ユウタ「へへへっ」

たける「イカ姉ちゃん」

イカ娘「呼び出したのに待ってなくていいのでゲソ?」

たける「こっち!」

女A「あら?」


イカ娘「ピンポンダッシュ?」

たける「うん・・・」

ユウタ「知らない家のチャイムを押して、ダッシュで逃げちゃうんだ」

イカ娘「それは相手が困るんじゃなイカ?」

たける「うう・・・」

ユウタ「何それ、侵略者のくせにダッセえ。行こうぜ!」

たける「じゃあね、イカ姉ちゃん」

イカ娘「あ・・・」


イカ娘「よし、侵略者魂を見せるでゲソ!」

千鶴「あら? イカ娘ちゃん、そのお宅に御用?」

イカ娘「なな何でもないでゲソ! 用があったのでゲソが、留守みたいでゲソ。帰るでゲ・・・」

女B「どちら様? あら、千鶴ちゃん」

千鶴「こんにちは」

イカ娘(知り合い!?)

千鶴「この間はありがとうございました」

女B「いいのよ。海の家も大変でしょう」

イカ娘(今のうち、千鶴にばれないうちに・・・)

千鶴「ええ、まあ。イカ娘ちゃん?」

イカ娘「うっ・・・」

千鶴「用はいいの?」

女B「あら、うちに何か用?」

イカ娘(思いっきり怪しまれてるでゲソ)

女B「あ、もしかして清美のお友達かしら」

イカ娘「そんなところでゲソ!」

女B「あら、ごめんなさいね。今日、部活で夕方まで帰ってこないのよ」

イカ娘「それはそれは残念じゃなイカ。それじゃあ出直してくるでゲ」

清美「ただいま」

イカ娘「ソー・・・」

女B「あら、清美、早かったのね。お友達が来てるわよ」

イカ娘(最悪の事態でゲソ)

清美「ん? ん? ええと、どちら様・・・」

イカ娘「部活お疲れじゃなイカ!」

清美「ええ?」

イカ娘「待っていたのでゲソよ!」

清美「あの、だれ・・・」

イカ娘「とりあえず公園にでも行こうじゃなイカ!」

清美「ああっ、ちょっ、ちょっとせめてカバン!」

女B「変わった子ね」

千鶴「イカですから」


清美「え? ピンポンダッシュ?」

イカ娘「つい出来心だったのでゲソ。悪気はないのでゲソ」

清美「何でそんな小学生みたいなことを」

イカ娘「千鶴にバレたら怒られるでゲソ。とりあえず友達のふりをしておいてくれなイカ?」

清美「嫌だと言ったら?」

イカ娘「そんな!? ゲソー・・・」

清美「ふりじゃないならいいよ」

イカ娘「あ・・・」

清美「友達のふりじゃないなら、いいよ」

イカ娘「それって・・・」

清美「あなたのこと、もっと知りたいな」

イカ娘「友達になってくれるってことでゲソか?」

清美「うん。だって面白そうなんだもん。見るからに怪しい格好をしたりして。その帽子も変わってるよね」

イカ娘「あはははは・・・」

清美「そういえば名前は?」

イカ娘「イカ娘でゲソ」

清美「ええ? 変なあだ名」

イカ娘「本名でゲソ。そういうお主は清美・・・だったでゲソね?」

清美「うん、紗倉清美。よろしくね、イカ娘ちゃん」

イカ娘「こ、こちらこそ、よろしくでゲソ」


清美「あっ、もうこんな時間。私、帰らなきゃ」

イカ娘「え? まだ話は終わってないでゲソ」

清美「続きはまた今度聞かせて」

イカ娘「じゃあ、明日うちに遊びに来なイカ?」

清美「いいの? おうちの人に聞かないで、勝手に決めちゃって」

イカ娘「友達を呼ぶくらい、いいに決まってるじゃなイカ」

清美「じゃあ明日、3時にここで」

イカ娘「わかったでゲソ」

清美「バイバイ、イカちゃん」

イカ娘「バイバイでゲソ。・・・まずい。調子に乗ってあんなこと言っちゃったでゲソ。もし千鶴に知れたら・・・」


千鶴「居候の分際で、いい度胸ね」


イカ娘「やっぱりうちじゃなくて外で・・・、ううん、いや、イカに二言はないでゲソ。千鶴なんか関係ないでゲソーッ!」


清美(ちょっと遅れちゃった)「ごめん。待った?」

イカ娘「私もいま来たところでゲソ」

清美(イカちゃん、人気者だね)


イカ娘「ここが私のうちでゲソ」

清美「素敵なおうちだね。・・・ん?」

イカ娘(ええい、なるようになるでゲソ)「ただいま・・・」

栄子「おかえ・・・、うっ!?」

イカ娘「と、友達の清美でゲソ」

清美「こんにちは」

栄子「友達!?」

千鶴「まあ」

イカ娘「テレビゲーム使ってもいいでゲソ?」

栄子「え? ああ、いいぞ・・・」

清美「お邪魔します」

栄子「ああ、どうぞ」

千鶴「イカ娘ちゃんがお友達連れて来るなんて初めてね」

イカ娘(すごい威圧感でゲソ)「こ、こっちでゲソ!」

清美「うん!」

イカ娘「スト4で対戦でゲソ」

清美「私、(xxx)だよ」

栄子「イカ娘にも同等の友達ができたか」

千鶴「ここは全力でサポートしないとね、気合入れて!」


イカ娘「うわっ、うわっ! あああ・・・、お?」

千鶴「はい、どうぞ」

清美「ありがとうございます」

千鶴「いいえ。イカ娘ちゃん」(がんばるのよ!)

イカ娘(何でそんな怖い顔してるでゲソ!)

千鶴「清美ちゃん、これからもイカ娘ちゃんをよろしくね」

清美「いいえ。こちらこそよろしくお願いします」

千鶴「ゆっくりしていってね」

清美「イカちゃんのお姉さん、美人さんだね」

イカ娘(あの顔は絶対怒ってるでゲソ)


千鶴(勝手に人をうちへ上げるなんて、どうなるかわかってるんでしょうね)


イカ娘(やっぱり千鶴の許可なく人を連れてきちゃいけなかったのでゲソー)

清美「イカちゃん、イカちゃん、イカちゃん!」

イカ娘「あ・・・」

清美「どうしたの?」

イカ娘「な、何でもないでゲソ」

清美「そう?」

イカ娘「もう一戦、やろうじゃなイカ」

清美「うん」


栄子「どうだった?」

千鶴「すごくいい子ね。ついでにイカ娘ちゃんにも気合! 入れておいたわ」

栄子「私も何か協力してやっか」


イカ娘「うわあっ。えええい、リベンジするでゲソ」

清美「私に勝とうなんて10年早いわよ、イカちゃん」

栄子「うーっす」

イカ娘「あああっ!」

栄子「楽しんでる?」

イカ娘「何だ、栄子でゲソか」

栄子「ほれ」

イカ娘「お? おおおっ、ハリネズミ・カート!」

栄子「お前やりたがってたからな。今日は特別だ」

イカ娘(「特別」ってどういう意味でゲソ)

栄子「イカ娘、友達できてよかったな」

イカ娘(同情の顔ーっ!)

栄子「ごゆっくり」

清美「2番目のお姉さんもかっこいいね」

イカ娘(あんなに優しい栄子は初めてじゃなイカ)


栄子(お前はもうすぐ姉貴に殺されるんだ。ゲームくらい心置きなくやっておけ)


イカ娘(そういうことなのでゲソか?)

清美「イカちゃん、大丈夫? さっきから変だよ。顔色も悪いし」

イカ娘「だ、大丈夫でゲソ」

たける「イカ姉ちゃーん!」

清美・イカ娘「あっ?」

イカ娘「外?」

たける「すごくいい天気だよ! 一緒に外で遊ぼうよ!」


たける(逃げるなら今だよ、イカ姉ちゃん。命が惜しくないの? 早くしないと手遅れになっちゃうよ)


イカ娘(清美を置いて逃げられないでゲソ)

千鶴「お茶のおかわり、どう?」

イカ娘(まさか、毒入り!?)


千鶴(私に黙って友達を連れてきた罰よ。死んで償ってもらうわ!!)


イカ娘「うわあああーっ!! 死にたくないでゲソ!」(あ、あっ・・・)


栄子「うわっ! お、おい! 大丈夫かよ?」

イカ娘「死にたくないでゲソ、死にたくないでゲソ、死にたくないでゲソ」

清美「イカちゃん!」

イカ娘「あっ」

清美「大丈夫?」

イカ娘(清美!)「清美と出会えて、私は本当に幸せだったでゲソ!}

清美「イカちゃん?」

イカ娘「何があっても私たちは親友でゲソ!」

清美「当たり前じゃない。何言ってるの?」

イカ娘「清美を巻き込めないから、今のうちに帰るでゲソ」

清美「うん。よくわからないけど、今日は帰るね」

栄子・千鶴「えええ?」

清美「お邪魔しました」

栄子「あああ・・・」

イカ娘「か・・・」

千鶴・栄子「か?」

イカ娘「勝手に友達をうちに入れてごめんなさいでゲソーッ!!」

千鶴・栄子「えええ?」

イカ娘「煮るなり焼くなり好きにすればいいでゲソーッ!!」

栄子「はあ?」

千鶴「ちょ、ちょっと、イカ娘ちゃん?」

イカ娘「清美、死んでも心はつながってるでゲソ」


清美「イカちゃんって変な子」