終章 残虐すぎる異世界で
ネフィラは今、最高の気分だった。スズキの行動には終始ハラハラさせられたが結果、ザビエストを倒して魔王軍を救った。あの女神像を純然たる攻撃力だけで倒そうとするなら、集結した魔王軍の殆どは戦死していただろう。いや、果たしてそれでも倒せたかどうか。
(なのにスズキは! もう可愛いし、強いし、最高なんだから!)
帰ったら抱きしめてヨシヨシしてチューして……ネフィラがそんな妄想に浸っていると、突然、辺りが騒然とし始めた。ザビエストの笑い声がネフィラの耳に届く。隣でキルが呆れ顔を見せた。
「何なんすかね、アレ。あんな状態で往生際の悪い」
ザビエストは屈強な魔物に押さえつけられながらも、スズキを睨んでいる。
「舐めてんじゃねえぞ。こんなんで終わらせるかよ。ハルトライン伝説なんか存在しねー。現実はおとぎ話じゃねーんだ……」
スズキは、ザビエストに怯えるエクセラの肩を守るように抱いていた。
「俺は舐められるのが大嫌れえなんだよ! 死ぬより、ずっとな!」
凶気に満ちたザビエストの目を見て、ネフィラは直感する。
「おい! 何かしようとしているぞ! 奴の口を塞げ!」
ネフィラは叫ぶが、取り押さえているサイクロプスが吞気な声を返す。
「大丈夫ですよ。魔法封印の鎖で縛ってますから」
「愚か者! 天力は魔法ではない!」
ネフィラが叱りつけるのとほぼ同時に、ザビエストの口が開かれる。
「福音……『
チッとネフィラは舌打ちする。ザビエストは激しく吐血しながら満足そうに笑った。
「お、思い知れ……テメーは救世主でも勇者でも英雄でもねー……ただの無力なクソガキだ」
邪悪なオーラが、ぶわっと大きくザビエストの体から発散されて、スズキに向かったのをネフィラは視認した。
(い、いけない! スズキっ!)
「カカカ……ブッ殺されろ……絶望に……よ……」
ザビエストは、がくりと頭を垂れた。今まで取り押さえていたサイクロプスが驚きの声を上げる。
「な!? し、死にました……!!」
「バカな!! 死んだだと!?」
ネフィラは叫び、即座に頭を巡らせ考える。
(一体、何をしたの!? 自らの生命力全てを費やす程に強大な天力で!!)
魔法に於いても自己犠牲は禁呪とされ、その者の最大魔力を超える力を発揮する。それはおそらく天力も同様であろう。
金色の女神像出現以上の惨事を予感して、ネフィラは呼吸を荒くする。
だが──何も起こらない。辺りはしばし沈黙に包まれた。
「……あれ。何だコイツ」
ふと。一体の魔物がスズキを見て呟いた。
「ただの人間じゃねえかよ」
前線にいた魔王軍の視線がスズキに集中していた。今の今まで反逆者を倒したスズキを祝い、喜んでいた者達である。彼らが皆、スズキを激しく睨み付けている。
「どうして俺ら、こんな奴と一緒に喜んでたんだ?」
(え……? スズ……キ……?)
ネフィラもまたスズキを凝視する。いつものような心ときめく感じがしない。それどころか、腹の底から憎しみが湧き上がってくる。当然だ。人間は魔物にとって忌むべき存在。単なる肉の塊なのだから。
ちっぽけで何の魅力もない人間の少年を認識した瞬間、ネフィラの心がガラス細工のように砕け散る。
「わ、私は……今まで一体、何をしていた……!?」
震える声で呟く。近くにいたキルが怒りで顔を紅潮させていた。
「こ、コイツはただの人間だ! この野郎!
キルの言葉に、スズキと仲の良かった
「魅了系のスキルか!」
「人間め!
ネフィラはもう一度、スズキを見る。ザビエストを倒した時の雄々しさは何処へやら、スズキは哀れな表情を浮かべていた。
咄嗟にアイナがスズキを守ろうと間に入ろうとするが、魔王軍の魔物に弾き飛ばされる。くずおれるアイナに駆け寄ったエクセラを魔物達が睨む。
「コイツらもスズキの仲間だ!」
「殺せ、殺せ!」
殺気に満ちた状況の中。ネフィラは巨大水晶に映るセルフィアノに視線を向ける。セルフィアノの顔は蒼白だった。
『な、な、何ということでしょう……! わ、私の第三の目まで欺くとは……!』
そして絞り出すような声で号令を発する。
『魔王軍にとって、真の敵は天力のザビエストではありません!! そこにいるスズキです!! 今すぐ始末するのです!!』
セルフィアノの指示に魔王軍全体が沸き立った。
「コイツら全員、皆殺しだ!!」
「俺が殺してやる!!」
魔物達の殺意を一身に浴び、スズキは怯えながらも、エクセラとアイナをかばうように両手を広げる。
「ぜ、全部、俺が一人でやったことなんだ! エクセラ達は関係ない!」
一体の魔物がスズキに飛び掛かろうとする寸前。ネフィラが雷槍ブリッツベルグをぶんと振る。身を切り裂くような風音に、辺りは一気に静まり返った。
ネフィラの気持ちを代弁するようにキルが叫ぶ。
「お前らはすっこんでろ! 一番腹が立ってんのは
ネフィラは、キルの言葉に頷く。そう、その通り。今の今まで、ゴミのような人間の術中に、我が隊はまんまと
(許せぬ! 人間如きが!)
ネフィラが怒りに任せてブリッツベルグを地に突き刺す。激しい地割れを起こした後、ネフィラは素手のままでスズキに近付いて行く。
スズキを見て、沸き上がるのは嫌悪と憎悪。もはや可愛いなどとは
「ソイツを殺せええええええ!!」
「首を捻り、内臓を引きちぎれえええええええええ!!」
「勇者様ぁっ!!」
「ご、ごめん。やるだけやったけど……ここまでみたいだ……」
その情けないスズキの姿に、ネフィラのはらわたは煮えくり返る。
(こ、こんなゴミクズを、私は隊長補佐に!)
自分の愚かさに、ネフィラは体中を搔きむしりたくなる。
(出会った時から、コイツはずっと私を欺いていた! あの時も! 今この時までも!)
スズキと恋仲になろうと迫った時のことを思い出し、ネフィラの怒りは沸点に達した。
こ、こ、殺す!! 絶対に殺す!! 体中の骨をへし折り、苦痛の限りを与えて殺す!
ネフィラの腕にビキビキと血管が浮き出るのを見て、スズキが懇願する。
「お願いだ! 俺はいい! エクセラとアイナは殺さないでくれ!」
(またコイツは、そんな甘っちょろいことを!)
『ネフィラは人間を殺さないでくれ』──いつかの時もコイツは私にそう言った! そうだ! コイツは、いつもそうだ!
不意に、ネフィラは疑問を感じる。魔力や物理攻撃力をものともしない、この無敵のスキルがあれば、参謀のセルフィアノすら暗殺することができたろう。
(なのに……何故だ?)
走馬灯のようにスズキと過ごした日々が蘇る。スズキとの買い物。スズキとの食事。スズキとの添い寝。コイツはいつでも私の寝首をかけた。私達を殺せた。それでもコイツはそれをしなかった。何故か──。
『共存できる筈なんだ!』
魔王軍決起会でのスズキの言葉を思い出す。共存──そうだ。コイツはいつも我々との共存を願っていた。魔族を滅ぼすのではなく、人類と共に生きることを求めていた。だから救世十字軍が攻めてきた時も人間側に加わらなかった。同じ人間であるマーグリットにも
『この世界は俺が救う!』
同様に、人間の命を利用して魔物を滅ぼそうとするザビエストに対しても信念を貫いた。
(同胞がゴミのように我ら魔族に殺される残虐すぎる世界で、それでもコイツは……)
ネフィラの心の中で僅かな迷いが生じる。だが、周囲の魔物からは「殺せ! 殺せ!」と大合唱が起きていた。巨大水晶のセルフィアノが急かす。
『早く! 早く殺すのです! その人間こそ、大いなる災厄! スズキの能力が消失している間に急いで殺すので
す!』
(当然だ! どんな理由があっても許す訳にはいかぬ!)
ネフィラはスズキに近寄り、両腕を胴体に回した。
「いけ! そのまま捻り潰せ!」
「ひゃはは! 内臓をブチまけさせろ!」
悪魔達が笑いながら叫ぶ。ネフィラの腕の中でスズキは震えていた。もはや死を覚悟しているのだろう。ネフィラがスズキの耳元で囁くように尋ねる。
「最後に言いたいことはあるか?」
「ネフィラ。騙して、ごめん……」
スズキは目に涙を浮かべて微笑んだ。魅了のスキルを失った今、それは哀れで愚かな人間の死ぬ間際の笑顔だった。
「……そうか」
呟いて、ネフィラはスズキを抱く両腕に力を入れる。
魔物達はスズキがネフィラに内臓を潰されて血を吐き、のたうち回るシーンを心待ちにしていた。
だが……十秒……二十秒……。いつまで経ってもその時は訪れなかった。
魔物達がざわつき始める。スズキもまた不思議そうに、ネフィラの大きな胸から顔を見上げた。
「ど、どうして? ネフィラ……?」
ネフィラは我が子にするように、スズキを優しく抱きしめていた。震えるスズキの頰にネフィラの指が触れる。
「スズキ。お前は可愛い」
巨大水晶から、セルフィアノの驚愕の声が響き渡った。
『な、なぜ!? 呪縛は解けている筈なのに!?』
天才セルフィアノにも自分の心の内は読めないようだ──そう思い、ネフィラはほくそ笑む。
(まぁ、そりゃそうでしょうね。私自身にもよく分からないのだから)
ネフィラの胸で、スズキはしゃくり上げるようにして泣いていた。
「ありがとう……ネフィラ……ありがとう……!」
ネフィラは少し照れくさくなって、スズキの髪を手でクシャクシャにした後、突き返すように軽く押した。その刹那、セルフィアノの怒声の如き指令が轟く。

『えぇい!! 誰でも構いません!! スズキを殺すのでーす!!』
「どけ! 俺が代わりに殺してやる!」
そう言って、スズキに向かってきた悪魔をネフィラは蹴り飛ばす。そして隊長の威厳を全面に出し、
「何をしている!! スズキを守れ!!」
キルも、
「何度も言わせるな、
「あ……! う、うっす!」
キルがハッと気付いたように、大きく頷いた。そしてスズキのもとに大鎌を持って駆けつける。それを見た他の魔物もブツブツ言いながら、スズキの周りに集まり始めた。
「うーん。いいのかよ、コレ?」
「ま、ネフィラ様の命令だからな」
キルがスズキの近くでフンと鼻を鳴らす。
「何だかんだで付き合い長いもんな。騙してたのは許してやるよ」
「キル……ありがとう……」
スズキは赤い目を擦りながら言う。そんなスズキの元に、よたよたと近付く人影があった。
「ぎげげ。す、スズキは、わ、私の大事な人形だからね……」
不死船団団長ヂュマもまた、スズキを守るように歩み寄る。更に、右サイドからスズキを狙って突進してきた魔物を、獅子の獣人がタックルで弾き飛ばす。
「それに、俺の生徒でもある」
現れたヂュマとレオスを見て、スズキは治まっていた涙をまた流し始めた。
「ヂュマ……! レオス先生……!」
徐々にスズキの周りに集結してくる不死船団のアンデッドに、獣王鬼団の獣人達。巨大水晶に映るセルフィアノは、頰をヒクヒクと痙攣させていた。
『あ、相手はゴミでクズで、しかも私達を騙していた人間ですよ? なのに、
ザビエストに見せた以上の怒髪天を衝く悪魔の形相で、セルフィアノは絶叫する。
『魔王様に盾突く愚か者共が!! スズキもろとも叩き潰してくれる!!』
◇
「スズキ、会いたかったよー! もー! 私だけ仲間はずれなんだもんー!」
「ごめん、メル。でも、お陰で助かったよ」
「ウロウグルだって
「ま、マジか! 後で会いに行ってやらなきゃな!」
すると、
「しっかし、メルやウロウグルにも見せたかったぜ! スズキがザビエストって反逆者をたった一人で片付けたんだ! ねっ、ネフィラ様!」
「うむ! 隊長補佐に相応しき働きであった!」
固い口調のネフィラだが、その顔は今にも笑みがこぼれそうだ。キルがあの時を回想するように遠い目をする。
「ホント、あの場にいた全員が大喜びだったよなー!」
ぎくりとして、
ネフィラが歩んできて、猫の首を持つようにしてメルを
「いつまで抱きついている? スズキから離れろ」
「これくらい、いいじゃないですかー。ご褒美ですよー」
「私はそんな褒美をくれてやった覚えはない!」
そんな両者の様子を見て、キルも鳥頭のフォルスも笑う。
魔物達と一緒に笑い合いながら、
(ホント、あの時は死んだかと思った……)
『スズキもろとも叩き潰してくれる!!』
ミレミア平原に木霊するセルフィアノの声。
魔物同士の殺し合いが今まさに始まる寸前──前衛に立つ
「……あれ? 俺ら、何やってたんだっけ?」
いつしか辺りには吞気な気配が満ちていた。魔王軍の魔物達も、ほんわかした顔で言う。
「えーっと。確か、スズキが……」
「ん? スズキが何だっけ?」
全ての魔物が皆一斉に
「「「やっぱりスズキは可愛いなあ!!」」」
両軍の魔物は鼻の下を伸ばしてそう言った。
(こ、これは!? もしかして福音の効果が切れたのか!?)
「うっ!」
思わず口に手を当てた。ザビエストは放置されたまま数年経過したような白骨死体になっていた。着ていた真新しい司祭服だけが骨に被さるようにして残されている。
「……ふわーあ」
ネフィラは今さっき目覚めたかのように、大きな欠伸をしていた。
(よ、よかった! 俺のスキルが戻ったんだ!)
「……ふぁふ」
あの時と同じように、ネフィラが大欠伸をする。そして目を擦りながら言う。
「何だか疲れたな」
「そりゃそうっすよ。色々ありましたもんね」
「私は少し休むことにする」
キルにそう言って、自室に戻ろうとするネフィラの後ろ姿を眺めながら
あの時──ザビエストの天力によって、
「ネフィラ。本当にありがとう」
「あん? 何の話だ?」
少し顔を赤らめて振り返ったネフィラに近付くと、
「疲れたよね。肩でも
「そ、そうか! よし! なら頼む!」
「ど、どう? このくらいの力で良い?」
「アッ、アンッ! も、もっと! もっと強くゥ! アアアアアァンッ!」
「いや、ちょっと!? 変な声、出さないでくれる!?」
誤解されていないだろうかと、
◇
エクセラは
アイナは少し切なげに、夕日に照らされたサイネス城を振り返る。
「人間は成長する。そして魔物もまた成長するのね」
静かにそう語るアイナも、エクセラが初めて会った時より大人びて見えた。
「人間と魔物との共存──今なら満更、夢物語ではないと信じられる。そして私もスズキと同じように、その理想を実現したいと思うわ」
「アイナさんは、これから?」
「しばらくこの町に滞在させて貰うわ。私はリールー様からスズキの護衛を任されているし」
エクセラは歩きながら、くすりと笑う。
「……何よ?」
「勇者様の周りには、いつの間にかどんどん味方が増えていくのです。私はそれが嬉しくて」
「ふーん。そう」と何気なく呟いた後で、アイナは顔を
「わ、私は別に、異性としてスズキに興味がある訳じゃないからねっ!」
「それは『
「バカ! 違うわよ! スズキは単なる護衛の対象! それだけだから!」
「なら良かったです」
「よ、良かった? 良かったって……アナタまさか、スズキのこと……?」
「あっ。そろそろスズキーランドが見えてきましたよ。好きなだけ滞在してください。勇者様もその方が喜ばれます」
エクセラは微笑みながら、アイナに言った。
アイナをスズキーランドに案内した後、エクセラは思うところがあって再び一人で城に戻った。
やはり、自分の口から直接ネフィラに伝えておこうと思ったからだ。
護衛のスケルトン兵にネフィラに会いたい旨を伝える。思ったよりも早く、エクセラは元王妃の間まで通された。
「ネフィラ様。スズキの奴隷が面会したいと……」
「エクセラか。良い。通せ」
自室に招き入れると、ネフィラは扉前で槍を持つスケルトン兵をシッシッと手で追い払う。
二人きりになった後、ネフィラは普段通り、椅子にふんぞり返り、威厳ある態度で言う。
「私に何の用だ?」
エクセラは身なりを正し、ネフィラに一礼した。そして真剣な表情でネフィラを見据える。
「ネフィラ様。正直に言います。私は今までアナタをずっと憎んでおりました。レイルーン国にサイネス城──私から全てを奪ったアナタのことを」
「フン。今更、謝罪でもしろと言うのか?」
ネフィラから凄まじい圧力をエクセラは感じる。勇者と応対する時には、絶対に見せない気配と態度。それでもエクセラに恐怖はなかった。ネフィラの目を見たまま、キッパリと言う。
「そしてネフィラ様はこの上、勇者様までも私から奪おうとされています」
「は、はぁっ!? そ、そ、それは一体どういう意味よっ!?」
急に威厳が無くなり、慌てふためくネフィラ。エクセラは少し意地悪く片方の口角を上げる。
「隠さなくても良いんですよ。ネフィラ様が勇者様のことを好きなのは分かってますから」
「わ、私は、べ、べ、別に!」
「勇者様を見るネフィラ様の目は、恋する女性の目です。魔物の皆さんは気付かれなくても、私には一目瞭然です」
羞恥に顔を染め、呼吸を荒くするネフィラに、エクセラはそのまま話を続ける。
「船じゃあ、色気を全面に押し出して勇者様に迫って。あれで気が無いというのは、あまりに無理がありますよ」
「な、何よ、アンタはァ!! わざわざ、そんなこと言いに来たの!?」
「いいえ」
エクセラは首を横に振った。そして本当にネフィラに言いたかったことを告げる。
「私は感動したのです。種族の壁すら超えた、あの時のネフィラ様のお気持ちに」
ザビエストの福音により、可愛さのスキルを失った勇者に対する抱擁。それはエクセラにとって、ありえない出来事だった。
エクセラは感動し、また、それと同時に嫉妬を感じた。あの時の勇者とネフィラが、相思相愛で抱き合う恋人同士に思えたからだ。
ネフィラはいつしか動揺が治まったようで、いつもの口調に戻っていた。
「感動だと? エクセラ。私は貴様が何を言っているのかよく分からん」
エクセラは寂しい気持ちを振り払いながら、元気よく言う。
「ネフィラ様! 私、負けませんからね!」
「本当に全く意味が分からん」
「言いたいことはそれだけです。失礼致しました」
会釈して立ち去ろうとすると「待て」とネフィラが言った。流石に無礼が過ぎたかしらと緊張していると、ネフィラは当然のように言う。
「飯の時間だ。お前も来い。一緒に食うぞ」
「は、はい!」
エクセラは満面の笑みで、ネフィラに返事をした。