Part 01: ――前略、死んだオヤジ殿。 生きてるうちに聞いておきたかったんだが……あんたは、自分の娘がサメの次に好きなものが星座観測だったと知っていたか? 私の部屋の本棚を見れば、まぁ一目瞭然だと思うが……いや、娘に口出しはしてもプライバシーを守ろうとする無骨なあんたのことだ、結局気づかなかったかもな。 とにかく、私は星が好きだ。……ただ、好きの方向性がサメとは明確に違う。 星が好きだというのは、いわゆる包丁や自転車といった便利アイテムに対して抱く「好き」ってやつだ。 私が好きなサメが棲む海は、あまりに広すぎる。だから、陸地から完全に離れてしまうと……自分がどこにいるのかもわからなくなる。 太陽を見ろ?……あぁ、確かに太陽はいい目印だ。だが、自分の位置はそれだけだと把握ができない。 だが、夜になって天上の星々の配置がわかると……自分がいる場所はおおまかに割り出すことができる。 つまり、星は迷った時の道しるべだ。だからこそ真剣に星座観測を学んできたし、その知識を頼りにしてきた……のだが……。 残念ながら現在の私たちは、完全に迷子状態にある。なにしろ、夜空に浮かんでいる星々が全て金平糖で……しかも配置が全くのでたらめだったからだ。 千雨(お菓子の国): ……空に浮かぶ星までもが、お菓子とはな。この「世界」はいったい、なんなんだ? 圭一(お菓子の国): 何言っているんだ? ここはお菓子の国なんだから、全てが甘いものでできていて当然だろ? 千雨(お菓子の国): いや……私が聞いてるのは、そういうことじゃないんだが……。 圭一(お菓子の国): ……俺、何か変なこと言ったか?あっ、空の星を取りたいんだったら願い事を言えば勝手に降ってくるから、やってみるといいぜ。 一穂(アリス): え、ええっと……。 千雨(お菓子の国): ……わかった、もういい。とりあえず受け入れろ、ってことだけは理解した。 千雨(お菓子の国): (……追伸、親父殿。神様の力を借りて友達を探しに来たあんたの娘は今、お菓子の国に迷い込みました) 千雨(お菓子の国): (目眩がしてきたな……どうしてこうなった……?) 千雨(お菓子の国): 私だって、甘いものは嫌いじゃない。……だが、この物量と配置具合は幻想か絵本の中でしか許されないヤツだぞ。 千雨(お菓子の国): (それに……ここまであちこちに転がってるとウンザリを通り越して、胸焼けがしてくる……) 千雨(お菓子の国): まぁ、うなってても仕方ないか。とりあえず、当初の目的を果たさないとな。 圭一(お菓子の国): 目的? とりあえず俺は、怪物退治のために女王が派遣してくれたお供を探すつもりだが……お前たちはどうするんだ? 千雨(お菓子の国): ……お前たちには悪いが、元の世界に帰る方法を優先的に探すことにする。さっさと帰還方法を探すぞ、かず……ほ……? 一穂(アリス): んみゅっ……? 千雨(お菓子の国): おい……何食ってんだ、お前は。 一穂(アリス): え、えっと……あっちの道端にあったお菓子、おいしそうだな、って思って……その……。 一穂(アリス): ちょ、ちょっとだけ! ちょっとだけだよ?! 千雨(お菓子の国): ちょっとでも食うな! 拾い食いする犬か! 千雨(お菓子の国): ……っていうか、大丈夫なのかっ?なんかこう、具合とか悪くなったりしてないよな?! 一穂(アリス): う、うん……お腹も平気、だよ。ただ……。 千雨(お菓子の国): ただ……なんだ、一穂? 一穂(アリス): ……このお菓子、あんまり美味しくない……かも。 千雨(お菓子の国): …………。 千雨(お菓子の国): 見た目だけとか、最悪だなこの国は。ここにあるのがお菓子だって言い張るつもりなら、せめて味の品質くらいは維持しろっての。 圭一(お菓子の国): いやいや、そんなことはないぞ?!この国のお菓子はうまい、間違いなくだ!……食い過ぎると腹を壊すけどな! 千雨(お菓子の国): 嫌なところだけリアルだな……。 圭一(お菓子の国): まぁ、そう言わず一口食ってみろよ。この生えてたクッキーとか……ほらっ! 千雨(お菓子の国): …………。 千雨(お菓子の国): (断ったら、角が立つよな……お菓子の国なんて、わけわからない「世界」で敵を増やすのは得策だとは思えないし) 千雨(お菓子の国): (圭一と同じ顔をしてるし、言動も似てる……何より、今のところは対応も友好的だ) 千雨(お菓子の国): (……一口だけ、食っとくか) 千雨(お菓子の国): ……もぐもぐ。 圭一(お菓子の国): どうだ? 千雨(お菓子の国): 確かに……普通にうまいな。少なくとも、不味くはない。 圭一(お菓子の国): へへっ、だろう……? 千雨(お菓子の国): (むしろ一穂の口に合わなかったのが、意外だ。こいつって、実は甘いものが嫌い……なわけないよな。以前もがんがん遠慮なく食ってたし……) 千雨(お菓子の国): (……毒とかは入ってなさそうだが、食うのは少しだけにしておくことにしよう) 圭一(お菓子の国): なぁ、それより……千雨ちゃん、だっけか?とりあえず武具とかは整っているみたいだけど、そんな感じで大丈夫か? 圭一(お菓子の国): 薬草とか、毒消しとか……一通りの装備を揃えておきたかったら、道具屋とかに行っておいた方がいいぜ。 一穂(アリス): 装備……道具屋……? 千雨(お菓子の国): ……ますますファンタジーの物語っぽいな。 Part 02: 千雨(お菓子の国): ……この「世界」って、後払いができるのか。ゲームとかだときっちり先払いが原則だから、てっきりダメだと思ってたんだが。 千雨(お菓子の国): まぁ、おかげで必要な道具が一式揃って助かったよ。 一穂(アリス): えっと……千雨ちゃんは薬草の他に、何を買ったの? 千雨(お菓子の国): 爆薬と、採掘道具を一通りだ。例の洞窟だと珍しい鉱物とかが手に入って、金になるって聞いたからな。 千雨(お菓子の国): 前原と梨花ちゃん……らしき2人組とは別行動になったわけだし、元の「世界」に戻るまで自分たちの生活費は自分の力でまかなうべきだろう。 千雨(お菓子の国): まぁ、羅針盤か方位磁石なんてのが売ってたら、そっちも確保しておきたかったんだが……どこにも見当たらなかったのは、残念だ。 一穂(アリス): そういえば……町のどこにも、方向がわかるものを取り扱ってる店がなかったね。どうやって方角を調べるんだろ……? 千雨(お菓子の国): さぁな。……なぁ、一穂。別に無理やり、私の採掘になんて付き合わなくてもいいんだぞ。 一穂(アリス): えっ……? 千雨(お菓子の国): お前のその装備なら、前原たちに同行してもそこそこの戦力になるはずだ。あっちも人手がほしいって言ってたしな。 一穂(アリス): え、っと……。 千雨(お菓子の国): ……行き先は聞いてる。今から向かえば、きっと追いつけると思うぞ。 一穂(アリス): ま、前原くん……? たちだったら、2人だけでもなんとかなると思う……。そ、それに……。 千雨(お菓子の国): ……それに? 一穂(アリス): 採掘だったら、その……人手は必要だと思う!わ、私はそんなに力がないから、たくさんは持って帰ることができない……けど……。 一穂(アリス): だからその、えっと、あの……っ! 千雨(お菓子の国): …………。 千雨(お菓子の国): 確かに、1人よりも2人の方が大量に持ち運べる。一穂が付き合ってくれると、助かるな。 一穂(アリス): っ……う、うん!だから私も、千雨ちゃんと一緒に……っ! 千雨(お菓子の国): ……。そうか。 千雨(お菓子の国): (心配だから着いていきたい、って素直に言ってくれたら断らないんだが……) 千雨(お菓子の国): (……美雪と違って調子が狂うが、まぁこれが一穂なんだと弁えるしかないか) 千雨(お菓子の国): 1人でもちゃんと町に戻れるように、行きがけの景色を覚えておけよ。 千雨(お菓子の国): このお菓子の国の空は、星が……ないわけじゃないが、あれはアテにならない。方角の参考にするな。 一穂(アリス): えっ……そうなの? 千雨(お菓子の国): 移動が速すぎる。じっと見ているだけでもほら、位置の変わってる様子がはっきりとわかる。 一穂(アリス): ほ……ほんとだ。私って、星をそんなふうに見たことがないからよくわからなくて……。 千雨(お菓子の国): ……。星は、嫌いか? 一穂(アリス): う、ううん……好きとか嫌いとかなんて、そもそも考えたことがなくて……。 千雨(お菓子の国): ……宇宙に果てがないってことは、わかってるか? 千雨(お菓子の国): 手を伸ばせば届きそうに見える星も、実際には光の速さで何万年以上の時間をかけて地球に到達してる場合もあるんだ。 千雨(お菓子の国): だから、普段私が見ているものは「過去」の星の姿で……中にはすでに消滅して、跡形も残っていないものがかなりあるそうだ。 一穂(アリス): そうなんだ……。 千雨(お菓子の国): 理科の授業で習わなかったか? 一穂(アリス): ……ご、ごめんなさい。 千雨(お菓子の国): ……いや、別に責めてるわけじゃない。興味の無い話なんて、頭に残らないものだからな。 千雨(お菓子の国): (まぁ、私も実際にこの目で見たわけじゃないから今ひとつピンとこないんだが……) 一穂(アリス): えっと……じゃあ、普段私たちが見てる星は実際にはもう存在してないってことも……あるの? 千雨(お菓子の国): 十分ありえる。私たちには、今も生きてる星と死んでる星の見分けがつけられない。 千雨(お菓子の国): あと、星の年齢ってのは最初に生まれた時から決まってるらしい。……で、最後は爆発してバラバラに吹き飛ぶ。 一穂(アリス): それが、星が死ぬ……ってこと? 千雨(お菓子の国): それまでの形を失うことを「死」と表現するなら、まぁそう考えても差し支えはないだろうな。 一穂(アリス): ……なんだか、寂しいね。最初から寿命が決められてるなんて。 千雨(お菓子の国): 人間だって、生きられる限界はある。それに星も、飛んできた別の星がぶつかったせいで寿命よりも早く死ぬ可能性だってある。 一穂(アリス): ……。千雨ちゃんって、すごく詳しいんだね。 千雨(お菓子の国): これくらいは理科の授業の範囲だと思うが……海に出るなら、天体観測は必須だからな。子どもの頃から本を読みあさって、覚えてきた。 一穂(アリス): ……海? 空じゃなくても? 千雨(お菓子の国): もちろん、海に関しての知識は必須だ。 千雨(お菓子の国): だが、陸がどこにも見えない海のど真ん中でサメの調査を終えてさぁ帰ろうって思った時、レーダーやら何やらが故障したら……? 一穂(アリス): ……困っちゃう……? 千雨(お菓子の国): ……困るのは事実だけどな!そうじゃなくて解決策だ、解決策! 千雨(お菓子の国): 海の他にあるものと言ったら空で、そこには月や星!だとしたら、星を頼りに帰るしかないだろうが? 一穂(アリス): な、なるほど……。 千雨(お菓子の国): それにサメは海以外に、川にいるやつもいる。今のところ判明してるのは、ジャングルとかにいるオオメジロザメぐらいだが……。 千雨(お菓子の国): まだ人間が見つけられてないだけで、淡水サメは他にいるかもしれない。 千雨(お菓子の国): そしてジャングルの中でも、星の配置を読めば位置がわかる。……つまり、帰り道がわかる。 千雨(お菓子の国): 大雨とか嵐とか、大雪で空を見ることができない時は使えないが……見えるならわかったほうがいいだろ? 一穂(アリス): …………。 千雨(お菓子の国): なんだ? 一穂(アリス): ……千雨ちゃんは、冒険がしたいの? 千雨(お菓子の国): は……冒険、だと……? 一穂(アリス): あ、その……サメを探すために旅に出たいなら、冒険とは違うのかな……? 一穂(アリス): なんだろう……探検?でも、冒険と探検って何がどう違うんだろう……? 千雨(お菓子の国): …………。 千雨(お菓子の国): そうだな……目的はサメだが、確かに私は根っからの冒険気質なのかもな。 千雨(お菓子の国): だからまぁ……こんな怪しげな「世界」に迷い込んじまっても、心のどこかでワクワクしてくる……。 千雨(お菓子の国): ……私が求めてたのは、実はこういう非日常と非常識なのかもしれない。 Part 03: 冒険に必要なもの……好奇心、そして柔軟さ。けど、私は知った。理解した。 冒険で最も必要とされる、底なしの才能は……。 千雨(お菓子の国): どんな異常事態でも受け止める、度量だな!宝石が襲いかかってくるのは予想外だったよ、あははははっ……! 一穂(アリス): 千雨ちゃん、大丈夫っ? 千雨(お菓子の国): あぁ!一周回って、面白くなってきたところだ! 千雨(お菓子の国): 襲ってくる石って、なんだそれ?本当に石かよ……あはははっ!! 一穂(アリス): ほ……本当に大丈夫、千雨ちゃん?! 千雨(お菓子の国): あぁ、ある程度まで小さく砕くと動かなくなるからな!一穂もガンガン砕け! メシのタネだ!! 千雨(お菓子の国): よーし! 砕いてほしいやつから来いっ!全部粉々にしてやるっっっ! 千雨(お菓子の国): あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははッッ!! 一穂(アリス): な、なんか千雨ちゃん、いつもと違う意味で怖いんだけどー?! 千雨(お菓子の国): よし、砕いたのはあらかたバッグに詰め込んだな。大漁、大漁……にしても、これはなんなんだ? 千雨(お菓子の国): 口に入った感じだと、シャリシャリして甘くて……婆ちゃん家の菓子盆に入ってるような、クソ甘いゼリーみたいな四角い菓子に似てたが。 千雨(お菓子の国): 敵も菓子でできてるのか? これ食っていいやつか?イノシシとかクマとか、狩って食うみたいなもんか……? 一穂(アリス): さ、さぁ……食べてもその、なんともない……? 千雨(お菓子の国): あぁ、大丈夫だ。……けど、どうやら他の石は襲ってこないようだな。 千雨(お菓子の国): つまり襲ってきたやつらは、壁に生えてる宝石? に、擬態する生き物なのか……生態系ができてるんだな。 千雨(お菓子の国): よし……この壁の石もちょっと持ってくか。よい、しょっと! 一穂(アリス): へ、平気なの……? 千雨(お菓子の国): あぁ、軽い軽い。あんまり余計な心配をするな、いい加減しつこいぞ。 一穂(アリス): で、でも……美雪ちゃんが大笑いする時って、色々なことが一気に起こって……その……。 一穂(アリス): すっごく混乱してる時くらい、だから……。 千雨(お菓子の国): あぁ……確かにあいつはそういう時って、逆に笑っちまうタイプだからな。私は本当に面白くなきゃ笑わないから、安心しろ。 一穂(アリス): そ、そうなんだ……? 千雨(お菓子の国): そろそろ行くぞ。あんまり遅くなっても、明日の予定に影響が出る。 一穂(アリス): う、うん……。 千雨(お菓子の国): にしても、夜風まで甘ったるいんだな……さすがはお菓子の国だ。 一穂(アリス): そ、そうだね……。 千雨(お菓子の国): 安心しろ。なんとしても、元の「世界」に戻る方法を見つけてやる。私もサメがいない世界なんかからは早く帰りたいしな。 一穂(アリス): ……本当に、サメっていないのかな?もしかしたら、この「世界」にもどこかに……。 千雨(お菓子の国): おいやめろ、誘惑するな。 一穂(アリス): ゆ、誘惑……? 千雨(お菓子の国): 今のは誘惑だろ。お菓子のサメの話とか、正直聞きたくない。いると考えただけで、見つけたくなる。 千雨(お菓子の国): 見つけたら、絶対捕まえて調べたくなって……その分、帰りが遅くなる。お前も困るだろ? 一穂(アリス): う、うん……早く帰りたいなぁ。 千雨(お菓子の国): …………。 千雨(お菓子の国): ……なぁ、一穂。私が言うのもなんだが……お前はこの「世界」に魅力とかは感じないのか? 一穂(アリス): えっ……? 千雨(お菓子の国): お菓子の国を冒険してみたい……なんて思わないのか、って聞いてるんだよ。 一穂(アリス): え、っと……今も十分冒険じゃないかな? 千雨(お菓子の国): ……。確かに、そうだな。 千雨(お菓子の国): (お菓子に襲われて撃退して、そいつを山ほど担いで売りに行くとか……冒険以外の何物でもないか) 一穂(アリス): あ、でも……美雪ちゃんと菜央ちゃんには、早く会いたいよ。 千雨(お菓子の国): 逆に私じゃなくて、あの2人がここにいたら……もう少し楽しめたか? 一穂(アリス): ……うん。きっと、そうだと……思う。 千雨(お菓子の国): そっか。……悪いな、私だけで。 一穂(アリス): えっ? ち、違うよ?!千雨ちゃんに不満があるとかじゃなくて……! 千雨(お菓子の国): ……わかってる。満たされないんだろ。 千雨(お菓子の国): 何が欠けてるとか不満があるとかじゃなくても、腹一杯にならない……何かが足りない……そういった感覚は、私も経験がある。 千雨(お菓子の国): 正直、今の私も同じ気持ちだ。素直に楽しむには、心配事が多すぎて楽しめない。 一穂(アリス): ご、ごめんなさい……。 千雨(お菓子の国): ……おい、だからちゃんと話を聞けよ。別に、一穂に対して何かが欠けてるって思ってるわけじゃない。 千雨(お菓子の国): けど……足りないってことだ。私は主にサメがな。 千雨(お菓子の国): だからまぁ……なんとかして#p雛見沢#sひなみざわ#rに戻るぞ。 一穂(アリス): ……うん! 千雨(お菓子の国): で、美雪と菜央と合流して一緒に平成に戻る。 一穂(アリス): うん! 千雨(お菓子の国): (よく考えると、平成から昭和に移動してる時点でずいぶんと大冒険だよな……くそっ) 千雨(お菓子の国): (お菓子の国ってもっとイカれた「世界」に飛ばされたせいで、麻痺しかけてたよ) 千雨(お菓子の国): (……いや、私ひとりだともう発狂してたか?そうならずに済んだのは、やっぱり……) 一穂(アリス): ……ねぇ、千雨ちゃん。 千雨(お菓子の国): なんだ? 一穂(アリス): 私、あんまり役に立たないかもしれないけど……元の「世界」に戻れるように、頑張るね。 千雨(お菓子の国): お前だけが頑張っても、仕方がないだろ。……そういう時は、一緒に頑張ろうだ。 一穂(アリス): え、えっとじゃあ……一緒に頑張ろうね! 千雨(お菓子の国): ん。 千雨(お菓子の国): (正直、ここのお菓子の国みたいに状況は甘くはないが……まぁ……) 一穂(アリス): お金が手に入ったら、おいしい朝ご飯食べようねっ! 千雨(お菓子の国): (……なんとかなるか)