K-ON! (Japanese) > 03. 特訓!

唯: ギターの弦って怖いよね。細くて硬いから指切っちゃいそう。
律: そうだぜ。気をつけないと、指がスパーッと切れて、血がドバーッと…
唯: 澪ちゃんが悲鳴を…
澪: いッ痛い話はダメなんだ
唯: 大丈夫だよ。ほら、ホントに血が出てるわけじゃないから
澪: オホン…。まあ、練習しているうちに指の先が硬くなるから、血が出たりすることはないよ。ほら。
唯: わあ~わッ本当だぷにぷに~ぷにぷに~ぷにぷに~
澪: あの…もういいかな?
唯: もッもうちょっとだけ

OP

唯: ギターを練習するっていっても、一体何から始めていいやらわかんないや。
澪: はい。とりあえず最初はコードを覚えるといいよ。
唯: ありがとう。お? まッ、まずは楽譜の読み方から教えてください。
澪: そこから!?

澪: じゃあな。
律: バイバーイ。
唯: じゃまた明日。えっとCがこうで、Bがこう。
和: 唯。
唯: あッ和ちゃん。
和: 何それ新しいあいさつ?

唯: 実はね、今日ギターのコードを教えてもらったんだ。
和: 頑張ってるのね。
唯: そういや和ちゃん、今日帰るの遅いんだね。
和: うん、図書館で中間テストの勉強してたから。
唯: へー・・・ えッ中間テスト!?
和: それもコード?
唯: そっか~もう中間テストなのか。せっかく頑張ってギター練習しようと思ったのに。
和: あんた、中学のときから試験勉強なんてしたことなかったじゃない。
唯: あ、そっかなら大丈夫だね。
和: いや大丈夫じゃないけど…

律: やっとテストから解放された。
紬: 高校になって急に難しくなって大変だったわ。
澪: そうだな。そして・・・もっと大変そうなやつがここに…。そんなにテスト悪かったのか?
唯: クラスでただ1人、追試だそうです。
律澪: うわあー・・・
紬: だッ大丈夫よ。今回は勉強の仕方が悪かっただけじゃない?
律: そうそう。ちょっと頑張れば、追試なんて余裕余裕。
唯: 勉強はまったくしてなかったけど。
律: 励ましの言葉返せコノヤロー!

律: 何で勉強しなかったのさ。
唯: いや~しようと思ったんだけれど、なんか試験勉強中ってさ、勉強以外のことに集中できたりしない?
律: ああ、それはあるな部屋の掃除はかどったりな。
唯: 勉強の息抜きにギターの練習したら、抜け出せなくなっちゃって、結局全然勉強できなかったの。でもね、おかげでコードいっぱい弾けるようになったよ。
律: その集中力を少しでも勉強に回せば…
唯: そういうりっちゃんはどうだったのさ。
律: あ?私?余裕ですよこのとおり!
唯: こんなの、りっちゃんのキャラじゃないよ。
律: 私ぐらいの人間になると、何でもそつなくこなしちゃうのよ。
唯: りっちゃんは私の仲間だって信じてたのに。
澪: テストの前日に泣きついてきたのはどこの誰だっけ?
律: バラすなよ
唯: それでこそりっちゃんだよ
律: 赤点取ったやつに言われたくねえ!
唯: 澪ちゃんとムギちゃんは何点だったの?
紬: はい
律: まあそんなもんだよな。あたしポカミスしちゃったからさ。頼むからなんか言ってくれ。

唯: 「別の日」
失礼しました。

唯: あッ今日はようかん~。追試の人は合格点取るまで部活動禁止だって。
澪: 結構厳しいな。
律: そしたら、ここにいるのもマズイんじゃ…。
唯: 大丈夫だよ。お菓子食べに来てるだけだし。
律: ああ、そっかそれなら安心だ。…って何でやねん!
澪: もしも唯が部活できなくなったら、私たち3人だけになっちゃうんだよ。
律: てことはひょっとして…
澪: 部員数が足りなくなる。
律: それで廃部?
紬: 追試はいつあるの?
唯: 一週間後。
澪: 一週間後か…
唯: そんだけあれば毎日ここに来ても大丈夫だよね。
律: そんだけしかないのッ
澪: 追試に受からないと、このクラブ自体もなくなるかもしれないんだよ。
唯: そうだよね。みんなと部活続けたいから、私頑張る

唯: よいしょさてと…やるぞーッ! 何でこう散らかってるかなああ? あ・・・
うん? わッもうこんな時間! お風呂入って寝なきゃ

律: なんか唯がいないと張り合いがないな。
澪: そのわりにはよく食ってるな。
律: それとこれとは話が違いますわん。
澪: 唯ちゃんと勉強してるかな。
律: 大丈夫なんじゃない?

唯: えっと…X^2-Y^2=(X-Y)[カッコ閉じ]…私ってばやればできるんじゃない? うん? X^2Y-4Yは、最初Yでくくって(X^2-4)[カッコ閉じ]…

澪: 唯勉強進んでるはずだよね
律: 進んでるかなあ

唯: あははーうふふーうふふふー

律: やっぱ心配になってきた。
紬: 今晩みんなで励ましのメールしてあげるのはどう?
律: おおっ、名案だな。
澪: うん、私もやってみるよ。

唯: うん? 澪ちゃんからだ。ふむ、了解です。お? ムギちゃんだ。おおっ、ありがとうムギちゃん。ふん? あッりっちゃん。ん?

唯: 私ってやっぱり集中力が足りないんだよね。でもこれさえあればもう大丈夫。とりあえず最初の5分はこれで集中力をつけて…。ダメだこの本も読んでられない。ダメダメダメ! ここであきらめるからダメなんだよね。

唯: というわけで澪ちゃん助けて!
澪: え? 勉強してきたんじゃないの?
唯: できなかった。
律: ええっ!?
紬: 合格点取れなかったら私達…
唯: それだけは絶対したくないッ
澪: よしッ今晩特訓だ
唯: 本当?
律: 澪に教えてもらえば確実に合格点取れるぞ。
澪: いやあ・・・
律: うまいんだぜ、一夜漬け教えるの。
澪: うおーい、普通に教えるよッ!

唯: 今日はお父さんが出張でね、お母さんも付き添いでいないから、気兼ねしなくていいよ。
律: あれ?妹がいるって言ってなかった?
唯: うん、妹は帰ってきてると思う
紬: それだとお邪魔にならないかしら?
律澪: 唯の    ┓
┣ 妹か…
紬: 唯ちゃんの ┛

妹: お姉ちゃーん
唯: 妹~
妹: お姉ちゃーん

律: ぜーんぜん大丈夫なんじゃない?

唯: みんな、上がって上がって。
3: お邪魔しまーす。
憂: あッお姉ちゃん、おかえり。あれお友達? はじめまして、妹の憂です。姉がお世話になってまーす。スリッパをどうぞ。
3: できた子だ~

律: いやー、姉妹でこうも違うもんかね
唯: 何が?
律: 妹さんに唯のいいところ、全部吸い取られたんじゃないの?
唯: ひどーい!
憂: あの~、皆さんよかったらお茶どうぞ。買い置きのお菓子で申し訳ないんですけど。
3: 本当にできた子だ!
律: 憂ちゃんは今何年生?
憂: 中3です。
律: 1つ違いじゃん。
紬: 受験生ですね。
憂: はい。
澪: どこ受けるかもう決めてる?
憂: うーん、できれば桜が丘に行きたいんですけど、私の学力で受かるかどうか…
律: お姉ちゃんでも受かったんだから、大丈夫だよ。
唯: おいでおいで~ッ。
澪: お姉ちゃんに勉強教えてもらえばいいんじゃない?
憂: えッ? それは…自分でできるから。
律: 断られたぞ~。
唯: ええッ何で何で~?
憂: でッでも、お姉ちゃんはやるときにはやる人です。
3: やっぱりできた子だ~

澪: じゃああんまり時間ないから集中していくよ。
唯: うん。
澪: 教科書20ページ。じゃあこの式。
唯: うん。
澪: これ、展開してみるとどうなる?
唯: あッ。
律: グルグルグルグル~
澪: ここ。
唯: ああ、そっか。
律: あ、漫画。

澪: ああもう!

唯: 足がしびれた。
律: ちょびん。
澪: 律!

唯: ダメだー。集中力が続かない。
澪: おいおい、始めてまだ30分しかたってないぞ。
紬: 唯ちゃん。ケーキ持ってきたからあとで食べよう。だからもう少し頑張って。
澪: さすがムギ。

律: うーん、どうやって中に入ったものか。おうみんなやっとるかね。う~ん、ダメだったか。イエーイ、私だよん! やはりここはインパクトか。たのもう!
澪: やかましい!

唯: おいしい~
律: このために生きてるって感じ。
澪: この子達の人生って一体…
憂: はい。
唯: 誰かな? あッ和ちゃん。
和: どう、はかどってる?
唯: うん、おかげさまで。
和: 皆さんが軽音楽部の?
唯: あッ紹介するね。こちら秋山澪ちゃん。で田井中律ちゃんに、琴吹紬ちゃん。
3: よろしく~
和: 真鍋和です。唯とは家が近所で幼なじみなんだけど、高校でも同じクラスになりました。
唯: 幼稚園からほとんど一緒なんだよ。
和: 不思議な縁よね。それよりほら、サンドイッチ作ってきたわよ。
唯: おおッ、ちょうどおなか減ってたとこ。
澪: 今ケーキ食べてたじゃん。
律: 全然オッケー。出して出して。ごっつあんです。

和: 中学のとき、私が熱を出してしばらく休んでたんだけど、毎日唯がプリントを持ってきてくれたんだよね。
唯: 私カゼひいたことなくて。
和: でもね、その持ってきてくれたプリントの中に、唯のテストも間違って入ってて。
律: 変わってないな~
和: でも、本当に助かったんだよ。
澪: それだったら律も…
律: うわあ言うなよ。
唯: え? なになに?
澪: 実はね、律ったらさ…

律: ありえねえ。
唯: それはないよね。
和: ところで勉強大丈夫なの?

澪: いい?ここまでが試験範囲だからね。X^2-XY-6Y^2+2X-Y+1は、まずこうXの共通因数でくくってみると…
唯: うん…
澪: こうなって、X^2-(Y-2)X-6Y^2-Y+1=X^2-(Y-2)X-(…

澪: 起きろ~ッ!
紬: 起きてくださーい!
唯: ここは?
澪: 唯、寝るな! 寝たら死ぬぞ!
唯: 危うく寝ちゃうところだった。あれ、隊長、りっちゃん隊員がいません。あんなところで遊んでます!
澪: 残念だが、私の力ではどうすることもできない。
唯: はッはい!

澪: ちょっと唯。
唯: りっちゃん隊員、ごぶッご武運を…

唯: (X-2Y+4)(X-Y-1・・・と。できた!
澪: これだけ解けたら大丈夫だろ
紬: これで追試もバッチリね
唯: ありがとう、澪ちゃん、ムギちゃん
紬: それじゃあ私達はそろそろ…
澪: あれ律は?

律: ああ~また負けた。
澪: なじみすぎ。っていうか「また」って…

試験官: では、はじめ。

澪: 唯、大丈夫かな?
律: 大丈夫なんじゃないの~?
澪: もっと心配しろ!

さわ子: あッ平沢さん。
唯: 先生…
さわ子: どうだった?追試。
唯: はいー。
さわ子: 頑張って勉強したみたいね。なッ何ごともあきらめなければ、結果はついてくるものよ。

澪: 今日返却だよね。合格点取れてるかな、唯。
紬: あれだけ勉強したから大丈夫のはず。
澪: どッどうだった?
唯: どうしよう、澪ちゃん。
澪: えッ、またダメだった?
唯: 100点取っちゃった。
澪: 極端な子!

澪: でもよかった。とりあえずこれでひと段落だな。
紬: そうだね。
唯: みんなのおかげだよ。本当にありがとう。
律: いや~それほどでも。
澪: お前は何もしていないッ
紬: じゃあ早速練習しましょう。
澪: 試験勉強中にもコードの練習をしたってことだし、ちょっと弾いてみてよ。
唯: バッチリだから、XでもYでも何でもごじゃれ。
澪: じゃあC、Am7、Dm7、G7って弾いてみて
唯: ほいほい。
澪: どうしたの?
唯: 忘れた。ずっとXとかYとか勉強してたから。
澪: また1から?!
唯: ええと、これがXだっけ?
澪: そんなコード見たことないぞ
唯: 違う、こうだこうだ。澪ちゃん、これがXだよ。
澪: だからそんなのないってば!
唯: ええー・・・
澪: それは弾けるんかい!

【予告】
澪: 合宿をします!
唯: 合宿?
澪: そうもうすぐ夏休みだし
律: もしかして海? それとも山とか。
澪: 遊びに行くんじゃありません。バンドの強化合宿。朝から晩までみっちり練習するの!
紬: 行きましょう、ぜひ。みんなでお泊まり行くの夢だったの。