Part 01: 飛鳥: ……ん~、おいしいっ!どれもこれも絶品で、お箸を進める手が止まんないよ~! レナ(私服): はぅ……本当ですか?喜んでもらえて、とっても嬉しいです♪ 雪泉: あの……もしかして今日のお料理も、皆さんがお作りになったんですか? 魅音(私服): はい。せっかく料理上手の子が揃っているので、それぞれで腕を振るわせてもらいました。 斑鳩: お心遣い、感謝します。ここまでおもてなしをいただけるなんて、逆に申し訳ないくらいです。 美雪(私服): いえいえ。一流料理人さんの腕には遠く及びませんが、お口にあったんでしたら嬉しいです。 飛鳥: あははっ、そんなことないよ。どのお料理もすごく気持ちがこもってて、食べるとあったかい感じになるしね。 飛鳥: ……よーし、それじゃお返しに今日の夕飯は私が作ってあげる! レナ(私服): えっ、いいんですか飛鳥さん?何を作ってくれるのかな、かな……? 斑鳩: 飛鳥さんと言えば、やはり太巻きですね。わたくしも久々に食べてみたいです。 菜央(私服): 太巻き……って、巻き寿司のことですか? 雪泉: はい。飛鳥さんのおじいさま直伝で、とってもおいしいんです。 飛鳥: うん! 具がいっぱい入った太巻きはすっごく太くて大きくて、丸かじりでかぶりつくのが絶品なんだよ! 一穂(私服): 太巻きにかぶりつく……?恵方巻みたいに、切らずに食べるんですか? 飛鳥: そうそう!じっちゃんの太巻きは修行の合間に食べると、力が湧いてくる感じがして大好きなんだ~♪ レナ(私服): はぅ……じゃあその太巻きが、飛鳥さんたちの強さの秘訣なのかな? かな? 飛鳥: あはは、秘訣ってほどじゃないよ。それに斑鳩さんと雪泉ちゃんはともかく、私なんてまだまだだしね。 飛鳥: 立派な忍になるために、これからもっともっと修行しなきゃ、って頑張ってるところだもん。 美雪(私服): あれで「まだまだ」なんですか……?この前は、ほんとにすごかったですよ。 菜央(私服): うん。飛鳥さんたちがいてくれなかったら、かなり危なかったかもね。 斑鳩: 皆さんも素晴らしい腕前だったと思いますよ。忍術の修行をしたわけでもないというのに、あの動きと立ち回りはお見事でした。 雪泉: ……はい、正直ビックリしました。あなた方は、普段からあんな魔物たちと戦ってるんですか? 魅音(私服): まぁ……そうですね、部活の一環というか。 沙都子(私服): いつものことなので、もうすっかり慣れてしまいましたわ~。 雪泉: ということは日常的に、あんな厳しい場面に身を置いているということですか……? 雪泉: やはり皆さんには、「忍」としての才能があるのかもしれませんね。 羽入(私服): あぅあぅ……それはつまり、僕たちが忍者になれるということですか? 美雪(私服): いやいや、さすがに本職の人たちみたいになりたいとは思ってないけどね。 美雪(私服): でも、まぁ……普段からあんなふうに動けたら、色々と役に立つことがあるかもしれないなー。 レナ(私服): あははは、そうだね。もっと忍者について教えてもらえば、忍者ショーとかできるかも! 魅音(私服): 忍者ショーかぁ……うん、いいと思うよ。派手な見世物は、集客にぴったりだしね。 沙都子(私服): えぇ。本職の方には及ばなくとも、この旅館のアピールにはもってこいでしてよ。 梨花(私服): みー。この忍者旅館を盛り上げるために、全員でふぁいと、おーなのですよ☆ 菜央(私服): けど……それってあたしたち素人がやるより、プロの役者とかを雇ったほうがいいんじゃない?仮にもビジネスなんだから。 レナ(私服): でもでも、忍者ショーなんて楽しそうだよ~!レナはやってみたいかな、かな! 菜央(私服): ……そうねっ! レナちゃんがしたいなら、あたしもしたい! やりましょうっ! 美雪(私服): コロッと手のひら返してる……。でも忍者ショー、いいアイディアかもね。 詩音(私服): ですね。本気で忍者屋敷を続けるのであれば、忍者に関する知識や技術を身につけることが必要になってきます。 詩音(私服): それを覚えてマニュアル化するためにも、気合を入れて勉強したほうがいいかもです。 レナ(私服): それじゃ、みんなで飛鳥さんたちに忍者のことを教えてもらうのはどうかな、かな? 菜央(私服): 賛成賛成ー! 他のみんなも、レナちゃんの提案に異存はないわね? 一穂(私服): うーん……けど、私にできるかなぁ……。 美雪(私服): 大丈夫だよ、一穂。もしもの時は、みんなでフォローするからさ。 沙都子(私服): それに忍術は、トラップに応用できることがあるかもしれませんし。 圭一(私服): 沙都子が忍術を体得か……なんかヤバそうだな。 梨花(私服): これ以上沙都子のトラップに磨きがかかったら、手に負えないのですよ。 雪泉: それなら、皆さんも一緒に忍術の対処法を学ぶというのはどうですか? 圭一(私服): なるほど……そのノウハウを活用して、沙都子のトラップに対抗するわけだな。 沙都子(私服): をーっほっほっほっ、それも面白そうですわね!では、誰が一番忍術を体得できるか勝負ですわ。 一穂(私服): わ、私は絶対無理だよ……。 飛鳥: まぁまぁ、あんまり難しく考えずに楽しくやってみようよ。案ずるより産むがやすし、ってね! Part 02: 飛鳥: じゃあ、修行をはじめまーす!まずは「忍」の心構えから! レナ(私服): はいっ! 沙都子(私服): ……心構えからですの?堅苦しいことより、もっとド派手なことから優先して教えてもらいたいところですわ。 飛鳥: あー、違うよ沙都子ちゃん。その考え方は、ダメだから。 沙都子(私服): えっ……? な、何がですの? 飛鳥: 忍はね、派手な行動は極力避けるようにしないといけないんだ。 飛鳥: 「忍」は目的を優先して、結果が第一……だから、目立ってはいけない。それが大事な心構えのひとつだよ。 沙都子(私服): 目立ってはいけない……なるほど。確かにトラップの基本原則でも、似たようなことが書かれておりましたわ。 美雪(私服): 「忍」は忍ぶって字を書くくらいだからねぇ。スパイみたいなものだと思ったほうがいいかも。 菜央(私服): 昔はそうだと聞きましたが……やっぱり今の時代でもそうなんですか? 飛鳥: もちろんだよ。「忍」はみんなの笑顔のために、人知れず影と戦う者……賞賛や讃辞とは無縁の存在なの。 魅音(私服): 誰にも知られず、平和を守っているってことか。うん、カッコイイね。 レナ(私服): でも……それって、ちょっと孤独な感じですね。 詩音(私服): そうですね、確かに……。 羽入(私服): 誰にも知られないなんて、ちょっぴり寂しいのです……。 斑鳩: 確かにそうかもしれません。ですが……。 飛鳥: でも、それでいいと思うんだ。みんなが笑顔で暮らせることが一番大事なことだしね。 雪泉: ……それに、私たちは孤独じゃありませんよ。頼もしくて優しい、仲間がいますから。 一穂(私服): 仲間がいるから寂しくない……我慢もできる。うん、そっか……そういう考え方をすれば、私も頑張れるかも、だね……。 レナ(私服): あははは、そうだよ一穂ちゃん!レナたちがちゃんとフォローするから、はぅはぅっ♪ 一穂(私服): あ……ありがとう、レナさん。 飛鳥: うんうん、これなら心構えはもう大丈夫かな。それじゃ、早速修行に行ってみよう! レナ(私服): はいっ、お願いします! レナ(私服): よいしょっ、よいしょっ。 菜央(私服): えっと……校庭にこんな感じで穴なんて掘っちゃってもいいの? 魅音(私服): まぁ、あとで埋めれば大丈夫じゃない? 沙都子(私服): それはいいとして……いったいどこまで掘ればいいんですの? 飛鳥: まだまだだよー!自分の膝の高さくらいまで、しっかり掘って! 詩音(私服): 膝の高さって、かなり深いですよね……。 圭一(私服): くっ……かなりキツイぜ。 一穂(私服): 私、腕が上がらなくなってきちゃった……。 梨花(私服): みー、ボクも手がひりひり痛むのですよ~。 レナ(私服): 梨花ちゃん、任せて。あとはレナが掘ってあげるよ。 沙都子(私服): え? レナさん、ご自分のはもう掘り終わったんですの? レナ(私服): うん。レナ、こういうの結構得意なんだよ。 圭一(私服): なるほど。レナはゴミの山を掘り返したりして宝探しをしているもんな。 雪泉: 普段からそんなことをしてるんですか? 斑鳩: そのおかげか、全身に理想的な筋肉がついてるみたいですね。 飛鳥: うん。それならレナちゃんは、次の修行もクリアできそうだよ。 レナ(私服): はぅ、次の修行……? 飛鳥: じゃあ、次に行ってみようか!みんな、掘った穴に入って~! 菜央(私服): えっ……? この中に入って、どうするの? 詩音(私服): まさか、リアルに墓穴を掘るってやつですか? 圭一(私服): いやいや、まだ両足どころか片足もツッコミたくないぜ~。 雪泉: くす……そうじゃありません。その穴からジャンプして、出る修行ですよ。 一穂(私服): ここからジャンプで……? 美雪(私服): そんなの簡単でしょ。たかだか膝の高さだしね。 飛鳥: ただし跳ぶ時、膝を曲げちゃダメだよ。 沙都子(私服): 膝を伸ばしたままでジャンプするんですの?そんなの無理に決まっていますわ。 羽入(私服): あぅ……あぅ……背伸びしかできないのです……。 菜央(私服): 同じく……こんなの、絶対無理だわ。 美雪(私服): くっ……えいっ……確かに、これは厳しいね。 魅音(私服): おじさんも無理みたいだよ。誰もできそうにないかなぁ……。 飛鳥: 全身を上手く使えばできるようになるんだよ。こんな感じに……ほらっ。 圭一(私服): うぉっ……マジっすか?全然できる気がしないんですけど……。 レナ(私服): んっ……えいっ! やぁっ! 詩音(私服): あ……レナさん、結構跳べているじゃないですか。 菜央(私服): 本当、すごい! さすがレナちゃん! レナ(私服): えいっ……んっ……!でもやっぱり、膝を曲げずに穴から出るのは無理かもだね……。 飛鳥: ううん、最初からそれだけできるのはすごいよ!私だって子どもの頃から修行して、何年もかけてできるようになったんだから。 斑鳩: レナさんは普段の生活で、すでに「忍」としての身体的ポテンシャルが養われているのかもしれません。 圭一(私服): おぉ……言われてみれば、レナの身体能力は俺でも舌を巻くことがあるからな。 沙都子(私服): ずいぶん偉そうに言っておられますけど……圭一さんは、いつもレナさんにやられっぱなしじゃありませんの。 圭一(私服): たははっ、確かに。 飛鳥: じゃあ、レナちゃんだけもうちょっと上の修行をしてみる? レナ(私服): いいんですか? はぅ、ぜひやりたいです! 飛鳥: よし! レナちゃんだけ特別修行だよ! 一穂(私服): なんだかすごいことになってきたね。でも、いったいどんな修行なんだろう……。 Part 03: レナ(私服): 次の修行ってなんだろ?……だろ? 飛鳥: 次の修行場所は、ちょっと移動するね。 レナ(私服): はぅ? ここでやるんじゃないんですか? 雪泉: はい。ここだと、できることは限られてしまいますから。 斑鳩: もっとのびのびと、修行しやすい場所へ行きましょう。 レナ(私服): はいっ! 圭一(私服): ……って、なんだ。ゴミや……じゃない、レナの宝の山じゃないか。 レナ(カグラ): はぅ……言われた通りに着替えましたけど、次の修行はここでするんですか? 斑鳩: そうです。昨日見つけたんですが、ここでしたら多少荒っぽいことをしても問題ないでしょうしね。 一穂(私服): そ、そんな荒っぽい修行なんですか……? 菜央(私服): レナちゃん、大丈夫? レナ(カグラ): あははは、大丈夫だよ。レナ、頑張るから! 飛鳥: うんうん、その意気だよ!その服を身にまとっていれば、多少のダメージは軽減できるはずだからね。 レナ(カグラ): はい、頑張ります! 飛鳥: じゃあ、行くよー! レナ(カグラ): はっ……! 一穂(私服): す、すごい……! 圭一(私服): いや、感心してる場合じゃなくて!これって大丈夫じゃないだろ? 魅音(私服): めちゃくちゃ爆発しているしね……。 梨花(私服): みー、すさまじい威力なのですよ。 羽入(私服): あぅあぅ……! 菜央(私服): レナちゃん~!! レナ(カグラ): 大丈夫だよ! このくらい……! レナ(カグラ): はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ──ッ!! 美雪(私服): おお、すごい!レナって本気出したら、あんなに動けるんだね! 斑鳩: わたくしたちも驚きの身体能力ですね。できるとは思っていましたが、ここまでとは。 雪泉: 今すぐにでも、「忍」の任務につけそうです。 詩音(私服): レナさんって、何者……? レナ(カグラ): はっ! はぁぁぁぁぁッ!! 沙都子(私服): そ、それにしても……ちょっと派手にやりすぎではありませんの?私のトラップでも、さすがにここまでは……。 詩音(私服): そうですよ、「忍」は目立ってはいけないって言っていたのに。 雪泉: 大丈夫ですよ。爆発は大きく見えますが、人を傷つけることのない特殊な火薬を使ってます。 一穂(私服): そ、そうなんですか? 美雪(私服): そんな爆弾があるんだねぇ。さすが蛇の道は蛇ってことか。 レナ(カグラ): くっ……!! 菜央(私服): れ、レナちゃ~~ん?! 美雪(私服): いやいや、効いてるよ! 効いてる! 羽入(私服): ここまで熱風が来ているのですよ~? 梨花(私服): このままだと、レナの丸焼きができてしまいそうなのです。 飛鳥: 大丈夫……な、はずだけど……レナちゃん、頑張れーー! 詩音(私服): 本当に大丈夫なんでしょうか……? レナ(カグラ): はぁっ! やぁぁぁぁぁあぁッ!! 圭一(私服): おお、すげえっ!刀で炎を切り裂きながら進んで行くぞ! 一穂(私服): レナさん、すごい……! レナ(カグラ): はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!! レナ(カグラ): はぅ……何とか戻って来れたよ。 菜央(私服): レナちゃんが生きて帰ってきたぁぁぁぁ!よかったぁぁぁぁぁ~~! レナ(カグラ): あははは、大げさだよ菜央ちゃん。 魅音(私服): いやいや、全然大げさじゃないって。でも、さすがはレナだね。 詩音(私服): えぇ。本当の忍者みたいでしたよ。 レナ(カグラ): そ、そうかな……かな?そう言ってもらえると嬉しいな。 飛鳥: うん、すごかった!レナちゃんはやっぱり「忍」の才能があるよ! 圭一(私服): ていうか、運動能力すごすぎだろ。 梨花(私服): みー。レナのこの運動能力を活かして、忍者ショーをやるべきなのですよ。 沙都子(私服): そうですわね。このまま放っておいては、宝の持ち腐れでしてよ。 美雪(私服): うんうん!レナの忍者ショー、絶対人気になると思うよ! レナ(カグラ): あははは、それもすごく楽しそう~♪じゃあ、みんな一緒に忍者ショーをやるのはどうかな、かな? 一穂(私服): みんなで、って……私たちも? 美雪(私服): うん、いいじゃん。レナを見てたら私もやりたくなってきたよ。 沙都子(私服): 私もですわ。思い切り暴れたくなりましてよ。 梨花(私服): みー……でもボクたちは、レナみたいにうまくできないと思うのですよ。 一穂(私服): うん、無理だと思う……。 レナ(カグラ): あははは、大丈夫!レナがみんなを鍛えてあげるから♪ 飛鳥: それ、すごくいい!半蔵学院#p雛見沢#sひなみざわ#r分校だよ! 雪泉: 月閃女学館分校でもありますね、うふふ。 斑鳩: そしてレナさんは、特別講師というわけですか。えぇ、いいと思います。 レナ(カグラ): あははは、じゃあこれからはレナがビシビシしごいてあげるねっ!はぅはぅ♪