The Squid Girl (Japanese) > 11b. 疑惑じゃなイカ?

「(xxx)真っ赤じゃない?」

「ほんとー、まだすごいヒリヒリするもん」

シンディー(私は、アメリカ地球外生命体対策調査研究所の一員、シンディー・キャンベル。宇宙人を観察するのが私の仕事よ。いまターゲットにしているのはイカ娘ではなく、相沢家長女、相沢千鶴!)


栄子「今度渚ちゃんにサーフィン教えてもらおうかな」

渚「いいですよ。千鶴さんもどうですか?」

千鶴「あ、サーフィンなんて無理無理」

シンディー(そんなことはない! 私はこの目で見た、人間とは思えない身体能力を。そうは見えない? これでも? だから今回は、あえて千鶴をリサーチすることにしたの。今回の私は本気よ!)「こちらシンディー。ハリス、用意は出来てる?」

ハリス「オーケー、シンディー。この透明化スーツがあれば、毛髪の採取など実にイージーなことさ」

クラーク&マーティン「イエーイ!」

マーティン「本当に消えましたね。アウチ! やめてください、ハリスさん」

クラーク「どうした、マーティン? ウーップス!」

ハリス「アッハッハッハ! エニマ(enema)成功!」

クラーク「どこにいるのかさっぱりわからない。これなら千鶴に気づかれないな」

マーティン「がんばってくださーい。ん? がんばってくださーい!」


ハリス「待ってろ、相沢千鶴。んー? んんん・・・。いない。ん、んー。おう」

イカ娘「うわ、あああ!」

ハリス「アッオー」

イカ娘「誰でゲソ!」

栄子「何やってんだよ」

イカ娘「誰かがぶつかってきたでゲソ」

栄子「誰もいないじゃないか」

イカ娘「本当なんでゲソ!」

栄子「ったく・・・。うおっ」

ハリス「ソーリー」

栄子「うっ・・・、グ、グ、グラスが・・・」

イカ娘「浮かんだでゲソ。だ、だから言ったでゲソ。誰かいるんでゲソ」

栄子「何なんだよ、いったい・・・」

イカ娘「シ、シンディー! 出番でゲソー! 大変でゲソ! 超常現象でゲソ!」

栄子「こ、こ、こ、これが勝手に浮いたんだよ!」

ハリス「誰にも気づかれていない。大成功だ! あとは、んっんー、いた! あっ、髪を抜いたりしたら気づかれてしまう。いや、気づかれても平気なように透明なんじゃないか。き、消えた!」

千鶴「何か気配がしたけど・・・」

ハリス「おっ・・・」

千鶴「気のせいかしら」

ハリス「お・・・」

クラーク&マーティン「ワオ!!」

ハリス「負けた! MITを首席で卒業したこの私が」

クラーク「ノー・プロブレム! 血液採取は私に任せてください。透明化スーツを応用した吸血型人工バエです」

ハリス「でも音でわかってしまうんじゃ」

クラーク「この人工バエは消音機能付き」

ハリス&マーティン「イヤアーッフー!」

クラーク「MITを首席で卒業した私に抜かりはない! 行けい!」


イカ娘「絶対に誰かいるでゲソ!」

栄子「割れたグラスまで拾いやがったんだよ。おい、聞いてんのかシンディー。ここはお前の出番だぞ」

シンディー(この二人のせいでクラークの声がちっとも聞こえないわ。今度はハエがどうとか言ってたけど)


マーティン「誰も気づかないですね」

ハリス「やったな」

クラーク「その調子で、相沢千鶴の血液を採ってくるんだ」


栄子「いま思い出してもゾッとくるよ」

シンディー(いったいハエをどうするつもりかしら)

イカ娘「人の話はちゃんと聞くでゲソ!」

シンディー「え? ああ、ハエの話ね」


クラーク「透明化オン!」


千鶴「あら?」


クラーク「オー・マイ・ガーッ!」

ハリス「クラークも失敗しました」


シンディー「みんな彼女の能力を甘く見すぎだわ! こうなったら私が直接」

マーティン「私に任せてください」

シンディー「え?」

イカ娘・栄子「ああ?」


マーティン「千鶴さん」

千鶴「はい?」

マーティン「あなたのファンです! 髪の毛か血液をください」

シンディー「末期だわ・・・」

千鶴「いいわよ」

シンディー・栄子「ええ?!」

栄子「よくないだろ!」

渚(こんなキモい人の申し出なのに断らないなんて。やっぱりこの人、ただ者じゃない)

千鶴「はい」

マーティン「イヤッフー!」

シンディー「頭痛い・・・」

ハリス「何はともあれ目的は達成しました」

クラーク「引き上げよう、シンディー」

シンディー「そうね」

イカ娘「ちょっと待つでゲソ! これは何でゲソ?」

クラーク「それは私の人工バエ」

栄子「マーティンといいこのハエといい、いったい何が目的だ。どうせ自分たちの研究に使うつもりなんだろうけど、髪と血をくれなんてMITを卒業したやつの言うことかよ!」

シンディー「作戦はどうであれ、貴重なサンプルが手に入れば、それでいいのよ」

栄子「つーか、何でイカ娘じゃなくて姉貴なんだ?」

イカ娘「喋らないと、こうするでゲソ!」

シンディー「わかったわ! 話せばいいんでしょ。ち、千鶴が宇宙人であるという可能性が、む、無視できなくて、調べてみようって」

栄子「はあ? 姉貴が宇宙人?」

渚(この人たちも同じことを思っていたんだ)

イカ娘「キング・オブ・エイリアンでゲソ」

ハリス「そこまで言ってません」

クラーク「本当にちょっとした興味本位で」

マーティン「本気ではありませんから」

千鶴「私は別に宇宙人でもいいわよ」

4人「え?」

千鶴「ただし、宇宙人は宇宙人らしく侵略行為に及ぶべき。まずは脅威を排除しないと」

4人「What? Oh, か、勘弁してください!」

イカ娘「やっぱり千鶴は最強でゲソーっ!」