KAI-YOU Premium オグマフミヤ 2–3 minutes 星街すいせい&花譜、お互いの歌声をどう評する? ──シンガーとしての2人の魅力を語るなら、独特な歌声は欠かせません。お互いの歌声についてはどう思っていますか? 星街すいせい 花譜ちゃんはデビュー当時から、VTuberシーンの中でもいい意味で異質だったというか。 雰囲気は鳩羽つぐ(※)ちゃんと近いような感じがするけどつぐちゃんはシンガーじゃなかったから、歌を中心に活動するって聞いて「また面白い子が来たな」って思ったんです。しかも当時はまだ14歳の中学生なのに、「こんなに歌が上手いのか」ってびっくりしました。 ※鳩羽つぐ:株式会社枝の上が運営するVTuber。言葉少ないミステリアスな雰囲気と独特の空気感で評されている。 星街すいせい 震えるように繊細だけど力強さもある独特な歌声がめちゃくちゃいい。メロディに乗せて話しかけるみたいな、つぶやく感じに歌うのは私にはできないことだなって思っていました。 花譜 きゃぁ!(嬉しい悲鳴) でも私も、すいちゃんは私にはできない歌い方をしていてすごいって思ってる。 花譜 声の迫力とか圧とかがすごいし、主人公感があるというかヒーローみたいで。初めて聴いた時から、自分の歌の世界にグイッと引っ張っていくような力強さに憧れてます。 星街すいせい きゃぁ!……ウレシー! ──ちなみに、もし2人がお互いの曲をカバーするとしたら何を歌いたいですか? 花譜 えぇ! なんだろう……すいちゃんの曲って、すいちゃんが歌うからこそみたいなところがあるからな……。 あっ「レクイエム」歌ってみたいです! 理由は「歌ってみたいから」になってしまうんですけど(笑)。 星街すいせい あー! 確かに似合いそう! 私は相互レビュー(※)でも選曲した「過去を喰らう」を歌わせていただきたいですね。 花譜 え〜! ※相互レビュー:星街すいせいさんと花譜さんが「お互いの好きな楽曲」を紹介した相互レビューは、KAI-YOU.netにて近日掲載予定。 ──何かの折に実現しないかと祈るばかりです。片やホロライブ、片やKAMITSUBAKI STUDIOと、お2人とも企業に所属されていますが、その活動スタイルは大きく異なっています。お互いの活動についてはどう思っていますか? 星街すいせい まず、ホロライブに入る前は個人でも活動していた、長いことVTuberシーンを見てきた私から見ると、まだ5、6年しかない中にも流行り廃りがあると思っていて。 初期はキズナアイちゃんみたいに動画投稿が中心だったけど、今はライブ配信が基本じゃないですか。 でも、単なる流行りってだけじゃなくて、配信を中心とした活動スタイルは今の時代にすごくマッチしてるんです。コンテンツを常にハイスピードで出し続けないと飽きられてしまうこともあるから。 例えば実況配信って手軽で、ゲームをプレイしてるだけでコンテンツとして最低限は成立するじゃないですか。それと比べると音楽は、完成させて世に出すまでに「(時間やお金といった)コストがかかる」と私は思っていて。 音楽メインで活動したいという子たちも、そこが悩みどころになっているんじゃないかなって。 星街すいせい 音楽に特化して活動する、しかもそれで大成するって、今はますます難しくなっていると思うんです。 でもKAMITSUBAKI STUDIOは、「バーチャルの存在だから」というだけで目立つ時代でもなくなったのに、自分たちの地位を確立しつつ、さらに「VTuber/Vシンガーの音楽」の新しい世界をしっかり切り開いてくれていて。 だからこそ、その後に続ける人も出てこれるんだと思いますし、すごくいい指標にもなっています。 花譜 私の場合は、プロデューサーのPIEDPIPERさんが私の歌を見つけてくれてデビューすることになって。当時地方に住んでいた私でも、学校にも通いながら音楽活動ができる選択肢のひとつとして、VTuberをPIEDPIPERさんに教えてもらったんです。 花譜プロデューサー「PIEDPIPER」インタビュー バーチャルに託す音楽産業への愛憎 花譜プロデューサー「PIEDPIPER」インタビュー バーチャルに託す音楽産業への愛憎 VTuberという領域において、そのタレントやアーティストをプロデュース/サポートする運営の存在は後景へと追いやられる。 … 花譜プロデューサー「PIEDPIPER」インタビュー バーチャルに託す音楽産業への愛憎 「ビジネスだけを最優先した人は残ってない」花譜プロデューサーが見つめるVTuber産業の未来図 「ビジネスだけを最優先した人は残ってない」花譜プロデューサーが見つめるVTuber産業の未来図 バーチャルYouTuber(VTuber)シーンの中で独特な空気観を放つレーベル・KAMITSUBAKI STUDIO。そのムードメーカーであるプロデ… 「ビジネスだけを最優先した人は残ってない」花譜プロデューサーが見つめるVTuber産業の未来図 花譜 だから、むしろ私はまず歌の活動がやりたくて、そのために当時話題になっていたVTuberの世界に入れてもらえることになったって感じなんですけど……すいちゃんは活動を始めた時はどんな気持ちだったんですか? 星街すいせい すいちゃんは、色んなオーディションを受けてどれにも落ち続け、最終的に行き着いたのがVTuberだったから、「ここから大成して売れてやるぞ」って気持ちが強かったかな。