Part 01: 孫策: へぇ~、ここがみんなの学校なんだ。校舎自体はちょっと小さいかもだけど、グラウンドが広いのは羨ましいな。 美雪(私服): 冬になると雪が結構積もるから、体育の時間や放課後には雪合戦とかもやったりするんですよ。去年の冬は、警察チームとも戦ったりしました。 呂蒙: ほぅ……つまり、尊大に振舞う国家権力の犬どもをどさくさ紛れに叩きのめすことも可能というわけか。機会があれば、一度参加してみたいものだ。 一穂(私服): あ、あの……あくまで親睦を深めることが目的のイベントなので、あまりやりすぎるのはさすがにちょっと……。 一穂(私服): (というか、この「世界」の美雪ちゃんたちは警察と雪合戦なんてやってたんだ……すごいなぁ) レナ(大学生私服): あははは、懐かしいなぁ。あの時は菜央ちゃんって、まだ1年生だったもんね。 菜央(私服): うん。みんなから狙われてたあたしを守ってばったばったと相手を倒していくレナちゃんの姿、とってもかっこよかったわ~。 美雪(私服): おーい、私も一緒にキミを守ってあげてたことはお忘れかい? 薄情だなぁ。 菜央(私服): もちろん覚えてるわよ。背後から奇襲攻撃を食らった後、「反則だー!」って半べそかきながら食い下がってたこともね。 美雪(私服): いや、あれは絶対おかしいって……。小学生相手でも容赦なしだもんなぁ、あの人たちはさ。 一穂(私服): …………。 一穂(私服): (美雪ちゃんたちは、#p雛見沢#sひなみざわ#rでかなり長い期間を過ごしてきたみたいだ。つまり私も、2人のようにこの「世界」では何年もここに居続けてきた……) 一穂(私服): (……だとしたら私たちはどのタイミングで、どういう経緯でこの村に来たんだろう?やっぱり、#p田村媛#sたむらひめ#rさまが力を貸してくれたのかな……?) 美雪(私服): ? どうしたの一穂、ぼぉっとしちゃってさ。 一穂(私服): ……あ、ううん。なんでもない。 趙雲: それはそうと、教室らしきところはひとつしか見当たりませんでしたが……もしかして、違う学年の子たちが一緒に学んでいるのでしょうか? 沙都子(高校生私服): えぇ、その通りですわ。小学生も中学生も、この教室でそれぞれの勉強を自習主体で行っておりましたのよ。 梨花(高校生私服): わからないところは、教えてもらったりしてね。圭一やレナには、本当にお世話になったわ。 魅音(大学生私服): ……おーい梨花ちゃんたち、誰かひとり忘れていませんかねー? 沙都子(高校生私服): ちゃんと覚えておりましてよ。ただ、魅音さんは毎回ほとんどスルーパスで圭一さんとレナさんに丸投げでしたわ。 魅音(大学生私服): えー、そんなことないでしょ?体育だとか家庭科だとかで、しっかりみっちり教えてあげたじゃんか。 美雪(私服): んー……その2つって、受験勉強の役に立つの? 菜央(私服): 内申点には影響があるんじゃない?あたしは受験がまだだから、よく知らないけど。 孫策: あっはははは! 話を聞いてるだけでもなんか面白そうな学園生活だったんだね~! レナ(大学生私服): うんうん、すっごく楽しかったんだよ~♪放課後は毎日、みんなで部活をやったりしてね。 孫策: へー、部活? ちなみに何部だったの? レナ(大学生私服): ううん、「クラブ活動」じゃなくて「部活」。学校でよくあるものとは、ちょっと違うの。 孫策: ちょっと違うって……どういうこと? 一穂(私服): えっと、何と説明すればいいのか……。 魅音(大学生私服): まぁ、論より証拠。実際にやってみせたほうがいいんじゃない? レナ(大学生私服): はぅ~、そうだねっ。せっかくみんな集まったことだし、久しぶりに全員参加でやってみよう! レナ(大学生私服): あっははははは、待てまてーっ!! 呂蒙: どんな内容かと思ったが……あれは鬼ごっこ、か? 趙雲: ですね。私の目にも、そのように見えます。 孫策: うーん……でもみんな、すごく真剣だよね。楽しいって感じじゃなくて、どちらかといえば……。 美雪(私服): ……というわけでみんな、捕まったら罰ゲームだよ! 菜央(私服): もちろんわかってるわ!レナちゃんにだったら捕まってもOKだけど、その後の罰ゲームは真っ平ごめんだもの! レナ(大学生私服): あはははは、逃げたって無駄だよ~!もう追いついちゃうからね、一穂ちゃん! 一穂(私服): ひっ……もう、ダメかも……ッ! 沙都子(高校生私服): 一穂さん、諦めるのは早いですわ!……レナさん、とりましたわッ! レナ(大学生私服): はぅっ……? 呂蒙: な……ッ?どうして学校のグラウンドに、あんなトラップが!? 趙雲: 見事です……私も全く気がつきませんでした。なんと巧妙な仕掛けを……。 レナ(大学生私服): あっははははは、なかなかやるね!……と言いたいところだけど、残念ながら甘いのは沙都子ちゃんだよ! 梨花(高校生私服): って、跳んだ……?! 沙都子(高校生私服): なッ……?私の渾身のトラップを、あんなに軽々と?! 孫策: 速い……ものすごい反射神経と身のこなしだねっ!いったい、レナっちって何者なの!? 呂蒙: いや……あいつだけじゃない。他の連中も、負けず劣らずやるようだ。 レナ(大学生私服): ……魅ぃちゃん、とったあっ! 魅音(大学生私服): くっくっくっ……誰がとられたって?! レナ(大学生私服): はぅうぅぅっ? あ、足払いっ?! 魅音(大学生私服): 隙ありだよ……レナ、もらった! レナ(大学生私服): さっすが、魅ぃちゃんだね!でも、レナだって……!! 趙雲: 足払いに受け身……そして、体術で反撃?一瞬であれだけの動きをしてみせるとは……! 梨花(高校生私服): くすくす……当然よ。私たちの部活は、基本なんでもあり。つまり……! 沙都子(高校生私服): 負けることがあればすなわち、自らの器量不足。つまり命がけで鍛えて備えてこそ、でしてよ~! 孫策: 命がけの鬼ごっこ……すっごく楽しそう! 呂蒙: ……本気で言ってるのか、孫策?目を開けたまま居眠りしてバカをほざくようなら、氷水ぶっかけてその場にはっ倒すぞ。 孫策: 失礼な、ちゃんと起きてるよ!それに、誰かにバカっていう人は自分がバカなんだからッ!! 呂蒙: ……すまんな。バカに何を言われても一向に堪えん。 孫策: きいいいぃぃぃいぃぃっっ!!! レナ(大学生私服): さぁ、ここからはレナのターンだよー!! 一穂(私服): はぁ、はぁ……もう、ダメ……。 レナ(大学生私服): じゃあ、レナの勝ちだね~。 美雪(私服): 久しぶりだっていうのに……やりますね、レナさん。やっぱり私たちはまだまだ、って感じですよ。 菜央(私服): さすがレナちゃん♪ レナ(大学生私服): はぅ……久しぶりだったから、ちょっとだけ熱が入って本気になっちゃったよ~。 沙都子(高校生私服): 確かに。私も柄にもなく盛り上がってしまいましてよ。そもそもルチーアでは、こんな遊びはできませんしね。 梨花(高校生私服): くす……そうね。ルチーアでこんなことをしたら、即反省室行きだもの。 一穂(私服): でもみんな……すごすぎるって。私なんて、全然ダメ……。 孫策: うーん、みんな大したもんだね~。あたしたちが戦ってきた闘士たちと比べても、劣らずとも勝るって感じ……? 呂蒙: ……おい、言葉が入れ替わってるぞ。それを言うなら「勝るとも劣らず」だろうが。 呂蒙: とはいえ、認めるのは癪だが……私も同感だ。 趙雲: えぇ。これだけの手練れが揃えば、一大勢力を築くことも可能でしょうね。 趙雲: もっとも、一般の学生の方々がどうしてこれほど手練れ揃いなのか、その点については疑問は残りますが……。 孫策: 世の中広いってことだよ!上には上がいるって本当だったんだね! レナ(大学生私服): あははは、そんなことないよ。本気でやれば、さすがに孫策さんたちにはかなわないと思うしね。 孫策: そんなことないよー!うーん、今のレナっちを見てるとなんだかあたし……。 レナ(大学生私服): はぅ……孫策さん、どうしたのかな……かな? 孫策: 全力で、戦ってみたくなっちゃったよー! レナ(大学生私服): えっ……?! 孫策: というわけでレナっち、あたしと勝負しよう!! Part 02: レナ(大学生私服): はぅ……レナと、勝負?それってどんな内容で戦うのかな、かな? 孫策: もちろん、この拳を使っての一騎打ち!あ、もちろん足技や頭突きもありですよ♪ レナ(大学生私服): そ、それって喧嘩ってこと……?はぅぅ、レナには無理だよ~! 呂蒙: おい……何を言い出してるんだ、孫策?腕は立つと言っても、一般の学生だぞ! 趙雲: ……そうですね。私たちの基準でまともにやりあえば、大変なことになってしまいます。 魅音(大学生私服): そ……そうですよ!確かに部活は真剣勝負がモットーですけど、暴力沙汰での対決は、ちょっと……。 孫策: 大丈夫だよ~。レナっちとだったらきっといい感じに戦えると思うから、ねっ? 梨花(高校生私服): まぁ……レナの戦闘力は、私たちの中でも突出しているのは確かだけどね。 呂蒙: だからといって、限度というものがあるぞ。……そもそも、昨日の暴走ぶりを見せつけた後で勝負を持ち掛けるなんて、お前は正気か? 孫策: えー? あたし、昨日ってそんなにひどかった? 一穂(私服): は、はい……。それはもう鬼のようで……って、ご、ごめんなさいっ。 呂蒙: ……いや、鬼などまだ生やさしい表現だ。あれはそれ以上のものとしか言いようがない。 梨花(高校生私服): まぁ……暴走と言えば、レナも以前にあんな感じに大暴れしたことがあったわね。 趙雲: え……レナさんが、孫策さんのように? 沙都子(高校生私服): えぇ。レナさんの暴走ぶりもなかなかすさまじいものがありましてよ。ですわよね、レナさん? レナ(大学生私服): ……………。 一穂(私服): あれ? レナさん? レナ(大学生私服): 嘘だッッッッッッッッッッッ!!! 一穂(私服): ひぇっ?! 趙雲: こ、この闘気は……?! レナ(大学生私服): ……なーんちゃって♪レナはかぁいいもの以外に、本気になったりはしないよ~。はぅっ♪ 魅音(大学生私服): いや……そのかぁいいものに対しての暴走が、一番怖いっていうか最凶なんだけどさ……。 孫策: ビ、ビックリしたぁ……。え? 今のって……冗談だったの? レナ(大学生私服): あはは、冗談に決まっているよ~。 呂蒙: それにしてはすごい迫力だったな。一瞬身構えてしまった……。 趙雲: ……私も刀を抜きかけました。少し、彼女の力を見誤っていたようですね。 孫策: やっぱり、2人もわかった?レナっちには、何か感じるものがあるんだよ。 孫策: じゃあ、勝負がダメなら一緒に特訓しない? 沙都子(高校生私服): 特訓って……どういうものですの? 呂蒙: おい孫策、いい加減にしろ。興味を持たない相手に無理を言って、困らせるんじゃない。 レナ(大学生私服): はぅ……特訓。どんなものか、興味があるよ。 呂蒙: ……は? レナ(大学生私服): だって、もっともっと強くなれば『ツクヤミ』退治にも役に立つよね? 美雪(私服): んー、それは……まぁ、そうかもしれませんが。ただ、孫策さんたちは闘士ってやつなんですよね? 美雪(私服): ちょっと規格外とはいえ、学生のレナさんがその基準で一緒に特訓しても大丈夫なんですか? 孫策: 大丈夫、大丈夫!レナっちならきっと問題ないって。 菜央(私服): 本当に……?レナちゃんが心配かも……かも。 孫策: 危ないことはしないつもりだから、任せて♪ 呂蒙: ……。嫌な予感しかしないんだが……。 孫策: じゃあレナっち、特訓を始めようっ! レナ(一騎当千): よろしくお願いしまーす! 一穂(私服): えっと……私たちも見学していいんですか? 孫策: もちろんだよ~。何なら参加してくれてもいいよっ! 一穂(私服): ご、ごめんなさい……それは遠慮します。 孫策: …………。 一穂(私服): あの……何か? 孫策: ううん、別に。あたしの気のせいだったのかなぁ。 一穂(私服): ……? 菜央(私服): レナちゃん……大丈夫なの?もし危なくなったら、すぐに言ってね。 レナ(一騎当千): そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ところで、特訓ってどんなことをするの?刀とかを使ったりするのかな、かな? 孫策: ううん、まずは基本の拳の動きからね!ちょっと突きをやってみてくれる? レナ(一騎当千): 突きってこうかな……かなッ? 孫策: おー、なかなか!……とは、思うけど。 レナ(一騎当千): あれ、ダメ? 趙雲: ダメというわけではないですが、やはり素人の突き……ですね。 菜央(私服): レナちゃんは素人なんだから、当たり前でしょ。 孫策: う~ん……。 呂蒙: ……孫策、お前は何を期待してるんだ? 孫策: なんていうか……レナちゃんの中にはもっとすごい力が眠ってるような気がするんだよ。 孫策: もっとこう、身体の芯から震えが来るような……! 呂蒙: 闘士でもないただの学生に、そんなことを期待するのが間違ってるだろ。 孫策: うーん、じゃあちょっとアドバイス。レナっち、ちょっと……。 レナ(一騎当千): はぅ……なになに? 菜央(私服): ちょっと、レナちゃんに何を吹き込んでるの?妙なことしたら承知しないんだから! 美雪(私服): みんなも見てるから、大丈夫だって。 レナ(一騎当千): ……これでいいの? 孫策: オッケー♪ 気分はどう? レナ(一騎当千): 別に、何も変わらないけど……。 呂蒙: おい、孫策……いったい何をしたんだ? 孫策: それはね、これ……。 レナ(一騎当千): ……あはははははははは! 一穂(私服): え? レナ(一騎当千): あははははははははは……っ!!! 菜央(私服): レ、レナちゃん? 急にどうしたの? 趙雲: なんですか、これは……急にレナさんの様子が……!? レナ(一騎当千): ……え? あれ?レナ、なんかおかしかった? 一穂(私服): あ、戻った……? 菜央(私服): でも今、急に笑い出して……。 美雪(私服): しかも、やけに不気味な笑い方でしたよ。いったいどうしたんです? レナ(一騎当千): そ、そうなの?はぅ、自分ではわからなかったけど……。 趙雲: 孫策さん、いったいレナさんにどんなアドバイスをしたんですか? 孫策: えっと……アドバイスっていうか、これ。 美雪(私服): ……それって、キノコ? 孫策: そうそう、昨日あたしが食べたやつ。さっき見つけて、採っておいたんだ。 趙雲: あの……昨日、食べたってことは……。 呂蒙: 孫策が暴走した原因の、あのキノコか!? 孫策: あ、ちょっとだよ? ちょっとひと囓りだけ。 孫策: もし昨日、あたしが暴走した原因がこれなんだったら……少しはレナっちにも効くかなぁと思ってね。 菜央(私服): な、なんてものを食べさせてるのよっ!レナちゃん、早く吐き出して! レナ(一騎当千): あはははは、大丈夫だよ~。レナ、おかしくなんてならな……なら、な……。 一穂(私服): あれ、レナさん? レナ(一騎当千): あはははははははははははははははははははははッ!!! 呂蒙: なッッッッッッッ!? 趙雲: な、なんですかこのパワーは……?これは、孫策さんにも匹敵するような……。 孫策: レナっち……す、すごい……!やっぱり、このキノコって効くんだね! 呂蒙: おい、感心してる場合じゃないぞ!どんどんパワーが増してくる……これは……。 孫策: もう勝負するしかないッ! 菜央(私服): じゃなくて! 早くレナちゃんを止めてよ!! Part 03: レナ(一騎当千): あはははははははははははははははははははははっ!!! 菜央(私服): レナちゃん、しっかりして! 孫策: よし! レナっち、今のうちに勝負っ! 菜央(私服): じゃなくて、早く止めてってば! 呂蒙: 止めろと言っても……できるのかこれは? 魅音(大学生私服): 呂蒙さんたちでも、無理ってこと? レナ(一騎当千): あはははは……ッ!はははははははははははははははははッ!!! 趙雲: これは、まるで本気の孫策さんのような……レナさんの中に、こんな力が眠っていたというのですか……? 孫策: やっぱりあたしの見込み通りだったね!レナっちはすごい人だと思ったんだよ! 呂蒙: 威張ってる場合かっ!お前、あの状態になった竜宮レナを傷つけずに取り押さえられるのか!? 孫策: 傷つけずに……? レナ(一騎当千): ふしゅぅ……ふしゅぅ……。 孫策: ……それは難しいかなぁ、あはは。 呂蒙: またいつもの、考えなしの行動ってやつか!? 菜央(私服): ちょっっっっっっと!! 一穂(私服): あ、あの……どうするんです? 趙雲: ……そうですね。孫策さんの時のように、全員で。 孫策: あ、わかった!あたしがもう1回キノコ食べればきっと……! 呂蒙: やめろ!これ以上バケモノを増やすんじゃない! 一穂(私服): ……っ……。 孫策: とにかく、あたしにやらせて!勝負を挑んだのはあたしなんだから! 梨花(高校生私服): ……ちょっと待って。 趙雲: どうかしたのですか? 沙都子(高校生私服): 何かいい方法を思い付いたんですの、梨花? 梨花(高校生私服): いえ、そうじゃなくて……あれを見て。 美雪(私服): あれって……あッ! ツクヤミ: 『ギギギィィイィィィイイィィ……ッ!!』 孫策: っと? な、なにあれ……!? 梨花(高校生私服): 『ツクヤミ』よ……! 呂蒙: は……? なんだあれは!この村には、あんなバケモノが出没するのか? ツクヤミ: 『キィイィィィイイィィィィッ!!』 ツクヤミ: 『キィイィィィイイィィッッッ!!』 趙雲: しかも、結構な数が群れをなしてこっちに迫ってきています……! レナ(一騎当千): ふしゅぅぅぅ……あはは……あはははは……。 レナ(一騎当千): あはははははははははははははははははははははっ!!! ツクヤミ: 『キィイィィィイイィィッッッ!!』 美雪(私服): なんか『ツクヤミ』たち、レナさんの暴走に呼応してるみたいだね……。 菜央(私服): まさか、そんな……? 趙雲: いえ、本当にレナさんの周囲に集まってきているのかもしれません……。 菜央(私服): じゃあ、レナちゃんが危ないじゃない! レナ(一騎当千): あはははははははははははははははははははははっ! 菜央(私服): あっ、レナちゃん! 一穂(私服): 『ツクヤミ』たちに向かってくよ?! レナ(一騎当千): ふしゅぅぅぅぅ……!!! ツクヤミ: 『ギィヤァァァァァアァッッッ!!』 孫策: うわっ……すごい……!レナっち、あんなに大きい『ツクヤミ』ってのを一撃で吹っ飛ばしたよ!? 呂蒙: 内なる攻撃性があちらに向けられたということか……? 菜央(私服): きっと、レナちゃん……みんなを守ろうとしてるのよ。 趙雲: 正気を失っているのに……ですか? 菜央(私服): 正気を失っても、レナちゃんはレナちゃんよ。優しくて思いやりのある……素敵な人なんだから。 一穂(私服): ……うん、そうかも。 孫策: そっか、そういうことならあたしも戦うよ!うおおおおおおおおおおおおおおッ!! 一穂(私服): あ、孫策さん……! ツクヤミ: 『ギィィィィィイ…………ッ?!』 美雪(私服): すごい!あれだけの数の『ツクヤミ』が……ッ?! 梨花(高校生私服): 見ているばかりじゃなくて、私たちも戦いましょう。さっさと片付けないと、村にも被害が出てしまうわ。 沙都子(高校生私服): ですわね……!呂蒙さんたちも、準備はよろしくて? 呂蒙: もちろんだ。……あいつの尻拭いをさせられるのは、腹立たしい感じだがな。 趙雲: ただ……腕試しにはもってこいです。少し、本気を出すとしましょう。 美雪(私服): 気をつけて! 『ツクヤミ』は手強いですよ! 呂蒙: 問題ない。 呂蒙: はあぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!! 一穂(私服): うわっ……呂蒙さんも、すごい!! ツクヤミ: 『ギイイイイイイィィィ……ッ!!』 趙雲: あなた方に恨みはありませんが……。 趙雲: ──ッ……!!降りかかる火の粉は、払わせてもらいます。 一穂(私服): 趙雲さんも、一撃で……! 菜央(私服): レナちゃん、今行くから!! 美雪(私服): 一穂も、しっかりね! 一穂(私服): う、うん……! レナ(一騎当千): あはははははははははははははははははッッ!! 孫策: はぁぁぁあぁぁあぁあぁぁぁぁッ!! ツクヤミ: 『ギィ……ギィィィィイイイィィィイ……ッ!!』 孫策: レナっち、やっぱすごい……!期待通り……ううん、期待以上……!! レナ(一騎当千): ふしゅぅぅぅぅぅぅ……! 孫策: はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!! レナ(一騎当千): ──ッ……!!! ツクヤミ: 『ギイイイイイィィイィィィィイイィィッ?!』 孫策: はぁ、レナっちが無事に戻ってよかったよ~。 呂蒙: ……もとはと言えば孫策、お前のせいだろうが。 美雪(私服): 結局……キノコの効果が切れて元に戻ったってわけだね。 趙雲: おそらくは。まぁ、『ツクヤミ』たちを全て倒してから気を失ったのは、少々タイミングがよすぎた感もありますが。 菜央(私服): あたしたちを守ってくれたのよ。ねえ、レナちゃんっ♪ レナ(一騎当千): うーん、昨日のことは全然覚えてないから……そんなに大暴れだったのかな、かな? 孫策: いやー、すごかったよ!レナっちは、やっぱり只者じゃなかった! 呂蒙: 少しは反省しろ、お前は。 孫策: あはは、ごめんなさい~。 孫策: でもほんと、レナっちは才能があるよ~。あんな力が眠ってるんだもん! 孫策: きっと修行すれば、絶対もっとすごくなるって! レナ(一騎当千): あはは、レナはそこまで強くならなくてもいいかな……かな。みんなを守れるだけの力があれば、それで十分だもの。 孫策: え~、もったいないなぁ。 レナ(一騎当千): 今のままだって、できることはある。レナの大事なものを傷つけようとするものは、たとえどんなものだって……。 レナ(一騎当千): レナが許さないんだからね、はぅはぅっ♪