ちなみに、この場合は
「天野はここかー!? 天野はここかー!?」
ああっ、いないっ!
「砂沙美ちゃん!」
ウサギのようなネコのような動物が走ってくる。
ジュライヘルムの次期女王第一候補である
「砂沙美ちゃん、
「うん、見て見て、告白してるよ!」
見ると、モンスターは、おまえが好きだっ! おまえが
「そんなことはどーでもいいから、プリティサミーに変身して、みんなを助けなきゃ!」
とにかく魎皇鬼は、みんなに見つからないように砂沙美を連れ出した。すぐさま
本当なら、すぐ魔法少女に変身して欲しいところなのだが、みんなの前でそんなことするんなら
……別に、
男の子ちゃんな魎皇鬼には、砂沙美の気持ちが今イチわからないのでちゅね。
「さあ、砂沙美ちゃん、変身して!」
「林間学校まで来てやるのぉ?」
「やるのっ!」
……しょうがない。ポポッとやっつけて、寝る前に美紗緒ちゃんとトランプするためにも、サミーになってがんばろう!
『善』なる魔法少女とは思えない自己中心的な考えをまとめて、砂沙美は魎皇鬼から魔法のバトンを受け取った。
ピンク色で
先っぽに付いているハートマークのエムブレムは、
砂沙美はバトンを
やけくそになって振る。
そんなムチャなやり方でも、
「プリティー・ミューテーション・マジカル・リコ─────ル!!」
砂沙美の赤い
上半身が
帯が巻かれる。
魔法の
地面に
片足を上げて、人さし指はホッペタに。
小指がピピン!
「恋の
目の前には魎皇鬼しかいないのに、いつもの
ま、それはそれとして、この
「さあ、サミー、急ぐんだ」
「うんっ!」
魎皇鬼に
「スペシャル・ストーップッ!!」
「……誰?」
「好き、愛、告白、恋愛、
「ピ、ピクシィミサ!?」
「どう、
「わけわかんないこと、言わないで!」
「そりゃソーリー」
のほほんと
やっぱりと言うか、
「ミサ。せっかく、みんなで楽しくしてたのに、どうしてこんなことするの!?」
「だって、ハッピーな状況をジャマするのって、とってもジョイフルだ・か・ら♡」
「あんなラブラブモンスター、すぐにやっつけちゃぅんだから!」
「いやに自信がピークに達してるわね?」
「そういうワケじゃないけど……」
……天地兄ちゃんが
そうだよ。
そうなんだからっ!
「どいて」
「オーライ」
……うふふ。サミー、また後でね。
走り去ってゆくサミーに、キュートなウインクをお
ミサ様のお考えになっていることとは……。
木々がなぎ倒され、炎の中で巨大な影が
「天野ーっ、天野ーっ!」
見つけた。モンスターさんだ!
今、サミーの目の前に、肉体と精神が
でも。
いくら精神を
それは、心の声だ。
心の奥底にある
サミーはその部分に精神を集中させた。
人の
サミーの心とモンスターの心の
聞こえてくる。心の声が。
見えてくる。心の映像が。
『……オ……レ……は、……オレは、あんなことが……言いたかったんじゃない……。オレは、天野に、言いたかったんだ……』
ラジオのアナログ・ダイヤルを合わせるように、声が、絵が、
ちょっとボサボサした髪と、キリッとした目……。
そこにいるのは……もしかして、
『オレは、天野のことが、天野のことが……』
真嶋クンの想いが。砂沙美の心の中に……。
うん。真嶋クンの気持ち、知ってたよ。
だって、いつも見てたもんね。美紗緒ちゃんのこと。
わかってたよ、
だから……。
『サミー、ムー大陸ってどうして
ノイズのような声が、サミーの心の中に
『それはアトランティスが
『うふふ。また、よい子ぶっちゃって、ラブラブモンスターの精神をリバースさせちゃおうって
『……ピ、ピクシィミサ!?』
『ちょっと、お邪魔させてもらうわねぇん』
なんと、サミーと真嶋モンスターの心の
おお、ミサ様。
変身前の美紗緒ちゃんのおりこうさん度がわかるってもんです。
『…………あ、……まの…………』
真嶋クンの心が再び、聞き取りにくいものになった。
見えていた
『ひどいよ、ミサッ!』
『ゲラゲラゲラ。なーんて、スイートちゃん。あなたが、いつもこうやって、
『やめて。聞こえなくなる。声が……』
『フッ。そのための魔法少女です。にゃーっはっは!』
『見えなくなるよ。想いが……』
ダメだ。どうしよう。
サミーが人々の想いを受け、それを力に変える
Aに比べてFの方は、
人形やお
ヘタをすると、ベネズエラの
『3×4×12
2─11は、いくつ?』
『やめてよ!』
『あのね、一番最初は、ブツ切りの肉を入れるの。ちょっと
『カレーの作り方は知ってるもん!』
……プッ。
あー、真嶋クンの心が見えなくなっちゃったよー!
大木の枝の上にいるピクシィミサは、勝利と栄光をこの手に
ううん、ミサのミッション、大成功って感じっていうかー。
ミサったらすごいっていうかー。なんかー。
キャンプファイヤーが行われている場所では、サミーがモンスターに
「あー、天野ぉ、なんて、おめでたい
「あたしは、美紗緒ちゃんじゃないってー!」
「天野ぉ、天野ぉぉぉっっっ!!」
ふふん。このまま、ハネムーンにでも行ってきなさいサミー。
あー、幸せ。あー、幸せ。
よかったわね、サミー。さあ、やられちゃって。
ミサのマジカル・イヤーに、勝利のファンファーレを鳴り響かせてちょうだい!
「ミャア!!」
「ホワット!?」
「ミャア、ミャア、ミャア!!」
魎皇鬼であった。ミサの背後から飛びかかったのだ。
「ちょ……ストップ……精神が、集中できな……いっ!」
「ミャアッ!」
背中をツツッと
「そこは、ダメちゃんよ。ミサってば、ウイーク・ポイントで……ああああん♡」
『今だ、サミー、もう一度、心を通じ合わせるんだ!』
『うん!』
リョーちゃん、ありがとう! さすが、サミーのサポーターだね!!
真嶋モンスターに頰ずりされながら、サミーは再び、魔法の力を使った。
二人の心のベクトルが、ゆっくりと同一方向を示していく。
重なった。
見えたよ、心の中がっ!!
真嶋クンの心の世界では、
真嶋クン、こんな形で気持ちをぶつけたって、伝わらないよ。
だから。
元に戻ろう!
ヘッドバッドを
彼の
そう。心の声は、こんなにも
でも、だから、強くならなくちゃいけないんだ。
それが人なのだから……。
流れてくる真嶋クンの心が、サミーにさらなる力を与えてくれる。
うん、そうだよね。元に戻りたいよね。
サミーの
真嶋クンの想いを受けたサミーは、津名魅のお古でない、真なる魔法少女のコスチュームをまとい始めている。
金色の
バトン先端にあるハートマークのエムブレムは、
これが、プリティサミーの本当の姿なのだ。
輝きが
広がる。
そして
サミーとラブラブモンスターは、林間学校に参加している生徒たちの前から、
その4
あー、こりゃ、どー考えても失敗だ。
そう思った
魔法使い級の能力を持つ者たちが
その最上階近くに、姉の自室があるからだ。
ついでに鳥タイプから人タイプに戻り、パッと
女の子と
「姉さん……」
見ると、
「いてててて……」
多少、
「あれ、オレ……どうして?」
「もう、大丈夫だよ」
「キミはプリティサミー……?」
「うん。もう、あなたの中にあった悪い魔法はなくなったから!」
「オレ、何をしてたんだ? なんか、すっごく
してたんだ、真嶋。
「え~っ、そ、そんなことないよぉ。あは、あははは」
サミーは
真実を告げるには、あまりにも
「なら、いいけど……」
「ほら、もうキャンプファイヤーは終わったし、早く
「あ、ああ……」
「じゃあね」
サミーは、
自分も早く変身を
あ、そうだ。
サミーは、真嶋クンに振り返った。
そして。
「勇気を出してね。気持ちや想いは、必ず伝わるものだから……」
「えっ……?」
「えへへっ!」
軽くウインクして、サミーは消えてゆく。
しばらくボーッとしていた真嶋クンは、辺りを見回し、そして、
そうだった。オレ、天野に……。
気持ちや想いは、必ず伝わるものだから……。
サミーの言葉が心の中に
そう、伝わるものだから。
「そうだよな。しょうがないよなぁ。へっ、へへへ……」
足下にあった小石を軽く
頭をポリポリかいて、真嶋クンはゆっくりと宿舎へ歩き出した。
一言も
「若いって、いいわよね……」
「姉さん、何、感動してるの?」
「ちょっとね、三八〇年前のことを思い出してただけよ……」
鼻をすすりながらそう言う姉に、留魅耶はあることを思い出す。
「ああ、わかった。
「ど、どうして、それを!?」
「日記読んだから」
「留魅耶、あんた、人のプライバシーを!」
「姉さんだって、ボクのプライバシーを覗きまくってるじゃないかっ!」
留魅耶は自分の身分も
が、
「そうね。わかったわ、留魅耶」
「姉さん……」
安心した留魅耶が
「でもね、そんな
「も、問題をすり
「チェイッ!」
裸魅亜は、留魅耶の頭を壁とのマッチ
そして、両手を広げて
「ああ、どうしたらいいの!? サミーが世界を平和になんかしやがるから、よい子ちゃん度
「でも、こんな、いい
プスプスいってる頭をさすりながら、またしても
それが、これから世界を
「へー、そうなの、留魅耶?」
裸魅亜はダイレクトに留魅耶に
その顔は、笑っているのか、
「だったら、あんたには、何か作戦があるってゆーの!? そこまで言ったんだから、
「そんなこと言われても……、でも、前にも言ったじゃないか。こんな
「あー、ムカつく!!」
裸魅亜は、
「姉さんは、地球のことを知らなさすぎる。砂沙美は魔法少女になったといっても、地球の世界でみれば、地位も
「その小学生に負け続けているのはあたしってワケだ。あははははは!!」
「だからさ、もっと、その星にあるしきたりというか、社会的な部分を
「フッ。甘いわね、留魅耶」
「何が?」
「でも、今回だけは、あんたの言う意見を
「つまり、何も考えてなかったわけだ」
そう言って姉を見ると、指先から『炎』が
「ボクの意見を参考にしてくれて、ありがとう、姉さん!」
「心がこもってないっ!!」
「あがとりい!」
「んー、んー、いいわよ。あなたの深い感謝の
だから、裸魅亜様の
「そうね、じゃあ……」
言いながら裸魅亜が指を鳴らすと、
留魅耶が地球から持ってきた、地球の新聞、タイムズ・スクエア誌である。
「これに決めたわ!」
裸魅亜がビシシッと突きつけた記事は
「この人間を使って、プリティサミーをギャフンと言わせてやるわ!」
「そんな、
「いいじゃない。砂沙美のいる世界で社会的に地位のある人間を選んだんだから。あんたの意見通りでしょ?」
「そりゃ、そうかもしんないけど……」
「いいから、こいつに関する
「なんでボクがっ!?」
「それ以上
裸魅亜は、留魅耶を
しかし、
「わかったよ。姉さん、わかったから、やめてぇっっっっっっっっっ!!」
留魅耶の絶叫が皇の塔に
またまた、裸魅亜様は、留魅耶の意見を取り入れて多少はマシになったかも知れないが、やっぱり
女王はあたしで、あたしは女王。
クイーンはミーで、ミーはクイーン。
それは、
その5
ヨッシャ、事件
先生に見つからないように、よつんばいになって
気になって、
耳をそばだてると、中から男子たちの笑い声が聞こえてきた。
うん。真嶋クン、元気だね。
ちょっとケチがついちゃったけど、まあ、旅にはハプニングがつきものだし。
なんて考えながら、砂沙美は自分の部屋のドアを開けた。
「あ、砂沙美ちゃん……」
部屋で待っていたのは、
「美紗緒ちゃん? どうして、砂沙美、探してたのに!」
「ごめんなさい。
「もう、平気なの?」
「うん……」
そっか。だから、宿舎の方を歩いてたのか。
砂沙美は
「何、してたの?」
「星を見てたの。東京だと、オリオンがすぐわかるのに、ここだと星がいっぱいありすぎて……」
美紗緒は再び星を見つめた。
流れ星が見つからないかな。
そしたら、お願いしたいことがいっぱいあるの。
気分が悪くならないようにしてください。
パパが家に戻ってきてくれるようにしてください。
それから。
それから……。
砂沙美ちゃんと、ずっと
えへへっ。
こんなにお願いがいっぱいだと、流れ星さんも、
「何、ニコニコしてるの?」
ベッドの上でバッグの中身を調べている砂沙美が言う。
美紗緒は、そんな砂沙美に
「楽しかったね、砂沙美ちゃん」
「うん!」
砂沙美は、元気よく
そうだね、美紗緒ちゃん。楽しい林間学校だったよね。
でも。
砂沙美は、バッグからトランプを取り出して。
「まだまだ、夜は長いんだよ」
「うん」
笑みを返す美紗緒の後ろで、
まるで、彼女たちの願いを