?」
黒羽 「なぜそう思うの?」
滝沢 「ジョニーに愛をもらったこと、ねえみたいな気がしてさ……」
咲 「滝沢くん、誰と話してるの? セレソンって何?」
黒羽 「そもそも、私に愛を与えられるジョニーなんて存在するのかしら? あるならぜひとも試したいわ」
咲 「滝沢くん! ねえ、滝沢くん、どうしたの?!」
咲 「滝沢くん……」
咲 「あっ!」
黒羽 「いらっしゃい」
咲 「滝沢くん……」
黒羽 「貴女は誰? この子のガールフレンド?」
咲 「滝沢くんに何をしたんですか?」
黒羽 「滝沢くん? 別に何もしてないわよ。なんだ、いい娘がいるんじゃない。貴女、この子を大切にした方がいいわよ。ジュイス、やってちょうだい」
咲 「待って! その人は!」
黒羽 「安心しなさい。貴女の友達じゃないわ。こいつは指名手配中の強姦魔。生きている価値もない男よ。なぜ勘違いしたのかしらね、彼。……さようなら、セレソンナンバー9。またどこかで会いましょう」
咲 「滝沢くん? 滝沢くん! 何があったの? しっかりして、滝沢くん!」
キャスト
滝沢 朗
森美 咲
Juiz
平澤 一臣
葛原 みくる
おネエ
春日 晴男
白鳥・ダイアナ・黒羽
警官
支配人
男
Portions not contributed by visitors are Copyright 2018 Tangient LLC
TES: The largest network of teachers in the world
Turn off "Getting Started"
Home
...
Loading...
春日 「間違いないです! 大杉先輩、あれだけはずっとカバンに付けてましたから」
みっちょん 「写真は今日の昼ごろ撮られてる。『たすけて』『じょにいがり』『ころされる』『ほてる』?」
おネエ 「全部ひらがな?」
平澤 「ジョニー狩りと思しき女に声をかけられた場所も、春日と別れた場所と一致している……確かに大杉と信じるに足る理由は揃っているが……」
滝沢 「なあ、さっきから何なの? ”ジョニー狩り”って」
春日 「いま、巷をにぎわしてる都市伝説です。綺麗なお姉さんが、我々のようないたいけな童貞をホテルへ誘い込み、その際ジョニーがエレクトできなかった場合、鋭利な刃物でジョニーを剥ぎ取る……。その被害は、実に二万人に上ると言われているんです」
滝沢 「二万人? いやぁ、それってあの二万人と混同してないか?」
第7話
ブラックスワン舞う
おネエ 「でも、どうして掲示板で助けを求めるのよ? 本当に大杉なら、私たちに直接、電話かメールすればいいじゃない」
春日 「ここは大杉先輩も愛用の恋愛相談掲示板なんです。大杉さんは以前から心に大きな隙間を抱えていました……。おそらく、昨夜はその隙間に冷たい風が追い討ちをかけ、ついに怪しい女性に付いていってしまった……! その恥ずかしさと罪悪感から、直接連絡などできないっ! 僕にはわかるんです、その思いが!」
滝沢 「ふぅん。で、その大杉ってのは誰なの?」
咲 「……」
一同 「……」
滝沢 「……?」
春日 「僕が昨日の食事のあと、酩酊した大杉先輩をキチンと送り届ければ、こんなことには……」
咲 「その食事って、もしかして……」
春日 「そうです! 森美先輩と行くはずだった食事のことです!」
咲 「はぁ……」
おネエ 「おバカ!」
滝沢 「なになに、どういうこと?」
みっちょん 「あっ、新しい画像がアップされた!」
平澤 「どうやら己の姿を窓に映して撮ったらしいな。大杉のスーツかっ?!」
春日 「まぎれもなく、大杉先輩です」
みっちょん 「ねえ、ここんとこ」
おネエ 「ピアノ……かしら」
平澤 「エデンの画像検索エンジンに通してみよう!」
みっちょん 「スタンウェイのルイ15世モデル M1150。超稀少。バブル期に日本が数台購入」
平澤 「業者がわかれば、どこが買ったか突き止められるぞ! さっすがは我らがエデンシステム!」
おネエ 「最新コメント来た! 『きょうはんしゃのなまえ じゅいす』……何これ?」
滝沢 「ジュイスって……マジかよ……」
おネエ 「たっくん、どちらへ?」
滝沢 「ちょっと、心当たりの場所探してくるよ」
滝沢 「スタンウェイのルイ15世モデル M1150ってピアノで脚の部分が補正された個体を見つけてほしいんだけど」
Juiz 「受理しました。……発見しました。六本木の会員制ホテル『インソムニア』の1109号室に搬入されています」
滝沢 「その部屋を借りてるのは?」
Juiz 「……六本木花子という方が、一昨年より長期間宿泊されています」
滝沢 「偽名くさいなぁ。本名調べてよ」
滝沢 「ねえ、ジュイス」
Juiz 「はい」
滝沢 「君、ジョニー狩りって知ってる?」
Juiz 「いいえ。お調べいたしますか?」
滝沢 「……いや。いいや」
Juiz 「完了です。本名、白鳥・ダイアナ・黒羽。青山の外国人モデル事務所『モノロム』の女社長です」
滝沢 「そいつは今、どこにいる?」
Juiz 「場所を確認。港区六本木交差点付近を車で走行中です」
滝沢 「それってホテルに近くね? ジュイス、その女を足止めしてくれ」
Juiz 「どういった方法がよろしいですか?」
滝沢 「何でもいいよ。警察でも、何でも」
Juiz 「受理しました。ノブレス・オブリージュ。国家権力を笠に着てもなお、誠実な救世主たらんことを――」
黒羽 「なぁに? そんなにスピード出てたかしら?」
警官 「いや、ちょっと、免許証を見せてください」
黒羽 「え……? ナンバー9があたしに接触を試みている……なぜ? でも光栄ね」
警官 「お、おい! お……ちょっと! 待ちなさーい!」
黒羽 「ジュイス、15分ほど前に霞ヶ関から首都高に入ったバイクを探してちょうだい」
咲 「もしもし、滝沢くん?」
滝沢 「咲? 大杉の居場所、だいたいわかったよ」
咲 「ホント? 滝沢くん、大杉くん見つけたって」
平澤 「何だと?! どうやって……」
おネエ 「無事なの?」
滝沢 「六本木のホテル『インソムニア』1109号室にいると思う。これから迎えに行ってみるよ。じゃあ」
咲 「あの、滝沢くん!」
滝沢 「ん?」
咲 「ありがとう。でも、どうやって見つけたの?」
滝沢 「うおおっ! うわああああああっ! うおっああっ! うあああああああ!」
咲 「滝沢くん? どうしたの? 滝沢くん!」
咲(携帯) 「滝沢くん! 大丈夫? もしもし?! 滝沢くん!」
平澤 「大杉は、ホテルインソムニアにいると言っていたのだな?」
咲 「うん」
おネエ 「ホテルには繋がったけど、なんかゴタついて取り次いでもらえないわ」
みっちょん 「ねえ、見て」
春日 「ここから六本木に向かう道中です!」
滝沢 「これでホテルには入れねえだろ。そっちがその気なら……俺も容赦しねえぞぉ!」
支配人 「六本木様。実は先ほど、当ホテルのオーナーが変わりまして……一切の入室ができなくなっております、ああ、で、大変申し訳ありませんが、お部屋を引き払っていただかなければならないのですが……お連れ様のお返事がございません。で、私どもの方で入室してよろしいものか迷っていた次第で……」
黒羽 「それはマズイわね。……ナンバー9が15億でここを購入?」
黒羽 「まったく余計な出費ね。差額の二億はどこに消えるのかしら?」
黒羽 「ずいぶん行儀が悪いわね。時間がないの。……始めましょう」
男 「…………!」
滝沢 「開いたよ、ジュイス。最後は力技だったけど」
Juiz 「ノブレス・オブリージュ。乱暴な救世主ですこと。でも、できるだけ倹約家たらんことを」
滝沢 「いまそんな忠告は聞きたくないよ」
滝沢 「あんたがジョニーハンター? やっぱセレソンなんだ。すげー美人。タンクローリー爆破したり、ジョニーをちょん切る人殺しには見えないけど?」
黒羽 「ナンバー9、思ったより若いのね。貴方も迂闊な月曜日を演出した男には見えない」
滝沢 「……はぁ? つうか、俺、ミサイル事件にも絡んでんの?」
平澤 「ダメだ……下も身動きとれない」
おネエ 「かなりの事故みたいね。たっくん、だいじょぶかしら?」
黒羽 「どうかしら? でも貴方には一度会ってみたいと思ってたの。サポーターだったのは残念だけど」
滝沢 「ああ? 俺、サポーターじゃないよ。セレソンではあるけど。それに、俺はこいつを助けに来ただけ。友達の知り合いなんだ」
黒羽 「友達? こんな最低の男と?」
滝沢 「いや……そんな最低な男ではないはずなんだけど。なあ、大杉」
男 「…………!」
滝沢 「やめっ――」
黒羽 「仮にこの男が貴方のお友達だったとしても、このまま返すことはできないわ。私は信念を持ってジョニーをちょん切る人殺しをしているの。この携帯をもらうずーっと前から。だから、サポーターにだって邪魔はさせない」
滝沢 「サポーターじゃねえし! つうかあんた、人を殺してたのにノブレス携帯もらったの?」
黒羽 「ええ。ジュイスには下衆野郎を見つけ出す手伝いと、死体の処理を頼んでるだけだけど」
咲 「ジュイスに死体の処理って……一体なにを話してるの?」
平澤 「どうした、咲? 滝沢と繋がったのか?」
咲 「えっ? ううん。あたし、ちょっと先に行くね!」
平澤 「咲!」
春日 「森美先輩!」
滝沢 「セレソンってのは色んなのがいるんだな……火浦さんとは大違いだ。でもあんた、それでこのゲームから上がれんの?」
黒羽 「女性の敵を殺した分、これで素敵な異国の男を輸入してるんだけど、そもそも私、このゲームで上がる気はないの。所詮どんな正義の味方だって、世界の半分しか味方にはできないんですもの」
黒羽(携帯) 「だから100億使いきるまでは、私の思う正義を貫くつもりよ」
滝沢 「じゃあ、大杉返してもらうにはアンタをやっつけなきゃダメってこと?」
黒羽 「そういうことになるかしらね」
滝沢 「あんた、黒羽さんっていったっけ? そもそも、なんでジョニーちょん切るなんてこと思いついたの? ジョニーが嫌いなの?」
黒羽 「……そうね」
滝沢 「しょうがねぇ。俺、あんたも助けるよ。俺はアンタと違って、このゲーム上がりたいからさ。ホント、この国はどうかしてるよ。人殺しも容認って。俺はミスター・アウトサイドを絶対ぶん殴ってやる!……黒羽さん。男に何かひどいことされたの?」
黒羽 「なぜそう思うの?」
滝沢 「ジョニーに愛をもらったこと、ねえみたいな気がしてさ……」
咲 「滝沢くん、誰と話してるの? セレソンって何?」
黒羽 「そもそも、私に愛を与えられるジョニーなんて存在するのかしら? あるならぜひとも試したいわ」
咲 「滝沢くん! ねえ、滝沢くん、どうしたの?!」
咲 「滝沢くん……」
咲 「あっ!」
黒羽 「いらっしゃい」
咲 「滝沢くん……」
黒羽 「貴女は誰? この子のガールフレンド?」
咲 「滝沢くんに何をしたんですか?」
黒羽 「滝沢くん? 別に何もしてないわよ。なんだ、いい娘がいるんじゃない。貴女、この子を大切にした方がいいわよ。ジュイス、やってちょうだい」
咲 「待って! その人は!」
黒羽 「安心しなさい。貴女の友達じゃないわ。こいつは指名手配中の強姦魔。生きている価値もない男よ。なぜ勘違いしたのかしらね、彼。……さようなら、セレソンナンバー9。またどこかで会いましょう」
咲 「滝沢くん? 滝沢くん! 何があったの? しっかりして、滝沢くん!」
キャスト
滝沢 朗
森美 咲
Juiz
平澤 一臣
葛原 みくる
おネエ
春日 晴男
白鳥・ダイアナ・黒羽
警官
支配人
男