で、魔法の映像に映っている砂沙美たちなのだが。
「それでは、河合ちひろ民芸ショー、第2部、一〇〇〇曲メドレー……を始める前に、みなさんに、とっておきのビッグニュース!」
ぱちぱちぱち。
砂沙美と天地は、何度目かの拍手をした。
満足げに
ママの民芸ショーを、
「そ、そのマシンは……」
「見て見て、新しいカラオケちゃん、ママ、買っちゃったのぉ!」
「え~っ、ママ、また買ったのぉ?」
砂沙美が声を上げる。
「だって、今まであったカラオケちゃんは全部
……カラオケちゃん?
天地は、母が
一七インチのフラット・スクエア管を
これは、二〇世紀に人類が生み出した
「パソコンじゃないか……」
「パソコン?」
「ああ。ようするに、コンピュータのことだよ。文字を入力したり、計算したり、絵を描いたり、いろいろできるんだけど、いろいろするためには、お金のかかる機械でさ」
「あらららん? これ、このカラオケちゃんは、パソコンちゃんって言う名前なの?」
自分が買ってきた商品を
「違うよ母さん、カラオケじゃなくて、パソコン、そのものなんだってば」
「あらららら? でもでも、レーザーディスクがついてるじゃない?」
「これは、そういうシステムになってるパソコンなのっ!」
声を荒げて天地が
「ふ~ん。でも、なんだかハイテクっぽくて、かっこいいわね」
「なんでこんなものを……」
「近くにあった電気屋さんに新しいカラオケ買いに言ったら、お店のお兄さんが
電気屋のお兄さんの
「マルチメディアなんて、形のない
なんて、なかなかお
カラオケだったら、別にレーザーディスクがなくてもできるし、どーせ買うなら、一言
……ん、ちょっと待て。
「か、母さん? ウチにパソコンを買う金なんて、どっから……」
「ウフッ♡」
天地の
手で
その母の
まさか、母さんは……いやいや、そんなことが。
でも、母さんなら……ああっ、現実を受け止めたくないっ!
意を決して、天地はちひろママに
「ま、まさか、店の売上げを……」
「うん。ちょっと、
やっぱり、店のレジスターからお金を持ちだしたのかぁ!
天地の嫌すぎる予感は
「ママぁ、お店の売上げ落ちてるから
「だって、欲しかったんですものぉ」
砂沙美のおませな
「うふふふん。うふふふん。うふふふふん♡」
ママ・何も聞こえないわ・フィールドを全力展開させているちひろは、砂沙美と天地たちから
「砂沙美、今月から、
「うん……」
このような
「まあまあ、そんな
誰がそーさせている?
なんてことはお
「美星ちゃ~ん!」
「は~い!」
店からやって来た美星が、商品であるカラオケをちひろママに渡す。
「あらららら? これは、レーザーディスクじゃないじゃない?」
受け取ったカラオケを見たちひろが、不満げな声を出す。
「はあ、今日、
「どういうこと? こんなの、
美星の
CD─VISIONの商品管理と
「さっき来た
美星の持っているのは、CDでもレーザーディスクでもDVDでもない。
アメリカにあるスタンダード社が、勝手に標準規格として
約4ギガのデータ量を
「こんなのかける
天地は、スタンダード・ディスクを見つめながら言う。
日本の音楽商品の規格が、スタンダード・ディスクになったって?
そんなバカなことが。
「あらららら。じゃあ、ママの持ってるレーザーディスクでいいから、カラオケしましょ」
気を取り直したちひろママは、パソコンのパワー・スイッチを押した。
電源が
プッ。
……いきなり消えた。
「あらららら? どうしたのかしらん?」
「ちょっと見せて」
パソコンの前まで来た天地は、キーを
「母さん、OSは?」
「何それ? ママ、わからないわぁぁぁぁん」
「このパソコンを、動かすための基本プログラムのパイナップルOSのこと。ハードディスクは、正常みたいだし、OSが入ってないんじゃないかな」
「セットのヤツなら、ソフトがついてるんじゃないですかぁ?」
美星の
「あったあった、CD─ROMだ!」
しかし。
天地がそのCD─ROMを手にした
ドカン!
「天地兄ちゃん!」
砂沙美が、フラフラになっている天地を支える。
「な、なんで、CD─ROMが爆発するんだ……」
「不思議ですねぇ」
近くにいながら、少しも
「天地ちゃん?」
「……えっ?」
ずっと
「このカラオケちゃんは、動かないのね」
「え、うん。今、なんか、爆発しちゃったし……」
「美星ちゃん、レーザーディスクも入荷してないのね……」
「そうなりますねぇ……」
「フッ、そうなの……」
なんて言いながら、ちひろママの
「そ、そんなぁ。せっかく、買ってきたのにぃ。カラオケが歌えないなんて、歌えないなんて。うふふ。あはは。あーっはっは!」
「マ、ママ?」
砂沙美の心配そうな呼びかけも、今のちひろには
「ああああ。いーっひっひ。うーふっふ。えへへへへへへへ!!!!!!!!」