Part 1: 梨花(私服): 温泉施設の一部を、再開するのですか? 魅音(私服): ……というより、開放だね。ほら、できたばかりの温泉街が例の件でほぼ全壊しちゃったでしょ。 魅音(私服): それで、早急に撤去作業を進めないといけないんだけど……撤去業者さんを泊めたり、食事を出したりする場所が必要だからね。 一穂(私服): 開放するところは……無事だった温泉宿? 美雪(私服): んー……あれは無事って言っていいのかなぁ? 羽入(私服): あぅ、一応形は保っていた……ような? 朱志香: まぁ、私たちの着替えとかは一応無事だったから、大丈夫な部分はあるんだろうぜ。……フロントに預けてた貴重品はオシャカになったけどな。 菜央(私服): 火の回り方が、よほど悪かったみたいね……。 戦人: にしても、温泉街が一夜にして瓦礫の山か……諸行無常を感じるぜ。 沙都子(私服): あら、なかなか知的なお言葉が出ましたわね。 戦人: いっひっひ。本によく出てくる言い回しだからな……それで、相談ってなんだ? 魅音(私服): さっきも言ったように、業者さんとはいえ外部の人を泊める以上は人手を割り振らないといけないんだよ。ただ……。 梨花(私服): ……みー? どうしたのですか、魅ぃ? 魅音(私服): そのためのアルバイトを募集したんだけど、タイミング悪いのか集まりが悪くてさ……。 レナ(私服): はぅ……もしかして温泉宿で、レナたちにアルバイトをして欲しいってことかな、かな? 魅音(私服): そうなんだよ。本当に今回はヤバくて、できれば全員に手伝ってもらいたいんだ。 圭一(私服): でも、そうなると戦人たちに#p雛見沢#sひなみざわ#rを案内する時間がなくなっちまうな。 詩音(私服): すみません……。本当はもう少し後に撤去業者が来る予定だったんですけど、前の現場が飛んだとかですぐ来てくれることになっちゃって。 戦人: ……なんだ、そんなことか。深刻な顔をするから、やばいことでもあったのかと思ったぜ。 朱志香: そもそも村の案内をしてほしいってのは、こっちが一方的に頼んだだけなんだしさ。別に気にすんなって! 梨花(私服): みー。ありがとうなのですよ戦人、朱志香。 戦人: いいっていいって!……けど、温泉宿のバイトって何をするんだ? 魅音(私服): 掃除とか、食事の準備とか……他には、布団の交換をしたりとかかな。 菜央(私服): 宿のバイトというより、社員寮の管理運営みたいね。 詩音(私服): あ、確かに。そっちの方が近いと思います。 戦人: そうか……朱志香。 朱志香: へへっ、戦人も同じことを考えたのか?さすがはいとこってやつだな。 梨花(私服): みー……? 戦人: なぁ、魅音ちゃん。よかったらその仕事、俺たちも手伝わせてくれないか? 魅音(私服): えっ?!い、いやそれは助かるけど……いいの? 朱志香: あぁ! 一度アルバイトってのをやってみたかったんだよ! 戦人: そこまで慣れてるわけじゃねぇが、任せてくれ。力仕事はお手のものだからよ! 魅音(私服): うぅ……ありがとう!ほんっとうに、ありがとうございますっ! 美雪(私服): おぅ、魅音が涙目だよ……。 レナ(私服): はぅ……魅ぃちゃん、本当に困っていたんだね。 一穂(私服): わ、私たちも頑張るよ!どこまでできるかは、わからないけど……。 羽入(私服): あぅあぅ!力を合わせればきっと大丈夫なのです! 梨花(私服): ふぁいと、おー、なのですよ。 戦人: …………。 梨花(私服): 戦人……?ボクの顔に、何かついていますか? 戦人: あ、いや。今の台詞って、どこかで聞いたことがある気がしてさ。 沙都子(私服): あら、そうですの?そこまで珍しいものではないと思いますけど。 戦人: いや、そうじゃなくて……まぁ、気のせいか。 沙都子(私服): 梨花ぁ、私たちも頑張りますわよー! 梨花(私服): はいなのですよ、にぱー。 …………。 梨花(私服): (この男……以前私と、会ったことがあるの?) 梨花(私服): (ううん、こんな男が来るカケラなんてそもそも初めてだし……) 梨花(私服): (私が忘れているだけ、とも違うみたいね) 梨花(私服): (……敵意はなさそうだし、ひとまず様子見ね) 梨花(私服): (……なんて余裕を持っていられたのは、アルバイトが始まるまでだったのです) 梨花(私服): た、確かに人手は足りないと聞いてはいましたのです……! 詩音(私服): 寝具担当さん、こっちシーツ届きましたよー! 魅音(私服): 炊事担当、もうすぐ夕飯の準備始めるって!何人か連れて現場に行って! 沙都子(私服): えっ……?さっき昼食の食器を洗ったばかりでは?! 魅音(私服): もう作りはじめないと間に合わないって、調理のおばちゃんが言っているんだよー! 美雪(私服): 専業主婦の人が、ご飯のおかずに頭を悩ませるのがよくわかるね……三食違うの考えるとか、大変すぎる。 菜央(私服): あんたの場合、一瞬でも迷ったらパンで押し通すものね……。でも、この旅館だとその手はダメよ? 美雪(私服): わ、わかってるって……! 一穂(私服): はぁ……でも、ここだとお米がたくさん食べられるから、すごくいいよねっ! 梨花(私服): 一穂はお米さえあれば、いくらでも働けそうなのですよ。でも……。 戦人: ひぃ、ひぃ……つ、疲れた……。 圭一(私服): も、もう動けねぇ……。 レナ(私服): はぅ……だ、大丈夫戦人さん、圭一くん? 魅音(私服): へばっている暇なんてないよ、男衆!まだまだ力仕事がいっぱいあるんだからね! 圭一(私服): ま、まだあるのかよ……。 戦人: そろそろ死んだ母親が、俺を迎えに来そうなんだが……。 羽入(私服): た、大変大変! 大変なのですー! 一穂(私服): どうしたの、羽入ちゃん。今は、外で食料の搬入を手伝ってたんじゃ……。 羽入(私服): また『ツクヤミ』が出たのですよー!! みんな: えーっ?! Part 2: 梨花(シエスタ): ――はぁぁっ! ツクヤミ: 『ギィイイイイイ!!』 梨花(シエスタ): よ、ようやく倒せたのですよ……。 美雪(私服): 私、梨花ちゃん、一穂、菜央、前原くんに戦人さん……で、ようやく倒し切れたってわけか……。 圭一(私服): 魅音を振り切って、こっちに加勢してよかったぜ。……あとで謝るとするか。 戦人: 数が多かったし、万が一囲まれてたら厄介だったかもな。……戻ったら仕事量も、厄介なことになってそうだけどよ。 一穂(私服): それにしても、梨花ちゃん……前もそうだったと思うけど、どうしてそんな格好になっちゃってるの? 梨花(シエスタ): ……ボクにもよくわからないのです。いつもの「カード」を使ったはずなのに、気がついたらこの格好に……。 梨花(シエスタ): 特に問題なく戦えてはいるので、悪い状況ではないと思うのですが……。 美雪(私服): いつもの『ロールカード』でそうなったんだよね?そういや、眼帯の下ってどうなってるの……? 梨花(シエスタ): みー。右目はちゃんとあるのです。この眼帯、服の一部というだけのようなのですよ。 菜央(私服): ……今までに、似たようなことってあったかしら? 梨花(シエスタ): ここまで心当たりのない服は、初めてなのです。だからボクも困っているのですよ。 戦人: だとしたら、何か原因があるのかもしれねぇな。何か覚えてることとかないか? 梨花(シエスタ): みー。それが何も……。 圭一(私服): 原因を探ろうにも、情報が少なすぎるな。 戦人: ……もしかしたら、直接の原因は梨花ちゃんじゃないのかもな。 梨花(シエスタ): 戦人、それはどういうことなのですか? 戦人: 例えば、別の誰かに原因があって間接的に梨花ちゃんに影響が出てる……とかな。 菜央(私服): 早い話が、梨花はとばっちりを食っただけってこと? 戦人: あぁ。大元の原因がわからない以上、ただの推論に過ぎないけどな。 美雪(私服): でも、それなら梨花ちゃん自身に覚えがないのもわかるね。……こうなってから、特に体調不良とかはない? 梨花(シエスタ): みー。その点も大丈夫なのですよ。 菜央(私服): じゃあ、今すぐ何かがどうこうってことにはならないって考えてもよさそうね。 圭一(私服): でも、何かあったらすぐに相談してくれよ。 梨花(シエスタ): 圭一、ありがとうなのです。みんなも戦人も、気遣ってくれて嬉しいのですよ。 戦人: おぉ! お礼は大きく成長したらおっぱいを揉ませてくれる約束でいいぞぉぅ!いっひっひ! 梨花(シエスタ): み、みー……。 菜央(私服): これがなければ、いい人なのに……。 一穂(私服): まぁまぁ……あ、あれ? 美雪(私服): どしたの、一穂。 一穂(私服): あっちにツクヤミが!……あっ、逃げた、逃げたよ! 戦人: なんだって?! 圭一(私服): お、追いかけろーっ!! 梨花(シエスタ): 一難去って、また一難なのですよ……。 梨花(シエスタ): やぁあああっ!! ツクヤミ: 『ギィイイィイイイイ!!』 一穂(私服): はぁ、はぁ……さ、最後の一匹を追いかけたら#p雛見沢#sひなみざわ#rまで戻ってきちゃった。 戦人: ひ、ひぃ、ひぃっ……みんな、足が速すぎないか? 圭一(私服): いや、単に障害物のある道に慣れているかどうか、の違いだと思うぜ。 美雪(私服): というか……戦人さんって背が高いから、山道の小枝とか避けて走ろうとするとどうしても遠回りになるんじゃないですか? 戦人: 結構頑張って背を伸ばしたんだが、まさかそんな落とし穴があったなんてな……ぐふっ。 梨花(シエスタ): ボクの家はこの近くなので、お茶を持ってくるのです。少し休んでから宿に戻りましょうなのですよ。 戦人: ありがとう、梨花ちゃん……って、もういねぇ。 菜央(私服): あの子、結構タフなのよ。 戦人: ひぃ、ひぃ……疲れた、もう歩けねぇ。 圭一(私服): ちょっと休んで行こうぜ。よいしょっ、と。 一穂(私服): ……っ……? 菜央(私服): どうしたの、一穂。 一穂(私服): え、あ、うん……なんだか寒気が……。 美雪(私服): えっ、……それって、風邪? 一穂(私服): いや、そういうんじゃなくて……。 ヱリカ: み、見つけたぁあぁああああ!! 一穂(私服): えっ……? 謎の女: いた、いた、いたァ……!ようやく見つけたぁあああ!! 菜央(私服): な、なにあのひらひらふりふりの服の人……!こっちに向かって来る?! 謎の女: ようやく見つけましたよ、鳳谷菜央! 菜央(私服): ひぃっ?! 美雪(私服): えっと……あの、うちの菜央に何か? 一穂(私服): 菜央ちゃん、この人知ってるの? 菜央(私服): ううん、知らない……こんなの知らない! 謎の女: はぁ、なに言ってるんですかこのおチビさん。……あぁ、記憶でも消されたんですか?それとも「世界」違いの人違いとかぁ……? 謎の女: まぁ、同一存在であることは間違いないわけですし……私はこれで構いませんよ。 美雪(私服): こ、これ……って、どれ? 謎の女: あなたに会いに、わざわざ我が主ではなく別のお方の力を借りて、ルートを作ったうえでこっちに来たんですよ。 謎の女: というわけでリベンジマッチ、受けてくれますよねぇぇ……っ? 一穂(私服): こ……この人はいったい、何を……?! 一穂(私服): (この人に、菜央ちゃんを渡しちゃダメだ……!理由はわからないけど、絶対にッ!) 一穂(私服): だ……ダメです……!あなたは知らない人なので、帰ってください。 謎の女: はぁ?……なんですか、あなた。邪魔しないで下さいます、無関係ですよね? 一穂(私服): 無関係じゃ、ないです……!それに、こんなに嫌がってるじゃないですか。 謎の女: 聞き分けの悪い人ですねぇ……いいからどいてください。 一穂(私服): ……あなたが、帰ってくれないなら。 菜央(私服): か、一穂……? 謎の女: ……くれないなら、何なんです?まさか私と戦うつもりとか言いませんよねぇ? ヱリカ: なめたことを言い続けるつもりなら、こっちにも考えが――。 梨花(シエスタ): みー? どうしましたですか? 謎の女: なんです、また邪魔が増え……えっ? 梨花(シエスタ): みー? Part 3: 謎の女: わ、わ…………。 謎の女: 我が主ぃいいいぃいいいい!! 梨花(シエスタ): み、みーっ?! 美雪(私服): うわっ、知らない変な人が梨花ちゃんに向かって全速力?! 菜央(私服): 逃げて、梨花ぁ! 謎の女: 主ぃいいいいいいいぃいいぃ!! 美雪(私服): って、そのままスライディングしながら土下座ぁぁ?! 梨花(シエスタ): え、えっ……? 謎の女: どどど、どうしてこちらに……?い、いえ無粋な事をおたずねいたしましたっ! 謎の女: 我が主よッ、この古戸ヱリカの活躍をご覧いただきに来てくださったのですよね!! 謎の女: あぁ、そこまでご期待していただけて光栄ですッ、感無量ですッ……! 美雪(私服): 古戸、ヱリカさん……? 菜央、知ってる? 菜央(私服): ……知らないわ。というかあんな変な人、知りたくもない。 一穂(私服): そ、そうだよね……でも、梨花ちゃんとも知り合いみたいだよ。 梨花(シエスタ): み、みー……? 美雪(私服): いや、でも……あの困惑顔は、そっちとも違うみたいだよ? ヱリカ: それにしても……我が主。どうして今回は、シエスタ姉妹兵などの格好をしているのでしょう? ヱリカ: ……はっ、もしかしてコスプレというやつですか?最近下々の服をアレンジして着こなすのが一部で流行していると小耳に挟みました! ヱリカ: さすが我が主ッ! 美貌も佇まいも完璧ですっ!どのような衣装も見事に着こなしていらっしゃいます! 梨花(シエスタ): あの、ボクは古手梨花と言って……。 ヱリカ: 古手梨花……フルデリカ、あ、ぁ……なるほど!今回はそういう趣向なのですね! 梨花(シエスタ): みー?! 戦人: おい、なんだなんだ何の騒ぎだ? 圭一(私服): どうした? ……って、梨花ちゃんの前に土下座してるのって誰だ? 一穂(私服): あ、前原くん、戦人さん!2人は古戸ヱリカって知ってる? 戦人: ……誰だ? 圭一(私服): いや……でもなんで、その古戸さんが梨花ちゃんに土下座をしているんだ? 菜央(私服): よくわからないけど、梨花を誰かに間違えてるみたいなのよ。 梨花(シエスタ): で、ですからボクは違うのです……! ヱリカ: 大丈夫です、我が主。今回はそういうものであるとこの古戸ヱリカ、きちんと理解しております! 菜央(私服): ……何一つ理解してないわよ、あの変態。 一穂(私服): へ、変態って……菜央ちゃん、さすがにそれは言いすぎじゃないかと……。 美雪(私服): んー、さっさと帰ってもらいたいけど、菜央の時とは別の意味で帰ってくれそうにないね。 一穂(私服): あの梨花ちゃんが押されてるなんて……!どうしよう、どうすれば……?! 戦人: ……お、そうだ。いいことを思いついたぜ。 戦人: 圭一、ちょっといいか。 圭一(私服): えっ……? ヱリカ: 我が主、どうしてこちらに?もしや何か急ぎの命令でも? ヱリカ: でしたらこの古戸ヱリカ、地の果て水の果て地獄の果てでも……!! 梨花(シエスタ): で、ですから……! 圭一(私服): あー、ちょっと失礼。梨花ちゃん、ちょっと耳を貸してくれるか? 梨花(シエスタ): みー? ヱリカ: なんですか、お前は!我が主のお耳に、そんな、あっ、あぁっ!い、息を吹き込むなんて……! 梨花(シエスタ): ……本当にそれでいいのですか? 圭一(私服): あぁ。 ヱリカ: この下郎! 今すぐその口を縫い付けて……! 梨花(シエスタ): ……ふ、古戸ヱリカ! ヱリカ: はいっ! 梨花(シエスタ): よくぞ私の嘘を見破りました。褒めてあげるのです。私は、お前に命令を下すためにやってきたのですよ。 ヱリカ: ほ、褒め……あ、あぁ!あ、ありがたき幸せ……! ヱリカ: え? 命令、ですか? 梨花(シエスタ): はい……そ、そうです。あなたにはこれから……。 梨花(シエスタ): 旅館の従業員として働いてもらうのです! ヱリカ: えっ……なんです? 旅館、の……従業員? 梨花(シエスタ): 嫌なのですか。ボクの命令が聞けないと言うのですね。 梨花(シエスタ): だったら1人で帰っちゃえばいいのですよ。ぷぃっ。 ヱリカ: そ、そのようなことはございません! 梨花(シエスタ): では、命令なのです。一生懸命働くのですよ! ヱリカ: はいっ、我が主!! ヱリカ: うぉおおおおお!! 魅音(私服): ……すごいね。あの人、何人分の布団を一気に運んでいるのさ? レナ(私服): はぅ……たぶん、5人分はあるよね。しかもあんなにかぁいい格好で……。 菜央(私服): 動きづらくないのかしら。 沙都子(私服): 着替えとかなかったんですの? 詩音(私服): 一応渡そうとしたんですけど、「我が主の前で失礼な格好なんてできない」の一点張りでして……。 梨花(シエスタ): もたもたしたらお仕置きなのですよ! ヱリカ: はいっ、今すぐ!! 一穂(私服): あ、またスピードアップした。 沙都子(私服): 梨花、あの人を使いこなしてきてますわね……。 美雪(私服): 梨花ちゃん、大丈夫? 梨花(シエスタ): は、はいなのです……。 梨花(シエスタ): でも、何もしていないのにとっても疲れてきたのですよ。 美雪(私服): 気疲れだよ……おつかれさん。あとで肩もみしてあげるね。 赤坂: やぁ、なんだか賑やかだね。 梨花(シエスタ): あ、赤坂……?! 美雪(私服): えっ……な、なんでここに? 赤坂: 瓦礫の撤去作業を少し手伝ってきたんだ。ここで皆がお手伝いしてるって聞いてね。 赤坂: おや、梨花ちゃん。どうしたんだい、またその格好をして。 梨花(シエスタ): みー……恥ずかしいのであまりじっくり見ないでほしいのですよ。 美雪(私服): おと……あ、赤坂さん? 赤坂: い、いやそんなふうに見ていないよ!ただ……可愛いなと思って。 赤坂: それに、警察の音楽隊の服みたいだね。よく似合っていると思うよ。 梨花(シエスタ): あ、ありがとうなのです……。 ヱリカ: な、なぁああぁああああああっ?! 赤坂: な、なんだ?! ヱリカ: 我が主、なんですかその男は!敵ですか暴漢ですか不審者ですか?! ヱリカ: ご安心下さい、このような輩我が主のお手を煩わせるまでもありません! ヱリカ: 即刻首を跳ね落としてやりますッッ! 赤坂: えっ? えっ? 美雪(私服): ちょっ、ちょっとちょっとぉ!! 梨花(シエスタ): みー! こ、この人は違うのですー!! 羽入(私服): あ、あぅあぅあぅ……。 魅音(私服): たまにトラブって、手が止まったりはするけど……現状あの人だけで、10人分以上は働いてくれているんだよね。 圭一(私服): ご主人様になりきって命令したら聞いてくれるんじゃないか、って戦人の作戦、すげぇ有効だったな。 戦人: 台詞を考えたのは、圭一だろ?言葉運びがよかったんだと思うぜ。 レナ(私服): はぅ……でも、すごい効果だね。 戦人: あいつには、これが効くんじゃないかって思ったんだ……本当に、なんとなくだけどな。 沙都子(私服): いや、たしかに効いてはおりますが……。 沙都子(私服): いつ、本当のことをバラせばいいんですの?梨花があの人のご主人ではない、と。 菜央(私服): もうバラさないほうが平和なんじゃない? 詩音(私服): でもそうしたら、あの人ずっと梨花ちゃまの隣に居座り続けると思いますよ? 沙都子(私服): そ、それはごめんこうむりますわ! 沙都子(私服): あんなやかましい人がおはようからおやすみまで一緒なんて、心が休まりませんわー! 一穂(私服): うん、あれは嫌だよね……。 レナ(私服): 気持ちはわかるよ、沙都子ちゃん。でも……はぅ……。 圭一(私服): どうやって帰ってもらう? 戦人: ……どうしよう? 羽入(私服): が、頑張れ梨花ーっ!僕は応援してるのですよー!! 梨花(シエスタ): ……ヱリカ。 ヱリカ: はいなんでしょう、我が主?! 梨花(シエスタ): 今夜はキムチが食べたい気分なのです。とびっきり辛いのを用意するのですよ。 ヱリカ: はい! 必ずや最高に辛いキムチを献上させていただきます!! 羽入(私服): ど、どうしてなのですか~~?!