3「憂鬱」
その日、リョーコ・バルタの海賊艦はアカデミーからそう遠くない宙域にある、民間の整備ドックで定期整備を行っていた。
鉄道にそれぞれに駅があるように、宇宙航路にも無数の中継地点がある。そして急行や快速、そして各駅停車をする列車があるように、ここはメイン航路上にあるとはいえ、GPや大手の定期便は素通りしてしまう小さな中継地点であった。
「艦長、整備は予定時刻に終了を……」
艦長室に入って来た副長は、それだけ言うと、難しそうな表情をしているリョーコに気付き、報告を止めた。
「どうされました?」
「……えっ? ああ、例の新型艦について考えていたところなの」
「先日、スパイから情報が来た、山田西南が艦長をしてる艦の事ですね」
「ええ」