「ゴンちゃん。おはよう。あら、ネクタイ曲がってるわよおぅ♡ いそいそ」

「はっは。すまないね、ナミー♡」

 げんかくな表情から少女まん……あえて言うなら、宮下あきら顔からひかわきょうこ顔に大モーフィングした汝美重は、権蔵にいたいだけ寄り添った。Yシャツの上からガウンを着ることをよしとする権蔵に、汝美重は身も心もささげているのだ。

「パパ、あいわらずダンディでちゅね」

「おはよう、季枝霞。クソ生意気な口を聞いて、お姉さんを困らせてないだろうな?」

「そんなことしてまちぇーん」

 もちろん、うそである。

「そうかそうか。あっはっは!」

「おほほほほ」

 父に続いて季枝霞と汝美重が一オクターブはなれた音程で笑う。

 美しく楽しい家族のだんらんだ。

 もう、完全に阿重霞だけがコインロッカー・ベイビーである。

 ……どうして、私の家族はこんなのなの?

 このこうけいを見るたびに、阿重霞の頭の中にそのようなもんき上がる。

 強い女によって、よりよい殿方を伴侶にですって?

 これがそうなわけ?

 こんなおぽんちな光景が?

「ところで阿重霞」

「は、はい」

 とつぜん、権蔵がこっちを見たので、ビクッとした阿重霞は姿せいを正す。

さつそくで悪いのだが、私といつしよに出かけるじゆんをしてくれないか?」

「お父様、今日は何かパーティの予定でもありまして?」

「いや、そうじゃないんだ。が財閥の部門に、高田エレクトロニクスがあるのは知っているだろ?」

「……はい」

「その最大のおとくさきが、今日、来日されるんだよ。まあ、美しい我が娘を連れて、むかえてやれば喜ぶかと思ってね」

「わかりました。そういうことでしたら、お供させていただきますわ」

 阿重霞はどうした。

 父が部屋を出て行ったら、母は元の厳格女に戻って説教を続けるだろう。

 それよりは、外に出かける方が、なんぼか気が楽である。

「父様。あたちも行っていいでちゅか?」

「季枝霞がか? まあ、別にかまわんよ」

 手をげた季枝霞に、にこやかに権蔵はおうじる。

「あたちの素晴らしいプロポーションで、そのやってくる人をのうさつするでちゅよ!」

「そうかそうか。それは楽しみだ。あっはっはー!」

「おほほほほほ!」

 楽しい家族の笑い声が、食堂にひびき渡る。

 やっぱり阿重霞は、置いてきぼりだ。

 その時。

 権蔵と汝美重が、夫婦だけにわかるみつのアイコンタクトをしていたことに、ぼうぜんとしていた阿重霞が気づくことはなかった。


 それから、約四時間後。

 父に言われて和服に着替えた阿重霞は、用意されていたリムジンに乗って、成田空港にとうちやくしていた。となりにいる妹の季枝霞も和服姿だ。元々似ている二人なので、はたから見ると、阿重霞(小)と阿重霞(大)が並んでいるようないんしようを受ける。

「そろそろだな」

 ロレックスの時計を確認しながら権蔵がつぶやくと、エスカレータに乗っている、眼鏡めがねをかけた、やぼったすぎる男が見えた。

「おお、いらっしゃったようだ」

「お父様、あの方は……?」

 事情を聞いてなかった阿重霞が権蔵にたずねる。

「ああ、ワールド・スタンダード社の社長をされている、ビフ・スタンダードさんだ。彼の会社が明日、『シンクロニシティ』というコンピュータのOSを発売するんだよ」

「なるほど。そのキャンペーンのために来日したってワケでちゅね」

「さすが、季枝霞は頭がいい。さ、行こう」

 権蔵にみちびかれ、阿重霞たちはエスカレータへ向かう。

 エレベータを上がってきたのは、ビフ、サム、そしてしよの女性であった。

 ビフは、にゆうな笑みを浮かべて、権蔵とあくしゆを交わす。

あいことは?」

「標準世界のために」

 小声で聞くビフに権蔵が答える。

 ビフは、ますます明るい笑顔になった。

「ミスター・高田。むかえをかんしやしますよ」

「いえいえ、スタンダード社におになっている我が高田財閥とすれば、このくらいのことは当然です」

 ビフは、権蔵の後ろに立っている阿重霞たちを見て、

「こちらのおじようさん方は?」

「私の娘で、阿重霞と季枝霞といいます」

 権蔵にしようかいされ、阿重霞たちは、とりあえず頭を下げた。

「ほう……」

 阿重霞をマジマジと見たビフは、彼女の周りをグルグルと二周して立ち止まり、メガネの奥の細っこいひとみかがやかせた。

 そして、大げさに手を広げる。

「あなたが阿重霞さんですか。そのかつこうは……知ってますよ、芸者ですね。いやあ、実は私も少なからず日本にはきようがあるものですから、勉強したんですよ。フジヤマ、なつとう、トウフ、スシ、セガ・マスターシステム、ゴジラ、ダウンタウン、ガメラ……」

「…………は?」

 あまりにも、お約束なビフのげんどうに阿重霞の目が点になる。特に五番目に発した固有名詞は明らかに間違っている。誰がなんと言っても。

 そんなビフのパフォーマンスになみだを流しながらさんはくしゆを送る者がいた。

「さすが、らしいボケっぷりです。ビフ様」

「なになに」

 あっはっは。おっほっほ……と、ビフとサムはお互いのりようかたたたき合う。

「うわー、なんかベタベタな人たちでしゅね」

「お嬢さん、本気とジョークのべつはした方がいい」

 季枝霞のっ込みに、へいぜんとビフはたいおうした。

 ……なんかすごい方みたい。

 ことの成り行きをあきれて見ていた阿重霞に、権蔵がそっと耳打ちしてくる。

「どうかね、阿重霞。スタンダードさんは?」

「どうっていいますと?」

「いや、ほら、せいとして、どう感じるか……とかね」

 阿重霞はビフをよーく見た。

 髪の毛がベチャッとしてて、メガネのレンズが油でギトギトしてて、全然笑えないジョークを言って、自分でウケて…………はっきり言って、ダサちん様だ。

「別にどうにも……」

 相手は高田財閥のお得意様らしいし、正直に言うのもなんだから、阿重霞はてきとうにはぐらかした。

「まあいい。阿重霞、ビフさんをエスコートして、予約してある東京のホテルまで連れて行ってもらえるかな?」

「私が、ですか?」

「頼むよ。私は、もう一件、用事があってね」

「わ、わかりましたわ」

 頼む、と軽く手をげ、再びビフと握手を交わした権蔵は、足早に去っていく。

 わきに立っていた季枝霞が、ニヤニヤした顔で阿重霞を見る。

「フッ、読めましたでちゅ」

「何がよ、季枝霞?」

「父様と母様は、あわよくば、ビフ・スタンダードさんとおねーたまを、結婚させよーとしてるんじゃないでちゅか?」

「ま、まさかっ!」

 でも、確かにそう言われれば思い当たるふしがある。

 さっきのお父様のげんどうは明らかにそうだし、朝食の時、お母様が『考えなければならない』とも言っていたし……。

 そんな、いやよ。

 私には天地様がいるのにっ! しかも、こんなアメリカンなオヤジと!!

「がんばって、くだちゃいね~。高田財閥のはんえいのために」

 工藤俊作のような季枝霞の言い方に、阿重霞のこめかみがピクつく。

「季枝霞ッ!!

「どうしたんです? さあ、行きましょうか、ミス・阿重霞?」

「は、はあ……」

 近づいてくるビフに、阿重霞はあいまいな笑顔を返した。

 自分はのっぴきならないじようきように追い込まれている。そう感じた。いや、そうだ。

 このまま、なしくずしに……なんてことはないと思うけど。

 でも、あのこういんなお母様ならやりそうだし、妹の季枝霞がどんな知恵を両親にさずけたか、わかったもんではない。

 今、目の前にいる男をなぞの中国拳法でぶちのめす……なんてことはできないし。

 ああ、天地様、助けて。

 私は、天地様のおそばにいたいのです。

 なのに、なのに。あー、天地様ああぁぁぁぁっっーっ!!

 阿重霞の心のさけびが、天地にとどくことはなかった。

 天地は超能力者でも魔法マジツク騎士ナイトでもナースエンジェルでもしんせんぐみでも地上人でもない。

 しかも。

 河合家は河合家で、ビッグなトルネードがれようとしていたから──。


その2


 魔法の国ジュライヘルムは、砂沙美の住む地球とは違う空間──次元をちようえつした場所に存在している。

 どのようにして、この国が魔法の力を持ち、どのように発展してきたのか、もはや誰も知る者はない。

 先代女王たちによって書かれた古文書だけが、そのみつさぐゆいいつすべであるのだが、書物をかんした部屋『女王のたな』は、魔法使い級の魔法使いたちがつどすめらぎとうにあり、また、その中へ入れるのは、かなりの地位を得た者だけである。

 しかし。

 三〇〇年間立ち入る者がなかったその場所に、足をみ入れる者があった。

 である。

 着ている衣装がいつもと違う。今までは皇の塔の高官の衣装であったが、津名魅は女王第一こうだけに与えられる衣を身にまとっている。

「なんて、本がいっぱいあるのかしら」

 津名魅は、よくようなく、そうかんたんした。

 元々読書好きな彼女である。女王候補となったあかつきには、この部屋へ必ず来ようと考えていた。そして、ようやく昨日きのう、ジュライのである神官たちのきよを得ることができたのだ。

「お花の育て方の本があるといいんだけど……」

 クッションにすわり、魔法の力で浮き上がらせた津名魅は、高さが約三〇メートルほどの棚の最上部にある古文書を手に取った。

 なんとなく、そうていが気に入っただけなのだが。

 表紙を見ると、ちよしやは初代女王であるらしい。

 何万年も前に書かれた本だが、『女王の棚』の空間には魔法の力が働いているので、ぞんじようたいはかなりよかった。

 ページを開いてみる。

「……あら?」

 書いてある文字を見て、津名魅はかすかにおどろきの声をあげた。

 この本の文字は、の住んでいる日本の古い文字とうり二つだ。

 現在、ジュライで使われている文字も、かなり日本の文字とるいしているし、津名魅たちが着ている服のデザインも日本のものにそっくりだ。

 砂沙美のようを見ていてわかったのだが、地球とジュライの生活しゆうかんでもた面が多く感じられる。

 それに、真なる女王になるためのしん……。

 現在、津名魅が受けているその審議は、女王候補と同じたましいを持つものを地球人からせんしゆつし、その者が『善』なる存在であることをしようめいするといった内容で、それを決めたのは、初代女王であったと言われている。

 そのことから考えても、ジュライヘルムは地球の存在をかなり前から知っていたと考えてよさそうだ。

 地球の人々も同じである。彼らは、ジュライヘルムの存在は知らないものの、『魔法』という不思議なげんしようがあるらしいことを、理解している。

 ただそれは、津名魅より何代か前の女王候補がたんじようさせた魔法少女のかつやくによって、地球のぶんけん等にじゆつされただけかも知れないのだが。

 しかし。

 なぜ、ジュライは地球の存在を知っていたのか?

 どうして地球には、ジュライの国民と魂を同じくする者が存在するのか?

 もしかしたら、この本の中に秘密が書かれているかも知れない。

 津名魅は、もんじよの文章をしんけん眼差まなざしで読み始めた。

「……あんな………な…を…て、をしてしまっただけに、………えられることだ」

 ジュライの古代文字なので、わからない部分が多い。漢字を飛ばして読んでみたりもしたが……当然のごとく、かいどくのうだった。

 そうだわ。ならゆうしゆうだし、わかるかも知れないわね。

 かくけんせつ的なこうをしてくれた津名魅は、『女王の棚』から退たいしゆつして、親友である裸魅亜の部屋へ向かうことにした。


 魔法の力を使って、ろうすべるようにどうしてきた津名魅は、裸魅亜の部屋の前で魔法をき、ドアをノックした。

 が、返事はない。

「あら、裸魅亜、出かけているのかしら? 裸魅亜、裸魅亜」

 やはり、返事はない。

 普通ならここであきらめて帰るものだが、ところがどっこい相手は津名魅様である。

 だから、なんの躊躇ためらいもなく、ドアのかぎを魔法で外して中に入った。

 入口の足元には、小さな魔法石が置いてあり、津名魅の影がその石をつつんだたんかすかな輝きを放ち始める。

 ……なんてことに、まったく気づいていない津名魅は、自分に背を向けてソファに座っている裸魅亜の姿(後頭部ね)を見つけた。

「あら、裸魅亜、やっぱりいたのね?」

「ええ、そうね、津名魅」

 よくようなく裸魅亜が答える。

 見ると、裸魅亜の向いている方向には、魔法の映像が浮かび上がっており、砂沙美の家の全景が映し出されている。

 どうやら、お昼をすぎているようだ。

「あら、裸魅亜ったら、砂沙美ちゃんのことを心配して、見ていてくれたのね。どうもありがとう」

 ニコリとした津名魅は、裸魅亜のとなりに腰を降ろす。

「ええ、そうね、津名魅」

 またもや、裸魅亜様は、抑揚なく答えてくれた。

「砂沙美ちゃんのサミーとしての活躍が始まってから、もう二カ月が過ぎたのね」

「ええ、そうね、津名魅」

「サミーの活躍のおかげで、サミーゲージは順調に上がってきてるし、私が女王になれる日も、そう遠くないかも知れないわ」

「ええ、そうね、津名魅」

ひつさつわざもプリティ・コケティッシュ・ボンバーの他に、プリティかんせつがため、そして、夏休みの間に、魔法のお勉強をして、新しい魔法を身につけたらしいの」

「ええ、そうね、津名魅」

「そうだ。よかったら、これから、いつしよに砂沙美ちゃんの活躍を見てみましょうか?」

「ええ、そうね、津名魅」

 裸魅亜のりようかいを得られた津名魅は、前方にある魔法の映像に、さらなる魔法のどうを送り込んだ。

 映像はクローズ・アップされ、かべを突き抜けて、河合家のを映し出す。

 ちなみに。

 このてんで津名魅様は、なぜ裸魅亜の部屋へ行ったのかをかんぜんに忘れてしまっていた。


 で。河合家はと言うと、砂沙美が林間学校から戻ったよくじつだった。

 お店もつうじよう通りに営業をさいかいしている。

 もちろん……。

「ママ、かんぜんふつかつ~っ!」

 ラメ入りでむらさき色で、胸元がドカシャッと開いているドレスを着たちひろママが、大声で叫びながら居間に飛び込んで……ぜんてんして立ち上がった。ぶん、意味はない。

 しかも、カラオケ大会に参加する時にしか付けないしんじゆのピアスと、カメラえするはげしいあつしようまでしてくれて。

 昨日の夜まで、くうふく宿酔ふつかよいとカラオケがらないびようにかかっていたちひろママだったが、かんびようしてくれたおかげで、さっきの第一声でもわかるように、完全に元のちつじよぎるママに戻っていた。

 ぱちぱちぱち。

 クルクルと回りながら、つまさきでツツツとよこどうして、ペコリと頭を下げたちひろママを、ソファに座っていた砂沙美、天地、りようおうが力のないはくしゆむかえ入れる。

「あららららら。元気足りな~い!」

 ぱちぱちぱちぱち。

 ママのまんげな声を聞いた天地と砂沙美は、頭の上でだんぞく的に手を叩く。

「いいわよ、ストップしてちょうだい」

 ちひろママは、両手をバッと広げて、拍手をせいし、

「てなわけで、復活記念の、河合ちひろ民芸ショーを始めまーすっ! 美星ちゃ~ん」

「は~い!」

 店から現れた美星は、持っていたばんがさとボールをちひろに手渡し、そのまま店にもどっていった。

「ではでは、りきっていってみましょー!」

 球を広げた番傘に乗せて回す。

 よーするに、そめのすけそめたろーおじいさんなじようたいにちひろママはとつにゆうしていた!

 番傘と球を手足のようにへんげんざいあやつり、れいおどくるが母君を、天地と砂沙美と魎皇鬼は、げんなりした表情で見つめている。

 ママがごげんな時は、を言わさず砂沙美たちをかんきやくにして、この民芸ショーをやってくれる。

 演歌歌手時代に地方こうえんをしてて覚えた芸らしい。

 最初のころは楽しかったが、砂沙美は生まれてから、もう四八〇回近くこの芸を見せつけられているのである。

 もはや、マンネリを通りしてただのつうだ。えんえんと同じ音楽をかせ続けるというごうもんがあるらしいが、それにかなり近い。近すぎる。

「はい、砂沙美ちゃん!」

 ちひろママが番傘をまえに押して球をはじき、砂沙美に向けて飛ばす。

 片手で受け取った砂沙美は、ごんのまま、球を投げ返した。

「ナイス・キャッチボール!」

 ぱちぱちぱち。

 天地と砂沙美と魎皇鬼は、せいで拍手している。

 しきしてやっているわけではない。

 何百回と続けているので身体からだかつはんのうしてしまうのだ。


 そんな砂沙美たちのげんなりさんな気持ちを、じんも感じ取れない様は、ちひろママの芸を食い入るように見つめていた。

「すごいわ、ママさん。ふふっ。砂沙美ちゃんたち、とっても楽しそうね」

「ええ、そうね、津名魅」

「やっぱり、家族っていいわね」

「ええ、そうね、津名魅」

 入口に置いてある魔法石が、が声を発する度にてんめつしている。

 そのことにかんなきまでに気づかない津名魅様は、やはり笑顔でこう言うのだ。

「今日は、いつもと違って、とっても、おとなしいのね、裸魅亜」

「ええ、そうね、津名魅」

 津名魅は、となりの裸魅亜に微笑ほほえむ。

 そこには。

 明らかに布でできている裸魅亜をした人形が座っていた。

 模してある……とは言うが、はっきり言ってていない。

 顔には『へのへのもへじ』が書いてあるし、スプリングでも付けているのか、首がプラプラとれている。

 姉にめいれいされてこれを作ったのはだ。

 が、あまりにも似てないので、胸に『裸魅亜』と書いたふだをつけててんした……のだが、やはり、ただの気休めだ。

 地球に降り立つことを決めた裸魅亜様は、津名魅がこの部屋に現れることをそくし、そのたいこうさくとしてはなっておいた、これはダミーであった。

 津名魅は、ジーッとお人形裸魅亜を見つめる。

 へのへのもへじが、ぷるんぷるん揺れていて、いとおかし。

 ……裸魅亜、楽しそう。

 津名魅様は、こんなの裸魅亜じゃないっ!! とか。こりゃおかしいわ!! とか。あーん、裸魅亜が人形になっちゃったよー!! とか。そーゆうことはじんも思わない。

 ただただ、裸魅亜が自分の意見にどうしてくれてうれしかった。

 津名魅はニッコリと裸魅亜に笑みを向ける。

 イノセントなのだ。彼女は。