「くそっ!」
そう叫びつつ、ランドリークローゼットへ叩き込んだ。リョーコの前へ現れたクローゼットケースのガウンを取る事もなく、彼女は全裸のまま一番奥にある、六畳はありそうな大きなベッドへ倒れ込んだ。
「……ふう……」
と、大きく息を吐いた。締め付けていた服を脱ぎ、一番安らげるベッドに寝ころんだリョーコは、少しだけ気分が落ち着いた。そしてボンヤリと、眼前の大きな出窓に飾ってある、クルーやその家族、リョーコの知り合い達と撮った写真を眺めた。
「…………山田、西南」
リョーコはふと、その中の一枚に目を留め、それを凝視したまま、動物のように四つん這いで出窓に近付いた。それは以前、アカデミーに来る途中の西南やアラン達と写した、あの集合写真だった。異様なまでにはしゃぐクルー達に混じって、居心地悪そうにしている西南と、彼を見ながら苦笑してるリョーコ。
「……あっ」
その時リョーコは、そこに飾られている写真の中で、西南との写真が一番、自分の感情を表に出して、自然な表情をしているのに気付いたのだった。艦長となり、多くの守らなければならない存在を持ち、リョーコはいつもプレッシャーと戦ってきたのだ。
と、見つめる西南の姿がみるみる滲み始める。
パタン───リョーコは西南との写真を伏せると、ベッドに顔を埋めて泣き出した。
「うっ、うぁっ……ううう……」
その涙の意味が、今のリョーコにはよく分からなかった。