KAI-YOU Premium ~2 minutes 星街すいせい 私は、ARとかMRとかリアルの世界にVTuber/Vシンガーが出ていく方の進化に期待してます。 花譜ちゃんも私も2次元の存在だから、今リアルの世界でライブしても、奥行きが出せないんですよ。そこが技術的になんとかなって、もっとお客さんに近づけるようになったら面白いなって。 ──観客の側からも奥行きが出たらと思うことはあるのですが、出演する側も制約のように感じられていたんですね。 星街すいせい たとえば、私はあのお客さんに手を振ってるのに、向こうからは違うように見えてるってことがあるんです。 もっと奥行きが使えれば密なコミュニケーションがお客さんとできるのにな……って思ってます(泣)。 ──ライブといえば、花譜さんが所属するKAMTSUBAKI STUDIOは、常に新たな表現に挑戦し続けている印象があります。2023年3月の「不可解参(想)」でも概念武道館から始まり、次々とステージが変化していくのは圧巻でした。 花譜 2019年の1stワンマンライブ「不可解」の時から、ライブをするたびに私を取り巻く世界がどんどんすごいことになってるのは感じてたんですけど……概念武道館の構想を聞いた時は爆笑しちゃって。 星街すいせい 爆笑!?(笑)。 花譜 なんかもう、リアルじゃないバーチャルの世界だからこそできる表現がすごすぎて、どんな技術が使われているのかも想像できなくって、ただ呆気にとられたというか。笑ってしまった(笑)。 花譜 3rd ワンマンライブ「不可解参(想)」場面写真 花譜さんのバーチャルライブ「不可解参(想)」場面写真 花譜 そういったライブ演出も、観測者(=花譜さんのファン)のみんなが好きになってくれた「Vシンガー・花譜」を構成する要素のひとつなんだと思う。 これからも、もっともっと、どんどんすごいことになっていくと思うので、私も置いてかれないように頑張らないとって気持ちでいっぱいです。 ──星街すいせいさんは「いつか武道館でライブをする」ことを目標に掲げていますが、花譜さんがVTuber史上初めて実現した武道館ライブ「不可解参(狂)」をどう見ていましたか? 星街すいせい 実は、元々私が武道館を目標にしていたのって「アイドルといえば武道館」みたいな安直な考えだったんです(笑)。 あとは、大きな夢を掲げておけば、叶った時に感動するし、仮に叶わなくても「それくらい本気でやってんだぞ」って意思表示にもなるかなって思って。だから、武道館に憧れがあるってわけではなかったんですよね。 そもそも武道館って形が円状だし、高低差も激しいから「VTuberがライブするには難しい」って言われていたんですよ。私は「初音ミクがやってるんだからできるでしょ!」って思ってたんですけど(笑)。 そんな中で花譜ちゃんがしっかりやってのけてくれたので、私も「やるぞ!」という気持ちになりましたね。 花譜 武道館ライブの「不可解参(狂)」では、Diosのたなかさん、大森靖子さん、東京ゲゲゲイのMIKEYさんとステージ上でコラボさせてもらったんですけど、本当に「武道館がリアルとバーチャルが交わる場所になった」「リアルのアーティストの方々と同じ場所に立てている」って感動しました……! ──武道館公演の最後に、花譜さんは新たに“バーチャルシンガーソングライター”として活動していくことも発表されました。 花譜 作曲自体は前からしてたんですけど、それまでは自分のために自分の好きなようにつくってる感じだったんです。 でも武道館で披露する曲をつくるにあたっては、プロデューサーのPIEDPIPERさんと相談して今の気持ちを飾らずストレートに歌う曲をつくるこ とになりました。それでできたのが「マイディア」だったんですけど、武道館で披露したあの瞬間に「完成した」って感覚がありましたね。